15 / 20
15 再びの死、訪れる
しおりを挟む
ジルヴァは笑う。
「相変わらず愚かな男だなアルフォンス。護衛さえ付けずに来たのは、セオ・ワイルズ救済の道を諦めきれないためか?」
アルフォンスはそれに一切答えること無く直進すると、剣をセオに向けて振り下ろした。だがセオの方も剣を引き抜き、それを真正面から受け止める。
愉悦が混じるジルヴァの声が、はっきりと耳に届いた。
「兄は、お前に再び会えて嬉しいよ」
ロザリーは聞こえた言葉が信じられなかった。
(兄……? 兄と言ったの?)
驚愕したのはロザリーだけだったようで、アルフォンスは憎々しげに吐き捨てる。
「どの口が! 兄などと、思ったことはただの一度もない!」
再び剣が交わされる。
魔術の放つ光が炸裂し、眩さにロザリーは目を細めた。剣術と魔術が入り乱れ、ロザリーには何が起こっているのか正確には見定められなかった。
だがそれでも、優位に立っているのはアルフォンスのようだった。遂にアルフォンスの剣が、セオの握っていた剣を弾き飛ばした。そのままの勢いで、アルフォンスはセオを地面に引き倒す。喉元に切っ先を当て、今にも突き立てそうだった。
「間に合わせで手に入れた体では、余程動きが鈍いと見える!」
ロザリーは恐怖していた。何が起こっているのか全てを把握しているわけではないが、セオはかつてのオフィーリアのように操られているだけなのだ。
(セオさんが死ぬなんて、だめだわ!)
そう思い、ふらふらと二人の男に近づいていく。
ジルヴァの悪魔のような声が聞こえた。
「私はこの男と既に同化している。私だけを殺すのは不可能だ。心優しいお前が、セオ・ワイルズを手にかけられるのか?」
アルフォンスが顔を歪める。だが一瞬のことで、次には覚悟を決めたようだ。
「彼が選んだ道だ……!」
そう言うと、剣先を一気に前へと進めた。その時だ。
セオの顔から、邪気が消え失せたように思えた。彼の瞳から涙が一筋流れ、眉を下げ、彼自身の声でこう言った。
「……兄上、助けてください」
なぜセオが、アルフォンスを兄と呼ぶのか――。やはりその理由さえも分からなかったが、罠だと言うことはロザリーにも分かった。
蛇のように狡猾なジルヴァが、アルフォンスの心の隙間に食らいついた。おそらくそれが、アルフォンスの最も柔らかい肉に違いない。
案の定、アルフォンスの動きが止まる。その瞬間を、ジルヴァは見逃さなかった。
セオの体はアルフォンスを蹴り飛ばすと、豹のように滑らかな動きで跳躍し、落ちた剣を拾いあげると一切の躊躇いなく、地面に倒れた、兄と呼んだ男の体に突き立てる。
「アルフォンス様!」
ロザリーの目の前には、今一度の幻想が浮かび上がった。血を吐いて倒れる最愛の人。今まさに死にゆく彼に、何もできなかった愚かな自分の姿が。
そうしてなぜ、オフィーリアが自分の前に現れたのか、その意味を悟った。
アルフォンスに、再び危機が迫っていた。だから守らなくてはならなかった。
心のどこかではずっと知っていた。
自分が、彼をひたすら慕い、愛していたということを。生まれ変わってもなお、彼を愛していたのだということを。
アルフォンスにセオを殺させても、セオにアルフォンスを殺させてもならなかった。
ロザリーがその瞬間に考えられたのは、せいぜいその程度のことだった。
だからロザリーは、二人の男の間に割って入ったのだ。その結末さえ考えもせずに――。
剣と剣の間に現れたロザリーの姿に、先に動きが止まったのはアルフォンスの方だった。セオに向けていた剣を投げ、ロザリーの体を受け止める。
彼の体の熱を感じ、こんな状況下にも関わらず、ロザリーの胸は高鳴った。そうして次に、自分の胸を背後から貫く、白銀の血塗られた切っ先を見た。噴出する赤黒い血を見た。
だが目の前のアルフォンスに怪我はない。ロザリーはそのことに、底知れない満足を覚えて微笑んだ。
