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第十二章 たがう二人の王子
第百四十四話
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一晩明けて翌日の朝。
ティモシーは、ランフレッドのベットに振り返る。
(いないんだよなぁ……)
特段物足りない訳でも寂しいわけでもない。最近は顔を合わせる事が少なかったから、逆に実感がわかない。
「はぁ……。母さんが話してくれれば……」
ティモシーは溜息を付きながらポーチの中を確認する。そこには黒い石がなくなった代わりのようにアンクルが入っていた。
結構ごっつい。三センチも幅がある。これはレオナールが置いていったものだった。もし万が一に魔術を使う事があったら付ける様に言われた。ティモシーは魔力の容量が少ないので、補充してくれるマジックアイテムらしい。
アンクルはそのままにポーチをティモシーは付けた。
トントントン。
ドアがノックされる。ダグだ。もう朝の迎えはいらないが迎えに来てくれていた。
「おはようございます」
「ティモシー! おはよう」
ティモシーが部屋に入るとアリックが嬉しそうに挨拶を返した。
「もう体調は大丈夫なの?」
ティモシーは頷く。
「よかった。ベネットさんは他の部屋の手伝いだからいないって、オーギュストさんが言っていたから」
「そうなんだ」
「おはようさん。じゃ、今日は三人で頑張るか」
「おはようございます。荷物も薬師じゃなくて警備の人だけで届ける事になったみたい。……あの事件の事まだ解決してないんだね。いつまでこの状態続くんだろう」
アリックは不安げに言った。
「……って、ティモシー足どうしたの?」
ティモシーは、足をひょこひょことして歩いていた。
「え? あ、えーと……。階段で転んで……」
「え? 転んだの?」
ティモシーの説明にアリックは驚いた。本当はハミッシュの剣に斬られた傷だ。軽傷だが少し痛い。
「大人しくしてないからだ」
いつものごとく、ダグはそう言葉を投げて来る。
「もうダグさんは、可哀想とかないの?」
アリックはダグの言葉にそう返す。
「あ、これ自分は悪いから……」
「……立って出来そう?」
心配そうにアリックは声を掛ける。
「大丈夫」
ティモシーは大きく頷いた。
久しぶりに薬師の仕事は楽しかった。だがここにいつまで居られるのだろうかと思う不安な気持ちもあった。
その日の仕事を終えティモシーとダグは部屋に戻る。ティモシーは、寝るまでダグと一緒にいる事になっているので、そのままダグの部屋に行った。
「久しぶりに仕事して疲れていないか?」
「うん? 大丈夫。楽しかった」
「そうか。まあ楽しく仕事出来るのはいいこだな」
「……ハミッシュ王子、目を覚ましたかな?」
「見に行ってみるか?」
ダグの言葉にティモシーは頷いた。
二人はハミッシュが寝ているレオナールの部屋に向かった。部屋の前にはカミーユが立っていた。彼はここに残り、ハミッシュの護衛につくようにレオナールに言われていた。
二人が部屋に入ると、ヒースにグスターファスも居た。
「二人共仕事ご苦労だった。ハミッシュ殿は先ほど目を覚ましたが今は寝ている」
グスターファスの労いと報告に二人は頷くと、彼が座るの前のソファーに腰を下ろす。ヒースはハミッシュの横に佇んでいた――。
ティモシーは、ランフレッドのベットに振り返る。
(いないんだよなぁ……)
特段物足りない訳でも寂しいわけでもない。最近は顔を合わせる事が少なかったから、逆に実感がわかない。
「はぁ……。母さんが話してくれれば……」
ティモシーは溜息を付きながらポーチの中を確認する。そこには黒い石がなくなった代わりのようにアンクルが入っていた。
結構ごっつい。三センチも幅がある。これはレオナールが置いていったものだった。もし万が一に魔術を使う事があったら付ける様に言われた。ティモシーは魔力の容量が少ないので、補充してくれるマジックアイテムらしい。
アンクルはそのままにポーチをティモシーは付けた。
トントントン。
ドアがノックされる。ダグだ。もう朝の迎えはいらないが迎えに来てくれていた。
「おはようございます」
「ティモシー! おはよう」
ティモシーが部屋に入るとアリックが嬉しそうに挨拶を返した。
「もう体調は大丈夫なの?」
ティモシーは頷く。
「よかった。ベネットさんは他の部屋の手伝いだからいないって、オーギュストさんが言っていたから」
「そうなんだ」
「おはようさん。じゃ、今日は三人で頑張るか」
「おはようございます。荷物も薬師じゃなくて警備の人だけで届ける事になったみたい。……あの事件の事まだ解決してないんだね。いつまでこの状態続くんだろう」
アリックは不安げに言った。
「……って、ティモシー足どうしたの?」
ティモシーは、足をひょこひょことして歩いていた。
「え? あ、えーと……。階段で転んで……」
「え? 転んだの?」
ティモシーの説明にアリックは驚いた。本当はハミッシュの剣に斬られた傷だ。軽傷だが少し痛い。
「大人しくしてないからだ」
いつものごとく、ダグはそう言葉を投げて来る。
「もうダグさんは、可哀想とかないの?」
アリックはダグの言葉にそう返す。
「あ、これ自分は悪いから……」
「……立って出来そう?」
心配そうにアリックは声を掛ける。
「大丈夫」
ティモシーは大きく頷いた。
久しぶりに薬師の仕事は楽しかった。だがここにいつまで居られるのだろうかと思う不安な気持ちもあった。
その日の仕事を終えティモシーとダグは部屋に戻る。ティモシーは、寝るまでダグと一緒にいる事になっているので、そのままダグの部屋に行った。
「久しぶりに仕事して疲れていないか?」
「うん? 大丈夫。楽しかった」
「そうか。まあ楽しく仕事出来るのはいいこだな」
「……ハミッシュ王子、目を覚ましたかな?」
「見に行ってみるか?」
ダグの言葉にティモシーは頷いた。
二人はハミッシュが寝ているレオナールの部屋に向かった。部屋の前にはカミーユが立っていた。彼はここに残り、ハミッシュの護衛につくようにレオナールに言われていた。
二人が部屋に入ると、ヒースにグスターファスも居た。
「二人共仕事ご苦労だった。ハミッシュ殿は先ほど目を覚ましたが今は寝ている」
グスターファスの労いと報告に二人は頷くと、彼が座るの前のソファーに腰を下ろす。ヒースはハミッシュの横に佇んでいた――。
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