9 / 13
あら、あら、あら
しおりを挟む
第三王子は、私達に向き合って謝罪した。
「この度は、本当に申し訳ないことをした。許してほしい。」
王族でも、偉そうでないのは良いけれど、そんなに簡単に頭を下げてはいけないわ。
第三王子は、頭を上げて、嬉しそうに笑い、「ありがとう」と何故かお礼を言われた。
あら、また声に出てたかしら。
旦那様を見ると、笑ってらっしゃるので、そうなのね。
マーガレット様は、勢いはなくなったものの、忌々しそうに私を見る目は変わらない。
「私は謝らない。悪くないもの。」
子供の様なことを仰るのね。
私は何だか気が抜けてしまって、腹も立たないから、どうでもよくなってきた。
第三王子は、旦那様と談笑して、マーガレット様をつれて帰ろうとしていました。
もう気が抜けた私達は、パーティーに気持ちなどもうなく、同じように帰ろうとしていたのですが、所謂伏兵がいたのでした。
男は、魂が抜けている状態でした。彼はマーガレット様に唆されていたのか、本当に好きだったのかはわかりませんが、利用されたに過ぎない様です。
あの男は力なく立ち上がり、どこからか、取り出したナイフで、マーガレット様を襲いに行ったのです。
まあ、護衛に阻まれましたが。
痴情のもつれと言うものでしょうか。私、ドキドキしてしまって、見入ってしまったのですわ。
マーガレット様は、そこで、ようやく、男性ではなく、男性の横にいた女性に気がつきました。
「なんであんたがいるの?」
それは、驚愕と恐れが入り混ったような表情でした。
子供のように見えた女性の表情はよく見えませんでしたが、笑っているようです。
マーガレット様は、第三王子の背中に抱きついて怯えています。第三王子は、女性を見ると、マーガレット様に何か囁いています。
護衛によって彼女は拘束されました。
何だったのでしょう。
マーガレット様の怯えは大変なものでした。
その後、お開きになって、帰った私達は、ようやく幸せな眠りについたものの、気はそぞろでした。
私はデビュタントすぐに結婚した世間知らずなもので、痴情のもつれとか、そう言うのが大好きなのです。
ルーカスは、笑っていて、そう言った趣味を笑ってくれますが、本来は悪趣味と言うのですよね。知っていますわ。だから、あの時の結末がわかるまで、私は良い意味でドキドキして過ごしたのです。
「この度は、本当に申し訳ないことをした。許してほしい。」
王族でも、偉そうでないのは良いけれど、そんなに簡単に頭を下げてはいけないわ。
第三王子は、頭を上げて、嬉しそうに笑い、「ありがとう」と何故かお礼を言われた。
あら、また声に出てたかしら。
旦那様を見ると、笑ってらっしゃるので、そうなのね。
マーガレット様は、勢いはなくなったものの、忌々しそうに私を見る目は変わらない。
「私は謝らない。悪くないもの。」
子供の様なことを仰るのね。
私は何だか気が抜けてしまって、腹も立たないから、どうでもよくなってきた。
第三王子は、旦那様と談笑して、マーガレット様をつれて帰ろうとしていました。
もう気が抜けた私達は、パーティーに気持ちなどもうなく、同じように帰ろうとしていたのですが、所謂伏兵がいたのでした。
男は、魂が抜けている状態でした。彼はマーガレット様に唆されていたのか、本当に好きだったのかはわかりませんが、利用されたに過ぎない様です。
あの男は力なく立ち上がり、どこからか、取り出したナイフで、マーガレット様を襲いに行ったのです。
まあ、護衛に阻まれましたが。
痴情のもつれと言うものでしょうか。私、ドキドキしてしまって、見入ってしまったのですわ。
マーガレット様は、そこで、ようやく、男性ではなく、男性の横にいた女性に気がつきました。
「なんであんたがいるの?」
それは、驚愕と恐れが入り混ったような表情でした。
子供のように見えた女性の表情はよく見えませんでしたが、笑っているようです。
マーガレット様は、第三王子の背中に抱きついて怯えています。第三王子は、女性を見ると、マーガレット様に何か囁いています。
護衛によって彼女は拘束されました。
何だったのでしょう。
マーガレット様の怯えは大変なものでした。
その後、お開きになって、帰った私達は、ようやく幸せな眠りについたものの、気はそぞろでした。
私はデビュタントすぐに結婚した世間知らずなもので、痴情のもつれとか、そう言うのが大好きなのです。
ルーカスは、笑っていて、そう言った趣味を笑ってくれますが、本来は悪趣味と言うのですよね。知っていますわ。だから、あの時の結末がわかるまで、私は良い意味でドキドキして過ごしたのです。
16
あなたにおすすめの小説
不機嫌な侯爵様に、その献身は届かない
翠月るるな
恋愛
サルコベリア侯爵夫人は、夫の言動に違和感を覚え始める。
始めは夜会での振る舞いからだった。
それがさらに明らかになっていく。
機嫌が悪ければ、それを周りに隠さず察して動いてもらおうとし、愚痴を言ったら同調してもらおうとするのは、まるで子どものよう。
おまけに自分より格下だと思えば強気に出る。
そんな夫から、とある仕事を押し付けられたところ──?