守れたのだ。この手で、彼を。
アルフォンスが咆哮を上げながら、ロザリーの胸に空いた傷口を両手で抑えるのが見えた。傷口に、彼の魔術が流し込まれるのを感じる。
(わたしにかまけていてはだめよ。ジルヴァがまだ、そこにいるのに)
そう思ったが、口から出たのは声の代わりの血、だけだった。
(アルフォンス様が殺されてしまう――。早く、セオさんをどうにかしなくちゃいけないのに)
動かない体をそれでも動かし、目だけでセオの姿を確認する。意外なことに、セオはそこに立っていて、アルフォンスを攻撃するそぶりはない。
代わりに、血の気の失せた表情で、ロザリーを見つめていた。
「……ロザリー、さん……?」
それはジルヴァではなくセオの声だった。
――戻ったんだわ。と、ロザリーはぼんやりと考えた。衝撃でジルヴァの中にいたセオが引きずり出されたのだ、と。
彼は激しく動揺しているようだった。
「う、そだ。嘘だ!」
焦燥を含んだ彼の声が、夜の森に響き渡る。
「こんな、こんなことが……俺は……! 兄上、俺は……」
アルフォンスがセオを怒鳴りつける。
「セオなのか? ――いいから今は力を貸せ!」
ロザリーの治療を、アルフォンスは最優先にしているようだった。今も魔術が流し込まれている。
無駄だ、とロザリーは思った。昔、死んだ時と同じ、冷たくて暗い死の感覚が、今すぐそこにあるのだから。
不思議なことに、ロザリーにとって死は恐ろしいものではなく、むしろ幼い頃から慣れ親しんだ友のようなものだった。それはきっと、オフィーリアの記憶が心に残っていたせいだろう。オフィーリアが死んからロザリーが存在していた。ロザリーはずっと、生まれながらにして死んでいたのだ。
アルフォンスに言われてもなお、セオは動かなかった。
「……俺は、ジルヴァの残した研究に、のめり込んでいました。そうして転生と、反魂の術を学んだ。――なにを捧げれば死者の魂を現世に留めて置けるかを、知りました。命には命が必要だ。ロザリーさんはもう死んでしまう。だけど俺なら……俺なら……」
うわ言のような小さな呟きを、最後まで聞き取ることができない。
セオの半顔に、ジルヴァの顔が重なる。激昂し、荒々しく歪んでいる。ジルヴァは怒号を上げた。
「愚か者め! 捧げるのならばアルフォンスの命だ! ロザリーの心などどうとでも操れる。小娘一人など後々ゆっくり手に入れればいいだけの話だ! アルフォンスを殺せ!」
セオはそれを片手で隠しながら、自分自身に語りかけるかのように言った。
「あんたが俺と同化しきっていて良かった。これで仕舞いだ」
それから再びこちらに顔を向ける。
捨てられる寸前の幼子のように、哀れに瞳を揺らしながら。
「ジルヴァに憧れてしまった。目的のために命さえ捧げる悪の光に、どうしようもなく惹かれてしまった。俺は弱かった。あなたの後継者には、なりえません」
セオの瞳がわずかに動き、ロザリーを捉える。息も絶え絶えになりながらも、ロザリーは視線を合わせた。彼が何かを言いたげに口を開くが、しかし結局は何も言わずに、静かに剣を、自らの喉元に突き刺すのが見えた。
――まるでかつての自分のようだ。
それがセオの、罪に対する償いだ。
霧の中に噴出する彼の血を見ながら、ロザリーは死にゆく体でそう思った。
――。
――――。
――――――。
「相変わらず愚かな男だなアルフォンス。護衛さえ付けずに来たのは、セオ・ワイルズ救済の道を諦めきれないためか?」
アルフォンスはそれに一切答えること無く直進すると、剣をセオに向けて振り下ろした。だがセオの方も剣を引き抜き、それを真正面から受け止める。
愉悦が混じるジルヴァの声が、はっきりと耳に届いた。
「兄は、お前に再び会えて嬉しいよ」
ロザリーは聞こえた言葉が信じられなかった。
(兄……? 兄と言ったの?)
