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26 お許ししますとも
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◇◇◇◇
「ねぇねぇ、さっきのはなんでそう言ったの?なんでこっちにしたの?」
皆でご飯を食べて、俺が煮出したお茶を飲んでいる間もヒカリ君は、『あれは何?これは何?』と質問しては、俺の後ろをついて回る。
カルガモ勇者……。
キラキラ光り輝くカルガモの赤ちゃんが、ヨチヨチと俺の跡をついてくる姿を想像すると、吹き出しそう!
「────~っ。う、うんうん。それはね~……。」
必死に笑いに耐えながら教えてあげると、ヒカリ君は嬉しそうに口角を軽く上げて笑った。
こんなどうでもいい話でも、ヒカリ君が楽しいなら良かった良かった~。
そう思ったのだが……何故かアイリーン達からは、憎々しげに睨みつけてくる視線とギシギシと大音量の歯軋りの音が聞こえてくる。
「……ただのおじさん。」
「……甲斐性無しおじさん。」
「しょぼくれおっさん。」
「最弱中年さん。」
「お前らなぁ~……。」
アイリーン達から悪口の嵐を受けながら、四人の存在が目に入ってない様子で覆い被さってくるヒカリ君を、さりげなく離す。
何か……俺が寝たきりになってからやたら距離が近いんだよな~。
もう少しだけでいいから、パーソナルスペースが欲しい。
そんなささやかな願いによって、親指分くらいスペースを開けたのだが、『拒否された!?』と勘違いしたのか、ヒカリ君はムッとしたまま余計に近づいてくる。
更に、腰までガッチリ掴まれては、それ以上離す事もできず……仕方ないので諦めた。
そしてまた新たに尋ねられる質問に丁寧に答えていると、アイリーン達の目は点に……。
そんな奇妙な空気の中────そのままその日は、ヒカリ君の質問に答え続けている内に、あっという間に周囲は暗くなってしまった。
暗くなった中で歩き回るのは危険(俺が)!
そのため暗くなってきたら、そのままその場にテントを張って夜を明かす……がいつものパターンだ。
「今日はもうおしまいだな。ちょっと待ってろよ~。」
くっついているヒカリ君にお願いして身体を離してもらうと、そのままいつも通りに、女子用と勇者様用の2つのテントを張った。
その作業中も、ヒカリ君はパーソナルスペースを空けてくれない。
い、意外に人との距離が近い子だったんだ……ヒカリ君って。
ギュウギュウくっつかれて、嫌ではないが少し驚いた。
「「「「…………。」」」」
驚いたのはアイリーン達も同じ様で、ジロジロと何か言いたげな目を向けてきたが、ヒカリ君に睨まれ、全員慌てて女性用テントへ。
それを見届けた俺は、条件反射の様に焚き火の場所に行こうとしたのだが……。
────ギュッ!
ヒカリ君が後ろから腰に両手を回し、そのまま自分の方へ俺を引き寄せたため、その歩みは止められた。
「イシ、どこに行くの?テントはこっちでしょ。」
「あ、うん。自分の場所に……って、そっか。俺も今日からテントで寝ていいんだっけ?」
そよ~♬と吹きつけるちょっと冷たい風を感じ、テントの中で寝れる事を素直に喜ぶ。
すると、そんな俺の様子を見たヒカリ君は、眉をへにょ……と下に下げた。
「イシ……今までごめんね。俺、酷い事ばかりしてた。何でもするから俺から離れないで。
欲しいものは何でもあげるし、気に入らないヤツがいたら直ぐに消してあげるから……。────あ、アレ、消す? 」
ヒカリ君がチラッと隣の女子用テントに視線を向けると、ビクビクッ!!とテントが大きく揺れた気がした。
いやいや!非力な俺が必死に建てたテント消さないで~!せっかくのぬくぬく空間なんだからさ!
それをされたら本気で困るので、うおおおお~!!と心の中で叫びながら、後頭部をヒカリ君の逞しい胸筋部に擦りつける。
「頼むから止めてくれよ!消すのは嫌だから、とりあえずとっといてくれないかな?
それに謝ってくれてありがとう。じゃあ、許す、許す~。これからよろしく。」
軽い調子でそう返すと、ヒカリ君からパァッ!!と嬉しそうな気配が漂ってきた。
正直一回りくらい下の子たちの嫌がらせなど、ちょっと猫に引っ掻かれた程度。
ちなみにそれが自分より年上だと、ちょっと凶暴性の強い更年期障害を疑ってしまうため、怒りより心配が先に立つ。
だから本当に気にしてないのに、ヒカリ君はこうして謝ってくれて、その気持ちが凄く嬉しいと思った。
そのためニコニコと笑っていると、そのまま俺は軽々と抱っこされてしまい、おや??と思ったら、テントの中へ。
そのままガラス工芸品を扱う様な丁寧な手つきで、布団の上に乗せられてしまった。
「イシは本当に優しいね。許してくれてありがとう。……これからよろしくね。」
その時の笑顔は本当に幸せそうで、口角を上げただけの笑みからまた成長したのだと知る。
ヒカリ君は、どんどん変わっていくなぁ……。
その変化のスピードに恐れおののいていると、そのままヒカリ君は横たわった俺に正面から抱きつき、上にもう一つの毛布をフワっと乗せてくれた。
そのぬくもりにぬくぬくとしていたのだが、少し経ってハッ!!と気づく。
えっ、一個の布団で一緒に寝るの??
てっきり、このテントに敷かれた最高級のおふとんはヒカリ君用。
そして今まで使用していた、王宮から支給されたせんべいより薄い駄菓子のソースせんべいの様な寝袋は俺専用で、てっきり別々に眠ると思っていたのに……??
「???えぇ~と……?」
どうしようか……と考えたのだが、どうにもぬくい毛布とヒカリ君の身体が暖かくてウトウトしてしまい、そのままぐっすり眠ってしまった。
「ねぇねぇ、さっきのはなんでそう言ったの?なんでこっちにしたの?」
皆でご飯を食べて、俺が煮出したお茶を飲んでいる間もヒカリ君は、『あれは何?これは何?』と質問しては、俺の後ろをついて回る。
カルガモ勇者……。
キラキラ光り輝くカルガモの赤ちゃんが、ヨチヨチと俺の跡をついてくる姿を想像すると、吹き出しそう!
「────~っ。う、うんうん。それはね~……。」
必死に笑いに耐えながら教えてあげると、ヒカリ君は嬉しそうに口角を軽く上げて笑った。
こんなどうでもいい話でも、ヒカリ君が楽しいなら良かった良かった~。
そう思ったのだが……何故かアイリーン達からは、憎々しげに睨みつけてくる視線とギシギシと大音量の歯軋りの音が聞こえてくる。
「……ただのおじさん。」
「……甲斐性無しおじさん。」
「しょぼくれおっさん。」
「最弱中年さん。」
「お前らなぁ~……。」
アイリーン達から悪口の嵐を受けながら、四人の存在が目に入ってない様子で覆い被さってくるヒカリ君を、さりげなく離す。
何か……俺が寝たきりになってからやたら距離が近いんだよな~。
もう少しだけでいいから、パーソナルスペースが欲しい。
そんなささやかな願いによって、親指分くらいスペースを開けたのだが、『拒否された!?』と勘違いしたのか、ヒカリ君はムッとしたまま余計に近づいてくる。
更に、腰までガッチリ掴まれては、それ以上離す事もできず……仕方ないので諦めた。
そしてまた新たに尋ねられる質問に丁寧に答えていると、アイリーン達の目は点に……。
そんな奇妙な空気の中────そのままその日は、ヒカリ君の質問に答え続けている内に、あっという間に周囲は暗くなってしまった。
暗くなった中で歩き回るのは危険(俺が)!
そのため暗くなってきたら、そのままその場にテントを張って夜を明かす……がいつものパターンだ。
「今日はもうおしまいだな。ちょっと待ってろよ~。」
くっついているヒカリ君にお願いして身体を離してもらうと、そのままいつも通りに、女子用と勇者様用の2つのテントを張った。
その作業中も、ヒカリ君はパーソナルスペースを空けてくれない。
い、意外に人との距離が近い子だったんだ……ヒカリ君って。
ギュウギュウくっつかれて、嫌ではないが少し驚いた。
「「「「…………。」」」」
驚いたのはアイリーン達も同じ様で、ジロジロと何か言いたげな目を向けてきたが、ヒカリ君に睨まれ、全員慌てて女性用テントへ。
それを見届けた俺は、条件反射の様に焚き火の場所に行こうとしたのだが……。
────ギュッ!
ヒカリ君が後ろから腰に両手を回し、そのまま自分の方へ俺を引き寄せたため、その歩みは止められた。
「イシ、どこに行くの?テントはこっちでしょ。」
「あ、うん。自分の場所に……って、そっか。俺も今日からテントで寝ていいんだっけ?」
そよ~♬と吹きつけるちょっと冷たい風を感じ、テントの中で寝れる事を素直に喜ぶ。
すると、そんな俺の様子を見たヒカリ君は、眉をへにょ……と下に下げた。
「イシ……今までごめんね。俺、酷い事ばかりしてた。何でもするから俺から離れないで。
欲しいものは何でもあげるし、気に入らないヤツがいたら直ぐに消してあげるから……。────あ、アレ、消す? 」
ヒカリ君がチラッと隣の女子用テントに視線を向けると、ビクビクッ!!とテントが大きく揺れた気がした。
いやいや!非力な俺が必死に建てたテント消さないで~!せっかくのぬくぬく空間なんだからさ!
それをされたら本気で困るので、うおおおお~!!と心の中で叫びながら、後頭部をヒカリ君の逞しい胸筋部に擦りつける。
「頼むから止めてくれよ!消すのは嫌だから、とりあえずとっといてくれないかな?
それに謝ってくれてありがとう。じゃあ、許す、許す~。これからよろしく。」
軽い調子でそう返すと、ヒカリ君からパァッ!!と嬉しそうな気配が漂ってきた。
正直一回りくらい下の子たちの嫌がらせなど、ちょっと猫に引っ掻かれた程度。
ちなみにそれが自分より年上だと、ちょっと凶暴性の強い更年期障害を疑ってしまうため、怒りより心配が先に立つ。
だから本当に気にしてないのに、ヒカリ君はこうして謝ってくれて、その気持ちが凄く嬉しいと思った。
そのためニコニコと笑っていると、そのまま俺は軽々と抱っこされてしまい、おや??と思ったら、テントの中へ。
そのままガラス工芸品を扱う様な丁寧な手つきで、布団の上に乗せられてしまった。
「イシは本当に優しいね。許してくれてありがとう。……これからよろしくね。」
その時の笑顔は本当に幸せそうで、口角を上げただけの笑みからまた成長したのだと知る。
ヒカリ君は、どんどん変わっていくなぁ……。
その変化のスピードに恐れおののいていると、そのままヒカリ君は横たわった俺に正面から抱きつき、上にもう一つの毛布をフワっと乗せてくれた。
そのぬくもりにぬくぬくとしていたのだが、少し経ってハッ!!と気づく。
えっ、一個の布団で一緒に寝るの??
てっきり、このテントに敷かれた最高級のおふとんはヒカリ君用。
そして今まで使用していた、王宮から支給されたせんべいより薄い駄菓子のソースせんべいの様な寝袋は俺専用で、てっきり別々に眠ると思っていたのに……??
「???えぇ~と……?」
どうしようか……と考えたのだが、どうにもぬくい毛布とヒカリ君の身体が暖かくてウトウトしてしまい、そのままぐっすり眠ってしまった。
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