その結婚、承服致しかねます
チャイムン
恋愛
結婚が五か月後に迫ったアイラは、婚約者のグレイグ・ウォーラー伯爵令息から一方的に婚約解消を求められた。
理由はグレイグが「真実の愛をみつけた」から。
グレイグは彼の妹の侍女フィルとの結婚を望んでいた。
誰もがゲレイグとフィルの結婚に難色を示す。
アイラの未来は、フィルの気持ちは…
公爵令嬢の何度も繰り返す断罪
アズやっこ
恋愛
私は第一王子の婚約者の公爵令嬢。
第一王子とは仲が良かったと私は思っていた。それなのに一人の男爵令嬢と出会って第一王子は変わってしまった。
私は嫉妬に狂い男爵令嬢を傷つけた。そして私は断罪された。
修道院へ向かう途中意識が薄れ気が付いた時、また私は過去に戻っていた。
そして繰り返される断罪…。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 主人公は乙女ゲームの世界とは知りません。
〈完結〉貴方、不倫も一つならまだ見逃しましたが、さすがにこれでは離婚もやむを得ません。
江戸川ばた散歩
恋愛
とある夏の避暑地。ローライン侯爵家の夏屋敷のお茶会に招待された六つの家の夫妻及び令嬢。
ゆったりとした時間が送れると期待していたのだが、登場したこの日の主催者であるローライン夫妻のうち、女学者侯爵夫人と呼ばれているルージュの口からこう切り出される。「離婚を宣言する」と。
驚く夫ティムス。
かくしてお茶会公開裁判の場となるのであった。
【完結】私は王子様の運命の相手だけど、そのことは誰にも言ってはいけない
雪野原よる
恋愛
ずっと王子の護衛騎士として仕えている男装の私は、王子のたった一人の「運命」でもある。なのに、国王陛下の厳命により、この事実は、この想いは隠し通さねばならない──
※シリアスに見せかけたコメディです。
※ネタバレ:王子が滅茶苦茶ブチ切れます。
それは確かに真実の愛
宝月 蓮
恋愛
レルヒェンフェルト伯爵令嬢ルーツィエには悩みがあった。それは幼馴染であるビューロウ侯爵令息ヤーコブが髪質のことを散々いじってくること。やめて欲しいと伝えても全くやめてくれないのである。いつも「冗談だから」で済まされてしまうのだ。おまけに嫌がったらこちらが悪者にされてしまう。
そんなある日、ルーツィエは君主の家系であるリヒネットシュタイン公家の第三公子クラウスと出会う。クラウスはルーツィエの髪型を素敵だと褒めてくれた。彼はヤーコブとは違い、ルーツィエの嫌がることは全くしない。そしてルーツィエとクラウスは交流をしていくうちにお互い惹かれ合っていた。
そんな中、ルーツィエとヤーコブの婚約が決まってしまう。ヤーコブなんかとは絶対に結婚したくないルーツィエはクラウスに助けを求めた。
そしてクラウスがある行動を起こすのであるが、果たしてその結果は……?
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
これからもあなたが幸せでありますように。
石河 翠
恋愛
愛する男から、別の女と結婚することを告げられた主人公。彼の後ろには、黙って頭を下げる可憐な女性の姿があった。主人公は愛した男へひとつ口づけを落とし、彼の幸福を密やかに祈る。婚約破棄風の台詞から始まる、よくある悲しい恋の結末。
小説家になろうにも投稿しております。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる