異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明

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冒険者の街アルクィンにて

赤い瞳

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そして僕らは室内に連れていかれた。警察の取調室のような所だ。なぜだか既視感を感じてしまう。

「僕らが何かやらかしましたか?」

ちょっと声が震えているのは許して欲しい。この状況は誰でも怖い…はずだ。

その思いが伝わったのか、ヴォルガさんは僕らに少し困ったように微笑んだ。

「いや、説教とかじゃないからそう気構えなくていい。たしか2人はハールーン帝国から来たんだよな?そしたら赤い目がなんで恐れられているかも知っているよな?」

なにを今さら、と思って沈黙しているとコウが代わりに答えてくれた。

「おん。ハールーン帝国の人の大半が崇めている神サマの殺害を企んだのが赤い目の悪魔やったからやろ?」

悪魔というよりは邪神のようなものだろう。諸説あるからはっきりとはわからないが…

「そうだ。でもハールーン帝国以外でルディア教を国教としている国はないから差別や嫌悪の視線を感じることも少ないはずだ。」

そう言いながらもヴォルガさんは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

「…いいことやん?」

コウがそう言うと左右に首をふった。

「こっからが本題だ。この国ではここ10年前ぐらいから人間に限らず赤目の人が殺される事件が多発しているんだ。そして妙なことにルディア教ではないのに赤目に対してひどく差別的な輩が増えてきているんだ。」


「なるほどな。だからハールーン帝国におった時より全然ましやけど、気持ち悪い視線を時折感じるわけや。」

いや、初耳なんだけど??ちゃんと報・連・相は守ってほしい。僕が言えたことではないが…

「もしかしたら君たちが泊まっている宿にも被害が出るかもしれないから、そこのところも気をつけた方がいい。」

宿、か。たしかあれがあったな…なんで今まで忘れていたんだ?

「なるほど。ヴォルガさん、これ使えると思いますか?」

僕はカバンの中からカギを一つ取り出して目の前の机に置いた。

「これはなんのカギだ?」


「僕の父親が持っていた物なんですけど、このカギは各地にある別荘のマスターキーなんです。でも、このカギは魔道具で父親の名前が登録してあるので僕が使えるかわからないんです。下手に触って呪われても困るので。」

実は嘘だ。本当は僕の母親の名前が登録されてあったが今はそれを隠した方がいいと思った、なぜだか分からないが…

「たしかに登録者以外が使ったら呪われる物もあるから使わなかったのはいい判断だ。少し触って見てみてもいいか?」


「どうぞ。」

僕がそう言うとコウは少し慌てた様子で僕の耳にささやいた。

「え、カイ、ヴォルガさんとはいえ知り合って間もない人にそんな貴重なもの触らしてもいいんか?」

ん?もしかして気づいていないのか?

「ヴォルガさんだからだよ?ちゃんと身元が保証できる人じゃないとさすがに渡さないよ?」


「どうゆうこと?」


「え、気づいてなかったの?ヴォルガさんはアルクィン領主の息子さんだよ。」


「えっっ…。ええええええ!!!!!」

声が部屋に反射して響く。

「うるさい…」

思わずそう言ってしまった僕は悪くないだろう、うん。

「なっなんでわかんねんそんなこと。」


「いや、ほんとになんでわかったんだ?」


「まずその髪。こんなに綺麗なの裕福な商人か貴族ぐらいしかいないよ。そして胸元のその紋章。それはアルクィンを象徴とする旗のデザインだよね?他の衛兵さん達というか、街中ですれ違った結構官位がありそうな人達より豪華なんだもん。てことは騎士団長なのかなって。騎士団長は領主の子息しかなれないから、ね?」


「完敗だ。君はほんとに賢いな。冒険者より商人の方があってるんじゃないか?」

賢い=商売が上手い、とは限らないということを分かって言っているのだろうか?

「いやお気遣いはありがたいですけど、僕は冒険者になりたいんです。」


「そうか…。あとこのカギの魔道具だが、所有者が亡くなったことで生きている人の中で一番血縁関係の近い君が所有者になっているから使っても問題ないはずだ。」

まさかそこまで分かるとは…

「どうしてわかるんですか?」


「これでも高位の鑑定持ちなんでね。」

なるほど、鑑定は育てがいがありそうだ

「なるほど。ちなみに鑑定の上げ方ってやっぱりひたすらスキルを使いまくるしかないんですか?」


「そうだな。あの時は頭がおかしくなって狂いそうになったよ。」


「あれは狂いますよね。あ、これで話は全部ですか?」


「ああ、そうだ。何かあったら俺に相談してくれても構わない。できるだけ力になろう。」


「ありがとうございます。」

そう言って僕らは部屋を出た。
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