101 / 168
第108話
しおりを挟む
あのマークって、ハートマーク♥️のこと?
そう思っていると
「マルクス!あのマークってなんだ?」
と、ヘンドリック様がマルクス様に聞く。
「あのマークは、あのマークだよ。言ったら恥ずかしいもん」
「もんじゃないだろ。絶対なにか、いい形のマークなんだろっ」
ヘンドリック様・・・そこまでむきになるようなものでも、ございません。
ハートマークひとつで、兄弟ゲンカが始まってしまった。
私は男兄弟同士のけんかは初めてな為、ワタワタしてしまうが、他の皆様はいつも通りでほったらかしにしていた。
「あの・・・カサンドラ様」
「なぁに?ミシェル様」
「お二人は、あのままで良いのでしょうか?」
「まぁ、そんなに心配なさらなくても大丈夫よ」
「そ、そうなのですね。
私、男性方のああいう姿は初めてで・・・
しかも、私が持ってきた箸が、原因なので」
その声が聞こえたのか、マルガ様も心配そうに私のもとに来てしまった。
「ミシェル様、大丈夫ですわ。こうすれば、すぐに終わるわよ」
そういったマルガ様は、スッと立ち上がると
「マルクス、ヘンドリック様。
これ以上ミシェル様に、心配をかけないで!!」
そう、声を張り上げた。
「ミシェルっ、ごめん」
「ミシェル嬢、そんなつもりではなかったんだ」
そういって走り寄ってきたお二人は、ワタワタしている。
「二人とも、婚約者をほおって、二人だけで遊ぶとは何事ですかっ!」
「母上、分かりました。申し訳ございません」
「マルガ様、すみませんでした。調子に乗ってしまいました」
「分かれば、よろしいのです」
そう言ったマルガ様は、私を見てにっこりと笑うと
「マイルズ様。納めて参りました」
と何時ものお淑やかに戻り、国王様の元に帰った。
「やっぱり、母上には叶わないな」
そういうマルクス様を見て、クスクスと笑うと
「ミシェルも、母上のようになるのか?」
と、心配そうな顔で聞いた。
「そうなるかどうかは、マルクス様次第かと・・・」
「「どういうこと?」」
マルクス様とヘンドリック様の声が、揃った。
「ヘンドリック様、聞き耳はダメです」
「だけどカサンドラ、気にならない?」
「なります。なりますが・・・」
そう言いながら、私に目線をむけるカサンドラ様。
「大丈夫ですよ。私がそう言ったのは、お母様から聞いた言葉があったからです」
「メリテッサ様から?」
「お母様がいっていたのは、女性は夫次第で恐妻、悪妻、良妻の
どれにでもなれる。
夫が気を遣ってくれれば、良妻に。
夫が自分の事しかしなければ、恐妻に、
そして、他に現を抜かせば悪妻となる・・・と」
私の話に、カサンドラ様はふむふむと聞き入っていた。
マルクス様とヘンドリック様は
「俺達次第で、変わるらしいぞ」
「ミシェルは絶対、良妻だな」
「カサンドラもだよ」
といってまた、衝突しそうになっていた。
そう思っていると
「マルクス!あのマークってなんだ?」
と、ヘンドリック様がマルクス様に聞く。
「あのマークは、あのマークだよ。言ったら恥ずかしいもん」
「もんじゃないだろ。絶対なにか、いい形のマークなんだろっ」
ヘンドリック様・・・そこまでむきになるようなものでも、ございません。
ハートマークひとつで、兄弟ゲンカが始まってしまった。
私は男兄弟同士のけんかは初めてな為、ワタワタしてしまうが、他の皆様はいつも通りでほったらかしにしていた。
「あの・・・カサンドラ様」
「なぁに?ミシェル様」
「お二人は、あのままで良いのでしょうか?」
「まぁ、そんなに心配なさらなくても大丈夫よ」
「そ、そうなのですね。
私、男性方のああいう姿は初めてで・・・
しかも、私が持ってきた箸が、原因なので」
その声が聞こえたのか、マルガ様も心配そうに私のもとに来てしまった。
「ミシェル様、大丈夫ですわ。こうすれば、すぐに終わるわよ」
そういったマルガ様は、スッと立ち上がると
「マルクス、ヘンドリック様。
これ以上ミシェル様に、心配をかけないで!!」
そう、声を張り上げた。
「ミシェルっ、ごめん」
「ミシェル嬢、そんなつもりではなかったんだ」
そういって走り寄ってきたお二人は、ワタワタしている。
「二人とも、婚約者をほおって、二人だけで遊ぶとは何事ですかっ!」
「母上、分かりました。申し訳ございません」
「マルガ様、すみませんでした。調子に乗ってしまいました」
「分かれば、よろしいのです」
そう言ったマルガ様は、私を見てにっこりと笑うと
「マイルズ様。納めて参りました」
と何時ものお淑やかに戻り、国王様の元に帰った。
「やっぱり、母上には叶わないな」
そういうマルクス様を見て、クスクスと笑うと
「ミシェルも、母上のようになるのか?」
と、心配そうな顔で聞いた。
「そうなるかどうかは、マルクス様次第かと・・・」
「「どういうこと?」」
マルクス様とヘンドリック様の声が、揃った。
「ヘンドリック様、聞き耳はダメです」
「だけどカサンドラ、気にならない?」
「なります。なりますが・・・」
そう言いながら、私に目線をむけるカサンドラ様。
「大丈夫ですよ。私がそう言ったのは、お母様から聞いた言葉があったからです」
「メリテッサ様から?」
「お母様がいっていたのは、女性は夫次第で恐妻、悪妻、良妻の
どれにでもなれる。
夫が気を遣ってくれれば、良妻に。
夫が自分の事しかしなければ、恐妻に、
そして、他に現を抜かせば悪妻となる・・・と」
私の話に、カサンドラ様はふむふむと聞き入っていた。
マルクス様とヘンドリック様は
「俺達次第で、変わるらしいぞ」
「ミシェルは絶対、良妻だな」
「カサンドラもだよ」
といってまた、衝突しそうになっていた。
25
あなたにおすすめの小説
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。内容も少し変更しておりますので、あわせてお楽しみください。
【完結】あいしていると伝えたくて
ここ
恋愛
シファラは、生まれてからずっと、真っ暗な壁の中にいた。ジメジメした空間には明かり取りの窓すらない。こんなことは起きなかった。公爵の娘であるシファラが、身分の低い娼婦から生まれたのではなければ。
シファラの人生はその部屋で終わるはずだった。だが、想定外のことが起きて。
*恋愛要素は薄めです。これからって感じで終わります。
マジメにやってよ!王子様
猫枕
恋愛
伯爵令嬢ローズ・ターナー(12)はエリック第一王子(12)主宰のお茶会に参加する。
エリックのイタズラで危うく命を落としそうになったローズ。
生死をさまよったローズが意識を取り戻すと、エリックが責任を取る形で両家の間に婚約が成立していた。
その後のエリックとの日々は馬鹿らしくも楽しい毎日ではあったが、お年頃になったローズは周りのご令嬢達のようにステキな恋がしたい。
ふざけてばかりのエリックに不満をもつローズだったが。
「私は王子のサンドバッグ」
のエリックとローズの別世界バージョン。
登場人物の立ち位置は少しずつ違っています。
王弟が愛した娘 —音に響く運命—
Aster22
恋愛
村で薬師として過ごしていたセラは、
ハープの音に宿る才を王弟レオに見初められる。
その出会いは、静かな日々を終わらせ、
彼女を王宮の闇と陰謀に引き寄せていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる