5 / 7
ヒロインは牢に帰る
しおりを挟む
ヒロイン、モニカ・グラウンを牢から出した男はある地点を過ぎると、モニカを撒けと、雇い主から指示されていた。
モニカは助けに来た男に見覚えはなかったが、彼を逃すとどうなるかわからないと、絶対に撒かれないようにしていたにも関わらず、結局は撒かれてしまったのである。
「ええ、どうしよう。ここだと、誰が近いのかな。うーんと、辺境まではいかないからロルフの家が近かったっけ。」
モニカは、ジークフリートにもう一度会いに行くにしろ、側近達に訳を話して味方になって貰おうと考えていた。
「こんなことなら、逆ハーとか少しはやっておいた方が良かったかも。」
まさかジークフリートに振られるなんて思わないモニカは、いまだに何が悪かったのかわかっていない。
「コンラートにも手伝って貰えれば良いんだけど。彼もゲームとは全然違ったからなぁ。」
モニカが逆ハーを狙わなかったのは彼らとゲームのキャラが一致しなかったことがある。
彼らは皆見た目はそのままだが、性格やら昔のエピソードなどが異なっていた。ジークフリートだって、ゲームの中では、妹を馬鹿にしていたり、リーゼロッテとギクシャクしていたりしていたのだが、実際は違う。
ドミニクだって、一番チョロいキャラだったのに、会った早々人のことを疑って、ヒロインのことをスパイだと間違えるなんて、何の冗談?
ただのチョロい脳筋だったドミニクはどこに行った訳?
他にも、今から会いに行こうとしているロルフも、最初に会った時に違和感があったと思い出す。
彼は文官の家に生まれたが、勉強が苦手で外国語が得意な婚約者に馬鹿にされたことで婚約者と仲が悪かった。
それが勉強嫌いなどどこへやら、学園では婚約者と一緒に図書室で勉強し、質問をする体で近づいても、此方が勉強していないとわかると、冷たい目で睨みつけられる始末。
ロルフは気の弱い子だったはずなのに。気弱な彼が強くなるのはヒロインへの愛によって、の筈なのに、どうしてよ?
ヒロインに構われなかったから、別の女で代用したってこと?それなら、ロルフには頼れないかもしれない。
どうしようかな。モニカが、そんなことを考えながら歩いていると、目の前に見たことのある馬車が通りかかる。
ギルマン伯爵家の紋章に、モニカは浮き足だった。
「嘘。コンラート、迎えに来てくれたの?」
飛び出して馬車を止めて、扉を力任せに開ける。御者から怒られたが、気にしては居られない。モニカはコンラート・ギルマンの情報を咄嗟に思い出し、彼がゲーム内で好きだった笑みを浮かべた。
馬車の扉を開くと、そこには、エルフリーデと、コンラートがまさに、イチャイチャしている最中だった。
「は?あんた、修道院に行ったんじゃないの?」
エルフリーデを守るために、立ちはだかったコンラートに、簡単に捕らえられたモニカは、ギルマン伯爵夫人を襲った女として、牢に戻ることになった。ただし、前とは異なり、平民用の牢に入れられることになる。
「ジークを呼んで!彼は私の婚約者よ。」
何度もそう訴えたが、彼らはジークを呼んでくれることはない。
「ジークフリート殿下は、リーゼロッテ・ヘスマン公爵令嬢とご結婚されたよ。」
「嘘よ。彼は、リーゼロッテを捨てて、私を選んだんだから。」
モニカは助けに来た男に見覚えはなかったが、彼を逃すとどうなるかわからないと、絶対に撒かれないようにしていたにも関わらず、結局は撒かれてしまったのである。
「ええ、どうしよう。ここだと、誰が近いのかな。うーんと、辺境まではいかないからロルフの家が近かったっけ。」
モニカは、ジークフリートにもう一度会いに行くにしろ、側近達に訳を話して味方になって貰おうと考えていた。
「こんなことなら、逆ハーとか少しはやっておいた方が良かったかも。」
まさかジークフリートに振られるなんて思わないモニカは、いまだに何が悪かったのかわかっていない。
「コンラートにも手伝って貰えれば良いんだけど。彼もゲームとは全然違ったからなぁ。」
モニカが逆ハーを狙わなかったのは彼らとゲームのキャラが一致しなかったことがある。
彼らは皆見た目はそのままだが、性格やら昔のエピソードなどが異なっていた。ジークフリートだって、ゲームの中では、妹を馬鹿にしていたり、リーゼロッテとギクシャクしていたりしていたのだが、実際は違う。
ドミニクだって、一番チョロいキャラだったのに、会った早々人のことを疑って、ヒロインのことをスパイだと間違えるなんて、何の冗談?
ただのチョロい脳筋だったドミニクはどこに行った訳?
他にも、今から会いに行こうとしているロルフも、最初に会った時に違和感があったと思い出す。
彼は文官の家に生まれたが、勉強が苦手で外国語が得意な婚約者に馬鹿にされたことで婚約者と仲が悪かった。
それが勉強嫌いなどどこへやら、学園では婚約者と一緒に図書室で勉強し、質問をする体で近づいても、此方が勉強していないとわかると、冷たい目で睨みつけられる始末。
ロルフは気の弱い子だったはずなのに。気弱な彼が強くなるのはヒロインへの愛によって、の筈なのに、どうしてよ?
