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第9章 王都への帰還
第108話 王室庭園でスーと出会う
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翌朝、また国王から呼び出しがあり、オレとジェスティーナは謁見の間に向かった。
この日は、オレ達のブレーン候補を紹介すると言うのだ。
朝の爽やかな日差しの中、オレとジェスティーナは『秋桜の館』を出て王宮へと通じる渡り廊下を歩いていると、王室庭園に一人で遊ぶ小さな女の子を見つけた。
身長は125cmくらいで、歳は7~8歳に見える。
王室にこんな小さな子が居るとは聞いたことがない。
「ジェスティーナ、あの子知ってる?」
「私も見たことないわ、何処から迷い込んだのかしら」
よく見ると、少女は夢中で蝶を追いかけているのだった。
少女の進行方向には用水路があり、躓いて落ちでもしたら大変だ。
オレは思わず声を掛けてしまった。
「お嬢ちゃん、その先に水路があるから危ないよ!」
その声を聞いた少女がこちらに振り向いた。
「お兄ちゃんとお姉ちゃん、だあれ?」
そう話す少女は金髪ツインテールで天使のように可愛かった。
「オレはカイト、こっちのお姉ちゃんはジェスティーナだよ。
お嬢ちゃん、お名前は?」
「私スーだよ」
と蕩けそうな愛くるしい笑顔でオレ達に微笑みかけた。
「スーは何処から来たの?」
「お爺ちゃんと一緒に来たんだけど、蝶々を追いかけてたら、ここに来ちゃったの」と言ってニコニコ笑っている。
「それは困ったわねぇ、それじゃお姉ちゃんたちが、お爺ちゃんのところへ連れてって上げるね」とジェスティーナがスーに手を差し出した。
「うん、ありがと~」
スーはそう言ってジェステーナとオレの手を握った。
恐らく王宮の来客の誰かが連れて来た子なのだろう。
オレがこの世界に来てから、こんな小さな子供と手を繋ぐのは、初めてかも知れない。
ほんとに可愛くて天使のように愛らしい少女だった。
大きくなったら、きっと美人になるに違いないと思いながら歩いていると、ほどなく謁見の間に着いた。
謁見の間の入口で衛兵がオレを待ち構えていた。
「シュテリオンベルグ伯爵閣下、ジェスティーナ王女殿下お待ちしておりました。
国王陛下がお待ちです」
「オレ達も早く中に入りたいんだが、この子、迷子なんだよ。
お爺ちゃんと一緒に来たって言うんだが、心当たりないかい?」と衛兵に聞いて見た。
「いえ、今の所、そのような連絡はありませんが…」と衛兵も首を傾げていた。
「お爺ちゃんなら、この向こうにいるよ」
そう言うとスーは僅かに開いた扉の隙間から謁見の間に入って行った。
「あっ、スー、そっちは駄目、戻っておいで」
オレとジェスティーナは慌てて扉の中に入ると、そこには国王と王弟のアルテオン公爵、内務大臣のロカレ・ブース、それと10名ほどの人が一列に整列していた。
「陛下、遅くなり申し訳ありません、ちょっと迷子の世話をしてまして…」
そう言って国王の方を見ると、スーが玉座の横に立ち国王に頭を撫でられていた。
「スー、カイト殿を迎えに行ってくれたのか?」
「うん、カイトお兄ちゃん、迎えに行ってきたよ」とスーが国王にタメ口で答えている。
それは何とも不思議な、あり得ない光景だった。
「えっ、陛下、この子をご存知なんですか?」
「ご存知も何も、儂がこの子を呼んだのじゃ。
この子はスージー・ローズマリー、カイト殿のブレーンになる子じゃ。
スーは12歳でソランスター王立大学を主席で卒業したIQ180の天才じゃぞ」
「え、なんですって!」
オレは思わず驚きが口に出てしまった。
スーは7歳くらいかと思っていたら、12歳だったとは。
それにしては身長は低いし、歳よりも幼く見える。
しかもIQ180となると『レオナルド・ダ・ヴィンチ』クラスの天才だ。
その天才が何故、オレのブレーンになるのだろう。
オレが驚いていると国王の横にいた見覚えのある老人が口を開いた。
「カイトどの、久しぶりじゃのう」
それは王立大学学長のオディバ・ブライデ博士だった。
以前、アクアスターリゾートの社員採用の際に王立大学の学生を紹介してもらった経緯があるのだ。
「スーは7歳で王立大学に入学して特例で5年間も在学したのじゃが、もう大学で学ぶ事はないと言うてのう。
就職するにしても王都の商会や役所では、スーの才能を持て余すし、カイト殿の所なら、色々と刺激もあるじゃろうからどうかと聞いたら、スーが行くと言ったのじゃ」
なるほどそう言うことか、スーの言うお爺ちゃんとは、オディバ・ブライデ博士のことらしい。
「カイトお兄ちゃ~ん」とスーが国王の横で手を振っている。
オレには、どう見ても可愛いらしい少女にしか見えない。
確かにオレと一緒にいれば、色々と刺激的な事はあるかも知れないが、12歳の少女にいったい何が出来るのだろう。
「さて、スーの事は後でじっくり聞いてもらうとして、他にもカイト殿の部下となる優秀な人材を用意したから順に紹介するとしよう」
そう言って国王が名簿を見ながら紹介してくれたのは、ジェスティーナ王女の護衛を含めた12名の部下だった。
端から順に顔を見ると、その中の5名には見覚えがあった。
【アクアスター・リゾート常駐】
◎スージー・ローズマリー(女)
12歳、王立大学を主席で卒業したIQ180の天才、カイトのブレーンとなる
王立大学の全6学部の全教科を履修した天才。
◎オディバ・ブライデ博士(男)
王立大学学長を退官してスーの保護者件カイトのブレーンとなる
◎アーロン・リセット(男)
対外折衝担当補佐官、元王国外務省官僚、古式拳法の達人
◎セレスティーナ・レイシス(女)
内政担当補佐官、秘書、護衛(剣と弓の達人)
元王国内務省官僚、元聖騎士隊所属の女戦士
◎ソフィア・レイフェリス(旧姓エレーゼ)(女)
エレーゼ元伯爵異母妹、情報担当補佐官、秘書
◎ルイス・エルスタイン(男)
アクアスター駐留軍司令官、3000名の駐留部隊を率いるトップ
デルファイ国境近くに基地を設置し常駐。
【新領地シュテリオンベルグ領常駐】
◎アレクス・ブリストール子爵(男)
シュテリオンベルグ領主代行(執政官)、元セントレーニア総督
◎ハベル・バランタイン(男) 元セントレーニア副総督
旧サンドベリア地区担当執政官
◎ヴァレンス・バンダム(男)
シュテリオンベルグ連絡担当官、元セントレーニア総督副官
◎レガート・コランダム(男)
旧サンドベリア地区駐留部隊長、元セントレーニア精鋭部隊長
【ジェスティーナ王女の護衛】
◎フェリン・ホワイトベリー
聖騎士隊所属の現役女戦士、槍と弓の達人
◎リリアーナ・ブルーアイズ
聖騎士隊所属の現役女戦士、双剣の達人
「さて、些か説明が必要じゃろうのう」
国王は読み上げた名簿をオレに渡しながら、そう言った。
「まず、オディバ・ブライデ博士じゃが、王立大学学長を辞してスーの保護者を兼ねてカイト殿の顧問になりたいそうじゃ、王室顧問はそのまま続けてもらうが、普段はカイトどのの知恵袋として役に立ってもらおうと思っておる」
「アーロン・リセットとセレスティーナ・レイシスは元王国の役人だが、二人とも武の心得があるでのう、何かあった時には力になってくれるぞ」
「ソフィアは、カイト殿がよく知っておろう」
「エレーゼ元伯爵の異母妹じゃが、もう戻る場所がないから、救い出したカイト殿が責任を取って秘書として傍に置いて欲しいのじゃ」と片目を瞑って見せた。
オレには、それがどんな意味なのか、何となく想像が付いたが、果たしてソフィアはそれで良いのだろうか。
「それからエレーゼ姓のままでは、世間体が悪いから、今後は母方のレイフェリス姓を名乗ることになったのじゃ」
なるほど、それでソフィアの姓が変わっていたのか。
「ルイス・エルスタインの経歴は説明不要じゃな。
カイト殿はデルファイ公国の一連の不穏な動きを知っておろう。
そこでじゃ、カイト殿の居城の近くに前線基地を置いて、奴らの動きを監視することにしたのじゃ、もちろん神域には入るつもりはない。
海側の盗賊共が根城として使っていた砦とその周辺に基地を作って常駐させるつもりじゃが、なんせ王都からは600kmも離れておるでのう。