驚愕したのはロザリーだけだったようで、アルフォンスは憎々しげに吐き捨てる。
「どの口が! 兄などと、思ったことはただの一度もない!」
再び剣が交わされる。
魔術の放つ光が炸裂し、眩さにロザリーは目を細めた。剣術と魔術が入り乱れ、ロザリーには何が起こっているのか正確には見定められなかった。
だがそれでも、優位に立っているのはアルフォンスのようだった。遂にアルフォンスの剣が、セオの握っていた剣を弾き飛ばした。そのままの勢いで、アルフォンスはセオを地面に引き倒す。喉元に切っ先を当て、今にも突き立てそうだった。
「間に合わせで手に入れた体では、余程動きが鈍いと見える!」
ロザリーは恐怖していた。何が起こっているのか全てを把握しているわけではないが、セオはかつてのオフィーリアのように操られているだけなのだ。
(セオさんが死ぬなんて、だめだわ!)
そう思い、ふらふらと二人の男に近づいていく。
ジルヴァの悪魔のような声が聞こえた。
「私はこの男と既に同化している。私だけを殺すのは不可能だ。心優しいお前が、セオ・ワイルズを手にかけられるのか?」
アルフォンスが顔を歪める。だが一瞬のことで、次には覚悟を決めたようだ。
「彼が選んだ道だ……!」
そう言うと、剣先を一気に前へと進めた。その時だ。
セオの顔から、邪気が消え失せたように思えた。彼の瞳から涙が一筋流れ、眉を下げ、彼自身の声でこう言った。
「……兄上、助けてください」
なぜセオが、アルフォンスを兄と呼ぶのか――。やはりその理由さえも分からなかったが、罠だと言うことはロザリーにも分かった。
蛇のように狡猾なジルヴァが、アルフォンスの心の隙間に食らいついた。おそらくそれが、アルフォンスの最も柔らかい肉に違いない。
案の定、アルフォンスの動きが止まる。その瞬間を、ジルヴァは見逃さなかった。
セオの体はアルフォンスを蹴り飛ばすと、豹のように滑らかな動きで跳躍し、落ちた剣を拾いあげると一切の躊躇いなく、地面に倒れた、兄と呼んだ男の体に突き立てる。
「アルフォンス様!」
ロザリーの目の前には、今一度の幻想が浮かび上がった。血を吐いて倒れる最愛の人。今まさに死にゆく彼に、何もできなかった愚かな自分の姿が。
そうしてなぜ、オフィーリアが自分の前に現れたのか、その意味を悟った。
アルフォンスに、再び危機が迫っていた。だから守らなくてはならなかった。
心のどこかではずっと知っていた。
自分が、彼をひたすら慕い、愛していたということを。生まれ変わってもなお、彼を愛していたのだということを。
アルフォンスにセオを殺させても、セオにアルフォンスを殺させてもならなかった。
ロザリーがその瞬間に考えられたのは、せいぜいその程度のことだった。
だからロザリーは、二人の男の間に割って入ったのだ。その結末さえ考えもせずに――。
剣と剣の間に現れたロザリーの姿に、先に動きが止まったのはアルフォンスの方だった。セオに向けていた剣を投げ、ロザリーの体を受け止める。
彼の体の熱を感じ、こんな状況下にも関わらず、ロザリーの胸は高鳴った。そうして次に、自分の胸を背後から貫く、白銀の血塗られた切っ先を見た。噴出する赤黒い血を見た。
だが目の前のアルフォンスに怪我はない。ロザリーはそのことに、底知れない満足を覚えて微笑んだ。
守れたのだ。この手で、彼を。
アルフォンスが咆哮を上げながら、ロザリーの胸に空いた傷口を両手で抑えるのが見えた。傷口に、彼の魔術が流し込まれるのを感じる。
