ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神

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めいでぃっしゅへようこそ! 編

102. 一回戦〜ダルゴ〜

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「あ、あんたのお陰で、俺たちは自由になれる。ありがとう!」

 命拾いした安堵と、自由への喜びに男泣きする奴隷たちに礼を言われながら、ユーゴは控室へと戻ってきた。

「おめでとうございます。ユーゴさん」

「ああ。ありがとうな、ネル」

 ネルからタオルを受け取って汗を拭きながら、ユーゴは雪に声をかける。

「雪。あのアドバイスは助かった。ありがとうな」

「そんな……妻として夫を支えるのは当然の事です」

「妻じゃねぇけどな」

 ユーゴのツッコミが聞こえなくなるくらいうかれているのか、雪は頬を赤らめてくねくねしている。

「言わなくたって、きっとユーゴはすぐに気付いたさ」

 面白く無さそうに、フィールエルが呟いた。
 そういえば、フィールエルと雪の謎の張り合い問題が残っていたなと、ユーゴは気が重くなった。

「まぁ、そういうな。助かったのは事実だ。それに、フィールエルにはいつも助けてもらっている。そう腐るなよ」

 四人の少女の中で一番背の高いフィールエルの頭に手を置いて、ユーゴは言った。
 なんで俺がこんなフォローをしてるんだろうな、と思いながら。

「べ……別に、腐ってなんかいない。……けど、理解ってくれてるならいい」

 ぷいと横を向いて口を尖らせるフィールエル。その顔が赤くなったところで、案内係がユーゴを呼びに来た。

「おい。お前は一回戦だから、もうすぐ出番だ。そろそろ準備してくれ」

「もうかよ、早いな。まぁいいか。じゃあ行ってくる」

 少女たちの激励を背に受けながら、ユーゴは武舞台に向かう。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 武舞台上は綺麗に片付けられており、そこには既に対戦相手が立っていた。

「さぁまずは一回戦目。グルンダのチャンピオン、ダルゴ闘士対、飛び入り参加のユーゴ闘士です」

 実況者がダルゴと呼んだ男は、ユーゴより頭一つ分背が低い、痩せた男だ。
 ソレだけ聞けば普通の人間なのだが……。
 頭の中央部以外を剃り上げ、長く伸ばした毛髪を逆立てる、いわゆるモヒカンヘアーで、小鼻、瞼、唇、耳といたるところにピアスを刺している。
 だがそれに飽き足らず、ダランと伸ばしたままの長舌は、先が蛇のような二股で、下に幾つものピアスが刺されている。
 しかしまぁそこまでならば、まぁまぁ個性的で済むだろう。
 上半身は裸で、身体を覆うのは革製の短いホットパンツのみである。
 ……まぁこれも、人によってはまだ許容できるかもしれない。
 そんな外見のダルゴの細い目は、白目寸前まで裏返っていて、呼吸はハァハァと荒い。頬は紅潮しており、それらが関係しているのかいないのか、ホットパンツの前はテントを張っていた。
 ダルゴの武器である、刀身がくの字に曲がった奇妙な剣が、そんな彼の外見も相まって一層危険に見えた。
 ユーゴに遅れて舞台の外野に立った少女四人は、すぐに顔ごと目を逸らした。
 彼女たちの冷や汗が止まらない。
 いや、フィールエルたちだけでなく、観客席の全観客も同じリアクションである。アナウンサーも気まずそうに顔をそらしながら、実況していたらしい。
 さしものユーゴも、直視できず、見かねて顔を逸した。
 このとき、ダルゴ以外の全員の気持が一つになった。

 これはアウトだろう、と。

 見てはいけないものを見てしまった時、人は視線を逸らす。
 それがダルゴの狙いだった。
 ユーゴがダルゴから注意を外した瞬間、ダルゴが右手の曲刀を素早く投げ放った。

「───っ!」

 曲刀は僅かな弧を描きつつも、ユーゴ目掛けて凄まじい勢いで迫っていた。
 急いで前屈気味のダッキングで回避したユーゴの背を、ギリギリの距離で曲刀が通過していった。
 フォルフォルフォルという風切り音を聞きながら、ユーゴは先ほどとは違う意味で冷や汗を流した。

「手前ぇ……なかなか味な真似をしてくれるな」

 口の端を吊り上げてダルゴが答える。

「凄ぇなアンタ。アレを避けるのかよ」

 ダルゴはブーメランのように戻ってきた曲刀を、危なげなくキャッチした。
 よく見ると曲刀には柄がなく、ダルゴは剥き出しの刀身を素手で掴んでいるのだ。

「おおーっと!? いつの間にか試合開始前にダルゴ闘士が先制攻撃を終えている!? これは汚い! だがこれはルール違反ではありません」

「悪く思うなよ。黄色の悪魔を一人で倒したっていうアンタ相手じゃ、正攻法じゃ敵わないと思ったんでね」

 ダルゴが悪びれなく言った。

「思わねぇよ。いまのはむしろ、敵から目を離した俺に非がある。ダルゴって言ったか。見た目とさっきの様子にまんまと一杯食わされたが、その曲刀の扱いといい、いまの隙の無さと言い、戦術といい、結構な実力者だな」

「アンタほどじゃねぇよ、ユーゴ闘士。じゃあ改めて、行くぜ」

 ダルゴが大きく振りかぶって、再度曲刀を投擲。
 ユーゴは冷静に軌道を見極めて半身で躱すと、流れる動作で逆半身になり、を避けた。
 ダルゴは曲刀を投げた後、さりげない動作で、左手に隠し持っていた毒付きの小刀を投げたのだった。

「……アレを避けるのかよ」

 信じられないといった表情で、ダルゴが呻いた。

「お前の戦術傾向不意打ちを考えると、必ずなにかあると読んだんだよ。あの曲刀は陽動。本命はさっきの小刀だった。じゃあお次は俺の番だな」

 宣言したユーゴが強く軸足で床を蹴り、一気に距離を詰めた。

「ふっ!!」

 大きく振り上げた脚で繰り出したのは、ハイキック。
 眼にも止まらぬ速さでダルゴは頭を打ち抜かれ、

「やっぱ、強ぇ……」

 気絶した。

「ユーゴ闘士の勝利ー!」

 巻き起こる歓声の中、ユーゴは審判に気になったことを尋ねる。

「なぁ、ダルゴの曲刀とか小刀とかは反則じゃねぇの? 飛び道具だけど」

「いや、禁止されているのは銃器や弓矢、投石機などだ。ダルゴ闘士のは刀剣を投げているだけで、厳密には飛び道具ではない」

「ああ……そういうこと」

 確かにズァーニカル戦でユーゴが剣を投げた時も、指摘されなかった。
 じゃあ俺も次から何か投げようかななどと考えながら、ユーゴは控室へと戻っていった。
 
 ユーゴ。無事一回戦突破。
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