咄嗟の判断が間に合わん事も考えられるから、カイト殿の指揮下に置けば良いと思ってのう、いい考えじゃろ?」と言って国王は得意げに笑っている。
「はぁ、私に適切な判断が出るかどうか分かりませんが…」
「それは心配いらん、カイト殿なら機転を利かして何とかしてくれるはずじゃ」
国王はそう言うのだが、オレも買い被られたものだ。
「そう言うわけでルイス・エルスタインには王国の精鋭3000名を預けることにしたからカイト殿、宜しくな」
国王の言う通りなら間接的にとは言え、精鋭部隊3000名がオレの指揮下に入ると言うことだ、これは責任重大だ。
「ブリストールの件は、前に話した通り、セントレーニア総督から執政官に降格してカイト殿の直属の部下になってもらうが、本人はこの件をまだ知らん。
カイト殿、すまんが飛行船でセントレーニアまで飛んで勅書を渡して欲しいのじゃ、リゾートのプレオープンが終わってからで良いぞ」
「ハベル・バランタインは会ったことがなかろう。
ブリストールの部下で副総督をやっておる男じゃが、サンドベリア地区担当の執政官をやってもらうことにした。
本人はこのことを知らんが、これもブリストール同様、勅書を渡して指示してやって欲しいのじゃ。
あと、そこにおるヴァレンスとレガートはエレーゼ捕縛の際に良い働きをしたから、彼らもカイト殿の部下にしたぞ。
ヴァレンスにはシュテリオンベルグの状況をカイト殿に伝える連絡担当官、レガートには旧サンドベリア地区駐留部隊長として働いてもらうことにした。
カイト殿、セントレーニアに行く時に二人を送ってほしいのじゃ、それもプレオープンの後で構わんぞ。
最後にジェスティーナの護衛だが、現役の女戦士2名を任命したが、どちらも相当腕が立つぞ、それに両名ともかなりの美人じゃろう」と国王は満足げに笑った。
「それから最後にカイト殿に、儂から頼みがあるんじゃが」
「はい、陛下、何でございますか」
「王国の主要都市に飛行船の定期航路を週1便でいいから開設してくれんかのう。
やはり、馬車や早馬では日数がかかり過ぎて敵わんのじゃ。
ここはひとつカイト殿から女神フィリア様に伺いを立ててもらえんかのう」
「分かりました、女神フィリア様に定期航路を開設しても問題ないか確認しておきます」
幹部人材の紹介が一通り終わり、オレとジェスティーナは全員と握手して謁見の間を後にした。
この日は、オレ達のブレーン候補を紹介すると言うのだ。
朝の爽やかな日差しの中、オレとジェスティーナは『秋桜の館』を出て王宮へと通じる渡り廊下を歩いていると、王室庭園に一人で遊ぶ小さな女の子を見つけた。
身長は125cmくらいで、歳は7~8歳に見える。
王室にこんな小さな子が居るとは聞いたことがない。
「ジェスティーナ、あの子知ってる?」
「私も見たことないわ、何処から迷い込んだのかしら」
よく見ると、少女は夢中で蝶を追いかけているのだった。
少女の進行方向には用水路があり、躓いて落ちでもしたら大変だ。
オレは思わず声を掛けてしまった。
「お嬢ちゃん、その先に水路があるから危ないよ!」
その声を聞いた少女がこちらに振り向いた。
「お兄ちゃんとお姉ちゃん、だあれ?」
そう話す少女は金髪ツインテールで天使のように可愛かった。
「オレはカイト、こっちのお姉ちゃんはジェスティーナだよ。
お嬢ちゃん、お名前は?」
「私スーだよ」
と蕩けそうな愛くるしい笑顔でオレ達に微笑みかけた。
「スーは何処から来たの?」
「お爺ちゃんと一緒に来たんだけど、蝶々を追いかけてたら、ここに来ちゃったの」と言ってニコニコ笑っている。
「それは困ったわねぇ、それじゃお姉ちゃんたちが、お爺ちゃんのところへ連れてって上げるね」とジェスティーナがスーに手を差し出した。
「うん、ありがと~」
スーはそう言ってジェステーナとオレの手を握った。
恐らく王宮の来客の誰かが連れて来た子なのだろう。
オレがこの世界に来てから、こんな小さな子供と手を繋ぐのは、初めてかも知れない。
ほんとに可愛くて天使のように愛らしい少女だった。
