ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神

文字の大きさ
16 / 163
英雄と聖女 編

016. 成敗

しおりを挟む
 全てのワイバーンを撃墜した後、ユーゴとゼスト達は分担してモブ盗賊団を拘束していった。
 ただしロープなどは無かったので、ゼストが神聖術で地面に穴を掘り、そこに盗賊全員の首だけが出るように土に埋めていっただけだが。

「さて皆さん、お待ちかね。楽しい楽しい尋問タイムのはーじまり始まりー」

 陽気な声と邪悪な笑顔で、ユーゴがモブリーダー改めただの雑魚に近づきながら言った。
 皆さんというかユーゴ自身がお待ちかねで、ユーゴだけが楽しい尋問を行うために。
 ユーゴはただの雑魚の眼の前まで来ると、ヤンキー座りで見下ろした。

「手前ぇ。何をするつもりだ……?」

 ただの雑魚が苦々しく問うた。

「俺が君たちに何をするかは、君たちの心がけ一つだな。俺は良き友人には友愛を、悪い友人には良き友人になってもらうための愛のムチを与えるようにしている。さて、さっきの羽トカゲに乗ってた奴らは何だ? お前らとは随分毛色が違うが、タイミングと言い陣形と言い、グルであることは間違いないよな?」

「……」

「おいおい、黙りかよ。さっきはあんなにベラベラ喋ってくれたじゃねぇか。寂しいな」

「はっ。誰が手前ぇなんぞに話すかよ」

 どうやら先程の揶揄が堪えているようだ。

「随分と嫌われたようだな。ちょっとおちょくりすぎたか。反省反省」

「や……やっぱりおちょくってたんじゃねーか!」

「喋ってくれねぇなら、そんな口は不要だな。仕方ない。臭い飯を食ってもらうしかねぇか」

「無視すんなよ! 臭い飯ぃ? はっ。牢獄が怖くてゴロツキが出来るかよ。やれるもんならやってみな」

「自分でゴロツキ言ってりゃ世話ねぇな。……お? 丁度いい。あんなところに馬の糞が……」

「ま、まさか臭い飯って……。ウソですウソですごめんなさい! 頼むからそれだけは!」

「『頼むから』ぁ? 何だその口の利き方は。頼むから食べさせて下さいってことか?」

「私ごときが調子に乗ってすいやせんでした! どうか止めていただきますよう、お願いいたしますぅ!」

 滂沱の涙を流しながら懇願するただの雑魚。
 そんな彼を手下たちは蔑みの目で見ていない。
 むしろ憐れんでいた。
 手を出した相手が悪すぎた、と。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 それからただの雑魚は立板のごとく謳い出した。生来のお喋りのようで、一度口を開いたら聞いていないことまで喋りだす、情報漏洩のジャックポットと化したのだ。

 頭目 (ただの雑魚)が語るところによると。
 ある日突然、山中にあるアジトに一人の女が現れた。
 その女はヴァリオン教徒で、盗賊に依頼をしに来た。内容は、ある旅人からミラール教の聖璽を盗み出してほしいというものだった。
 提示された謝礼が破格だったので、二つ返事で引き受けた。
 情報を貰い、遠くまで手下たちを差し向けたが敢え無く失敗。アジトの近くに来たところで今度は手練の右腕を向かわせたが、第三者の邪魔が入り込まれこれも失敗。
 目標はアジトに近づいているようだと連絡を受けた時、再びヴァリオン教徒の女が現れた。今度は一人ではなく、女は一人の男を頭目に紹介した。
 男はとある貴族の手のもので、頭目の目標を持っている少女の身柄が欲しいので協力して欲しいと持ちかけてきた。しかも生死は問わず。
 これも報酬が良かったので喜んで引き受けた。
 獣人の村を襲撃する計画があったので、そこにむかう部下にも情報を伝えていた。たまたまそちらで遭遇したらしいが、これまた失敗。
 いよいよ山越えのルートを進みだしたというので協力者───貴族の部下の騎兵たち───と共同戦線を組んで待ち構えていたという。
 そして、今に至る。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「ふーん。で、そのヴァリオン教? の女は何者だ? なんで聖璽って物を狙ってる?」

「なんだ。ここまで聞いてわからねーか? さっき教えたんだけどなぁ。あ痛っ! すいやせん。あの女は、二回目に会った時に言ったんでさぁ。『私は契約の魔女よ』って。何故欲しがってるのかは判りやせん」

 ユーゴが行うこの尋問は、余計なことを言うと殴られるシステムになっている。

「そうか。じゃあ質問を変えるぞ。さっきの羽トカゲに乗ってた奴らは、契約の魔女ってやつとは別口だよな。なんでこの娘を狙ってる? その親玉は?」

「いえ、俺らも詳しくは……ただ、その娘が生きていると都合の悪い奴らがいるらしくて。どこの誰だかは言いやせんでしたが、そいつが乗ってた馬のあぶみの模様に見覚えがありやした。アレは確か、パルーザ公爵領の特産品でさぁ」

