【R18】異世界リゾートライフ~女運が最悪だったオレがチートスキルで理想のハーレムを作りあげる~

永遠光(とわのひかり)

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第8章 南国リゾートへの旅

第91話 ショーパブ『唄うクジラ亭』

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 翌朝、オレたちはテントを撤収し、飛行船に乗り低空でエルメ島を視察した。
 リゾートとしての潜在能力ポテンシャルを見極めるためである。

 エルメ島は周囲16kmの小さな島であるが、海岸線は岬や湾など曲線部が多く、島の反対側までは最短部で僅か3.3kmほどの距離しかない。
 島で最も高い場所は海抜80mほどの緩やかな丘があるのみで、山と呼べるようなものはない。

 島の東側は高さ20mほどの岬になっており、突端までは岩場が続き、その左右は白砂のビーチとなっている。
 オレたちがテントを張った東側のビーチの他、北側と南側にもサンゴ礁の海と全長2.5kmのビーチが広がっていた。
 島の中央部は低木を中心とした森と小さな川があった。
 川があるということは、どこかに湧水ゆうすいがあると言うことだ。
 周囲を海に囲まれた孤島で真水まみずはとても貴重だ。

 オレたちはエルメ島の調査を終え、次の目的地、海抜570mの主峰を持つシュピーレン島へ向かった。
 比較的平坦なエレメ島に比べ、島の7割が山間部で、大きな川が3本もあり、その殆どがジャングルなのだ。
 シュピーレン島はエルメ島から直線距離で3kmと近い。
 この島であれば水の確保も容易だろう。
 上空から眺めると手付かずの大自然が広がり、滔々とうとうと流れる川、その上流には、滝が数カ所あり、観光地候補としては有望である。

 シュピーレン島の平坦な場所に飛行船を着陸させ地上に降りてみる。
 島の空気は、エルメ島と全く違うことに気付いた。
 その違いとは、濃厚な緑と水の匂いがすることだ。

「カイトさま、この島ジャングルって言う感じですね、獰猛な生物が飛び出して来そうですよ~」とクラリスが怯えている。

「ホントだね、蛇は確実にいそうだ」
 普通の蛇ならまだしも、毒蛇に噛まれたら、今の状況では対応のしようもない。
 もっと詳しく調査したいところだが、危険が伴うのであれば長居は無用だ。

 オレたちは次の島『クリスタ島』へ向かった。
 島と言っても『環礁かんしょう』と呼ばれるたぐいの島で、中央部は水深数メートルの浅い礁湖ラグーンで、それを囲むようにサンゴで形成されたリング状の珍しい島だ。
 陸地自体の高さも、海抜5m程度で、嵐や高波の際には水没してしまうこともあるだろう。

 飛行船に乗り、上空から眺めるクリスタ島は絶景の一言だった。
 サンゴの砂で形成されたリング状の陸地にはヤシの木と緑が生い茂り、その外縁部は群青色の濃い外海の色、内側の礁湖ラグーンはエメラルドブルーからライトブルーのグラデーションに所々サンゴ礁の白が交じり、綿飴わたあめのような薄い白い雲をまとい、まるで宝石のような美しさだった。

「何コレ、美しすぎるんですけど~」とクラリスが言う。
 ステラとエミリアも飛行船の窓にへばり付き、眼下の素晴らしい絶景を眺めていた。
 こんな美しい環礁に建物を建てるなら、水上ヴィラが似合うだろうなとオレは思った。
 水上ヴィラとは、浅い海に丸太などで土台を作り、その上に建てた豪華な宿泊施設を指し、それぞれの水上ヴィラ棟と島を桟橋で繋げて行き来できるようにする。
 水上ヴィラはテラスから直接海に飛び込んだり、シュノーケリングを楽しめたり、プライベート感満載なので人気がある宿泊施設なのだ。

 本当は『クリスタ島』にも1泊したいところだが、同行者が女性3人なので、2日連続で野営と言う訳に行かず、今日はサンドベリアのホテルに宿泊する予定なのだ。
 野営で困るのはトイレと水だ、トイレは飛行船のを使えばいいし、飲料水も異次元収納に常備しているので問題ないのだが、困るのはシャワーだ。
 海に入ると塩でベタベタするし、真水で汗を流さないと落ち着かない。
 今度来る時は携帯シャワーか携帯バスユニットを買って異次元収納に入れてこようと思った。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 予定していた島巡りを終えて、オレたちは飛行船をサンドベリア郊外に着陸させ、徒歩で街の中心部を目指した。
「クラリス、サンドベリアでお勧めの宿は?」

「街の中心部に『唄うクジラ亭』と言う宿がありますが、そこは如何いかがでしょう?」
「1階がパブになってて、食事しながら日替わりのショーが楽しめるんです」

『唄うクジラ亭』は港に近い繁華街にあり、市内のどこに行くのも便利な立地にある比較的大きな宿だ。
 入口正面にロビーとフロントがあり、右奥にステージがある広いパブとなっていた。
 テーブル数は25卓、席数は100席くらいだろうか、結構な大きさのパブだ。

「この上が客室なんだろ、寝る時、うるさくないか?」

「ショーは夜10時には終わりますので、それ以降はそんなにうるさくないと思います」とクラリスが説明してくれた。

「了解、それじゃあ、この宿にしよう」
 オレがそう言うとクラリスが空室を確認しに行った。

「この宿にスイートとか大部屋は無いそうなので、2人部屋を2部屋にしました」とクラリスが言う。

「えっ?、部屋割はどうするんだよ」

「もちろん、わたしと、カイト様が同じ部屋で~す」とクラリスが笑顔で言う。

 男女に分けても今更と言う感もあるので、今回は異論を挟まないが、クラリスと同室なのは、それだけで疲れそうなので勘弁して欲しい。
「それは却下、今日はエミリアと一緒の部屋にするよ」

「え、私ですか?」とエミリアは驚いた様子だ。

「昨日も同じテントで寝てるんだから、今更問題ないだろ?」
 エミリアは頬を染め両手で顔を押さえた。

「カイトさま~、あんまりですぅ」とクラリスが涙を拭う真似をしているが、どうせ嘘泣きに決まっている。

 部屋割も決まったので、塩でベタつく体をシャワーでキレイに洗い流したい。
 オレがシャワーを浴びているとエミリアが入ってきて、背中を流してくれた。
 ほんの少しだけ、別のサービスもあるのかと期待したが、エミリアは純粋なサービス精神から背中を洗ってくれたに過ぎなかった。

 オレたちの部屋は3階で、部屋にはセミダブルベッドが2つと窓際に小さなテーブルと椅子が2脚、あとはシャワーとトイレがついている20平米ほどの部屋だった。
 この部屋は朝食付きで1人銀貨1枚と言うのだから、王都に比べて少し高いのかも知れない。
 宿屋の主人の話では、最近税金が上がったので仕方なく値上げしたのだと言う。

 そう言えば、この地の領主は悪名高いグライド・エレーゼ伯爵だ。
 2年前に先代が急死してグライドが跡を継いでからは、税金は上がる一方で、住民には無理難題を押し付け、自分は毎日豪華な食事と酒三昧の日々。
 しかも女性を囲ってハーレムを作っているとか、もっぱら悪い噂ばかりだとエミリアが言っていたのを思い出した。

 夕食の時間となり、1階のパブに下りてステージに近い席に陣取った。
 宿代に夕食の料金は含まれず、ショーチャージも別途支払う必要があるが、果たしてその価値があるショーなのだろうか。
 今日のショーは夜7時から始まり、4部構成で開催されるという。

 このパブは港町らしく魚介料理が中心だが、肉料理やサラダなどもあり、メニューの種類は豊富だ。
 カレイの唐揚、アサリの酒蒸し、若鶏の唐揚、海鮮ピラフ、海老と白身魚のフリッター、魚介のピリ辛スープ、マルゲリータピッツァ、シーザーサラダなどを注文した。
 昨日は、お預けだった生ビールを注文する。
 エミリアはジンジャーエールを注文して早速4人で乾杯した。

 オレは冷えた生ビールを一気に流し込んだ。
「ふ~、五臓六腑ごぞうろっぷに染み渡るとはこの事だ」
「確かに、乾いた喉にビールは最高です」
 ステラも笑顔で賛成してくれた。

 いつの間にか店内は満席となり、7時になるとショーが始まった。
 最初はピアノの生演奏で、軽やかなテンポの曲に合わせて食事も進んだ。
 BGMとしては、うってつけの曲だ。

「カイトさま、今日見た島の中でリゾートになりそうなところはありますか?」とエミリアが質問した。

「そうだな、昨日泊まったエルメ島や今日見たクリスタ島は、十分に候補地になると思う。
 もし本当にリゾートを建設するとなれば、解決すべき課題は山のようにあるけどね」

 実際の話、何も無いところにリゾートを作り上げるとなれば、建設資材の搬入や人の手配、移動手段の確保、電気・上下水道などのインフラの整備、スタッフの教育、食料の安定供給など、ひとつひとつ解決していかなければならない。

「その前に最も重要なのは資金かも知れないな」
 これだけの規模のリゾートとなると、オレ一人の資金では足りる筈もなく、出資者を募らなければ難しいし、資金がどれくらい必要なのか、試算してみなければ分からない。

「そうなんですか、色々と大変なんですね~」

 確かに誰もが行きたくなるような素晴らしい島だが、リゾート実現のハードルは、かなり高いと思っていた。

 ショーは、いつの間にかピアノ演奏に女性シンガーが加わっていた。
 美貌の若い女性シンガーが、低音から高音まで3オクターブの音域を美しいつややかな声で歌い上げていた。
 1曲目が終わると、観客からは拍手喝采を浴び、彼女は地元で人気のある歌手なのだろう。
 女性シンガーは5曲ほど熱唱し、その度に拍手喝采が鳴り響いた。

 次にステージに上ったのは5名の女性ダンサーだ。
 女性ダンサーたちは、鮮やかなドレスに着飾ってギター伴奏に合わせ、切れの良い動きで民族舞踊を披露した。
 オレはその動きや音楽が、どことなくスペインのフラメンコに似ていると思った。

 オレの目を引いたのは中央で踊る一人の女性だった。
 圧倒的な存在感を持ち、観客を魅了するその女性はスリムながらも、均整の取れたプロポーションで誰をも魅了する美貌の持ち主だった。
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