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しおりを挟む(あの話が本当だったとしても嘘だとしても、厄介なことが待っていそうな……)
この名門凌家からはトラブルの気配しかしないと、改めて蘭珠は感じていたのですが……
まずは、話のすり合わせが必要だと思い返します。
「それで、その今のお話が、どうして私のせいだということになったのでしょう……?」
「な、何を言っている、当り前じゃないか。僕はっ……僕は子供が出来るに値することをしたのに、それで授からなかったのは、君に何か問題があったからだろう」
涼珩の真剣そのものと言った言い方に、蘭珠は言葉を失いました。
(この人、本気で言っているのかしら)
この人が言っているのは、二人が同じ部屋で少しの間夜を過ごしたということ。
一夜を共にしたとか、そういう意味を何かの比喩で言っているわけではないのです。
もちろん……本当にこの二人が身を結んだと仮定して。
その上でこのようなことを言われるとしても、到底許されるような言い方ではないのですが……
(世継ぎを授かるか否かは男女双方にそれぞれの責任があることだと、私は実家で学びましたし……)
涼珩のあんまりな言い様に蘭珠は、ぎゅ、と拳を握りしめます。
(それより何より、私とこの人は、手を触れた覚えすらないっていうのに……!)
「あの……」
蘭珠は今置かれている状況……正妻であることとか、相手が夫であるとか……
ここが婚家であることなどを全部投げ捨てて、ひどい言葉で罵ってしまおうかと思うほどに、一瞬、頭に血が上ったのですが。
「涼珩様ぁ~!」
それは、朝食をとった広間の方から走り寄ってくる連花の声に遮られました。
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