ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神

文字の大きさ
95 / 163
めいでぃっしゅへようこそ! 編

095. 王都レイメータ

しおりを挟む
 アドヴェンチャー・ガンマの燃料ガス欠のため、一行は道中立ち寄った町で知り合った商隊キャラバンに相乗りさせてもらい、王都へと辿り着いた。

「見えました。あれが、この国の首都、レイメータです」

 ナーサを出発して十日目だった。
 ネルの声も心なしか弾んでいる。
 やはり父母がいる街に帰ってこれたのが嬉しいのだ。
 前世では天涯孤独だったイリーナの記憶があるために、ネルは今生での両親を殊更大切に思っているのだ。
 王都の門の直前で商隊と別れ、門に近づいたユーゴ達に門番の衛兵が声をかける。

「ようこそレイメータへ。入都に際して身分証を提示していただいております。恐れ入りますが、ご提示願います」

 ユーゴは言われるままギルド証を取り出した。

「拝見します。冒険者の方ですね。………え? S級っ!?」

 衛兵の声に、別の列に並んでいた検問待ちの人々が驚きの声を上げる。
 まだ若い衛兵はユーゴの顔とギルド証を交互に見た。何度も。

「そうだよ。なんか文句あるか?」

「いえ、申し訳ありません。S級冒険者の方を初めてお見かけしたものですから。ありがとうございます。ギルドカードをお返しいたします。それでは次の方───あっ!!」

 ネルの顔を認めた衛兵が、今度は目を丸くした。

「王女ネル様! それに、聖女フィールエル様も!」

 王女というパワーワードに、検問待ちの行列がどよめく。

「わ、私は王女ではありませんよっ!?」

「失礼しました、聖女ネル様」

 わたわたと慌てふためいたネルの否定に、衛兵は敬礼して呼称を改めた。
 どうやら一部の王都の民───少なくとも役人には、ネルは王女と認識されているようだ。

「ネル様。お戻りになられたのですね」

「はい。国王陛下にご挨拶に伺いました。後ろの女性二人は私たちの仲間です。一緒に通っても良いでしょうか?」

 ネルはパレアと雪を手で示し、衛兵にお願いした。
 聖女であり王の娘であるネルのお願いを断れる兵士などいるだろうか。いや、いない (反語)。
 むしろ彼らは断ることを恥と思っている。なにしろネルの存在は偶像化されており、非公式ながら一種のファンクラブまで存在するのだ。
 
「先輩。俺、ちょっくら馬でお城まで報告に行ってくるっす」

 後輩らしき他の衛兵が、そう言って走り去った。

「ネル様がお戻りになり、国王陛下もお喜びになるでしょう。それに聖女フィールエル様もお越しになるとは。御身になにかあっては大変です。私どもで馬車を用意いたしますので、ぜひお乗り下さい」

「えっと……」

 衛兵の提案に、ネルはユーゴを見た。

「良いんじゃねぇの? ありがたく乗せてもらおうぜ」

 一行は好意に甘えることにして、衛兵隊の用意した馬車二台に分乗し、王都を進んだ。
 フルータル王国の首都だけあって、レイメータは賑わっていた。
 文化水準だけでならば、メナ・ジェンド獣王国の首都ベルトガルドの方が高いが、その分素朴な情緒があり、その粋を凝らした華やかさが目を引く。
 しばらく進むと、馬車は外で出る門へと近づいていった。

「あの、お城へ向かうのでは?」

「この門の先にあるんですよ」

 雪の疑問に答えたのはネルの言葉通り、門を潜った一行が目にしたのは、キラキラと輝く湖面を抱く大きな湖。
 そして、その中の小島に雄壮と佇む白亜の城だった。
 岸から伸びた橋を渡って城門の前で降車した後、ユーゴはネルに告げる。

「じゃあ行ってこいよ、ネル」

「え!? ユーゴさんは一緒にいらっしゃらないのですか?」

 びっくりしているネルに、ユーゴは続ける。

「ああ。王様は病気で倒れたんだろ。そんな時に俺達みたいな余所者がゾロゾロ押しかけてもな。フィールエル、お前は一緒に行ってやれよ。王様を全く知らないわけじゃねぇんだろ?」

「元よりそのつもりだよ。色々と報告することもあるしね。それで、ユーゴの方はどうするんだ?」

「俺はテリカの知り合いに会いに行こうと思っている。信衛の橋渡しもしたいし、何より、ちょっと訊きたいことがあってな」

「そうですか、わかりました」

 ネルはすんなりと了承したが、フィールエルはジト目をユーゴに向けた。

「パレアと雪も連れて行くのか?」

「そうなるな。ここに残していくことも出来ないだろう。なにか問題があるか?」

「……別に?」

 ユーゴに他意がないのはフィールエルも理解しているが、自分が居ない時に雪と同行しているのは面白くないのだ。
 ユーゴもそれをなんとなく感じていたが、フィールエルと特別な関係にあるわけではない。
 自分がそこをフォローするのもおかしい気がしたので、放っておくとにした。

「明日までに戻るつもりだ。またここに迎えに来る」

「はい、お気をつけて」

 聖女二人が入場するのを見届け、ユーゴ達三人も街に戻った。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 テリカの町。
 ユーゴがこの世界に降り立ち、最初に訪れた地である。
 大陸の北端に近い位置にあるこの街には、大陸でも有数の企業であるデニス商会の本店がある。
 そのこじんまりとした、ともすれば個人商店とも間違えそうな質素なデニス商会本店の門を潜り、ユーゴは受付に声をかけた。

「よう。会長はいるか?」

「あ、ユーゴさん。お久しぶりですね」

 以前ユーゴがここで仕事を手伝っていたときに顔なじみになった受付嬢が、愛想よく応じた。

「会長ならいますよ。少しお待ち下さい」

 受付嬢は、会長室まで伺いをたてに行った。
 しばらくすると、温和そうな青年が足早に受付に現れた。

「ユーゴさん、お久しぶりです!」

 カールは諸手を挙げてユーゴを歓迎した。

「すまないな、カール。アポ無しで突然押しかけて」

「とんでもない。ユーゴさんなら何時でも大歓迎ですよ。それで、そちらは───」

 カールの視線が、ユーゴの後ろに控える雪とパレアに移った。

「ああ、紹介する。こいつらは───」

「いえ、ご紹介には及びません。冥海の魔王リヴァイアサンパレア・シンクロン様と、陽元国の藩主、九能家の姫君にして神威の巫女であらせられる、九能雪様ですね」
 ユーゴ達三人は、息を呑んで驚いた。


小説追記文

──────to be continued

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

お読みいただき誠にありがとうございます。
この作品が
「面白い」 「続きが読みたい」 「推してもいい」
と少しでも思って頂けた方は、

①お気に入り登録
②エールを送る。
③感想を書く
④シェアする
⑤いいね

をのどれかをして頂ければ、作者のモチベーションアップや作品の向上に繋がります。

※お気に入り登録して頂きますと、新エピソードが投稿された際に通知が届いて便利です。
アマチュアである作者は皆様に支えられております。
この作品を皆様で盛り上げて頂き、書籍化やコミカライズ、果てはアニメ化などに繋がればいいなと思います。
この作品を読者の皆様の手で育てて下さい。
そして「この作品は人気のない時から知ってたんだぜ?」とドヤって頂けることが夢です。
よろしくお願いいたします。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!

yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。 しかしそれは神のミスによるものだった。 神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。 そして橘 涼太に提案をする。 『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。 橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。 しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。 さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。 これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。

山椒
ファンタジー
そのコンビニにいた人たち全員が異世界転移された。 異世界転移する前に神に世界を救うために呼んだと言われ特典のようなものを決めるように言われた。 その中の一人であるフリーターの優斗は異世界に行くのは納得しても世界を救う気などなくまったりと過ごすつもりだった。 攻撃、防御、速度、魔法、特殊の五項目に割り振るためのポイントは一億ポイントあったが、特殊に八割割り振り、魔法に二割割り振ったことでチートな箱庭をゲットする。 そのチートな箱庭は優斗が思った通りにできるチートな箱庭だった。 前の世界でやっている番組が見れるテレビが出せたり、両親に電話できるスマホを出せたりなど異世界にいることを嘲笑っているようであった。 そんなチートな箱庭でまったりと過ごしていれば迷い込んでくる女性たちがいた。 偽物の聖女が現れたせいで追放された本物の聖女やら国を乗っ取られて追放されたサキュバスの王女など。 チートな箱庭で作った現代技術たちを前に、女性たちは現代技術にどっぷりとはまっていく。

【完結】勇者PTから追放された空手家の俺、可愛い弟子たちと空手無双する。俺が抜けたあとの勇者たちが暴走? じゃあ、最後に俺が息の根をとめる

ともボン
ファンタジー
「ケンシン、てめえは今日限りでクビだ! このパーティーから出て行け!」  ある日、サポーターのケンシンは勇者のキースにそう言われて勇者パーティーをクビになってしまう。  そんなケンシンをクビにした理由は魔力が0の魔抜けだったことと、パーティーに何の恩恵も与えない意味不明なスキル持ちだったこと。  そしてケンシンが戦闘をしない空手家で無能だったからという理由だった。  ケンシンは理不尽だと思いながらも、勇者パーティーになってから人格が変わってしまったメンバーのことを哀れに思い、余計な言い訳をせずに大人しく追放された。  しかし、勇者であるキースたちは知らなかった。  自分たちがSランクの冒険者となり、国王から勇者パーティーとして認定された裏には、人知れずメンバーたちのために尽力していたケンシンの努力があったことに。  それだけではなく、実は縁の下の力持ち的存在だったケンシンを強引に追放したことで、キースたち勇者パーティーはこれまで味わったことのない屈辱と挫折、そして没落どころか究極の破滅にいたる。  一方のケンシンは勇者パーティーから追放されたことで自由の身になり、国の歴史を変えるほどの戦いで真の実力を発揮することにより英雄として成り上がっていく。

処理中です...