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困った王家の人達
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ジョセフィーヌから離れて、一人になると、先程までの彼女の触り心地を思い出して、エリオスは、にんまりと笑う。
あの場ではああ言ったものの、今までの女性達を清算する気はない。
よくよく考えたら、まず、トップの三人は、王妃推薦のご令嬢なのだから、間違いなく今後の自分の力になってくれる筈だ。それに瑕疵もなく勝手に白紙に戻したところで、王妃からも、横槍が入るに決まっている。
ジョセフィーヌは、男爵令嬢で、可愛らしいのだが、どうにも頭で考えることが難しいらしい。まあ、そんなところも良いのだが。
話に挙がったオーブリー嬢だって、体が弱いから出来なかった教育を受けて、変わっていっている最中だし、元気になって肉が付いてきたのだから、今手を離すのは勿体ない。
愛妾とした二人だってそうだ。ジョセフィーヌは、むちっとした可愛らしい体型だが、ミランダや、エリーヌは、メリハリがあり、出るところは出て、締まるところはしっかり引き締まっている。
自分が国王になれば、それら全てが手に入る。一時の気の迷いで、手放すことはできない。
「ベアトリスに却下されたことにしよう。」
自らが断ったわけではなく、ベアトリスが断ったことにすれば、自分は悪くないと、彼女の側にいることも許されるだろう。
ベアトリスに、そのままさっきの話を持っていったところで、叱責されるのがオチだし、できないことだって、理解しているのだから、と自分さえ黙っていたら、バレることはない、と高を括っていた。
今日も執務室に入ると、いつもなら三人の婚約者候補の誰かがいる筈だが、誰も見当たらない。宰相を呼ぶも、知らない顔の若い文官が留守を伝える。
「奴らは、仕事を放棄してどこに行ったんだ?」
「私にはわかりかねます。」
「探してこい!」
「私が、ですか?」
「他に誰がいる。宰相か、私の婚約者を探せ。仕事にならないだろう。」
若い文官は、こちらを怪訝そうに見つめて、肩を竦めると、部屋を出ていった。
その反応に違和感を覚える。書類の山があちらこちらに見えるが、量が多すぎる。いつもなら、彼女達が三人でのんびりお茶でもしながら、片手間に終わる量なのに、これはおかしい。
何かがあったのだろうか。
ベアトリスを捕まえて、現在の状況を聞きださないことには動けない。
彼女達が戻るまで時間があるのだから、自ら調べれば良いのだが、昔から人任せにしてきたエリオスに考えつくことができるはずもなく、ただ手持ち無沙汰に待ちつづけた。
先ほどとは違う文官が、違う用事で部屋をノックした時、王子が怒鳴り散らしたのは、ただ待つのに疲れただけのことだ。そして、その日以来、エリオス王子殿下と、ベアトリスら婚約者候補達は、会うことがなくなった。
エリオスがただ執務室で、ボーっとしていた時、ベアトリスと残り三名、ローゼリア、アリーチェと宰相は、国王陛下に呼ばれていた。
ベアトリスと、ローゼリア、アリーチェは、エリオス王子殿下の真実の愛を応援する為、候補を辞退する旨をつきつけ、宰相は、その責任をとり、辞任することにした、と告げた。
宰相の辞任の件については、陛下も重すぎると、待ったを掛けたが、宰相が固辞したため、一旦保留となった。
三人の候補は、王妃推薦だったが、真摯に謝られてしまえば、今王妃がこの場にいないのだから、陛下からは強く言えず、こちらは一旦了承となった。
ベアトリスは、ホッとした。一旦保留とならず、了承となったのは大きな成果だ。国王陛下には、真実の愛を切々と訴えた方が良いと、アリーチェが言い張ったので、それに従ったが、完全にそれが良かった。
国王陛下は、恋愛に関しては一途で少し夢みがちなところがある。自分の息子に対して何人も女性を侍らせていることが目に余っていたのだろうが、ようやくここに来て真実の愛なるものを掴んだとなれば、嬉しいに違いない。
「流石、ワシの子だわい、なんて思ってるんじゃない?」
アリーチェはヒソヒソ話で囁いてくる。ローゼリアは、必死で我慢しているつもりだが、笑いが漏れている。目を合わせて互いに微笑むと、頷き合う。
「さあ、第一段階よ!準備はいい?」
アリーチェの号令に呼応して、ローゼリアとベアトリスは、小さく気合を入れた。
そもそも、まだ王妃にすらなっていない状態で、側妃候補者まで決めている国なんてあるはずがない。しかも、まだ立太子すらしていない王子の為に。
以前国王陛下を賢王と呼んだが、それは撤回だ。いくら愛する、とは言っても、王妃を止められなかったのだから、同罪だ。
恋愛脳でお花畑真っ盛りの王家に入らなくて良くなったことを思えば、この一瞬ぐらい乗り越えて見せましょう!
