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飼い主は感謝する
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カトリーヌが喚いているのを放って、飼い主は人に会う為の準備をする。カトリーヌには正体を明かすつもりはないが、彼はれっきとした騎士だ。王国騎士団に属しているが、諜報活動に特化している。
隣国の侯爵夫妻が、人を探しているらしいと小耳に挟んだ。娘が稀代の悪女と呼ばれ、当時の王太子を唆し、国家転覆を狙ったとされる、その両親は、娘がひっそりと出産し、手放した自分達の孫を探していた。
当時の王太子は廃嫡され、既に王位継承権はない。本来ならこちらが気にかけてやるほどの案件ではないが、隣国としては、操られていた被害者としての意識が強く、何とか助けてやりたいと言う。一国の王としては甘いが、王も人の子、自分の子どもが可愛いのだ。退位後、その想いは強くなったらしい。
この元王子も、自分を陥れた女が産み落とした子を探している。名目としては、我が子だと言ってはいるが、血の繋がりは疑わしい。この女は、例にも漏れず、いろいろな立場の男と関係を持っていた。彼女は、隣国では非常に珍しい禁術である魅了魔法を使った。
魅了魔法の使い手は少ないが、いる。あまりに強烈な物を使うと、禁術だから罰せられるが、微力なものだと、特に放って置かれる。だが、本当なら罰せられるべきのものであるので、使わないうちに、使えなくなるのが普通だ。
侯爵夫妻も元王太子も、子を見つけた時の対応はそう大差ないだろう。親のした事は、子には関係ないとは、言い切れない。ましてや、生前の悪女と瓜二つの彼女を見れば。
カトリーヌの魅了魔法は、弱すぎて本来の力を出せない為、全く意味をなさない。とはいえ、無意識に使っているため、タチが悪い。
カトリーヌが今できることといえば、借金を増やすことだけ。借金地獄の苦しみを知らないとはいえ、無防備すぎる。騎士である自分がカトリーヌを捕獲したのは、単なる親切だ。このままだと、借金は増え続け、婚約破棄された男性から逆恨みで殺されかねない。それだと、彼女はただの迷惑な人で終わってしまう。彼女の名誉の為にも、どうせ死ぬのなら、誰かの役に立って死ぬべきだ。
人助けなのだから、少しは感謝してほしいものだ。感謝の気持ちを持つことができるご令嬢ならこんな状態にはなっていない。
やはり因果応報といえる。
今から彼が会おうとしているのは、彼を動かしている人で、この計画を思いついた人。
王国騎士団としての自分も、絶対に彼に逆らえないのは彼が王子だからではない。彼こそ悪女に振り回された女性を一途に想い続けた人だからだ。
彼は第二王子でありながら、第一王子を支えている。見た目によらず、怖いことを平気で考える人だ。
当初の予定を遂行していたなら、きっと今の自分はなかった。だから、カトリーヌ嬢には感謝している。その存在で、私の首を繋げてくれたのだから。
隣国の侯爵夫妻が、人を探しているらしいと小耳に挟んだ。娘が稀代の悪女と呼ばれ、当時の王太子を唆し、国家転覆を狙ったとされる、その両親は、娘がひっそりと出産し、手放した自分達の孫を探していた。
当時の王太子は廃嫡され、既に王位継承権はない。本来ならこちらが気にかけてやるほどの案件ではないが、隣国としては、操られていた被害者としての意識が強く、何とか助けてやりたいと言う。一国の王としては甘いが、王も人の子、自分の子どもが可愛いのだ。退位後、その想いは強くなったらしい。
この元王子も、自分を陥れた女が産み落とした子を探している。名目としては、我が子だと言ってはいるが、血の繋がりは疑わしい。この女は、例にも漏れず、いろいろな立場の男と関係を持っていた。彼女は、隣国では非常に珍しい禁術である魅了魔法を使った。
魅了魔法の使い手は少ないが、いる。あまりに強烈な物を使うと、禁術だから罰せられるが、微力なものだと、特に放って置かれる。だが、本当なら罰せられるべきのものであるので、使わないうちに、使えなくなるのが普通だ。
侯爵夫妻も元王太子も、子を見つけた時の対応はそう大差ないだろう。親のした事は、子には関係ないとは、言い切れない。ましてや、生前の悪女と瓜二つの彼女を見れば。
カトリーヌの魅了魔法は、弱すぎて本来の力を出せない為、全く意味をなさない。とはいえ、無意識に使っているため、タチが悪い。
カトリーヌが今できることといえば、借金を増やすことだけ。借金地獄の苦しみを知らないとはいえ、無防備すぎる。騎士である自分がカトリーヌを捕獲したのは、単なる親切だ。このままだと、借金は増え続け、婚約破棄された男性から逆恨みで殺されかねない。それだと、彼女はただの迷惑な人で終わってしまう。彼女の名誉の為にも、どうせ死ぬのなら、誰かの役に立って死ぬべきだ。
人助けなのだから、少しは感謝してほしいものだ。感謝の気持ちを持つことができるご令嬢ならこんな状態にはなっていない。
やはり因果応報といえる。
今から彼が会おうとしているのは、彼を動かしている人で、この計画を思いついた人。
王国騎士団としての自分も、絶対に彼に逆らえないのは彼が王子だからではない。彼こそ悪女に振り回された女性を一途に想い続けた人だからだ。
彼は第二王子でありながら、第一王子を支えている。見た目によらず、怖いことを平気で考える人だ。
当初の予定を遂行していたなら、きっと今の自分はなかった。だから、カトリーヌ嬢には感謝している。その存在で、私の首を繋げてくれたのだから。
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