(わたしにかまけていてはだめよ。ジルヴァがまだ、そこにいるのに)
そう思ったが、口から出たのは声の代わりの血、だけだった。
(アルフォンス様が殺されてしまう――。早く、セオさんをどうにかしなくちゃいけないのに)
動かない体をそれでも動かし、目だけでセオの姿を確認する。意外なことに、セオはそこに立っていて、アルフォンスを攻撃するそぶりはない。
代わりに、血の気の失せた表情で、ロザリーを見つめていた。
「……ロザリー、さん……?」
それはジルヴァではなくセオの声だった。
――戻ったんだわ。と、ロザリーはぼんやりと考えた。衝撃でジルヴァの中にいたセオが引きずり出されたのだ、と。
彼は激しく動揺しているようだった。
「う、そだ。嘘だ!」
焦燥を含んだ彼の声が、夜の森に響き渡る。
「こんな、こんなことが……俺は……! 兄上、俺は……」
アルフォンスがセオを怒鳴りつける。
「セオなのか? ――いいから今は力を貸せ!」
ロザリーの治療を、アルフォンスは最優先にしているようだった。今も魔術が流し込まれている。
無駄だ、とロザリーは思った。昔、死んだ時と同じ、冷たくて暗い死の感覚が、今すぐそこにあるのだから。
不思議なことに、ロザリーにとって死は恐ろしいものではなく、むしろ幼い頃から慣れ親しんだ友のようなものだった。それはきっと、オフィーリアの記憶が心に残っていたせいだろう。オフィーリアが死んからロザリーが存在していた。ロザリーはずっと、生まれながらにして死んでいたのだ。
アルフォンスに言われてもなお、セオは動かなかった。
「……俺は、ジルヴァの残した研究に、のめり込んでいました。そうして転生と、反魂の術を学んだ。――なにを捧げれば死者の魂を現世に留めて置けるかを、知りました。命には命が必要だ。ロザリーさんはもう死んでしまう。だけど俺なら……俺なら……」
うわ言のような小さな呟きを、最後まで聞き取ることができない。
セオの半顔に、ジルヴァの顔が重なる。激昂し、荒々しく歪んでいる。ジルヴァは怒号を上げた。
「愚か者め! 捧げるのならばアルフォンスの命だ! ロザリーの心などどうとでも操れる。小娘一人など後々ゆっくり手に入れればいいだけの話だ! アルフォンスを殺せ!」
セオはそれを片手で隠しながら、自分自身に語りかけるかのように言った。
「あんたが俺と同化しきっていて良かった。これで仕舞いだ」
それから再びこちらに顔を向ける。
捨てられる寸前の幼子のように、哀れに瞳を揺らしながら。
「ジルヴァに憧れてしまった。目的のために命さえ捧げる悪の光に、どうしようもなく惹かれてしまった。俺は弱かった。あなたの後継者には、なりえません」
セオの瞳がわずかに動き、ロザリーを捉える。息も絶え絶えになりながらも、ロザリーは視線を合わせた。彼が何かを言いたげに口を開くが、しかし結局は何も言わずに、静かに剣を、自らの喉元に突き刺すのが見えた。
――まるでかつての自分のようだ。
それがセオの、罪に対する償いだ。
霧の中に噴出する彼の血を見ながら、ロザリーは死にゆく体でそう思った。
――。
――――。
――――――。
93
あなたにおすすめの小説
ドレスが似合わないと言われて婚約解消したら、いつの間にか殿下に囲われていた件
ぽぽよ
恋愛
似合わないドレスばかりを送りつけてくる婚約者に嫌気がさした令嬢シンシアは、婚約を解消し、ドレスを捨てて男装の道を選んだ。
スラックス姿で生きる彼女は、以前よりも自然体で、王宮でも次第に評価を上げていく。
しかしその裏で、爽やかな笑顔を張り付けた王太子が、密かにシンシアへの執着を深めていた。
一方のシンシアは極度の鈍感で、王太子の好意をすべて「親切」「仕事」と受け取ってしまう。
「一生お仕えします」という言葉の意味を、まったく違う方向で受け取った二人。
これは、男装令嬢と爽やか策士王太子による、勘違いから始まる婚約(包囲)物語。
【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく
たまこ
恋愛
10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。
多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。
もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。
婚約破棄された地味伯爵令嬢は、隠れ錬金術師でした~追放された辺境でスローライフを始めたら、隣国の冷徹魔導公爵に溺愛されて最強です~
ふわふわ
恋愛
地味で目立たない伯爵令嬢・エルカミーノは、王太子カイロンとの政略婚約を強いられていた。
しかし、転生聖女ソルスティスに心を奪われたカイロンは、公開の舞踏会で婚約破棄を宣言。「地味でお前は不要!」と嘲笑う。
周囲から「悪役令嬢」の烙印を押され、辺境追放を言い渡されたエルカミーノ。
だが内心では「やったー! これで自由!」と大喜び。
実は彼女は前世の記憶を持つ天才錬金術師で、希少素材ゼロで最強ポーションを作れるチート級の才能を隠していたのだ。
追放先の辺境で、忠実なメイド・セシルと共に薬草園を開き、のんびりスローライフを始めるエルカミーノ。
作ったポーションが村人を救い、次第に評判が広がっていく。
そんな中、隣国から視察に来た冷徹で美麗な魔導公爵・ラクティスが、エルカミーノの才能に一目惚れ(?)。
「君の錬金術は国宝級だ。僕の国へ来ないか?」とスカウトし、腹黒ながらエルカミーノにだけ甘々溺愛モード全開に!
一方、王都ではソルスティスの聖魔法が効かず魔瘴病が流行。
エルカミーノのポーションなしでは国が危機に陥り、カイロンとソルスティスは後悔の渦へ……。
公開土下座、聖女の暴走と転生者バレ、国際的な陰謀……
さまざまな試練をラクティスの守護と溺愛で乗り越え、エルカミーノは大陸の救済者となり、幸せな結婚へ!
**婚約破棄ざまぁ×隠れチート錬金術×辺境スローライフ×冷徹公爵の甘々溺愛**
胸キュン&スカッと満載の異世界ファンタジー、全32話完結!
【完結】王太子妃候補の悪役令嬢は、どうしても野獣辺境伯を手に入れたい
たまこ
恋愛
公爵令嬢のアレクサンドラは優秀な王太子妃候補だと、誰も(一部関係者を除く)が認める完璧な淑女である。
王家が開く祝賀会にて、アレクサンドラは婚約者のクリストファー王太子によって婚約破棄を言い渡される。そして王太子の隣には義妹のマーガレットがにんまりと笑っていた。衆目の下、冤罪により婚約破棄されてしまったアレクサンドラを助けたのは野獣辺境伯の異名を持つアルバートだった。
しかし、この婚約破棄、どうも裏があったようで・・・。
【完結】旦那様!単身赴任だけは勘弁して下さい!
