姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……

泉花ゆき

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持参金はその金額……また、品物であれば婚姻当時の価格などが詳細に調べられて記され……
正式な書類として目録が作られて、両家にそれぞれ保管されます。
もし離縁が決まったとなれば、持参金は嫁いできた女性の元へすべて返されるというのが国の決まりでした。

そして、それだけではなく……婚家が持参金を使って何らかの事業や金額が増減するものを手掛けていた場合。

金額がどれだけ上がろうと、持参金を使用して資産が増えたとあれば、その加算された金額ごと、嫁いできた女性へ渡されることとなります。

持参金を元手にして、二倍、三倍と稼ぎを上げれば……
その二倍、三倍の金額をも含めて離縁した女性に渡さなければなりません。

(なんて馬鹿らしい法なんだろね)

手にしていた書類を卓上にばさりと置いて、夫人は冷たい目でそれらを眺めます。
息子の離縁が行われた今、持参金の返還には近いうちとなる期日が決められています。

この施設で行っている事業も、もちろん目的として利益を増やすように動いているものであり。
儲けを知られればそれでおしまい、それどころかこの金額を返さなければ、国を欺いたとしてどのような懲罰が待っているか知れたものではないのですが……

「あんたが心配するようなことじゃないんだよ。ちゃんと命じた通りにやっているんだろう?」

「はっ……それはもちろん、お言いつけの通りに。こちらをご覧ください」

冷や汗をハンカチで拭いていた男が、胸に抱えたままだった書類の束を夫人へ差し出します。
夫人はそれを受け取ると、ゆったりとした動きで束をめくり始めました。
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