姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……

泉花ゆき

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思い返されるのは、つい先ほどの会話。
姑からは、一年経っても子供が出来ないなんて……と、さんざん言われて来ましたが。
そもそも、蘭珠ランジュ涼珩リャンハンには夫婦でありながら、ろくろく話したことすらなかったのです。

この縁談が持ち上がったことも、蘭珠ランジュの生家が豪商であり、所有の領地で鉱脈が見つかったことが発端でした。
国内外で高値に取引される鉱物が見つかったことから彼女の生家は資産を爆発的に増やし、その噂を耳聡く聞きつけた名門凌家からのたっての頼みで叶えられた婚姻です。

資産は増えども名門凌家と比べて立場の弱い彼女の生家としては、強く断るわけにもいかず……
また、いざ結婚となるまでは姑も涼珩リャンハンも大変人当たりのいい様子で蘭珠ランジュに接したものですから。

その、良すぎる程の人面には少しばかり危機感を覚えたものの……
あまりに熱心に望まれていることに、ほだされてしまったことも確かです。

まだ結婚とするには年若い蘭珠ランジュでしたが、こうも強く望まれている内に……と、結婚を決めたのでした。

(まぁ……今思い返してみると、熱心だったのは義母の方だったのですけれど……)

そして義母としても、おそらく夫の涼珩リャンハンとしても。
蘭珠ランジュに求めていたのは金蔓かねづるとしての働きだけだったのでしょう。

両親を言い包めた名門凌家は、大量の持参金を用意するように使用人を通して知らせをして来ました。

地方統治を任されている程の名門との付き合いは仕事上でしか……それも、鉱脈のために始めたばかりの付き合いです。
それが慣習だと言われてしまえば、人もよくこのような経験が少ない両親は信じ込んでしまって……
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