4 / 105
4
しおりを挟む
ため息を飲み込んで……何しろ、ため息をついたとバレてしまうと、またややこしいことになりますので。
ただ、知らないふりをするようにやり過ごしながら……
(お義母様はいつもそう……連花が第二夫人となってから、更に酷くなってしまって……)
今までは一方的に蘭珠へとねちねちと嫌味を言うだけだったのですが、連花が来てからは相槌を打たれたり悪口を助長するような言葉を出されて、更に話が盛り上がってしまうようです。
だからこそ蘭珠は早めにこの場を退出してしまいたかったのですけれど、すっかりタイミングを失ってしまっていました。
それに、タイミングの問題だけでもなく……
連花の「子供が出来た」という宣言のことも気に掛かります。
「ねぇ、涼珩!あなたも喜ばしいと思うでしょう?何せ待望の、あなたの子供なんですから!」
姑が、そう涼珩へ呼びかけます。
このところ、すっかりと覇気がなくなっていた涼珩。
確かに、一度声を遮られてからは何も言葉を発してない彼は、この吉報……相手が誰であれ、懐妊はめでたいことですから。
この祝福するべき話に何を思っているのでしょうか。
そう考えて、蘭珠はちらりと彼の様子を窺ったのですが……
「僕の子供……ですか?」
涼珩は、まだ実感のもてないような声を出して、言われたことを繰り返すだけでした。
そこに、姑が力強い相槌を打ちます。
「ええ、そうよ。他に誰がいるっていうの!」
(……他に誰が、ね……)
その時、蘭珠が連花の方を見たのは、この話の裏を思って……反射的に何か、奇妙だと感じてしまったからかもしれません。
彼女は蘭珠の視線に気付いたのか、一瞬ギョッとした顔をしました。
(……今の顔は何かしら……?)
ただ、知らないふりをするようにやり過ごしながら……
(お義母様はいつもそう……連花が第二夫人となってから、更に酷くなってしまって……)
今までは一方的に蘭珠へとねちねちと嫌味を言うだけだったのですが、連花が来てからは相槌を打たれたり悪口を助長するような言葉を出されて、更に話が盛り上がってしまうようです。
だからこそ蘭珠は早めにこの場を退出してしまいたかったのですけれど、すっかりタイミングを失ってしまっていました。
それに、タイミングの問題だけでもなく……
連花の「子供が出来た」という宣言のことも気に掛かります。
「ねぇ、涼珩!あなたも喜ばしいと思うでしょう?何せ待望の、あなたの子供なんですから!」
姑が、そう涼珩へ呼びかけます。
このところ、すっかりと覇気がなくなっていた涼珩。
確かに、一度声を遮られてからは何も言葉を発してない彼は、この吉報……相手が誰であれ、懐妊はめでたいことですから。
この祝福するべき話に何を思っているのでしょうか。
そう考えて、蘭珠はちらりと彼の様子を窺ったのですが……
「僕の子供……ですか?」
涼珩は、まだ実感のもてないような声を出して、言われたことを繰り返すだけでした。
そこに、姑が力強い相槌を打ちます。
「ええ、そうよ。他に誰がいるっていうの!」
(……他に誰が、ね……)
その時、蘭珠が連花の方を見たのは、この話の裏を思って……反射的に何か、奇妙だと感じてしまったからかもしれません。
彼女は蘭珠の視線に気付いたのか、一瞬ギョッとした顔をしました。
(……今の顔は何かしら……?)
104
あなたにおすすめの小説
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
王太子に婚約破棄されてから一年、今更何の用ですか?
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しいます。
ゴードン公爵家の長女ノヴァは、辺境の冒険者街で薬屋を開業していた。ちょうど一年前、婚約者だった王太子が平民娘相手に恋の熱病にかかり、婚約を破棄されてしまっていた。王太子の恋愛問題が王位継承問題に発展するくらいの大問題となり、平民娘に負けて社交界に残れないほどの大恥をかかされ、理不尽にも公爵家を追放されてしまったのだ。ようやく傷心が癒えたノヴァのところに、やつれた王太子が現れた。
訳あり侯爵様に嫁いで白い結婚をした虐げられ姫が逃亡を目指した、その結果
柴野
恋愛
国王の側妃の娘として生まれた故に虐げられ続けていた王女アグネス・エル・シェブーリエ。
彼女は父に命じられ、半ば厄介払いのような形で訳あり侯爵様に嫁がされることになる。
しかしそこでも不要とされているようで、「きみを愛することはない」と言われてしまったアグネスは、ニヤリと口角を吊り上げた。
「どうせいてもいなくてもいいような存在なんですもの、さっさと逃げてしまいましょう!」
逃亡して自由の身になる――それが彼女の長年の夢だったのだ。
あらゆる手段を使って脱走を実行しようとするアグネス。だがなぜか毎度毎度侯爵様にめざとく見つかってしまい、その度失敗してしまう。
しかも日に日に彼の態度は温かみを帯びたものになっていった。
気づけば一日中彼と同じ部屋で過ごすという軟禁状態になり、溺愛という名の雁字搦めにされていて……?
虐げられ姫と女性不信な侯爵によるラブストーリー。
※小説家になろうに重複投稿しています。
婚約破棄を兄上に報告申し上げます~ここまでお怒りになった兄を見たのは初めてでした~
ルイス
恋愛
カスタム王国の伯爵令嬢ことアリシアは、慕っていた侯爵令息のランドールに婚約破棄を言い渡された
「理由はどういったことなのでしょうか?」
「なに、他に好きな女性ができただけだ。お前は少し固過ぎたようだ、私の隣にはふさわしくない」
悲しみに暮れたアリシアは、兄に婚約が破棄されたことを告げる
それを聞いたアリシアの腹違いの兄であり、現国王の息子トランス王子殿下は怒りを露わにした。
腹違いお兄様の復讐……アリシアはそこにイケない感情が芽生えつつあったのだ。
【完結】結婚して12年一度も会った事ありませんけど? それでも旦那様は全てが欲しいそうです
との
恋愛
結婚して12年目のシエナは白い結婚継続中。
白い結婚を理由に離婚したら、全てを失うシエナは漸く離婚に向けて動けるチャンスを見つけ・・
沈黙を続けていたルカが、
「新しく商会を作って、その先は?」
ーーーーーー
題名 少し改変しました
【完結】キズモノになった私と婚約破棄ですか?別に構いませんがあなたが大丈夫ですか?
なか
恋愛
「キズモノのお前とは婚約破棄する」
顔にできた顔の傷も治らぬうちに第二王子のアルベルト様にそう宣告される
大きな傷跡は残るだろう
キズモノのとなった私はもう要らないようだ
そして彼が持ち出した条件は婚約破棄しても身体を寄越せと下卑た笑いで告げるのだ
そんな彼を殴りつけたのはとある人物だった
このキズの謎を知ったとき
アルベルト王子は永遠に後悔する事となる
永遠の後悔と
永遠の愛が生まれた日の物語
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります
恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」
「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」
十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。
再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、
その瞬間に決意した。
「ええ、喜んで差し上げますわ」
将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。
跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、
王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。
「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」
聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる