ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神

文字の大きさ
109 / 163
めいでぃっしゅへようこそ! 編

109. 雇われることになりました

しおりを挟む
「あんた達この世界に来たばっかりで、しかもあのドネルのクソ野郎が賞金を払わなかったんスよね? この世界に留まるしかないなら、俺が仕事を世話できるし。それで衣食住はなんとかなると思うスよ」
 
「そりゃ、俺たちもこの世界に来たばっかりでどうしようかと思ってたから助かるが……いいのか? 一気に複数人も雇うってのは、結構な負担だろ?」

「まぁそこは、同じ日本人のよしみってやつッスね。ちょうどもう一店舗、新規オープンするところで人手が足りないってのもあるし。それに、俺らもこの世界に来たばっかりで途方に暮れていた時、助けてくれた恩人が言ってたんスよ。同じように困っている人が居たら助けてあげて下さいってね」

 “恩人” の事に触れた時、鉄太が僅かに悲しんだように見えた。
 しかし鉄太はすぐにニカッと笑顔を見せた。

「後は、俺と輝星が日本に帰るための手がかりを手放したくないっていう、目論見もあるし?」

「ま、そういうことなら有り難く世話になるか。だが、こっちにはたぶん接客経験の無ぇやつらが四人もいるぞ。大丈夫か?」

 そう言ってユーゴは、聖女、魔王、巫女を指で示した。苦い顔をしながら。

「それは大丈夫です。ウチらの店にも未経験の子とかたくさんいたし。ていうかウチ以外、最初は本物のメイドばっかりで、ウェイトレスをしたことない人たちばかりだったから。後は、その娘たちがどうするかなんだけど……」

 コレには輝星が答えた。

「てことだ。どうする、お前らは?」

 ユーゴの視線を受け、

「ボ、ボクはやってみたい!」

 フィールエルは意気込んで、

「私も……私に務まるか少々不安ですけど……」

 ネルは恥ずかしげに、

「任せなさい! アタシに不可能なんてないってことを、証明してあげるわ!」

 パレアはフラグっぽい台詞を、控えめな胸を張って、

「これも良い経験です。私でお役に立てるのならば」

 雪は悠然と微笑んで、言った。

「てことで、こいつらはやる気みたいだ。んで、まぁ俺は裏方ってとこか。自分で言うのは何だが、結構器用な方だから、調理や雑用は任せてくれ」

「いや、ユーゴさんには別にやってもらいたい仕事が……。ちょうどアンタみたいなちょいオラ系のイケメンが欲しかったんスよね」

 鉄太は、金の鉱脈を掘り当てた山師のようにほくそ笑んだ。

「あと問題は、フィールエルとネルの言葉か……。基本の文法と重要単語と、あとは接客用語だけに絞れば短期間で何とかなるか?」

 思案するユーゴに鉄太が提案する。

「そっすね。俺と輝星はこの世界に来た瞬間から、不思議とこの世界の言葉で会話できたんスけど、読み書きに関しては結構苦労したっす。なんで、俺らも教えられることは出来るっすよ。この二人がこの世界の言葉を喋れるようになるまで、調理とかホール以外の仕事を憶えてもらって、逆に喋れる二人には、最初はホールの仕事から憶えてもらったほうが良いッスね」

「仕事中は、ウチが面倒見るんで任せて下さい」

「世話かけるな。俺もなるべく教えるようにする。後は、お前たち兄妹にお守り……みたいなもんを渡したいんだが、あいにくいまは手持ちを切らせててな。手に入り次第渡す」

「お守り……例の、転生者や転移者が狙われてるって件ッスか。俺、戦闘力なんて殆ど無いんで、もし狙われたらイチコロやな。そんときは輝星。俺を守ってくれんといかんばい」

「……そこはフツー、男女逆やない? ま、ウチの方が強いから仕方ないけど」

「そういえば、キミはただの女子高生だったんだろう? なぜそんなに強いんだ?」

「ああ、それは───」

 輝星が答えようとした時、トントンとこの部屋のドアがノックされ、先ほどの幼女が入ってきた。

「てったくん、たいへんよ。おみせにへいたいさんたちが……」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「───だから、支配人はいませんし、お探しの方もここにはいません!」

「それを調べるために店内を検めさせろといってるんだ!」

 ユーゴ一行と佐久間兄妹が【めいでぃっしゅ】に急いで戻ると、青い衣の上に銀の鎖帷子くさりかたびらを纏った五人の兵士が入口の前で、背の高いメイドと押し問答をしていた。

「リネッセ。どうしたと?」

「あ、支配人! よかった……実は───」

 鉄太に声を掛けられたリネッセというメイドは、安堵して説明しようとしたが、その前に兵士が口をはさむ。

「お前がこの店の責任者だな?」

「そうだけど、兵隊さんがウチの店に何の用ッスか?」

「お前も知っていると思うが、先日、国家転覆の容疑をかけられた女が逃走した。我らはその者の捜索の任を負っているが、先ほど、この店に見慣れぬ若い女が数名入っていったと通報があってな」

