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影の組織
136話 世界のリーダー
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「会長、準備できました」
「わかったわ、それでは、黒川さんはじめて」
映像が始まり、エリと譲二はPCを真剣に見て、マリのことを絶対に聞き漏らさないように集中した。そして映像が流れた。
「はじめまして、フランス共和国大統領フレデリックです。この度は直接ご自宅に伺えなかった無礼をお許しください。マリ・トビシマはアメリカ時間11時32分ホワイトハウスそばの交差点で政府専用車リムジンに乗っていたところ、大型車が激突、その後すぐにアメリカ軍のミサイルで車が大破し、跡形もなく吹き飛びました。わたくし共から、マリさんに政府機関に入るようにお願いして、治安情報局という組織を設立し、責任者としてお任せしました。このたび、他に亡くなられた、マリさんの部下、副官のユウキ・タチバナ、と同じく副官のイブ、実行部隊ドニーズ中尉、そして、元アメリカ大統領レナード氏もこの車に同乗していました」
エリと譲二はフランス大統領がマリの話をしていることや、政府組織の話にも驚いたが、ユウキくんも亡くなったことにもっと驚いた。
「15歳のマリさんは次々と世界にはびこる犯罪の撲滅やたくさんの飢えに苦しむ人などを救い、今では、世界主要国の政府高官で、マリさんの名前を知らない人はいないくらいです。ですが、あまりの活躍のすごさにアメリカ政府がその能力を危惧し、今回の犯行に及んだと思われます。ご両親には、大変、言葉にしづらいのですが、我々は決してマリさんに政府組織に入れだとか、世界平和に協力しろなどと、強制はしておりません。今回のアメリカ行もマリさん自身がお決めになったことです。言い訳ではありませんが、治安情報局は政府の組織ではありますが、完全な独立組織で政府と協力関係でもあります。マリさんの組織が自由に動けるように配慮しておりました。ですが、このような事態になり、すべて、このフランスの責任と思っていただいてかまいません。
いずれ近いうちにそちらに伺い、ご挨拶をさせていただきます。本当にマリさんにはフランスはお世話になり、感謝しております。ご両親におかれましてはマリさんの安全のため、このような秘匿情報を事前にお知らせできなかったことを深くお詫びいたします。フランスを代表して、マリさん、そして、亡くなられた方にに哀悼の意を表します」
エリと譲二は黙って、フレデリック大統領の話を聞いていた。さきほど、松田マツが言っていたことが本当のことだったと理解した。だが、自分の両親にまで秘密にして、このような組織にいたことが二人にはもっと悲しかった。そして、譲二もそうだが、エリは膝を落として、ワンワン泣き始めた。小さい時から笑顔が愛くるしくて、いつもご機嫌で元気いっぱいだったマリ、普段はすごくまじめなのに、妙におっちょこちょいなところがあり、そのたびに注意すると、また笑顔で注意してくれたことに感謝する。マリのような子は世界広しといえど絶対に存在しない、私の大事な子供、エリはそんなことを考えれば考えるほど、目から涙が出てきた。隣にいるマツはその鳴き声が聞こえるたびに心臓に杭を打ち込まれているような思いでそこに立ち尽くしていた。そして義父の譲二が
「松田さん、マリの遺品などを取りにアメリカ滞在のホテルやパリの家に行きたいのですが、よろしいでしょうか」
「ええ、もちろんです。お二人のおご希望に合わせて、私がすべて手配いたします」
「ありがとうございます」
エリも泣きながら
「松田さん、私は、マリが亡くなった場所に行って、マリとお別れがしたいです」
「はい・・・はい・・・なんでもわたくしにお申しつけください」
エリは松田マツがとてもやさしいのが不思議で尋ねた。
「松田さんは、どうして、ここまで私達に色々と面倒を見てくれるのですか?話を聞くと松田さんは何も悪いことをしていないのに?」