あの場ではああ言ったものの、今までの女性達を清算する気はない。
よくよく考えたら、まず、トップの三人は、王妃推薦のご令嬢なのだから、間違いなく今後の自分の力になってくれる筈だ。それに瑕疵もなく勝手に白紙に戻したところで、王妃からも、横槍が入るに決まっている。
ジョセフィーヌは、男爵令嬢で、可愛らしいのだが、どうにも頭で考えることが難しいらしい。まあ、そんなところも良いのだが。
話に挙がったオーブリー嬢だって、体が弱いから出来なかった教育を受けて、変わっていっている最中だし、元気になって肉が付いてきたのだから、今手を離すのは勿体ない。
愛妾とした二人だってそうだ。ジョセフィーヌは、むちっとした可愛らしい体型だが、ミランダや、エリーヌは、メリハリがあり、出るところは出て、締まるところはしっかり引き締まっている。
自分が国王になれば、それら全てが手に入る。一時の気の迷いで、手放すことはできない。
「ベアトリスに却下されたことにしよう。」
自らが断ったわけではなく、ベアトリスが断ったことにすれば、自分は悪くないと、彼女の側にいることも許されるだろう。
ベアトリスに、そのままさっきの話を持っていったところで、叱責されるのがオチだし、できないことだって、理解しているのだから、と自分さえ黙っていたら、バレることはない、と高を括っていた。
今日も執務室に入ると、いつもなら三人の婚約者候補の誰かがいる筈だが、誰も見当たらない。宰相を呼ぶも、知らない顔の若い文官が留守を伝える。
「奴らは、仕事を放棄してどこに行ったんだ?」
「私にはわかりかねます。」
「探してこい!」
「私が、ですか?」
「他に誰がいる。宰相か、私の婚約者を探せ。仕事にならないだろう。」
若い文官は、こちらを怪訝そうに見つめて、肩を竦めると、部屋を出ていった。
その反応に違和感を覚える。書類の山があちらこちらに見えるが、量が多すぎる。いつもなら、彼女達が三人でのんびりお茶でもしながら、片手間に終わる量なのに、これはおかしい。
何かがあったのだろうか。
ベアトリスを捕まえて、現在の状況を聞きださないことには動けない。
彼女達が戻るまで時間があるのだから、自ら調べれば良いのだが、昔から人任せにしてきたエリオスに考えつくことができるはずもなく、ただ手持ち無沙汰に待ちつづけた。
先ほどとは違う文官が、違う用事で部屋をノックした時、王子が怒鳴り散らしたのは、ただ待つのに疲れただけのことだ。そして、その日以来、エリオス王子殿下と、ベアトリスら婚約者候補達は、会うことがなくなった。
エリオスがただ執務室で、ボーっとしていた時、ベアトリスと残り三名、ローゼリア、アリーチェと宰相は、国王陛下に呼ばれていた。
ベアトリスと、ローゼリア、アリーチェは、エリオス王子殿下の真実の愛を応援する為、候補を辞退する旨をつきつけ、宰相は、その責任をとり、辞任することにした、と告げた。
宰相の辞任の件については、陛下も重すぎると、待ったを掛けたが、宰相が固辞したため、一旦保留となった。
三人の候補は、王妃推薦だったが、真摯に謝られてしまえば、今王妃がこの場にいないのだから、陛下からは強く言えず、こちらは一旦了承となった。
ベアトリスは、ホッとした。一旦保留とならず、了承となったのは大きな成果だ。国王陛下には、真実の愛を切々と訴えた方が良いと、アリーチェが言い張ったので、それに従ったが、完全にそれが良かった。
国王陛下は、恋愛に関しては一途で少し夢みがちなところがある。自分の息子に対して何人も女性を侍らせていることが目に余っていたのだろうが、ようやくここに来て真実の愛なるものを掴んだとなれば、嬉しいに違いない。
「流石、ワシの子だわい、なんて思ってるんじゃない?」
アリーチェはヒソヒソ話で囁いてくる。ローゼリアは、必死で我慢しているつもりだが、笑いが漏れている。目を合わせて互いに微笑むと、頷き合う。
「さあ、第一段階よ!準備はいい?」
アリーチェの号令に呼応して、ローゼリアとベアトリスは、小さく気合を入れた。
そもそも、まだ王妃にすらなっていない状態で、側妃候補者まで決めている国なんてあるはずがない。しかも、まだ立太子すらしていない王子の為に。
以前国王陛下を賢王と呼んだが、それは撤回だ。いくら愛する、とは言っても、王妃を止められなかったのだから、同罪だ。
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