 その名を聞いた時、スウィンの顔が強張った。

「……ま、訊くことといったらこんなもんか。ところでお前ら、盗賊っていっても、強盗とか人攫いとか獣人狩りとか、手広くやってるみたいじゃねぇか」

 そう言ってユーゴは立ち上がると、どこかへ歩き出した。

「へへ。まーな。悪名高い【毒グモのローエン】たぁ俺のことよ。……って、おいアンタ、どこに行くん……おい待て、それはやめろ! 洒落にならねぇよ‼︎」

 ユーゴは地面に散らばっている盗賊たちの武器───ナイフや鉈など───を拾い上げたあと、とても臭く、モザイクをかけたくなるほど醜悪なそれを、拾った武器を使って器用に掬い上げた。

「待て……待って下さいぃ。ぜんぶ喋ったじゃねぇですかぁ」

 頭目 (ただの雑魚)は涙を浮かべながら、いやいやするように頭を左右に振った。

「喋ったら止めるなんて一言でも言ったか?」

「ひ……酷ぇ」

「非道さでお前らにとやかく言われたくねぇな。お前らみたいな不逞の輩にはお仕置きが必要だ」

 両目と口を三日月のように細めて笑いながら、ゆっくりと近づいていくユーゴ。

「この……人でなしっ!」

「おうよ。人なんかとっくの昔に辞めてるぜ。ほらよ、たーんと召し上がれ」

 絶叫を上げる頭目。
 目の前で繰り広げられる地獄絵図から、ゼスト一行は真っ青な顔を背けた。

「私、いままであのユーゴの得体が知れなかったけれど、いま分かったわ。悪魔の使者……いえ、悪魔そのものよ」

「うん。ボクもそうじゃないかって思い始めた」

 スウィンとゼストは、冷や汗を流しながらこっそり話し合った。

「さぁ、行こうぜ!」

 やることをやり尽くし、満面の笑みと爽やかな汗を浮かべてユーゴは言った。

『僕たちは毒グモのローエンの一党です。僕たちは幼女から老女まで大好きです。でも、いかつい男性はもっと好きです。こんな僕たちを好きに可愛がって下さい』

 と書かれた木板を盗賊たちが埋まっている場所のすぐ横に設置したところで、ユーゴ的懲悪は完了したのであった。

──────to be continued

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

お読みいただき誠にありがとうございます。
この作品が
「面白い」 「続きが読みたい」 「推してもいい」
と少しでも思って頂けた方は、

①お気に入り 登録
②エールを送る(アプリ版のみ)
③感想を書く
④シェアする

をして頂ければ、作者のモチベーションアップや作品の向上に繋がります。
アマチュアである作者は皆様に支えられております。
この作品を皆様で盛り上げて頂き、書籍化やコミカライズ、果てはアニメ化などに繋がればいいなと思います。
この作品を読者の皆様の手で育てて下さい。
そして「この作品は人気のない時から知ってたんだぜ?」とドヤって頂けることが夢です。
よろしくお願いいたします。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

お帰り転生―素質だけは世界最高の素人魔術師、前々世の復讐をする。

永礼 経
ファンタジー
特性「本の虫」を選んで転生し、3度目の人生を歩むことになったキール・ヴァイス。 17歳を迎えた彼は王立大学へ進学。 その書庫「王立大学書庫」で、一冊の不思議な本と出会う。 その本こそ、『真魔術式総覧』。 かつて、大魔導士ロバート・エルダー・ボウンが記した書であった。 伝説の大魔導士の手による書物を手にしたキールは、現在では失われたボウン独自の魔術式を身に付けていくとともに、 自身の生前の記憶や前々世の自分との邂逅を果たしながら、仲間たちと共に、様々な試練を乗り越えてゆく。 彼の周囲に続々と集まってくる様々な人々との関わり合いを経て、ただの素人魔術師は伝説の大魔導士への道を歩む。 魔法戦あり、恋愛要素?ありの冒険譚です。 【本作品はカクヨムさまで掲載しているものの転載です】

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

チートツール×フールライフ!~女神から貰った能力で勇者選抜されたので頑張ってラスダン前まで来たら勇者にパーティ追放されたので復讐します~

黒片大豆
ファンタジー
「お前、追放な。田舎に帰ってゆっくりしてろ」 女神の信託を受け、勇者のひとりとして迎えられた『アイサック=ベルキッド』。 この日、勇者リーダーにより追放が宣告され、そのゴシップニュースは箝口令解除を待って、世界中にバラまかれることとなった。 『勇者道化師ベルキッド、追放される』 『サック』は田舎への帰り道、野党に襲われる少女『二オーレ』を助け、お礼に施しを受ける。しかしその家族には大きな秘密があり、サックの今後の運命を左右することとなった。二オーレとの出会いにより、新たに『女神への復讐』の選択肢が生まれたサックは、女神へのコンタクト方法を探る旅に目的を変更し、その道中、ゴシップ記事を飛ばした記者や、暗殺者の少女、元勇者の同僚との出会いを重ね、魔王との決戦時に女神が現れることを知る。そして一度は追放された身でありながら、彼は元仲間たちの元へむかう。本気で女神を一発ぶん殴る──ただそれだけのために。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

魔法使いが無双する異世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです

忠行
ファンタジー
魔法使いが無双するファンタジー世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか忍術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです。むしろ前の世界よりもイケてる感じ?

処理中です...