平和への使者

Daisaku

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過去の痕跡

150話 歴史オタク まみ

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「しく・・・しく、もういや、どいつもこいつもバカばっかり、長い時間をかけて、あらゆる書物や現場検証を行い、やっと見つけた歴史的発見を誰も聞いてくれない、私と対等に話をできる人なんて、もうこの世界にはいないのかしら」

大平まみは小さい時から日本の歴史が大好きで特に父がよく読んでくれた日本の神様の話がとっても好きで、どの時代のどんな人がその神様に会えたのか、たくさんの書物を読んだり、疑問があるとお父さんにお願いして、日本の色々なところに連れて行ってもらい現地の人に聞いたり、書物を読んだりしていた。両親はまみのやりたいことを全力で応援してくれる、すばらしい親で世界でも自分を信じてくれる数少ない人であった。東京に住んでいたまみだったが、古代の日本が繁栄した場所が徳島県阿波だと確信して、徳島の大学に入学して歴史を専攻、毎日毎日、徳島のあらゆる地域の書物や伝承などを聞きながら、時間があれば、あちこち発掘していた。大学でも、まみは廻りから浮きまくっていた。

「おい、あいつだろ、大学のない日は、登山靴であちこち浮浪者みたいに歩き回っているオタク女は」

「バカ、聞こえてるぞ、うわっ、こっち見てるよ。きもいなあいつ」

「かかわらない方がいいぜ、先生もあいつの話にはうんざりしてるみたいだしな」

まみは大好きな両親と離れて、大学のそばの女性専用アパートに一人暮らしをしている。
だが、こんな生活をしているせいか友達は一人もいない、廻りの人から変な目で見られているが、まみは自分のやりたいことができるので、毎日、楽しくてしょうがなかった。
大学2年の9月、長年かけて、調査した結果、阿波の王宮の位置をほぼ確定できた。王宮があったであろう場所は、小高い丘のようなところで、現在は森で木や草がかなり生い茂っていた。そこをぐるぐる回って、やっと、その時代の地層が崩れかけた崖で見つけ、当時の地層を探りあてることができた。所詮、自分一人では、まともに深く掘ることもできないし、困っていたところ、運よく崖を見つけることができ、その崖の長さは約50mほどあり、場所からして、王宮があった建物の近くだと思われた。毎日、金属探知機や手探りであちこち探しまくり、ある日、金属探知機がものすごい音を発した。まみはその場所を必死に堀り進めた。そして、その金属らしい先端が出てきたので、すぐに黒板を記入して写真をこまめに取りながら掘り進めた。そして、固くなった土が回りに付着した状態で、その物体を取り出すことができた。

「なんだろう、これ、とても重い物だわ、少し濡らして、土を除去してみよう」

まみは少しずつ、泥を取りながら、その物がどんな物なのか、考えるだけで、うれしくて手が震えていた。そして、ほとんどの泥が取れてきて、驚愕した。それは現代で使用されている拳銃とそっくりだった。
しかも、表面には細かい錆が付着していたが、すこし、表面を削ると、どうやら、ステンレスでできているようだった。そして、少し磨いていくと、フランス語のような文字でその拳銃に刻まれていた。まみは、こんな拳銃を持っているのがばれたら、大変だと思い、ビニール袋に入れて、自分のリュックサックに入れて、アパートに急いで持ち帰った。そして、水道できれいに洗い、少しずつキズを付けないように磨いていった。そして、そのフランス語を書き写し、スマホの翻訳アプリで解読した。
そこには
『フランス治安情報局ドニーズ中尉3』
と記載されていた。

まみはきれいにすることに夢中で深夜の3時30分であったが、これを世に出せば、とんでもない大発見だが、どうみても、現代の拳銃、下手をすれば、自分が犯罪者として逮捕されてしまう。だが、自分の言うことなど、普段から誰も信じてくれないし、しばらく考えて、

「そうだ!フランスにこの治安情報局があるか調べてみよう」

まみはスマホで調べたら、治安情報局というところは存在するが、フランスのどこにあるかとか、どのような仕事なのか、何人ぐらい働いているのか、まるで分らなかった。
もうすぐ、夜が明けてきそうだったので、今日は寝ることにして、少しずつ調べていこうと強く思った。
それから、まみは暇があれば、治安情報局のことを調べたが、全く進展はなかった。

「はあ~王宮も発見できて、こんなすごい拳銃まで発見したというのに、どうすることもできないなんて、親に話しても、拳銃の件を知ったら、私のことを疑うよね」

日々、まみは悶々としていたが、大学の学食でご飯を食べていたら、テレビでニュースの音が聞こえてきた。

「昨日、ワシントンでフランス政府高官が乗った車がテロ行為にあい、爆破されました。

乗っていたのはフランス政府高官の治安情報局の関係者と思われます」

まみはそのニュースを聞いてびっくりした。

「治安情報局!」

まみはそのニュースに食いつくように見た。しばらくして、ニュースでフランス治安情報局の場所が紹介され、場所を確認することができた。

『きっと、ここにいる人たちなら、何かわかるかもしれない』

そう思った途端、居ても立っても居られなくなり、すぐに母親に連絡した。

「お母さん。久しぶり、ねえ、お願いがあるんだけど」

「なによ、急に、久しぶりに連絡くれたんだから、お母さん元気とか、お父さんと仲良くしてる~とか言うんじゃないの?」

「うん、ごめんね。お母さん、私、1800年前の王宮の場所を見つけたの、それでね、ヨーロッパに関係するものが出てきて、私、どうしてもフランスパリまで行きたいの、いつも仕送りしてくれて、大変なのはわかるけど、どうしても旅費を援助してほしいの」

「フランス!どうして、日本の古代文明を調べているのにフランスが関係するの?新しい彼氏と旅行したいのなら、はっきり言っても構わないのよ」

「そんなんじゃないよ。とにかく私を信じて」

母は、しばらく考えて

「そうね。父さんに聞いたら、きっとこう言うわ。『やれることは全部やれ、思い切りやってだめでも、悔いはないだろ』ってね、あなた一人じゃ心配だから付いて行きたいところだけど、2人分の旅費だと倍かかるからね、いいわ、今晩、父さんと相談するわ、また連絡するわ」

「ありがとう、お母さん」

まみは拳銃を空港に持っていくことはできないと考え、写真を何枚か撮り、向こうで確認してもらおうと考えた。

「ふ~学校も数日程度、休むけど、まあ、問題ないかな。それより、フランスに行くのが楽しみになってきたな」

まみは未知の領域に足を踏み入れた自分にうれしさと不安が交錯しながら、早く現地に行って、確認をしたい気持ちでいっぱいになった。
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