平和への使者

Daisaku

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暗躍組織〈中東編2〉

89話 ムセビア王国

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ムセビア王国、世界有数の産油国であり、かつては、王を中心とした、封建社会で、国民の平等性もない状態であったが、アハドが現れてからは、徐々に国の状態もよくなり、大統領になってからは、国王は実権を失い、民主主義が確立した。今はアハド大統領が不在、副大統領のイスラム過激派のムサラが実権を握り、国の状態は悪化している。イスラム教は本来、人の心を豊かにしてくれるすばらしい宗教だが、それを悪用している。

マリ達は博物館、近くの駐車場に車を止めて、人気のないところから、ユウキの瞬間移動で、
ムサビア王国に移動した。今回、移動したのは、治安情報局の8人のほか、日本国警護官の松田葉子が同行した。国土監視局は国外ではイブの監視範囲外ということで、同行はしなかった。

「着いたよ。マリ」

ムセビア王国の安全地区の人気のないビルの裏の路地に着いた。

「まだ、ここは明るいんだね」

「フランス時間で今、18時30分だけど、ここはパリより1時間30分、時間が進んでいるから、20時なのかな、ここでの日没は7月初めだと20時30分ぐらいだからね」

イブが着いた途端

「マリ、闇雲に、探しても絶対にみつからないわ。ここはユウキにホテルの客室に武器を持ち込んでいる者をサーチしてもらい、その人間のみ、調査する形がいいんじゃないかしら」

マリも頷いて

「ユウキ、お願いできる?」

「了解、大尉、これから、サーチするから、誰かに僕が言ったことをメモしてくれるか」

「わかりました。ベルナール、ユウキさんの言ったことを何かに記入しろ」

「了解」

「いいですよ。ユウキさん、お願いします」

それを聞いていたアンナが

「ちょっと待って、もらっていいですか?」

皆、アンナの方を向いた。

「ユウキさん、武器を探すのに銃とかじゃないとだめですか?ナイフとかは、わかりませんか?」

ユウキはニコっと笑って

「もちろん、ナイフでもわかるよ。でもナイフは結構多いいから、限定するのは難しいよ」

「いえ、トニーは必ず、左腕と右足に1個ずつ、必ず2個のナイフを装着して生活しています。

そういう人を限定していただけませんか」

「了解、ちょっと時間がかかるが、しばらく待っていてくれ」

イブもアンナの話を聞いて

「いいぞ、アンナ、トニーを先に見つければ、あすのチームの集合場所や時間もわかるし、事前に対策も練れる」

ユウキは球体を握りしめて、目を閉じて、サーチを開始した、いつもなら、すぐに、おわるのだが、やはり、ナイフを2個携帯している人というのは、感知が難しいようで、少し時間がかかった。

「アンナ、いたよ。一人だけ、この安全地区に限定して確認。ここから300mほどいったホテルの9階のエレベーターをおりて、東側の一番奥の部屋だ。室内で動いていたから、室内に今はいる」

アンナは嬉しそうに

「ユウキさんありがとう」

イブは

「よ~し、いいぞ、みんなでその場所に行くのは、人数が多すぎる、アンナとカミーユでトニーの部屋に行ってもらえるか、残りは男女ペアになって、そのホテル、できれば、トニーの部屋の近くがいいが部屋を借りてくれ、男が一人あまるな、おい、ユウキお前は、いなくていいから、一人でどこかのホテルを借りて、明日の帰る時まで、ゆっくりしてていいぞ」

「なんで、僕だけ、一人なんだ。だいたい、我々3人は身分証やパスポートだって15~6歳なんだから、誰かと一緒にいないとまずいだろ」

それを聞いていたダニエル中尉が

「自分が一人で、借りますよ。PCで防犯カメラや、皆の情報通信のカバーもしなくてはいけないので、しかも、こんな時間にいきなり、7人もトニーの部屋のそばを借りたら、あやしまれますよ。私一人と、皆のバックアップで葉子・ユウキさんペアで迎えのホテルで部屋を借りるのはどうですか。トニーの近くは1組、つまり、アンナとカミーユがいいんじゃないですか」

「そうだな、そうするか、じゃあ、私はとりあえず、ドニーズ中尉と行くか」

イブに指名されて、ドニーズ中尉はドキっとした顔で

「え、私ですか」

「なんだ~、私と一緒じゃ、いやなのか」

ドニーズは作り笑いをして

「いいえ、そんなことありませんよ。光栄です」

カミーユは自分じゃなくて良かったと思い

「よかったな~中尉、イブさんと一緒なんて、最高じゃないか!」

チームみんながイブに見えないように笑った。
マリも

「え~と、私はそうすると、ベルナールと一緒かな」

ベルナールはドニーズ中尉と違い、とてもうれしそうに

「局長、ご一緒できるなんて、うれしいです。よろしくお願いします」

それを聞いていたイブが

「おい、ベルナール、いくら仕事ととはいえ、マリに何かしたら、ただじゃすまさないぞ」

「何を言っているんですか、局長は我々が尊敬している、上官ですよ。変な事なんてするわけないじゃないですか。それに、私の力じゃ、逆立ちしたって、マリさんにかなうわけないじゃないですか」

そして、ベルナールは思い出したように

「あ、そうだ、女性の方は、このスカーフをかぶってください。そうですよね中尉」

「そうだ、この国では女性は素肌をできるだけ見せないようにしてください。それと男性と近くにいる人は必ず、他者と話すときは、男性に話をさせてください。女性はおしとやかにして、絶対に目立つような行動はしないでください。特にイブさん気を付けてください」

「それぐらい、知っているよ。アラブ圏での立ち振る舞いぐらい」

「そうですか。それならいいです」

マリが皆の顔を見て

「それじゃあ、行動開始だね」

その声を聞いてイブが

「カミーユ、ベルナール、ドニーズは時間差でホテルに入り、部屋を借りてくれ、女性は少し離れたところに別々に待機、それから、個々の部屋に行き、カミーユ達の会話を通信で聞いて、現状把握、ダニエルはホテルの防犯カメラなど、不審者がトニーの部屋に近づかないか、監視してくれ、夜は長い、セッティングが終われば、ユウキに任せて、寝た方がいいぞ、これからは、皆で一緒にいるのは目立つし、警戒されるので、明日の諜報部の集合時間、場所など状況がわかりしだい、この通信装置で連絡確認を取り合い、対策を立てて、皆をいち早く救出しよう」

「了解」

治安情報局は別々に行動を開始した。
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