「その数名の若い女ってのはこの人達のことで、お尋ねの人とは違うっスよ」

 鉄太が手で示したフィールエル、ネル、パレア、雪の四人を、隊長格の兵士が部下に確認するよう命じる。

「おい、どうだ?」

「……いえ、手配中の人相とは違います」

「これで理解っただろ? 理解ったならとっとと退散してくんないッスか? いつまでもウチの店の前にたむろされちゃ、営業妨害なんスけど」

「何を……。類爵だな、貴様? 生意気な口を利くと、ただじゃ置かんぞ、小僧!」

 兵士たちが俄に殺気立ったところで、輝星が義兄を背に庇うように立ちはだかった。

「メ、メイド王……!」

 兵士たちも輝星の実力は認知しているので、彼女が放つ殺気に気圧されて怯んだ。

「……ふ、ふん。まぁいい。だが念のため、店内はしかと検めさせてもらう必要がある」

「だから居ないって……」

「貴様がかつて、手配中のベレッタ・レーナスの実家である、レーナス令爵家で奉公していたという事は調べがついている。逃走中の容疑者が関係者の邸宅などを潜伏先に選ぶことが多いのでな、お前の家や職場は元々監視対象として重要度が高いのだ。これ以上拒むようならば、お前をしょっ引いて無理矢理にでも押し入るが?」

「チッ……。分かりましたよ。でも営業中で他のお客様もいるんで、店内は兵隊さん一人だけでお願いしますよ」

「よかろう。では私が行こう」

 鉄太に案内された隊長は店内をくまなく調べた後、目当ての人物が潜伏していない事を確認して立ち去った。

「おい鉄太。いまのは一体何なんだ?」

 ユーゴの問いに、悔しそうな表情をした。地面を睨みつるようにしながら。

「……さっき、俺と輝星には恩人がいるって言ったっスよね? 実はその人が、国家転覆の容疑をかけられていて、身を隠してるんスよ」

「国家転覆とは穏やかじゃねぇな。そんな大それたことをする人間だったのか?」

「まさか。すっげぇ優しくて穏やかで、誰からも好かれる人だったんスよ。あの人がそんな事をするはずがねぇっちゃ」

「そうですよ。ウチら、すごくお世話になったのに……でも、何も助けてあげられなくて」

 場の空気が沈みかけた。それに気付いた鉄太が、取り繕うように明るい調子で言う。

「ま。ユーゴさん達は気にしないでくれよ。じゃあ、あんた達のこれからの寝床に案内するッスよ」

 鉄太に案内されたのは、繁華街から三十分ほど歩いた瀟洒な住宅地にある、大きな洋館だった。

「へぇ……立派な邸だな」

「部屋数も二十は下らなさそうね」

 フィールエルとパレアは、全体を見渡して目を瞬かせた。

「ここはさる貴族が、没落した時に手放した洋館でね。実は俺の店で働いてくれてる子達も、元々はこの邸で働いていた、本職のメイドやったんよ。で、そこを俺たちが買い取って寮として使ってるってわけ」

 鉄太の説明通り、元は貴族の邸という事で造りは凝っていて、使用されている建築資材も高級そうな上質の物だった。
 白亜の貴族邸。
 そこがユーゴ達の、この世界での仮住まいとなった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

お帰り転生―素質だけは世界最高の素人魔術師、前々世の復讐をする。

永礼 経
ファンタジー
特性「本の虫」を選んで転生し、3度目の人生を歩むことになったキール・ヴァイス。 17歳を迎えた彼は王立大学へ進学。 その書庫「王立大学書庫」で、一冊の不思議な本と出会う。 その本こそ、『真魔術式総覧』。 かつて、大魔導士ロバート・エルダー・ボウンが記した書であった。 伝説の大魔導士の手による書物を手にしたキールは、現在では失われたボウン独自の魔術式を身に付けていくとともに、 自身の生前の記憶や前々世の自分との邂逅を果たしながら、仲間たちと共に、様々な試練を乗り越えてゆく。 彼の周囲に続々と集まってくる様々な人々との関わり合いを経て、ただの素人魔術師は伝説の大魔導士への道を歩む。 魔法戦あり、恋愛要素?ありの冒険譚です。 【本作品はカクヨムさまで掲載しているものの転載です】

生臭坊主の異世界転生 死霊術師はスローライフを送れない

しめさば
ファンタジー
急遽異世界へと転生することになった九条颯馬(30) 小さな村に厄介になるも、生活の為に冒険者に。 ギルドに騙され、与えられたのは最低ランクのカッパープレート。 それに挫けることなく日々の雑務をこなしながらも、不慣れな異世界生活を送っていた。 そんな九条を優しく癒してくれるのは、ギルドの担当職員であるミア(10)と、森で助けた狐のカガリ(モフモフ)。 とは言えそんな日常も長くは続かず、ある日を境に九条は人生の転機を迎えることとなる。 ダンジョンで手に入れた魔法書。村を襲う盗賊団に、新たなる出会い。そして見直された九条の評価。 冒険者ギルドの最高ランクであるプラチナを手にし、目標であるスローライフに一歩前進したかのようにも見えたのだが、現実はそう甘くない。 今度はそれを利用しようと擦り寄って来る者達の手により、日常は非日常へと変化していく……。 「俺は田舎でモフモフに囲まれ、ミアと一緒にのんびり暮らしていたいんだ!!」 降りかかる火の粉は魔獣達と死霊術でズバッと解決! 面倒臭がりの生臭坊主は死霊術師として成り上がり、残念ながらスローライフは送れない。 これは、いずれ魔王と呼ばれる男と、勇者の少女の物語である。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

処理中です...