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第十二章 たがう二人の王子
第百四十八話
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「一体父上は何をお考えで……」
「エクランド国を手に入れたいのではないのか? イリスに聞いた。協定を一方的に解約されたそうだな」
「……そうでしたね。彼女も知っておりました」
レオナールは小さくため息をついた。本来は他国に話す事ではないが、成り行きでイリステーナは話を聞いていた。
「彼女は全て話しておいでなのでしょう? ハミッシュの事も聞き及んで?」
レオナールの質問に二人は頷く。
「そうですか。それでは、信用頂けないはずです」
ピルッガは、レオナールが始めに相手の懐に入り、その後卑怯な手を使って相手を貶める。そうやってエクランド国を貶めたと思っている。そして、今度は同じ事をヴィルターヌ帝国でやろうとしていると思っているとレオナールは推測した。
だったら結界は本当に精神体が入れない結界を張る。そして、この作戦を実行するにあたり、魔術師の組織は協力関係かハルフォード国の差し金という事になる。
こうなるともう、自分を信用してもらう手立てがなかった。いや、下手すればこの国に拘束される恐れもあった。
「ピルッガはそう言っているが私はあなたを信じています」
「え?」
レオナールは、驚いてそう述べたモゼレスを見た。
「何故ですか?」
「タイミングだ。もしピルッガの言う通りだとしても、こんな噂を流してはあなたがやった行為が無駄になるであろう? だが、ハルフォード国の真意がわからない。もしかして、あなたは父親と仲違いしておいでか? しかもエクランド国を巻き込んで……」
先ほどの魔術師宣言や魔術師の受け入れが個人的な考えで行っていると聞いて、モゼレスはそう行きあたった。
確かにそれが原因で仲違いはしているが、そこにはエクランド国は本来関係ない。あるとすれば、ミュアンだろうとレオナールは思うもそれは言えない。何故ならば、彼女を亡き者としている理由が、この国にもあるからだ。
「確かに父上との関係は良好ではありませんが、そこにエクランド国は関係ありません」
「ほう。ではなぜこうなった?」
ピルッガはギロリと睨んで言った。
モゼレスが言った言葉を聞いても疑いは拭えてはいないようだ。
「魔術師の組織に何かを吹き込まれたのだと思っております。お願いがあります。魔術師の組織は何と言って接触をしてきたのでしょうか?」
「本当に白々しいな。第三の国が魔術師の組織なんだろう? そしてあなたの国ともう手を組んだんだろう?」
「え……」
「イリスから聞いた。亡命した王女の国が第三の国だと。密かに組織と手を組み彼女を殺すつもりだった。だが彼女見つけ接触していた事がばれた。だから作戦を変えた。そしてハミッシュ王子を使い……」
「何を言っておいですか! 確かに二人を殺そうとしたかもしれない! でも殺されかけたのはハミッシュです! しかも相手は魔術師の組織の人間です! もう宜しいです! 信じて頂けないのはよくわかりました!」
レオナールは立ち上がりピルッガに叫んでいた。
「レオナール様落ち着いて下さい……」
「……手を組もうと言われた。手を組んでこの世界を一緒に治めようと言われたのだ。それを拒否し監禁されたのだ」
立ち上がっているレオナールを見上げモゼレスは言った。
「それで、私の国と魔術師の組織は手を組んだと言ったのですか……?」
「あり得ると思ったのだがな」
魔術師の組織が同じようにハルフォード国にも接触し、ハルフォード国はそれを受け入れ手を組んだ。そうピルッガは思っていた。
「イリスが大まかにしか覚えてなくてな。……まさかハミッシュ王子をやったのが魔術師の組織とはな……」
ピルッガもそれを聞き、やっと違うかもしれないと思ったようだった――。
「エクランド国を手に入れたいのではないのか? イリスに聞いた。協定を一方的に解約されたそうだな」
「……そうでしたね。彼女も知っておりました」
レオナールは小さくため息をついた。本来は他国に話す事ではないが、成り行きでイリステーナは話を聞いていた。
「彼女は全て話しておいでなのでしょう? ハミッシュの事も聞き及んで?」
レオナールの質問に二人は頷く。
「そうですか。それでは、信用頂けないはずです」
ピルッガは、レオナールが始めに相手の懐に入り、その後卑怯な手を使って相手を貶める。そうやってエクランド国を貶めたと思っている。そして、今度は同じ事をヴィルターヌ帝国でやろうとしていると思っているとレオナールは推測した。
だったら結界は本当に精神体が入れない結界を張る。そして、この作戦を実行するにあたり、魔術師の組織は協力関係かハルフォード国の差し金という事になる。
こうなるともう、自分を信用してもらう手立てがなかった。いや、下手すればこの国に拘束される恐れもあった。
「ピルッガはそう言っているが私はあなたを信じています」
「え?」
レオナールは、驚いてそう述べたモゼレスを見た。
「何故ですか?」
「タイミングだ。もしピルッガの言う通りだとしても、こんな噂を流してはあなたがやった行為が無駄になるであろう? だが、ハルフォード国の真意がわからない。もしかして、あなたは父親と仲違いしておいでか? しかもエクランド国を巻き込んで……」
先ほどの魔術師宣言や魔術師の受け入れが個人的な考えで行っていると聞いて、モゼレスはそう行きあたった。
確かにそれが原因で仲違いはしているが、そこにはエクランド国は本来関係ない。あるとすれば、ミュアンだろうとレオナールは思うもそれは言えない。何故ならば、彼女を亡き者としている理由が、この国にもあるからだ。
「確かに父上との関係は良好ではありませんが、そこにエクランド国は関係ありません」
「ほう。ではなぜこうなった?」
ピルッガはギロリと睨んで言った。
モゼレスが言った言葉を聞いても疑いは拭えてはいないようだ。
「魔術師の組織に何かを吹き込まれたのだと思っております。お願いがあります。魔術師の組織は何と言って接触をしてきたのでしょうか?」
「本当に白々しいな。第三の国が魔術師の組織なんだろう? そしてあなたの国ともう手を組んだんだろう?」
「え……」
「イリスから聞いた。亡命した王女の国が第三の国だと。密かに組織と手を組み彼女を殺すつもりだった。だが彼女見つけ接触していた事がばれた。だから作戦を変えた。そしてハミッシュ王子を使い……」
「何を言っておいですか! 確かに二人を殺そうとしたかもしれない! でも殺されかけたのはハミッシュです! しかも相手は魔術師の組織の人間です! もう宜しいです! 信じて頂けないのはよくわかりました!」
レオナールは立ち上がりピルッガに叫んでいた。
「レオナール様落ち着いて下さい……」
「……手を組もうと言われた。手を組んでこの世界を一緒に治めようと言われたのだ。それを拒否し監禁されたのだ」
立ち上がっているレオナールを見上げモゼレスは言った。
「それで、私の国と魔術師の組織は手を組んだと言ったのですか……?」
「あり得ると思ったのだがな」
魔術師の組織が同じようにハルフォード国にも接触し、ハルフォード国はそれを受け入れ手を組んだ。そうピルッガは思っていた。
「イリスが大まかにしか覚えてなくてな。……まさかハミッシュ王子をやったのが魔術師の組織とはな……」
ピルッガもそれを聞き、やっと違うかもしれないと思ったようだった――。
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