117 / 192
第十一章 彼らの選択
第百十七話
しおりを挟む
朝もやの中、四人の人影があった。
「いいか。皇女は殺しても構わないから、文献を見つけしだい燃やせ!」
そう命令された者達は頷いた。
「そんな事はさせませんよ」
その声に、四人は振り向いた。声の主はレオナールだ。
「よくここがわかったな」
そこは、秘密通路の出入り口付近だった。そして、そう返したのはトンマーゾだ!
「えぇ。ティモシーは熱で汗をかいたご様子だったので、首を拭いて差し上げたのです」
「レオナール様、そんな事をなさったのですか!」
驚いたのは、レオナールと一緒にいたブラッドリーだった。
「いけませんか?」
「いえ、そうではないですが……。レオナール様がなさらなくとも……」
「なるほどな。首の刻印を見つけた訳か」
レオナールは、そうですと頷くとトンマーゾを睨み付けた。
「あの刻印は居場所が把握できるモノでしょう? ティモシーをたぶらかし外へ出る様に誘導した。そして、鍵を持っていなければ開けたままになる脱出口から侵入するつもりだったのでしょう。まさかここを使用するとは思いもよりませんでしたが……」
「ふん。あのガキも役に立つと初めて思ったんだがな。作戦変更だ。あの二人を殺せ!」
レオナールを指差しトンマーゾが言うも、命令された三人には怯えがあった。先ほど相手がレオナールだとわかったからだ。魔術師の国ハルフォード国第一王子の名だ!
「む、無理です……」
青ざめた顔で一人の男が言った。
「ですよね。あなた達は魔術師ではないのでしょうから……」
そうレオナールは述べる。
「ほお」
トンマーゾは、レオナールを睨んだ。
「降伏なさいなさい。殺しはしません」
トンマーゾは、振り向くと今度は三人を睨み付けた。
「お前ら、自分から組織に入ったんだよな? 魔術を使いたかったんじゃなかったのか? 裏切ったらどうなるかも知っているよな?」
三人はビックとする。
「脅して動かすなど驚か者がする事です!」
レオナールとトンマーゾは睨みあう!
「トンマーゾ!」
そこへ、遠くから声が飛んできた。全員振り向くと二人の人影が近づいてくる。ランフレッドとティモシーだ!
「こちらへ来てはダメです!」
ハッとしてレオナールが叫ぶのが早いか、トンマーゾが二人に向かって走り出す!
「ブラッドリー! そちらを頼みます!」
そうレオナールは命令するとトンマーゾを追いかける!
「お待ちください!」
ブラッドリーが慌ててそう返すもレオナールはもう背を向けていた。ブラッドリーは、残された三人を似た見つけると、彼らはすくみ上った。
「トンマーゾ! 貴様!」
ランフレッドは剣を抜いた!
「マヌケが! 眠れ!」
トンマーゾは、そう叫んだ! だが、二人は立ったままだ。ティモシーだけでなくランフレッドもレジストしたのである。
「ふん。ビンゴだったか!」
そう呟くとトンマーゾは、ニヤリとする。
「うわー!!」
ティモシーはいきなり倒れ込み首を押え叫び出した!
(刻印が!)
「ティモシー!」
ランフレッドは、驚くもトンマーゾの仕業だと彼を睨む。
「てめぇ! やめろ!」
ランフレッドが叫ぶもトンマーゾ更にはニヤリとするだけだ。
「お前は死ね!」
トンマーゾは、手を振り上げた!
「させません!」
トンマーゾが手を振り下ろすも魔術は発動されなかった! レオナールの封印が間に合ったのだ!
「っち。本当に邪魔な王子だ!」
トンマーゾがそう言った時だった。彼はランフレッドを見た。いやその後ろをだ。レオナールもハッとして見た為、ランフレッドも振り返り驚いた。
大きな炎が四人に向かって来ていた!
勿論、ティモシーも気づき振り向いている。
(うそ……何あれ……)
「ブラッドリー!」
「遠すぎます! 結界が届きません! レオナール様、お逃げください!」
ブラッドリーがレオナールに叫ぶが、レオナールは炎に手を向けた。そして、結界を張った!
だが、その結界はすぐに破られる! 熱風が四人に襲い掛かった!
「いいか。皇女は殺しても構わないから、文献を見つけしだい燃やせ!」
そう命令された者達は頷いた。
「そんな事はさせませんよ」
その声に、四人は振り向いた。声の主はレオナールだ。
「よくここがわかったな」
そこは、秘密通路の出入り口付近だった。そして、そう返したのはトンマーゾだ!
「えぇ。ティモシーは熱で汗をかいたご様子だったので、首を拭いて差し上げたのです」
「レオナール様、そんな事をなさったのですか!」
驚いたのは、レオナールと一緒にいたブラッドリーだった。
「いけませんか?」
「いえ、そうではないですが……。レオナール様がなさらなくとも……」
「なるほどな。首の刻印を見つけた訳か」
レオナールは、そうですと頷くとトンマーゾを睨み付けた。
「あの刻印は居場所が把握できるモノでしょう? ティモシーをたぶらかし外へ出る様に誘導した。そして、鍵を持っていなければ開けたままになる脱出口から侵入するつもりだったのでしょう。まさかここを使用するとは思いもよりませんでしたが……」
「ふん。あのガキも役に立つと初めて思ったんだがな。作戦変更だ。あの二人を殺せ!」
レオナールを指差しトンマーゾが言うも、命令された三人には怯えがあった。先ほど相手がレオナールだとわかったからだ。魔術師の国ハルフォード国第一王子の名だ!
「む、無理です……」
青ざめた顔で一人の男が言った。
「ですよね。あなた達は魔術師ではないのでしょうから……」
そうレオナールは述べる。
「ほお」
トンマーゾは、レオナールを睨んだ。
「降伏なさいなさい。殺しはしません」
トンマーゾは、振り向くと今度は三人を睨み付けた。
「お前ら、自分から組織に入ったんだよな? 魔術を使いたかったんじゃなかったのか? 裏切ったらどうなるかも知っているよな?」
三人はビックとする。
「脅して動かすなど驚か者がする事です!」
レオナールとトンマーゾは睨みあう!
「トンマーゾ!」
そこへ、遠くから声が飛んできた。全員振り向くと二人の人影が近づいてくる。ランフレッドとティモシーだ!
「こちらへ来てはダメです!」
ハッとしてレオナールが叫ぶのが早いか、トンマーゾが二人に向かって走り出す!
「ブラッドリー! そちらを頼みます!」
そうレオナールは命令するとトンマーゾを追いかける!
「お待ちください!」
ブラッドリーが慌ててそう返すもレオナールはもう背を向けていた。ブラッドリーは、残された三人を似た見つけると、彼らはすくみ上った。
「トンマーゾ! 貴様!」
ランフレッドは剣を抜いた!
「マヌケが! 眠れ!」
トンマーゾは、そう叫んだ! だが、二人は立ったままだ。ティモシーだけでなくランフレッドもレジストしたのである。
「ふん。ビンゴだったか!」
そう呟くとトンマーゾは、ニヤリとする。
「うわー!!」
ティモシーはいきなり倒れ込み首を押え叫び出した!
(刻印が!)
「ティモシー!」
ランフレッドは、驚くもトンマーゾの仕業だと彼を睨む。
「てめぇ! やめろ!」
ランフレッドが叫ぶもトンマーゾ更にはニヤリとするだけだ。
「お前は死ね!」
トンマーゾは、手を振り上げた!
「させません!」
トンマーゾが手を振り下ろすも魔術は発動されなかった! レオナールの封印が間に合ったのだ!
「っち。本当に邪魔な王子だ!」
トンマーゾがそう言った時だった。彼はランフレッドを見た。いやその後ろをだ。レオナールもハッとして見た為、ランフレッドも振り返り驚いた。
大きな炎が四人に向かって来ていた!
勿論、ティモシーも気づき振り向いている。
(うそ……何あれ……)
「ブラッドリー!」
「遠すぎます! 結界が届きません! レオナール様、お逃げください!」
ブラッドリーがレオナールに叫ぶが、レオナールは炎に手を向けた。そして、結界を張った!
だが、その結界はすぐに破られる! 熱風が四人に襲い掛かった!
3
あなたにおすすめの小説
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
上流階級はダンジョンマスター!?そんな世界で僕は下克上なんて求めません!!
まったりー
ファンタジー
転生した主人公は、平民でありながらダンジョンを作る力を持って生まれ、その力を持った者の定めとなる貴族入りが確定します。
ですが主人公は、普通の暮らしを目指し目立たない様振る舞いますが、ダンジョンを作る事しか出来ない能力な為、奮闘してしまいます。
異世界召喚に巻き込まれたのでダンジョンマスターにしてもらいました
まったりー
ファンタジー
何処にでもいるような平凡な社会人の主人公がある日、宝くじを当てた。
ウキウキしながら銀行に手続きをして家に帰る為、いつもは乗らないバスに乗ってしばらくしたら変な空間にいました。
変な空間にいたのは主人公だけ、そこに現れた青年に説明され異世界召喚に巻き込まれ、もう戻れないことを告げられます。
その青年の計らいで恩恵を貰うことになりましたが、主人公のやりたいことと言うのがゲームで良くやっていたダンジョン物と牧場経営くらいでした。
恩恵はダンジョンマスターにしてもらうことにし、ダンジョンを作りますが普通の物でなくゲームの中にあった、中に入ると構造を変えるダンジョンを作れないかと模索し作る事に成功します。
1000年生きてる気功の達人異世界に行って神になる
まったりー
ファンタジー
主人公は気功を極め人間の限界を超えた強さを持っていた、更に大気中の気を集め若返ることも出来た、それによって1000年以上の月日を過ごし普通にひっそりと暮らしていた。
そんなある時、教師として新任で向かった学校のクラスが異世界召喚され、別の世界に行ってしまった、そこで主人公が色々します。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~
TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ!
東京五輪応援します!
色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる