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蘭珠が声をひそめて、涼珩へと……そして、一応の念をもって義母へ話しかけた時でした。
「あのぉ!そんなことより涼珩様ぁ!」
連花の、どこか焦ったような声が、蘭珠の声を遮ったのです。
いつもおっとりと笑顔をたやさず……そして、絶やさないまま、蘭珠をちくちくと攻撃したりもするのですが。
とにかく、通常は穏やかな連花が声を上げたことに、少しだけ涼珩は勢いを削がれたようでした。
「なっ……なんだい、連花。今、僕はこの女の……」
(……今、正妻をこの女呼ばわりしませんでした?)
ぴく、と蘭珠が反応するのですが……その言葉を発した涼珩はもちろん、連花も気には留めていないようでした。
「もう、そんなことよりぃ……涼珩様にはこれから生まれてくるお子のことで色々と相談したいことがあるんですぅ」
というよりは、連花は何かから話を逸らしたいかのように、涼珩へと喋り続けます。
「大事な大事な跡取りですからぁ、新しく色々なものを用意しなくてはいけませんしぃ。ねっ、お義母様!」
「え、えぇ。もちろんよ連花!そうよね、涼珩……」
大事な跡取りという言葉に反応したのか、それともいつになく必死な連花の様子に気圧されたのか?
姑も、こくこくと頷いて涼珩を巻き込みながら、今後についての話をし始めました。
「え……?は、はい。お母様」
「ですよねぇ?そうと決まれば職人たちを呼んでぇ……」
その会話は、当然と言っていいように蘭珠を入り込ませないような調子で……
「あのぉ!そんなことより涼珩様ぁ!」
連花の、どこか焦ったような声が、蘭珠の声を遮ったのです。
いつもおっとりと笑顔をたやさず……そして、絶やさないまま、蘭珠をちくちくと攻撃したりもするのですが。
とにかく、通常は穏やかな連花が声を上げたことに、少しだけ涼珩は勢いを削がれたようでした。
「なっ……なんだい、連花。今、僕はこの女の……」
(……今、正妻をこの女呼ばわりしませんでした?)
ぴく、と蘭珠が反応するのですが……その言葉を発した涼珩はもちろん、連花も気には留めていないようでした。
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「え、えぇ。もちろんよ連花!そうよね、涼珩……」
大事な跡取りという言葉に反応したのか、それともいつになく必死な連花の様子に気圧されたのか?
姑も、こくこくと頷いて涼珩を巻き込みながら、今後についての話をし始めました。
「え……?は、はい。お母様」
「ですよねぇ?そうと決まれば職人たちを呼んでぇ……」
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