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ヒロインのヒロイン力とやら
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「ヒロインが誰を選ぶかは学園に入るまではわからない。」
エルフリーデ曰く、彼女が入学式に身につけていたリボンの色で相手がわかるらしい。ジークフリートなら青、ドミニクなら紫、ロルフなら赤、ケヴィンなら緑、コンラートなら黄、と言う風に人によって色が変わると言う。
ジークフリートは何度も何度も神に祈った。どうか自分ではありませんように、と何度も。ただその願いは聞き入れられなかった。
彼女は、ジークフリートの瞳の色と同じ青のリボンを胸に飾り、入学式に現れた。
ジークフリート以外の男達は思い思いの方法で勝利を喜んだ。
「あれは見ようによっては緑にも見えるよね。」
ケヴィン・ベーレント辺境伯令息は、「見えない。緑と青は、こうして見ると随分と違う色だ。」と、最近できた仲の良い婚約者を不安にさせない為に、全力で否定する。
「大丈夫。殿下が、おかしくなれば、ぶっ叩いても良いと陛下からも言われている。」
明るい笑顔で物騒なことを口にするのは、コンラート・ギルマン伯爵令息で、彼は騎士団の若きエースと言われている。彼は、リーゼロッテの遠い親戚で、エルフリーデとも仲が良い。
前世のエルフリーデの推しは、兄ジークフリートだったが、コンラートのルートも何度かやり込んだらしいので、仲良くなるのが早かった。
ジークフリートが狙いならば、なおのこと。リーゼロッテや、エルフリーデのために、ヒロインとやらをどうしてくれようか。ジークフリートは策を練った。
「お兄様、最後のスチルが終われば多分、ヒロインの物語は終わります。」
リーゼロッテにも会えずに頑張っている兄に対して神のような妹の声に、スチルとやらが何かもわからずに飛びつくと、最後の最後に、リーゼロッテを皆の前で断罪しなくてはならない、と指令を受ける。
一体何の罪で?と思ったのだが、ヒロインはリーゼロッテに自主的に会いに行っては、無視を虐めだと主張し、注意を虐めだと詰り、不注意で躓いた恥ずかしい行動を、リーゼロッテのせいだと言ったらしい。
「馬鹿か。」
公爵令嬢であるリーゼロッテが、挨拶もされていない男爵令嬢に話しかける訳もない。ヒロインがジークフリートを選んだとはいえ、ジークフリートがヒロインを望んでいないのだから、リーゼロッテの方が立場は上なのだが、そうは思わないらしいヒロインの頭の悪さに、ジークフリートは度々側近に、本音を漏らしていた。
茶番だといえ、そんなものに、忙しい人間を付き合わせるわけにはいかない。
一足早く、戦線を離脱したエルフリーデに、人を集めてもらい、そこでリーゼロッテに、断罪するための舞台を作り上げる。人の顔を覚えていないヒロインにはたくさんの人がいれば、それだけで満足する、とはエルフリーデの談。
それはジークフリートも同意する。
こうして、作られた舞台で、最後のスチルを達成したジークフリートは、晴れて、リーゼロッテの元へ向かったのだが。
ヒロインはしぶとかった。ヒロインは最後の最後に、ヒロイン力を発揮して牢から逃げ出したのだった。
エルフリーデ曰く、彼女が入学式に身につけていたリボンの色で相手がわかるらしい。ジークフリートなら青、ドミニクなら紫、ロルフなら赤、ケヴィンなら緑、コンラートなら黄、と言う風に人によって色が変わると言う。
ジークフリートは何度も何度も神に祈った。どうか自分ではありませんように、と何度も。ただその願いは聞き入れられなかった。
彼女は、ジークフリートの瞳の色と同じ青のリボンを胸に飾り、入学式に現れた。
ジークフリート以外の男達は思い思いの方法で勝利を喜んだ。
「あれは見ようによっては緑にも見えるよね。」
ケヴィン・ベーレント辺境伯令息は、「見えない。緑と青は、こうして見ると随分と違う色だ。」と、最近できた仲の良い婚約者を不安にさせない為に、全力で否定する。
「大丈夫。殿下が、おかしくなれば、ぶっ叩いても良いと陛下からも言われている。」
明るい笑顔で物騒なことを口にするのは、コンラート・ギルマン伯爵令息で、彼は騎士団の若きエースと言われている。彼は、リーゼロッテの遠い親戚で、エルフリーデとも仲が良い。
前世のエルフリーデの推しは、兄ジークフリートだったが、コンラートのルートも何度かやり込んだらしいので、仲良くなるのが早かった。
ジークフリートが狙いならば、なおのこと。リーゼロッテや、エルフリーデのために、ヒロインとやらをどうしてくれようか。ジークフリートは策を練った。
「お兄様、最後のスチルが終われば多分、ヒロインの物語は終わります。」
リーゼロッテにも会えずに頑張っている兄に対して神のような妹の声に、スチルとやらが何かもわからずに飛びつくと、最後の最後に、リーゼロッテを皆の前で断罪しなくてはならない、と指令を受ける。
一体何の罪で?と思ったのだが、ヒロインはリーゼロッテに自主的に会いに行っては、無視を虐めだと主張し、注意を虐めだと詰り、不注意で躓いた恥ずかしい行動を、リーゼロッテのせいだと言ったらしい。
「馬鹿か。」
公爵令嬢であるリーゼロッテが、挨拶もされていない男爵令嬢に話しかける訳もない。ヒロインがジークフリートを選んだとはいえ、ジークフリートがヒロインを望んでいないのだから、リーゼロッテの方が立場は上なのだが、そうは思わないらしいヒロインの頭の悪さに、ジークフリートは度々側近に、本音を漏らしていた。
茶番だといえ、そんなものに、忙しい人間を付き合わせるわけにはいかない。
一足早く、戦線を離脱したエルフリーデに、人を集めてもらい、そこでリーゼロッテに、断罪するための舞台を作り上げる。人の顔を覚えていないヒロインにはたくさんの人がいれば、それだけで満足する、とはエルフリーデの談。
それはジークフリートも同意する。
こうして、作られた舞台で、最後のスチルを達成したジークフリートは、晴れて、リーゼロッテの元へ向かったのだが。
ヒロインはしぶとかった。ヒロインは最後の最後に、ヒロイン力を発揮して牢から逃げ出したのだった。
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