ヒロインの味方のモブ令嬢は、ヒロインを見捨てる

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モブ令嬢はヒロインに利用される

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「またですか。」
大きく溜息をついた私を殿方達は、睨みつけ、何か言いたそうな顔をしています。何か言いたくても言えないのが普通です。だって、その権利はないのですから。だというのに、空気が読めないのか、自分は権利があるとでも思っているのか、甚だ勘違いが過ぎますが、ダニエル・カート子爵令息は、私に苦言を呈します。

「カトリーヌ嬢が困っているのだから、助けるのが当然だろう。君は友人を助けたいと思わない非道な人間なのか。」

「ダニエル様、その台詞、そっくりそのままお返し致しますわ。貴方達、カトリーヌ様の窮地にお金を出して援助して差し上げたことがないではないですか。私以外が援助しても宜しいのですよ?私、担当になった覚えはありませんもの。」

「ごめんなさい。いつも皆様に甘えている私が悪いのよ。私が本当なら自分でどうにかしなければいけない問題なのですもの。」

カトリーヌ嬢が目を伏せると同時に見守っている殿方達は、こちらを睨みつけてくる。そんなにお怒りなのでしたら、自分達が助けてあげたら宜しいのに、どうして私ばかり責められなくてはならないのかしら。

私サラ・クレールは、乙女ゲームの世界に転生いたしました、ただのモブ令嬢です。前世ではヒロイン推しだったことと、実家が少しばかりお金があったため、カトリーヌに課金をする感覚でうっかり援助をしたのですわ。

保険として借用書は書いていただきましたが、私のお小遣い程度でしたので、特に返済期限は設けておりませんでしたの。

ヒロインのカトリーヌ嬢は、ダレル男爵が他所に産ませた庶子で最近引き取られたものの、自由に使えるお金もなく、男爵に頼むことも今は出来ない、と泣きつかれた為少額ですが、お貸ししていたのです。

男爵家でお小遣いを貰っているようなのに、一向に返済はないし、彼女が虜にする殿方はどの方も、下位貴族の次男や三男で、全くお金を出してくれない。

先ほどのダニエル・カート子爵令息は、私の婚約者でして、二人そろってカトリーヌ様をお慕いしていたのですが、彼自身はお金を出さないのに、私にばかり出させて、しかも自分は偉そうにされるので、ほとほと呆れてしまいまして、近日中に婚約を解消する予定です。

解消理由は、人間性に問題あり、でしょうかしら。

カトリーヌ嬢は悪い方ではないと、思っていたのですが、どうやら思い違いと言わざるを得ません。彼女は出会って四年もの間、一度もお金を返済しないのですもの。そのくせ、いつも私を当てにするのです。

彼女は、女性の友人は少なく、私だけが頼れる存在だと言います。最初はそれが嬉しかったのです。推しでしたから。


けれど、最近になって、私は利用されているのだと、わかってきたのですわ。

女性の友人がいないのは、すぐに男性に擦り寄るからです。人を利用しようとするからです。金蔓にされてまで、一緒にはいたくないですもの。

私は彼女を見捨てる決意をしました。でも、お金は返していただきますわ。それとこれは話が別ですもの。
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