たまこ
恋愛
エミリーの大好きな夫、アランは王宮騎士団の副団長。ある日、栄転の為に辺境へ異動することになり、エミリーはてっきり夫婦で引っ越すものだと思い込み、いそいそと荷造りを始める。
だが、アランの部下に「副団長は単身赴任すると言っていた」と聞き、エミリーは呆然としてしまう。アランが大好きで離れたくないエミリーが取った行動とは。
婚約破棄歴八年、すっかり飲んだくれになった私をシスコン義弟が宰相に成り上がって迎えにきた
鳥羽ミワ
恋愛
ロゼ=ローラン、二十四歳。十六歳の頃に最初の婚約が破棄されて以来、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいの婚約破棄を経験している。
幸い両親であるローラン伯爵夫妻はありあまる愛情でロゼを受け入れてくれているし、お酒はおいしいけれど、このままではかわいい義弟のエドガーの婚姻に支障が出てしまうかもしれない。彼はもう二十を過ぎているのに、いまだ縁談のひとつも来ていないのだ。
焦ったロゼはどこでもいいから嫁ごうとするものの、行く先々にエドガーが現れる。
このままでは義弟が姉離れできないと強い危機感を覚えるロゼに、男として迫るエドガー。気づかないロゼ。構わず迫るエドガー。
エドガーはありとあらゆるギリギリ世間の許容範囲(の外)の方法で外堀を埋めていく。
「パーティーのパートナーは俺だけだよ。俺以外の男の手を取るなんて許さない」
「お茶会に行くんだったら、ロゼはこのドレスを着てね。古いのは全部処分しておいたから」
「アクセサリー選びは任せて。俺の瞳の色だけで綺麗に飾ってあげるし、もちろん俺のネクタイもロゼの瞳の色だよ」
ちょっと抜けてる真面目酒カス令嬢が、シスコン義弟に溺愛される話。
※この話はカクヨム様、アルファポリス様、エブリスタ様にも掲載されています。
※レーティングをつけるほどではないと判断しましたが、作中性的ないやがらせ、暴行の描写、ないしはそれらを想起させる描写があります。
たいした苦悩じゃないのよね?
ぽんぽこ狸
恋愛
シェリルは、朝の日課である魔力の奉納をおこなった。
潤沢に満ちていた魔力はあっという間に吸い出され、すっからかんになって体が酷く重たくなり、足元はふらつき気分も悪い。
それでもこれはとても重要な役目であり、体にどれだけ負担がかかろうとも唯一無二の人々を守ることができる仕事だった。
けれども婚約者であるアルバートは、体が自由に動かない苦痛もシェリルの気持ちも理解せずに、幼いころからやっているという事実を盾にして「たいしたことない癖に、大袈裟だ」と罵る。
彼の友人は、シェリルの仕事に理解を示してアルバートを窘めようとするが怒鳴り散らして聞く耳を持たない。その様子を見てやっとシェリルは彼の真意に気がついたのだった。
【完結】精霊姫は魔王陛下のかごの中~実家から独立して生きてこうと思ったら就職先の王子様にとろとろに甘やかされています~
吉武 止少
恋愛
ソフィアは小さい頃から孤独な生活を送ってきた。どれほど努力をしても妹ばかりが溺愛され、ないがしろにされる毎日。
ある日「修道院に入れ」と言われたソフィアはついに我慢の限界を迎え、実家を逃げ出す決意を固める。
幼い頃から精霊に愛されてきたソフィアは、祖母のような“精霊の御子”として監視下に置かれないよう身許を隠して王都へ向かう。
仕事を探す中で彼女が出会ったのは、卓越した剣技と鋭利な美貌によって『魔王』と恐れられる第二王子エルネストだった。
精霊に悪戯される体質のエルネストはそれが原因の不調に苦しんでいた。見かねたソフィアは自分がやったとバレないようこっそり精霊を追い払ってあげる。
ソフィアの正体に違和感を覚えたエルネストは監視の意味もかねて彼女に仕事を持ち掛ける。
侍女として雇われると思っていたのに、エルネストが意中の女性を射止めるための『練習相手』にされてしまう。
当て馬扱いかと思っていたが、恋人ごっこをしていくうちにお互いの距離がどんどん縮まっていってーー!?
本編は全42話。執筆を終えており、投稿予約も済ませています。完結保証。
+番外編があります。
11/17 HOTランキング女性向け第2位達成。
11/18~20 HOTランキング女性向け第1位達成。応援ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる