異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明

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アルバード王立高等学院~新たな出会い~

国史の授業

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翌日

「おはよ!ハルシャ卿!!どこ行くの?」

シドさんはそう言いながら赤い髪を1つにまとめて器用に眼だけこちらを向く。

僕が今からどこに行くかなんてシドさんには関係がないし、そもそもなんで気になるのかさっぱりわからなかったが無視するのはよくないので素直に答える。

「スピネル寮に行くんだ。」

そう言って談話室を出ようとする。

「えっ!もう彼女できたの?!」

そう言う彼女には冗談を言っている雰囲気は無かった。

もちろん、なぜ朝から違う寮に行く=彼女ができた、となるのかはわからないが…

「えっ?なんの話?」


「だって一緒に登校するんでしょ?なら彼女じゃん」

どういった理屈だ、それは。

「いや、友達という線もまだあるでしょ」

思わず突っ込んでしまう。

「じゃあ一緒に行っていい?アタシもハルシャ卿の友達見てみたい!」


「別に構わないけど…」

そう言って寮を出ようとする僕の後ろから待ってぇ!!と聞こえたような気がしたが、時間がおしているためスルーする。

「ちょっと待ってよ!!」

鞄を引っ付かんで走ってくるシドさんを横目に歩く。

アクアマリン寮とスピネル寮は隣どうしだがどちらの寮も敷地が大きいため少し時間がかかるのだ。

数分程歩くと門の前に立つジェノア君が見えた。

「あっ、カイ君!」

ジェノア君は僕をそう呼んで小さく手を振る。

「えっ男じゃん。てゆうか、アタシには名前呼びを許さなかったのにどうして彼には許してるの?」

そう言ってぷくーっと頬を膨らませる。

別に許した覚えはないがここでその呼び方はやめてくれと言えるような雰囲気じゃない。

「性別が違うでしょ。異性を下の名前で呼んだら勘違いするバカが出てくるかもしれないじゃん。僕はノーダメだけどシドさんや公爵家の方はノーダメとはいかないと思うんだ。ジェノア君、こちらは同じ寮のシドさん。勝手に連れてきてごめんね。彼女が勝手に着いてきたんだ。」


「えー、ハルシャ卿がいいって言ってたのにぃ」

まあ確かに言ったかもしれない。

「…まっ取り敢えず教室に行こうか…」


「なんか嫌そうな顔だけど何かあったの?」

そう言うシドさんの表情もあまり優れない。寝不足なのだろうか?

「次の授業は国史なんだ。昨日の授業が初日だったわけなんだけど昨日サボったから教室に入るのちょっと気まずいなと思って…」

僕がそう言うと2人とも目を丸くした。

「サボった?カイ君って意外と不真面目なんだね」


「確かに!ハルシャ卿って優等生って感じがするもんね。もしかして、授業態度は不真面目なくせに点数だけ異常にいい天才君なのかも。」


「まあそれは次の定期テストで分かるだろうね。」


「あっ、でも昨日の国史の授業で明日小テストしますって言ってたよ…」


「えっ、嘘ぉ!!!ど、どうしよう…ハルシャ卿も一緒に0点を取ろう?」


「やだよ。ていうかシドさんも昨日サボったんだ…」


「いや、サボってはないんだけど…その、、寝てた」


「授業態度や出席日数は成績に入らないんだから別にいいんじゃない?ただ気まずいだけで」

てゆうか小テストだって成績に入らない。ヤバそうな点数を取った時のみ小テストの点数が考慮されて留年は免れるというような仕組みだ。

後から知ったことだがこの学院では科目ごとに下からD-,D+,C-,C,C+,B,B+,A,A+,Sとつけられる。

卒業時に寮の特別ポイントが低かった場合でも過半数以上がA+かSであれば優遇してもらえる。なかなかいないが。

逆に試験の成績がD以下を1度でも取ってしまえば…まあ、言わなくても分かるだろう。

「小テストの点数が取れないから問題なの!!また先生に眼をつけられちゃう~」

それはなんと言うか自己責任だろう。

「ジェノア君は「ジェノでいいよ。カイ君は恩人だからね。」」


「そう、わかった。ジェノは今回の小テストはどれくらい取れそうなの?」


「僕?僕は、、うーん…いつも90点は取ってるかな」


「シドさん、これが本当の優等生だ。間違っても僕なんかではない。」


「それ自分で言う?あっ、それじゃあハルシャ卿が何点取れるか楽しみにしてるね!」

そう言ってシドさんは他の友達の元にかけていった。

僕らも国史の教室へと歩みを進めた。













「それじゃあ授業は終わりだ。カイ・ハルシャだけ少し残れ。」

ちなみに教師は全員、生徒のことをフルネームで呼ぶ。日本ではそんなことないので少し変な気分だ。

「もしかして国史は全て記憶しているのか?」


「どうしてそう思うんですか?」


「いやなに、昨日は初日のくせに来なかったし今日の小テストでは満点だっただろ?」


「確かにある程度は把握してますけど…」


「それなら授業には出なくても構わない。もちろん、定期テストで高得点を取るという条件でだかな」

ふむ、それは悪くない。何より自分の時間が欲しい。

「分かりました。欠席する代わりに定期テストで満点を取ることを誓います。」


「ふっ、満点は少々キツいぞ。…本題を忘れるところだった。マルファ先生が呼んでいたからこの後生徒指導室に寄ってくれ。」


「分かりました」

そう言って軽く会釈して別れる。

マルファ先生とは生徒指導部長を勤める人だ。そんな人が僕に一体何のようだ?

そう疑問に思いながらも生徒指導室へと向かう足は少し重たかった。
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