ヒロインに構われなかったから、別の女で代用したってこと?それなら、ロルフには頼れないかもしれない。
どうしようかな。モニカが、そんなことを考えながら歩いていると、目の前に見たことのある馬車が通りかかる。
ギルマン伯爵家の紋章に、モニカは浮き足だった。
「嘘。コンラート、迎えに来てくれたの?」
飛び出して馬車を止めて、扉を力任せに開ける。御者から怒られたが、気にしては居られない。モニカはコンラート・ギルマンの情報を咄嗟に思い出し、彼がゲーム内で好きだった笑みを浮かべた。
馬車の扉を開くと、そこには、エルフリーデと、コンラートがまさに、イチャイチャしている最中だった。
「は?あんた、修道院に行ったんじゃないの?」
エルフリーデを守るために、立ちはだかったコンラートに、簡単に捕らえられたモニカは、ギルマン伯爵夫人を襲った女として、牢に戻ることになった。ただし、前とは異なり、平民用の牢に入れられることになる。
「ジークを呼んで!彼は私の婚約者よ。」
何度もそう訴えたが、彼らはジークを呼んでくれることはない。
「ジークフリート殿下は、リーゼロッテ・ヘスマン公爵令嬢とご結婚されたよ。」
「嘘よ。彼は、リーゼロッテを捨てて、私を選んだんだから。」
171
あなたにおすすめの小説
【完結】兄様が果てしなくアレなのですけど、伯爵家の将来は大丈夫でしょうか?
まりぃべる
恋愛
サンクレバドラー伯爵家は、果てしなくアレな兄と、私レフィア、それから大変可愛らしくて聡明な妹がおります。
果てしなくアレな兄は、最近家で見かけないのです。
お母様は心配されてますよ。
遊び歩いている兄様…伯爵家は大丈夫なのでしょうか?
☆この作品での世界観です。現実と違う場合もありますが、それをお考えいただきましてお読み下さると嬉しいです。
お母様!その方はわたくしの婚約者です
バオバブの実
恋愛
マーガレット・フリーマン侯爵夫人は齢42歳にして初めて恋をした。それはなんと一人娘ダリアの婚約者ロベルト・グリーンウッド侯爵令息
その事で平和だったフリーマン侯爵家はたいへんな騒ぎとなるが…
【完結】私の代わりに。〜お人形を作ってあげる事にしました。婚約者もこの子が良いでしょう?〜
BBやっこ
恋愛
黙っていろという婚約者
おとなしい娘、言うことを聞く、言われたまま動く人形が欲しい両親。
友人と思っていた令嬢達は、「貴女の後ろにいる方々の力が欲しいだけ」と私の存在を見ることはなかった。
私の勘違いだったのね。もうおとなしくしていられない。側にも居たくないから。
なら、お人形でも良いでしょう?私の魔力を注いで創ったお人形は、貴方達の望むよに動くわ。
お前は整形した醜い顔だと婚約破棄されたので溺愛してくれる王子に乗り換えます! 実は整形なんてしていなかったと気づいてももう遅い
朱之ユク
恋愛
美しい顔をしたスカーレットは突如それまで付き合ってくれていた彼氏にお前の顔は整形だと言われて婚約破棄を言い渡されてしまう。彼氏はそのままスカーレットのことを罵りまくるが実はスカーレットは整形なんてしてない。
正真正銘の美しい顔でいただけだ。多少メイクはしているけど、醜いと罵られる覚えはありません。
溺愛してくれる王子と新たに婚約することになったので、いまさら復縁したいと言ってももう遅い!
虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜
ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」
あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。
「セレス様、行きましょう」
「ありがとう、リリ」
私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。
ある日精霊たちはいった。
「あの方が迎えに来る」
カクヨム/なろう様でも連載させていただいております
地味令嬢、婚約者(偽)をレンタルする
志熊みゅう
恋愛
伯爵令嬢ルチアには、最悪な婚約者がいる。親同士の都合で決められたその相手は、幼なじみのファウスト。子どもの頃は仲良しだったのに、今では顔を合わせれば喧嘩ばかり。しかも初顔合わせで「学園では話しかけるな」と言い放たれる始末。
貴族令嬢として意地とプライドを守るため、ルチアは“婚約者”をレンタルすることに。白羽の矢を立てたのは、真面目で優秀なはとこのバルド。すると喧嘩ばっかりだったファウストの様子がおかしい!?
すれ違いから始まる逆転ラブコメ。
その結婚、承服致しかねます
チャイムン
恋愛
結婚が五か月後に迫ったアイラは、婚約者のグレイグ・ウォーラー伯爵令息から一方的に婚約解消を求められた。
理由はグレイグが「真実の愛をみつけた」から。
グレイグは彼の妹の侍女フィルとの結婚を望んでいた。
誰もがゲレイグとフィルの結婚に難色を示す。
アイラの未来は、フィルの気持ちは…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる