11 / 163
英雄と聖女 編
011. ユーラウリアの説明②
しおりを挟む
「命が狙われているって……これまた物騒な話だな。証拠はあるのか?」
「証拠はあるけど、残念ながらこの世界に───てか人間が存在できる次元には持ち込めないんだよね。でも、確かな情報」
「そうですか。では『誰に』かは?」
「まだこれも詳しくは教えられないんだ。ごめん。ただ、これだけは言える。狙っているのはウチらと同じ───神の一派」
「あなた達がボクのような転生者を狙っている、と?」
「人間にも人種や派閥があるように、神にも派閥があるんだよね。ウチはなんとか守ってあげたい方の立場。まぁそうしないとウチらも困ることになるからなんだけどね」
「神が狙っているということですが……それが判明しているのならば、あなた方で阻止できないのですか?」
もっともな意見だとユーゴは思い、大きく頷いた。
「ウチら神同士がぶつかったら、様々な世界に影響でちゃうんだよね。しかも今回は規模が大きいから、そうなっちゃうと異世界の五、六個は軽く吹き飛んじゃうかもね。だからあの神たちもそこを警戒してる。しかも神世界の絶対的ルールでみだりに人間を傷つけてはいけないことになってるし。例外は自分たちが管轄する世界へ神罰を下すときだけ。この世界は今はウチらの管轄だから、ヤツらは直接手は出せないよ」
「直接は無理なら、間接的には可能ってことか」
「そゆこと。でも、どんな手を使ってくるかは判らない。そこでウチらは、ウチらのかわりに動いてくれる人間を育てたってワケ。エージェントってやつ?」
「じゃあそいつに任せりゃいいじゃん」
「だからユー君に任せたんじゃん」
「俺ぇぇぇぇぇぇぇっ⁉︎」
俺? まさかの俺⁉︎ え、そんな大事にいつの間に巻き込まれてたわけ?
いや確かにこの世界に来る前に転送された奴らを探してくれとは頼まれたよ?
でも神々の抗争とか聞いてない!
ウルトラ青天の霹靂に、二の句が継げないユーゴだった。
「まさか、ユーゴも知らなかったのか?」
「知らん知らん。一回人生終わるたびにあそこ行けここ行けって異世界に飛ばされるから、なにかおかしいなーとは思ってたんだよ。まぁその代わり毎回武器やら能力やらをくれるから、面白がってた感は否めないな」
「最初の頃はただ単に、面白い人間がいるなーって思って、二回目の転送を持ちかけたわけ。そんかわしちょっと無理めのお願いを聞いてもらって。そしたらあっさり無茶振りクリアするじゃん? それ見てたウチの後輩女神が、『私のところもお願い。ご褒美あげるからって』って言って。で、また解決しちゃうでしょ? そこまできたらウチらのグループの神々が集まってユー君、引っ張りだこになっちゃったんだよね。終いには、賭けまで始める始末でさー。あっはー」
「あっはーじゃねぇわ。人の人生をおもちゃにしてんじゃねぇよ。何か俺に対して言うことは?」
「面白くてやりすぎたことは認める。後悔はしていない」
「まず謝れや。もう良いわ」
「それで、ユーラウリア様はユーゴはエージェントとして、この世界に送り込んだんですね」
ユーゴとユーラウリアを放置していては脱線しっぱなしになると、ゼストは話を戻した。
「いえすいえす」
「そこでボクに協力を求めるように頼んだんですね」
「いや。お前と会った時点では、誰かは知らなかった。ユーラも教えてくれなかったしな。だからお前から正体を教えに来てくれて助かったわ」
「教えようにも、この世界に送られてきた人たちはウチらには判らないし」
「そうだったのですね。何故ボクたちが狙われているかは?」
「んー。ごめん。それもまだ言えない」
「わかりました。事情はなんとなく理解しました。それで、協力とは具体的に何をすれば」
「よくぞ訊いてくれました。ユー君、左手を出して」
「? おう」
言われるがままに左手を差し出したユーゴ。その手首に、ユーラウリアは時計を巻き付けた。
「これは───スマートウォッチか?」
「スマートウォッチとはなんだ、ユーゴ」
聞き慣れぬ言葉に首を傾げたゼスト。
「地球出身者だろ、お前。何で知らねーんだよ。あ、もしかして前世は文明が発達してない未開の地の人だったりしたのか」
「いや、日本人だけど。ボクが死んだ2003年にはこんなものはなかった」
「あー、そうか。異世界間の時間のズレだな。説明すると、これはスマートウォッチといって、2010年代の後半くらいから普及しだしたデバイスだ。これで通話できたりする」
「こんなちっちゃい時計で⁉︎ 凄いな……」
「ちなみにこれは、スマートウォッチとは比べ物にならないほどの、めちゃすごデバイス。名付けて【スペリオール・ウォッチ】! 次元や空間を超えて情報のやり取りが出来まーす! 協力者にはこれを貸与するから、これでお互いのエマージェンシーが送受信できるってわけ。凄いっしょ?」
「すごいすごい。で、これはどうやって使うんだ?」
「詳しい使い方はいつもの方法で送っておくね。あと……はい、これ。いま用意できてる分をユー君に預けとくんで、ユー君が協力してくれる人に配ってね」
ユーラウリアはユーゴにスペリオール・ウォッチなる代物を三個、ユーゴに渡した。
「装着者の近くに神の波動を持つ物体があればアラートが鳴って、自分に危険が迫ったときは協力者にエマージェンシーコールを送ることが出来るし、逆にエマージェンシーコールを受け取ることが出来るってわけ。コールを承諾すると、異世界であってもその送信者のもとに転送されます」
「へぇ。便利なもんだな」
「実際に異世界間を移動する時にはユー君に頑張ってもらわなきゃいけないんだけどね」
「俺がやるんかーい。もしかしてアレか? 知ってると思うが、アレの成功率は三割くらいだぞ」
「エマージェンシーがかかっている時に限り、アレの成功率はほぼ百パーセントになるから大丈夫だよ」
「大丈夫の意味がわからん。何だよその俺だけに優しくないクソ設定」
「その分いろいろサービスしてるじゃーん」
「……まぁいいか」
「? どういうこと?」
何やらユーゴと女神で内輪ノリでやり取りしているが、ゼストにとっては判らない内容だ。
「まぁその時になったら説明する」
「わかった。───それで、協力するかどうかですが、ひとまず保留にさせて下さい。実はボクにはやらなければならないことがあります」
「ネルの件か?」
「いや、ネルの件とは別だ。それはボクという存在の根幹に関わる問題だ。それが解決しない限り、ボクは君たちが抱える大きな問題に関わる余裕はないんだ」
「それって、その子に関係ある?」
ユーラウリアはゼストの肩あたりを指さした。
女神が誰のことを示しているのか理解したゼストは目を瞠った。
「この状態の彼女のことが視えるのですか⁉︎」
「あ。これ、言っちゃダメなヤツだった?」
「いえ……。ただ誰にも話していないことは確かです。なので、ボクの仲間たちには秘密にしていただけると助かります」
「りょーかい。ユー君もそれでいい?」
「いいぜ。そもそも俺には何のことを言ってるのかわからんから、誰に言いようもねぇしな」
ユーゴは頭の後ろで手を組んで承諾した。
「ありがとう。それにしても凄いですね、ユーラウリア様。この状態の彼女のことは誰も視えなかったのに」
「まーね! 女神サマですから?」
「ギャルっても女神ってことか」
「腐っても鯛みたいに言わないで。てか、ウチがその問題を解決してあげられたら良かったんだけどねー。あいにくウチら神が手を加えたことじゃないし、この世界のシステムにかかわることだから、力になりたくてもなれないんだよね。その子のことは」
「あ、いえ。ボクの問題というのは、彼女のことではないんです。それとは別で……」
「じゃあこれかな? なんかキミの存在が不自然な感じがするんだけど……」
「……っ‼︎ そ、そうです。もしかしてユーラウリア様には、何とかできますか?」
「うーん。それも無理かな。さっきも言ったけど、ウチらは人間には直接手出しができないから。これは危害を加えることだけじゃなくて、救済を与えることもできないってことなんだよね。まぁ一番簡単な方法は、キミにそんなことをした人に、どうにかしてもらうかだけど。誰にされたのかは分かってる?」
「はい。実はボクはその敵を追っているんです。その名は黒魔女マリア。【契約の魔女】とも呼ばれます」
「ふーん。けっこう高度なことやってるよ、その子。神話の英雄レベルだね」
「じゃあその黒魔女マリアってのを何とかすれば、ゼストの問題は解決するんだな?」
「その可能性は非常に高い」
「じゃあユー君、手伝ってあげなよ」
「まぁ乗りかかった船だしな。いいぜ」
「本当か、ユーゴ。恩に着る」
その時、ユーラウリアの姿にノイズがかかったような歪みが生じた。
「え、マジ? 嘘でしょ⁉︎ ここ、ウチらの管轄だよ!こんな強引な妨害アリ⁉︎」
慌てふためく女神に、ユーゴは怪訝な表情を見せる。
「ごめん。しばらくこっちこれないかも! じゃあ頑張って!」
そして突然ユーラウリアの姿がかき消えた。
「おいおい。大丈夫なのか、あいつ」
さすがのユーゴも心配になったが、
「ま、あいつも女神だっつーんなら、自分で何とかすんだろ」
と、一瞬で切り替えた。
「いいのか? それで」
むしろ今日始めて出会ったばかりのゼストの方が心配しているまである。
「俺にはどうしようもねぇからな」
ユーゴが肩をすくめた時、キャッキャと喧しい声がリビングに近づいてくるのが聴こえた。
そういえば、こいつらへの説明を考えていなかったと、ユーゴは頭を抱えたくなった。
──────to be continued
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
お読みいただき誠にありがとうございます。
この作品が
「面白い」 「続きが読みたい」 「推してもいい」
と少しでも思って頂けた方は、
①お気に入り 登録
②エールを送る(アプリ版のみ)
③感想を書く
④シェアする
をして頂ければ、作者のモチベーションアップや作品の向上に繋がります。
アマチュアである作者は皆様に支えられております。
この作品を皆様で盛り上げて頂き、書籍化やコミカライズ、果てはアニメ化などに繋がればいいなと思います。
この作品を読者の皆様の手で育てて下さい。
そして「この作品は人気のない時から知ってたんだぜ?」とドヤって頂けることが夢です。
よろしくお願いいたします。
「証拠はあるけど、残念ながらこの世界に───てか人間が存在できる次元には持ち込めないんだよね。でも、確かな情報」
「そうですか。では『誰に』かは?」
「まだこれも詳しくは教えられないんだ。ごめん。ただ、これだけは言える。狙っているのはウチらと同じ───神の一派」
「あなた達がボクのような転生者を狙っている、と?」
「人間にも人種や派閥があるように、神にも派閥があるんだよね。ウチはなんとか守ってあげたい方の立場。まぁそうしないとウチらも困ることになるからなんだけどね」
「神が狙っているということですが……それが判明しているのならば、あなた方で阻止できないのですか?」
もっともな意見だとユーゴは思い、大きく頷いた。
「ウチら神同士がぶつかったら、様々な世界に影響でちゃうんだよね。しかも今回は規模が大きいから、そうなっちゃうと異世界の五、六個は軽く吹き飛んじゃうかもね。だからあの神たちもそこを警戒してる。しかも神世界の絶対的ルールでみだりに人間を傷つけてはいけないことになってるし。例外は自分たちが管轄する世界へ神罰を下すときだけ。この世界は今はウチらの管轄だから、ヤツらは直接手は出せないよ」
「直接は無理なら、間接的には可能ってことか」
「そゆこと。でも、どんな手を使ってくるかは判らない。そこでウチらは、ウチらのかわりに動いてくれる人間を育てたってワケ。エージェントってやつ?」
「じゃあそいつに任せりゃいいじゃん」
「だからユー君に任せたんじゃん」
「俺ぇぇぇぇぇぇぇっ⁉︎」
俺? まさかの俺⁉︎ え、そんな大事にいつの間に巻き込まれてたわけ?
いや確かにこの世界に来る前に転送された奴らを探してくれとは頼まれたよ?
でも神々の抗争とか聞いてない!
ウルトラ青天の霹靂に、二の句が継げないユーゴだった。
「まさか、ユーゴも知らなかったのか?」
「知らん知らん。一回人生終わるたびにあそこ行けここ行けって異世界に飛ばされるから、なにかおかしいなーとは思ってたんだよ。まぁその代わり毎回武器やら能力やらをくれるから、面白がってた感は否めないな」
「最初の頃はただ単に、面白い人間がいるなーって思って、二回目の転送を持ちかけたわけ。そんかわしちょっと無理めのお願いを聞いてもらって。そしたらあっさり無茶振りクリアするじゃん? それ見てたウチの後輩女神が、『私のところもお願い。ご褒美あげるからって』って言って。で、また解決しちゃうでしょ? そこまできたらウチらのグループの神々が集まってユー君、引っ張りだこになっちゃったんだよね。終いには、賭けまで始める始末でさー。あっはー」
「あっはーじゃねぇわ。人の人生をおもちゃにしてんじゃねぇよ。何か俺に対して言うことは?」
「面白くてやりすぎたことは認める。後悔はしていない」
「まず謝れや。もう良いわ」
「それで、ユーラウリア様はユーゴはエージェントとして、この世界に送り込んだんですね」
ユーゴとユーラウリアを放置していては脱線しっぱなしになると、ゼストは話を戻した。
「いえすいえす」
「そこでボクに協力を求めるように頼んだんですね」
「いや。お前と会った時点では、誰かは知らなかった。ユーラも教えてくれなかったしな。だからお前から正体を教えに来てくれて助かったわ」
「教えようにも、この世界に送られてきた人たちはウチらには判らないし」
「そうだったのですね。何故ボクたちが狙われているかは?」
「んー。ごめん。それもまだ言えない」
「わかりました。事情はなんとなく理解しました。それで、協力とは具体的に何をすれば」
「よくぞ訊いてくれました。ユー君、左手を出して」
「? おう」
言われるがままに左手を差し出したユーゴ。その手首に、ユーラウリアは時計を巻き付けた。
「これは───スマートウォッチか?」
「スマートウォッチとはなんだ、ユーゴ」
聞き慣れぬ言葉に首を傾げたゼスト。
「地球出身者だろ、お前。何で知らねーんだよ。あ、もしかして前世は文明が発達してない未開の地の人だったりしたのか」
「いや、日本人だけど。ボクが死んだ2003年にはこんなものはなかった」
「あー、そうか。異世界間の時間のズレだな。説明すると、これはスマートウォッチといって、2010年代の後半くらいから普及しだしたデバイスだ。これで通話できたりする」
「こんなちっちゃい時計で⁉︎ 凄いな……」
「ちなみにこれは、スマートウォッチとは比べ物にならないほどの、めちゃすごデバイス。名付けて【スペリオール・ウォッチ】! 次元や空間を超えて情報のやり取りが出来まーす! 協力者にはこれを貸与するから、これでお互いのエマージェンシーが送受信できるってわけ。凄いっしょ?」
「すごいすごい。で、これはどうやって使うんだ?」
「詳しい使い方はいつもの方法で送っておくね。あと……はい、これ。いま用意できてる分をユー君に預けとくんで、ユー君が協力してくれる人に配ってね」
ユーラウリアはユーゴにスペリオール・ウォッチなる代物を三個、ユーゴに渡した。
「装着者の近くに神の波動を持つ物体があればアラートが鳴って、自分に危険が迫ったときは協力者にエマージェンシーコールを送ることが出来るし、逆にエマージェンシーコールを受け取ることが出来るってわけ。コールを承諾すると、異世界であってもその送信者のもとに転送されます」
「へぇ。便利なもんだな」
「実際に異世界間を移動する時にはユー君に頑張ってもらわなきゃいけないんだけどね」
「俺がやるんかーい。もしかしてアレか? 知ってると思うが、アレの成功率は三割くらいだぞ」
「エマージェンシーがかかっている時に限り、アレの成功率はほぼ百パーセントになるから大丈夫だよ」
「大丈夫の意味がわからん。何だよその俺だけに優しくないクソ設定」
「その分いろいろサービスしてるじゃーん」
「……まぁいいか」
「? どういうこと?」
何やらユーゴと女神で内輪ノリでやり取りしているが、ゼストにとっては判らない内容だ。
「まぁその時になったら説明する」
「わかった。───それで、協力するかどうかですが、ひとまず保留にさせて下さい。実はボクにはやらなければならないことがあります」
「ネルの件か?」
「いや、ネルの件とは別だ。それはボクという存在の根幹に関わる問題だ。それが解決しない限り、ボクは君たちが抱える大きな問題に関わる余裕はないんだ」
「それって、その子に関係ある?」
ユーラウリアはゼストの肩あたりを指さした。
女神が誰のことを示しているのか理解したゼストは目を瞠った。
「この状態の彼女のことが視えるのですか⁉︎」
「あ。これ、言っちゃダメなヤツだった?」
「いえ……。ただ誰にも話していないことは確かです。なので、ボクの仲間たちには秘密にしていただけると助かります」
「りょーかい。ユー君もそれでいい?」
「いいぜ。そもそも俺には何のことを言ってるのかわからんから、誰に言いようもねぇしな」
ユーゴは頭の後ろで手を組んで承諾した。
「ありがとう。それにしても凄いですね、ユーラウリア様。この状態の彼女のことは誰も視えなかったのに」
「まーね! 女神サマですから?」
「ギャルっても女神ってことか」
「腐っても鯛みたいに言わないで。てか、ウチがその問題を解決してあげられたら良かったんだけどねー。あいにくウチら神が手を加えたことじゃないし、この世界のシステムにかかわることだから、力になりたくてもなれないんだよね。その子のことは」
「あ、いえ。ボクの問題というのは、彼女のことではないんです。それとは別で……」
「じゃあこれかな? なんかキミの存在が不自然な感じがするんだけど……」
「……っ‼︎ そ、そうです。もしかしてユーラウリア様には、何とかできますか?」
「うーん。それも無理かな。さっきも言ったけど、ウチらは人間には直接手出しができないから。これは危害を加えることだけじゃなくて、救済を与えることもできないってことなんだよね。まぁ一番簡単な方法は、キミにそんなことをした人に、どうにかしてもらうかだけど。誰にされたのかは分かってる?」
「はい。実はボクはその敵を追っているんです。その名は黒魔女マリア。【契約の魔女】とも呼ばれます」
「ふーん。けっこう高度なことやってるよ、その子。神話の英雄レベルだね」
「じゃあその黒魔女マリアってのを何とかすれば、ゼストの問題は解決するんだな?」
「その可能性は非常に高い」
「じゃあユー君、手伝ってあげなよ」
「まぁ乗りかかった船だしな。いいぜ」
「本当か、ユーゴ。恩に着る」
その時、ユーラウリアの姿にノイズがかかったような歪みが生じた。
「え、マジ? 嘘でしょ⁉︎ ここ、ウチらの管轄だよ!こんな強引な妨害アリ⁉︎」
慌てふためく女神に、ユーゴは怪訝な表情を見せる。
「ごめん。しばらくこっちこれないかも! じゃあ頑張って!」
そして突然ユーラウリアの姿がかき消えた。
「おいおい。大丈夫なのか、あいつ」
さすがのユーゴも心配になったが、
「ま、あいつも女神だっつーんなら、自分で何とかすんだろ」
と、一瞬で切り替えた。
「いいのか? それで」
むしろ今日始めて出会ったばかりのゼストの方が心配しているまである。
「俺にはどうしようもねぇからな」
ユーゴが肩をすくめた時、キャッキャと喧しい声がリビングに近づいてくるのが聴こえた。
そういえば、こいつらへの説明を考えていなかったと、ユーゴは頭を抱えたくなった。
──────to be continued
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
お読みいただき誠にありがとうございます。
この作品が
「面白い」 「続きが読みたい」 「推してもいい」
と少しでも思って頂けた方は、
①お気に入り 登録
②エールを送る(アプリ版のみ)
③感想を書く
④シェアする
をして頂ければ、作者のモチベーションアップや作品の向上に繋がります。
アマチュアである作者は皆様に支えられております。
この作品を皆様で盛り上げて頂き、書籍化やコミカライズ、果てはアニメ化などに繋がればいいなと思います。
この作品を読者の皆様の手で育てて下さい。
そして「この作品は人気のない時から知ってたんだぜ?」とドヤって頂けることが夢です。
よろしくお願いいたします。
58
あなたにおすすめの小説
帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!
雪奈 水無月
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。
ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。
観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中…
ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。
それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。
帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく…
さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる