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最終章 魔術師なのはヒミツで薬師になりました
第百九十一話
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ミュアンの話を聞いた皆は、あんぐりとしていた。
「よく思いつくものだな……」
ルーファスは感心して呟く。
「まあ筋としてはいいかもしれないが、信じてもらうのは難しいと思うが?」
「あら、そうかしら? ほとんどは本当の事ですよね? 私とレオナール王子が手を組んだのも本当よ。それにつじつまはあっているでしょう?」
ピルッガにミュアンはそう返した。
大きく違うところは、背景に『魔力を練れなくする魔力』の存在が話に出てこないところだろう。
「私はこの話で結構です。真実ではありませんが事実ではありますので問題ありません」
レオナールは、このストーリでよいと賛成する。彼にしてみれば、コーデリアの存在は隠したかった。
「俺も別に構わない。他の奴らの背景は別にどうでもいいしな。まあ俺の場合、大筋そのままだし。これならクレは関係なくなるからな」
「トンマーゾ……」
クレは何か言いたそうだが口をつぐんだ。
「私も構わないが、父上に相談を……」
「そうね。四カ国の中で唯一被害国ですものね。昔の出来事に目を瞑るかどうかは、大きな問題よね」
「え? いや、公表するつもりはないが……」
「では、何を相談するのでしょうか?」
「え? それは……」
ミュアンに問われルーファスは口ごもる。
「ミュアンさん、それぐらにしてあげて下さい。私からも陛下にお願い致しますので」
レオナールはミュアンにそう言うと、彼女はにっこりと微笑んだ。そして全員、ピルッガに振り向く。後は彼次第だからだ。
「いや、俺も特段文句はない。そのストーリーには我が国は登場しないようだしな」
「よかったわ」
「で、サラスチニ国の方はどうするんだ?」
トンマーゾが問う。
「悪いけど滅びて頂くわ」
ミュアンのセリフに皆驚いた!
「つるし上げるのか?」
ピルッガの問いにミュアンは首を横に振る。
「いいえ。私が国に戻り、ラミアズア国を復活させます!」
この言葉に皆は一番驚いた!
「それ、本気か?」
トンマーゾが問うとミュアンは力強く頷く。
「自ら矢面に立つと言うのか?」
ピルッガはそう言った。
先ほどのストーリから言えば、ミュアンはそこまで攻めたてられはしないだろう。だが表に出てくれば、それなりに叩かれる。
「大丈夫よ。考えがあるの。その為に三カ国に協力をお願いしたいの」
レオナール、ルーファスそれにピルッガは顔を見合わせる。
「協力とは何でしょうか?」
レオナール問いにミュアンはまた、新たなストーリを語り始めた――。
ミュアンはラミアズア国復活の際、エクランド国と同じ薬師の国として復活させる。国には、魔術が使えない結界を張る。結界はハルフォード国にお願いし、薬師の国になるのには、エクランド国の手助けを借りる。
そしてヴィルターヌ帝国は、そうなるように他国を誘導する。
世界には、エクランド国、ハルフォード国、ラミアズア国の三カ国で協定を結んだと発表する。だが裏協定でヴィルターヌ帝国を含めた四カ国で、真実はもらさないと協定を結ぶのだ。
これがうまくいけば、『魔力を練れなくなる魔力』の存在を隠す事ができ、昔の出来事を隠し通せる。明るみに出て、良い事などないだろう。
「一ついいか……。俺の国の役割が一番難しくないか?」
「そうね。腕の見せ所かしら? でも世界戦争が起こるよりはいいでしょう? エクランド国とハルフォード国の戦争の話もデタラメだったと払拭できます。私達は祖先が残した負の遺産を隠し通し、世界平和を守らなくてはなりません。私はそれが務めだと思っています」
「そこまで言われて、出来ないとは言えないな。いいだろう。我が国ヴィルターヌ帝国は全面協力を約束する」
ピルッガが宣言する。
「私も薬師の国が増える事は大賛成です。ミュアンさん、いえミュアン女王。我が国ハルフォード国も惜しみなく協力する事を約束します」
レオナールも宣言した。
「私も約束を違う事が無い様、三カ国を見守る役目を引き受けます。魔術師と普通の人間との共同を共に目指しましょう」
ルーファスも宣言をし、ここに仮だが協定が結ばれた!
「うわー。まとめちゃったよ……」
エイブはぼぞっと呟いた。
「そうそう。あなたにも協力してもらうわよ」
「え! いや、結界は解除しないんだよね? 俺の役割終わったんじゃ……」
「あら、新たな魔法陣を描く事になったでしょう。私の国に張る結界よ。レオナール王子にトライアングルをお願いするのよ。あなたも手伝って!」
「わかったよ……」
はぁっとエイブは大きなため息をつく。
「……そう言えばエイブ、何故お前がここにいるんだ?」
「あぁ……。色々とあってね。何故かこうなった……」
ピルッガに言われ、苦笑いでエイブは返した。
こうして細かい打ち合わせをして、それぞれ事を進める事になった。
ミュアンとエイブ、レオナール、そしてトンマーゾ達はサラスチニ国に向かい、ラミアズア国復活の準備を進める。
ルーファスとピルッガはそれぞれ国に帰り、国王と話を付けた――。
「よく思いつくものだな……」
ルーファスは感心して呟く。
「まあ筋としてはいいかもしれないが、信じてもらうのは難しいと思うが?」
「あら、そうかしら? ほとんどは本当の事ですよね? 私とレオナール王子が手を組んだのも本当よ。それにつじつまはあっているでしょう?」
ピルッガにミュアンはそう返した。
大きく違うところは、背景に『魔力を練れなくする魔力』の存在が話に出てこないところだろう。
「私はこの話で結構です。真実ではありませんが事実ではありますので問題ありません」
レオナールは、このストーリでよいと賛成する。彼にしてみれば、コーデリアの存在は隠したかった。
「俺も別に構わない。他の奴らの背景は別にどうでもいいしな。まあ俺の場合、大筋そのままだし。これならクレは関係なくなるからな」
「トンマーゾ……」
クレは何か言いたそうだが口をつぐんだ。
「私も構わないが、父上に相談を……」
「そうね。四カ国の中で唯一被害国ですものね。昔の出来事に目を瞑るかどうかは、大きな問題よね」
「え? いや、公表するつもりはないが……」
「では、何を相談するのでしょうか?」
「え? それは……」
ミュアンに問われルーファスは口ごもる。
「ミュアンさん、それぐらにしてあげて下さい。私からも陛下にお願い致しますので」
レオナールはミュアンにそう言うと、彼女はにっこりと微笑んだ。そして全員、ピルッガに振り向く。後は彼次第だからだ。
「いや、俺も特段文句はない。そのストーリーには我が国は登場しないようだしな」
「よかったわ」
「で、サラスチニ国の方はどうするんだ?」
トンマーゾが問う。
「悪いけど滅びて頂くわ」
ミュアンのセリフに皆驚いた!
「つるし上げるのか?」
ピルッガの問いにミュアンは首を横に振る。
「いいえ。私が国に戻り、ラミアズア国を復活させます!」
この言葉に皆は一番驚いた!
「それ、本気か?」
トンマーゾが問うとミュアンは力強く頷く。
「自ら矢面に立つと言うのか?」
ピルッガはそう言った。
先ほどのストーリから言えば、ミュアンはそこまで攻めたてられはしないだろう。だが表に出てくれば、それなりに叩かれる。
「大丈夫よ。考えがあるの。その為に三カ国に協力をお願いしたいの」
レオナール、ルーファスそれにピルッガは顔を見合わせる。
「協力とは何でしょうか?」
レオナール問いにミュアンはまた、新たなストーリを語り始めた――。
ミュアンはラミアズア国復活の際、エクランド国と同じ薬師の国として復活させる。国には、魔術が使えない結界を張る。結界はハルフォード国にお願いし、薬師の国になるのには、エクランド国の手助けを借りる。
そしてヴィルターヌ帝国は、そうなるように他国を誘導する。
世界には、エクランド国、ハルフォード国、ラミアズア国の三カ国で協定を結んだと発表する。だが裏協定でヴィルターヌ帝国を含めた四カ国で、真実はもらさないと協定を結ぶのだ。
これがうまくいけば、『魔力を練れなくなる魔力』の存在を隠す事ができ、昔の出来事を隠し通せる。明るみに出て、良い事などないだろう。
「一ついいか……。俺の国の役割が一番難しくないか?」
「そうね。腕の見せ所かしら? でも世界戦争が起こるよりはいいでしょう? エクランド国とハルフォード国の戦争の話もデタラメだったと払拭できます。私達は祖先が残した負の遺産を隠し通し、世界平和を守らなくてはなりません。私はそれが務めだと思っています」
「そこまで言われて、出来ないとは言えないな。いいだろう。我が国ヴィルターヌ帝国は全面協力を約束する」
ピルッガが宣言する。
「私も薬師の国が増える事は大賛成です。ミュアンさん、いえミュアン女王。我が国ハルフォード国も惜しみなく協力する事を約束します」
レオナールも宣言した。
「私も約束を違う事が無い様、三カ国を見守る役目を引き受けます。魔術師と普通の人間との共同を共に目指しましょう」
ルーファスも宣言をし、ここに仮だが協定が結ばれた!
「うわー。まとめちゃったよ……」
エイブはぼぞっと呟いた。
「そうそう。あなたにも協力してもらうわよ」
「え! いや、結界は解除しないんだよね? 俺の役割終わったんじゃ……」
「あら、新たな魔法陣を描く事になったでしょう。私の国に張る結界よ。レオナール王子にトライアングルをお願いするのよ。あなたも手伝って!」
「わかったよ……」
はぁっとエイブは大きなため息をつく。
「……そう言えばエイブ、何故お前がここにいるんだ?」
「あぁ……。色々とあってね。何故かこうなった……」
ピルッガに言われ、苦笑いでエイブは返した。
こうして細かい打ち合わせをして、それぞれ事を進める事になった。
ミュアンとエイブ、レオナール、そしてトンマーゾ達はサラスチニ国に向かい、ラミアズア国復活の準備を進める。
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