あの気持ち悪い贈り物は貴方でしたの?

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そして

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ルーカスが、ある伯爵夫人のパーティーに連れて行ってくださると聞き、嬉しくてウキウキしておりましたところ、また手紙が届きました。

いつも贈り物と一緒に手紙がついているのですが、今回は手紙だけでした。

すぐさま、夫に見せに行きました。開けて読むなり、夫はそれはそれは嬉しそうに笑いました。それはいつも私に見せてくれる慈愛に満ちた物ではなくて、どす黒い怒気を孕んだ笑顔でした。

ルーカスのこの笑顔は、前に一度見たことがあるように思いますが、どこでだったでしょうか。彼はこんな笑顔でも、素敵なのですわ。

そうして、今日を迎えたのです。

どうやら、夫はこのパーティーに、差出人がやってくると掴んでいたようです。あの時の手紙に書いてあったのでしょうか。

名前を問われた男は、顔を真っ青にしております。けれど、上の立場の方から、名前を聞かれて答えないと言う選択はしないでしょう。震えた声で自己紹介をされます。

「アンソニー・ミラーと申します。以後お見知りおきを。」

「ああ、ミラー伯爵家か。そこの長男だね。」

お義父様のお声も怒気が含まれておりますわ。

「はい。」

先ほどまでとは打ってかわり、すごく小さい声で返事をされます。私には至近距離であんな大声でしたのに。

「なるほど。ミラー伯爵家は、長男の教育に失敗したのか。自分より立場の弱そうなメイドをその気にさせておいて、衆人の前で身の程を知らせる遊びは、趣味が良いとは言えないな。それに、君は貴族として、常識もないようだね。彼女を見ても、まだわからないなんて。」

ルーカスが、面白くて仕方がない、と笑いながら煽っていきます。ああ、そのお顔も凄く素敵。

男は私の顔を穴が開くほど見ていますが、未だに顔に疑問符がたくさん見えるようです。私も自己紹介しましょうか?

ルーカスは私の腰に回した手に力をいれて、男に教えて差し上げます。

「彼女を知らない者が貴族の中にいるとは思わなかった。彼女はデビュタント以降、すぐに私と結婚したから知らないのも無理はないのかも知れないが。それでも、同情の余地はないよ。」

ルーカスが楽しそうですわ。対して真っ青になっているものの、まだよくわかってらっしゃらない頭の残念な男。

さあ、今から夫の見せ場と言う所で、邪魔が入ってしまいましたわ。

邪魔と言うのは失礼かしら。血相変えて飛び込んでこられたのですから。

「マーガレット様~!グレイ侯爵家様。何か粗相がございましたでしょうか?」

このパーティーの主催の伯爵夫人ですわ。

「いいえ、楽しんでいるわ。ありがとう。素敵なパーティーに呼んでくださって。挨拶が遅れましてごめんなさい。」

挨拶を忘れるなんて、淑女失格ですわ。

「いえいえ、楽しんでいただけると何よりです。グリーンウェル様にも、グレイ様にも、お世話になりましたから。こちらこそ、お越しいただきありがとうございます。挨拶が遅くなり申し訳ありません。」

あらあら、全て話してしまうなんて。ルーカス様が愉快そうなので、許しますが、ダメですわよ?いいとこ取りは。これからは、夫のターンです。少し静かにして下さいませ。
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