マツは姿勢を正して、
「恩返しです」
「恩返し?」
エリと譲二は不思議そうに
「私達、松田さんに何かしてあげたことはないと思いますけど」
「飛島ヤエさんに私は大変お世話になったので」
「おかあさまに」
「はい」
マツは、目の前にある、ヤエのお気に入りのイスを見ながら、マリの両親にかつて命を救われたことや、大戦中・後とヤエの副官をして、ヤエから莫大な資金援助により、松田財閥ができたことなどを話した。普通ならとても信じられないような話ではあったが、
今回の件を考えると不思議とマツの話を信じることができた。
「だけど、なぜ、これだけ世界に信頼されるマリ達なのに、ここ日本ではマリに対して無関心なんですかね?」
「そうですね。この国の政府は、もう、アメリカという国に骨抜きにされてますから、
しょうがないです。日本企業は一流ですが、政治は三流ですから、特に政府と一体である官庁はこの国で公務員や特殊法人などという社会主義のような世界をはびこらせ、民間企業が優秀で、その稼いだお金の税金を社会主義世界にばらまく、だから、なにも考えない人間が増え、民間企業に養ってもらっていることにも気づかない者が多く、いくら企業が頑張っても借金だけが増えるシステムになっています。
だから、この国はマリさんの組織が世界を席巻して活躍しているのに、なんの興味も示さないで、他国がうるおい、国力をつけていることにも気づかないのです。もうすぐ、その責任者達がここに来ますから、直接、お聞きになってください」
「責任者?」
そんな話をしているところに、呼び鈴が鳴った。
「ピンポーン」
エリは泣きすぎた目が真っ赤になっていたが、慌てて、玄関扉まで歩いて行った。
「はい、どちらさまですか?」
そう言って、扉を開けた瞬間、テレビでよく見る人が目の前に立っていた。
「はじめまして、日本国総理大臣の伊藤と申します」
エリは総理大臣が自分の家に来て、びっくりして
「はい、飛島です。どうぞ、お入りください」
そして、その後ろから
「お久しぶりです。国務大臣の志木です」
エリは軽く会釈をして、二人を応接室に招き入れた。
「わかったわ、それでは、黒川さんはじめて」
映像が始まり、エリと譲二はPCを真剣に見て、マリのことを絶対に聞き漏らさないように集中した。そして映像が流れた。
「はじめまして、フランス共和国大統領フレデリックです。この度は直接ご自宅に伺えなかった無礼をお許しください。マリ・トビシマはアメリカ時間11時32分ホワイトハウスそばの交差点で政府専用車リムジンに乗っていたところ、大型車が激突、その後すぐにアメリカ軍のミサイルで車が大破し、跡形もなく吹き飛びました。わたくし共から、マリさんに政府機関に入るようにお願いして、治安情報局という組織を設立し、責任者としてお任せしました。このたび、他に亡くなられた、マリさんの部下、副官のユウキ・タチバナ、と同じく副官のイブ、実行部隊ドニーズ中尉、そして、元アメリカ大統領レナード氏もこの車に同乗していました」
エリと譲二はフランス大統領がマリの話をしていることや、政府組織の話にも驚いたが、ユウキくんも亡くなったことにもっと驚いた。
「15歳のマリさんは次々と世界にはびこる犯罪の撲滅やたくさんの飢えに苦しむ人などを救い、今では、世界主要国の政府高官で、マリさんの名前を知らない人はいないくらいです。ですが、あまりの活躍のすごさにアメリカ政府がその能力を危惧し、今回の犯行に及んだと思われます。ご両親には、大変、言葉にしづらいのですが、我々は決してマリさんに政府組織に入れだとか、世界平和に協力しろなどと、強制はしておりません。今回のアメリカ行もマリさん自身がお決めになったことです。言い訳ではありませんが、治安情報局は政府の組織ではありますが、完全な独立組織で政府と協力関係でもあります。マリさんの組織が自由に動けるように配慮しておりました。ですが、このような事態になり、すべて、このフランスの責任と思っていただいてかまいません。
いずれ近いうちにそちらに伺い、ご挨拶をさせていただきます。本当にマリさんにはフランスはお世話になり、感謝しております。ご両親におかれましてはマリさんの安全のため、このような秘匿情報を事前にお知らせできなかったことを深くお詫びいたします。フランスを代表して、マリさん、そして、亡くなられた方にに哀悼の意を表します」
エリと譲二は黙って、フレデリック大統領の話を聞いていた。さきほど、松田マツが言っていたことが本当のことだったと理解した。だが、自分の両親にまで秘密にして、このような組織にいたことが二人にはもっと悲しかった。そして、譲二もそうだが、エリは膝を落として、ワンワン泣き始めた。小さい時から笑顔が愛くるしくて、いつもご機嫌で元気いっぱいだったマリ、普段はすごくまじめなのに、妙におっちょこちょいなところがあり、そのたびに注意すると、また笑顔で注意してくれたことに感謝する。マリのような子は世界広しといえど絶対に存在しない、私の大事な子供、エリはそんなことを考えれば考えるほど、目から涙が出てきた。隣にいるマツはその鳴き声が聞こえるたびに心臓に杭を打ち込まれているような思いでそこに立ち尽くしていた。そして義父の譲二が
「松田さん、マリの遺品などを取りにアメリカ滞在のホテルやパリの家に行きたいのですが、よろしいでしょうか」
「ええ、もちろんです。お二人のおご希望に合わせて、私がすべて手配いたします」
「ありがとうございます」
エリも泣きながら
「松田さん、私は、マリが亡くなった場所に行って、マリとお別れがしたいです」
「はい・・・はい・・・なんでもわたくしにお申しつけください」
エリは松田マツがとてもやさしいのが不思議で尋ねた。
「松田さんは、どうして、ここまで私達に色々と面倒を見てくれるのですか?話を聞くと松田さんは何も悪いことをしていないのに?」
マツは姿勢を正して、
「恩返しです」
「恩返し?」
エリと譲二は不思議そうに
「私達、松田さんに何かしてあげたことはないと思いますけど」
「飛島ヤエさんに私は大変お世話になったので」
「おかあさまに」
「はい」
マツは、目の前にある、ヤエのお気に入りのイスを見ながら、マリの両親にかつて命を救われたことや、大戦中・後とヤエの副官をして、ヤエから莫大な資金援助により、松田財閥ができたことなどを話した。普通ならとても信じられないような話ではあったが、
今回の件を考えると不思議とマツの話を信じることができた。
「だけど、なぜ、これだけ世界に信頼されるマリ達なのに、ここ日本ではマリに対して無関心なんですかね?」
「そうですね。この国の政府は、もう、アメリカという国に骨抜きにされてますから、
しょうがないです。日本企業は一流ですが、政治は三流ですから、特に政府と一体である官庁はこの国で公務員や特殊法人などという社会主義のような世界をはびこらせ、民間企業が優秀で、その稼いだお金の税金を社会主義世界にばらまく、だから、なにも考えない人間が増え、民間企業に養ってもらっていることにも気づかない者が多く、いくら企業が頑張っても借金だけが増えるシステムになっています。
だから、この国はマリさんの組織が世界を席巻して活躍しているのに、なんの興味も示さないで、他国がうるおい、国力をつけていることにも気づかないのです。もうすぐ、その責任者達がここに来ますから、直接、お聞きになってください」
「責任者?」
そんな話をしているところに、呼び鈴が鳴った。
「ピンポーン」
エリは泣きすぎた目が真っ赤になっていたが、慌てて、玄関扉まで歩いて行った。
「はい、どちらさまですか?」
そう言って、扉を開けた瞬間、テレビでよく見る人が目の前に立っていた。
「はじめまして、日本国総理大臣の伊藤と申します」
エリは総理大臣が自分の家に来て、びっくりして
「はい、飛島です。どうぞ、お入りください」
そして、その後ろから
「お久しぶりです。国務大臣の志木です」
エリは軽く会釈をして、二人を応接室に招き入れた。
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