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第106話 四天王のおしごと
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「あのう、ここが魔王城なのかい?」
「ちょ、違いますよ、なに言うたはるんですか」
「ここはクマモト城だよ」
「話がややこしくなるだろ」
「ここはキゥミュィァマェントゥ王国の王城の一室です。こちらが王太子のモブ様です」
「モョオブォンだ。エドゥオン、わたしのこと忘れてなかったんだね」
「名前は忘れてるみたいだけど」
「そしてトラ様はそのいとこになります」
「え? 王族だったのかい?」
「王の妹姫のヒゥミェリアン様は勇者に降嫁なさってますから厳密には王族を離れてらっしゃいますが、国内外の別の貴族に嫁いだわけではありませんし、勇者自体が特殊な立場なので、民のなかでは聖母と呼ばれ根強い人気がありますね。ですのでトラ様も準王族となります」
「そうなんだ」
「本人が把握してない件」
「爵位とかよくわかんないよね」
「トラ様が社交界デビューする際には間違いなく公爵位が与えられるはずですよ」
「この世界に社交界とかあったんだ」
「サツマはその点単純やな。一応王国やし王はいてはんねやけど貴族は制度上はいてへんからな」
「え? 貴族はいなくなったのかい?」
「あれ? 貴族いなかったっけ?」
「ああなんか燃やされてたやつか」
「いや燃やされそうだったけど辰巳がポイしたやつだよ」
「自称貴族の勘違い犯罪集団は残ってるかしらんけど身分制度はだいぶまえになくなったで」
「へえー歴史に詳しい人がいると助かる」
「歴史っていうか体験しただけだろ」
「四百年前は貴族がいたということですよね?」
「いたわ。本当に面倒なのが」
「殿下は貴族ともめてうちに来たからなあ」
「なんか詳しく聞くとめんどくさそう」
「どうして貴族制度は廃止されたのですか?」
「魔道具師組合の力が強なって特に能のない貴族やったら勝たれへんようになったからちゃうか」
「つまり魔導都市が実効支配してる感じか」
「魔道具師は魔道具のことしか考えてへんから支配ってほどでもないな」
「その魔導都市っていうのはなんだい?」
「魔導学院の周りにできた都市だよ」
「え? 僕らの学校のことかい?」
「せやで。緑の屋根のけったいな塔が建ってんねや」
「まあそれは今度行ってみようか」
「ボヤシボシビンタがびっくりしちゃうよ」
「なんだいその変な名前?」
「やっぱ変なんだ」
「どこが変なのかさえわからん」
「ボケた坊主頭ってことでしょう?」
「それは……そうなんですね」
「サツマの人はあれでちゃんと意味わかってるのか」
「それはそやろ」
「せやで。あんたらわかってへんかったんか」
「桃太郎のくせに生意気な」
「太郎くん、サツマ語はちょっと難しいのよ」
「うん」
「素直で気持ち悪い」
「四天王としてどうなんだ」
「そういえばこれでやっと魔王と四天王がそろったんですね」
「おめでとう」
「ぐるるる」
「いやあ長かったなあ。おおきに」
「龍王さんがいないけどな」
「もう一人の四天王かい? 早く会ってみたいねえ」
「せんせ、もういくらでも時間はありますし慌てへなんでも大丈夫ですえ」
「四天王としてなにをすればいいのかしら?」
「世界征服とかするん?」
「そない面倒なことするかいな」
「魔王城でドラゴンサーカスでもやったら?」
「だれが来るんだよ」
「前回の二の前やな」
「また勇者が来ちゃいますよ」
「勇者は異世界に置いてきたし問題ないな」
「ぐる」
「そだよね」
「ええと、それで、わたしにもみなさんを紹介してくれないかな」
「えっ? モブ? いつからそこに?」
「盗み聞きしてたのか?」
「いや、ずうっと、ここに、いたけれどもね」
「どこまで聞いちゃったんですか?」
「だから全部聞いてたよ」
「たとえば?」
「魔王と四天王がそろって魔王城でなにをするかをわざわざ王城で企んでるとか?」
「全部聞いてる!」
「そりゃそうだ」
「気は進みませんが口封じしますか?」
「オレの出番っすか?」
「ステイ」
「ちょっと待て。そもそも異世界に行くまえから魔王だの四天王だのって話してたじゃないか。君たちが四天王を迎えに行くことなんて最初から知ってたよ。具体的には第七十六話あたりで聞いた」
「バレバレじゃないか」
「コンプライアンス違反」
「ぐる」
「雑談で話したのはよくなかったですね」
「だから軽々しくその話題を口にするなとあれほど」
「でもこれはモブが盗み聞きしてるのがよくない」
「警戒心の隙間に付け込んできますからね」
「エドゥオン、わたしのことそんなふうに思ってたんだね」
「まあ落ち着いて」
「話せばわかる。わからなければ斬る」
「モブはこの秘密に気づいてどうしたの?」
「秘密だったのか? どうどうと話してるからそういうものだと思ってたけど、確かに最初はびっくりした気がするね。王城に魔王が出入りしていてみんなそれを知ってたのかって」
「知ってるのはクマオおじさんとじいちゃんと宰相?と影だっけ?」
「王が把握しているのも知っていたよ。だから特になにもしていないよ。というか普通に同じ部屋にいたから応援していたつもりだよ」
「プロジェクトにいたつもりなのに実はメンバーじゃなかったとかかわいそう」
「いまからでも仲間に入れてあげてもいいですよ」
「だからエドゥオン、なんで微妙に上から目線なんだ」
「とりあえず無害なんすね」
「じゃあ解散するか」
「おつかれー」
「いや紹介してよ」
「ちょ、違いますよ、なに言うたはるんですか」
「ここはクマモト城だよ」
「話がややこしくなるだろ」
「ここはキゥミュィァマェントゥ王国の王城の一室です。こちらが王太子のモブ様です」
「モョオブォンだ。エドゥオン、わたしのこと忘れてなかったんだね」
「名前は忘れてるみたいだけど」
「そしてトラ様はそのいとこになります」
「え? 王族だったのかい?」
「王の妹姫のヒゥミェリアン様は勇者に降嫁なさってますから厳密には王族を離れてらっしゃいますが、国内外の別の貴族に嫁いだわけではありませんし、勇者自体が特殊な立場なので、民のなかでは聖母と呼ばれ根強い人気がありますね。ですのでトラ様も準王族となります」
「そうなんだ」
「本人が把握してない件」
「爵位とかよくわかんないよね」
「トラ様が社交界デビューする際には間違いなく公爵位が与えられるはずですよ」
「この世界に社交界とかあったんだ」
「サツマはその点単純やな。一応王国やし王はいてはんねやけど貴族は制度上はいてへんからな」
「え? 貴族はいなくなったのかい?」
「あれ? 貴族いなかったっけ?」
「ああなんか燃やされてたやつか」
「いや燃やされそうだったけど辰巳がポイしたやつだよ」
「自称貴族の勘違い犯罪集団は残ってるかしらんけど身分制度はだいぶまえになくなったで」
「へえー歴史に詳しい人がいると助かる」
「歴史っていうか体験しただけだろ」
「四百年前は貴族がいたということですよね?」
「いたわ。本当に面倒なのが」
「殿下は貴族ともめてうちに来たからなあ」
「なんか詳しく聞くとめんどくさそう」
「どうして貴族制度は廃止されたのですか?」
「魔道具師組合の力が強なって特に能のない貴族やったら勝たれへんようになったからちゃうか」
「つまり魔導都市が実効支配してる感じか」
「魔道具師は魔道具のことしか考えてへんから支配ってほどでもないな」
「その魔導都市っていうのはなんだい?」
「魔導学院の周りにできた都市だよ」
「え? 僕らの学校のことかい?」
「せやで。緑の屋根のけったいな塔が建ってんねや」
「まあそれは今度行ってみようか」
「ボヤシボシビンタがびっくりしちゃうよ」
「なんだいその変な名前?」
「やっぱ変なんだ」
「どこが変なのかさえわからん」
「ボケた坊主頭ってことでしょう?」
「それは……そうなんですね」
「サツマの人はあれでちゃんと意味わかってるのか」
「それはそやろ」
「せやで。あんたらわかってへんかったんか」
「桃太郎のくせに生意気な」
「太郎くん、サツマ語はちょっと難しいのよ」
「うん」
「素直で気持ち悪い」
「四天王としてどうなんだ」
「そういえばこれでやっと魔王と四天王がそろったんですね」
「おめでとう」
「ぐるるる」
「いやあ長かったなあ。おおきに」
「龍王さんがいないけどな」
「もう一人の四天王かい? 早く会ってみたいねえ」
「せんせ、もういくらでも時間はありますし慌てへなんでも大丈夫ですえ」
「四天王としてなにをすればいいのかしら?」
「世界征服とかするん?」
「そない面倒なことするかいな」
「魔王城でドラゴンサーカスでもやったら?」
「だれが来るんだよ」
「前回の二の前やな」
「また勇者が来ちゃいますよ」
「勇者は異世界に置いてきたし問題ないな」
「ぐる」
「そだよね」
「ええと、それで、わたしにもみなさんを紹介してくれないかな」
「えっ? モブ? いつからそこに?」
「盗み聞きしてたのか?」
「いや、ずうっと、ここに、いたけれどもね」
「どこまで聞いちゃったんですか?」
「だから全部聞いてたよ」
「たとえば?」
「魔王と四天王がそろって魔王城でなにをするかをわざわざ王城で企んでるとか?」
「全部聞いてる!」
「そりゃそうだ」
「気は進みませんが口封じしますか?」
「オレの出番っすか?」
「ステイ」
「ちょっと待て。そもそも異世界に行くまえから魔王だの四天王だのって話してたじゃないか。君たちが四天王を迎えに行くことなんて最初から知ってたよ。具体的には第七十六話あたりで聞いた」
「バレバレじゃないか」
「コンプライアンス違反」
「ぐる」
「雑談で話したのはよくなかったですね」
「だから軽々しくその話題を口にするなとあれほど」
「でもこれはモブが盗み聞きしてるのがよくない」
「警戒心の隙間に付け込んできますからね」
「エドゥオン、わたしのことそんなふうに思ってたんだね」
「まあ落ち着いて」
「話せばわかる。わからなければ斬る」
「モブはこの秘密に気づいてどうしたの?」
「秘密だったのか? どうどうと話してるからそういうものだと思ってたけど、確かに最初はびっくりした気がするね。王城に魔王が出入りしていてみんなそれを知ってたのかって」
「知ってるのはクマオおじさんとじいちゃんと宰相?と影だっけ?」
「王が把握しているのも知っていたよ。だから特になにもしていないよ。というか普通に同じ部屋にいたから応援していたつもりだよ」
「プロジェクトにいたつもりなのに実はメンバーじゃなかったとかかわいそう」
「いまからでも仲間に入れてあげてもいいですよ」
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「おつかれー」
「いや紹介してよ」
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