大きくなったら、きっと美人になるに違いないと思いながら歩いていると、ほどなく謁見の間に着いた。
謁見の間の入口で衛兵がオレを待ち構えていた。
「シュテリオンベルグ伯爵閣下、ジェスティーナ王女殿下お待ちしておりました。
国王陛下がお待ちです」
「オレ達も早く中に入りたいんだが、この子、迷子なんだよ。
お爺ちゃんと一緒に来たって言うんだが、心当たりないかい?」と衛兵に聞いて見た。
「いえ、今の所、そのような連絡はありませんが…」と衛兵も首を傾げていた。
「お爺ちゃんなら、この向こうにいるよ」
そう言うとスーは僅かに開いた扉の隙間から謁見の間に入って行った。
「あっ、スー、そっちは駄目、戻っておいで」
オレとジェスティーナは慌てて扉の中に入ると、そこには国王と王弟のアルテオン公爵、内務大臣のロカレ・ブース、それと10名ほどの人が一列に整列していた。
「陛下、遅くなり申し訳ありません、ちょっと迷子の世話をしてまして…」
そう言って国王の方を見ると、スーが玉座の横に立ち国王に頭を撫でられていた。
「スー、カイト殿を迎えに行ってくれたのか?」
「うん、カイトお兄ちゃん、迎えに行ってきたよ」とスーが国王にタメ口で答えている。
それは何とも不思議な、あり得ない光景だった。
「えっ、陛下、この子をご存知なんですか?」
「ご存知も何も、儂がこの子を呼んだのじゃ。
この子はスージー・ローズマリー、カイト殿のブレーンになる子じゃ。
スーは12歳でソランスター王立大学を主席で卒業したIQ180の天才じゃぞ」
「え、なんですって!」
オレは思わず驚きが口に出てしまった。
スーは7歳くらいかと思っていたら、12歳だったとは。
それにしては身長は低いし、歳よりも幼く見える。
しかもIQ180となると『レオナルド・ダ・ヴィンチ』クラスの天才だ。
その天才が何故、オレのブレーンになるのだろう。
オレが驚いていると国王の横にいた見覚えのある老人が口を開いた。
「カイトどの、久しぶりじゃのう」
それは王立大学学長のオディバ・ブライデ博士だった。
以前、アクアスターリゾートの社員採用の際に王立大学の学生を紹介してもらった経緯があるのだ。
「スーは7歳で王立大学に入学して特例で5年間も在学したのじゃが、もう大学で学ぶ事はないと言うてのう。
就職するにしても王都の商会や役所では、スーの才能を持て余すし、カイト殿の所なら、色々と刺激もあるじゃろうからどうかと聞いたら、スーが行くと言ったのじゃ」
なるほどそう言うことか、スーの言うお爺ちゃんとは、オディバ・ブライデ博士のことらしい。
「カイトお兄ちゃ~ん」とスーが国王の横で手を振っている。
オレには、どう見ても可愛いらしい少女にしか見えない。
確かにオレと一緒にいれば、色々と刺激的な事はあるかも知れないが、12歳の少女にいったい何が出来るのだろう。
「さて、スーの事は後でじっくり聞いてもらうとして、他にもカイト殿の部下となる優秀な人材を用意したから順に紹介するとしよう」
そう言って国王が名簿を見ながら紹介してくれたのは、ジェスティーナ王女の護衛を含めた12名の部下だった。
端から順に顔を見ると、その中の5名には見覚えがあった。
【アクアスター・リゾート常駐】
◎スージー・ローズマリー(女)
12歳、王立大学を主席で卒業したIQ180の天才、カイトのブレーンとなる
王立大学の全6学部の全教科を履修した天才。
◎オディバ・ブライデ博士(男)
王立大学学長を退官してスーの保護者件カイトのブレーンとなる
◎アーロン・リセット(男)
対外折衝担当補佐官、元王国外務省官僚、古式拳法の達人
◎セレスティーナ・レイシス(女)
内政担当補佐官、秘書、護衛(剣と弓の達人)
元王国内務省官僚、元聖騎士隊所属の女戦士
◎ソフィア・レイフェリス(旧姓エレーゼ)(女)
エレーゼ元伯爵異母妹、情報担当補佐官、秘書
◎ルイス・エルスタイン(男)
アクアスター駐留軍司令官、3000名の駐留部隊を率いるトップ
デルファイ国境近くに基地を設置し常駐。
【新領地シュテリオンベルグ領常駐】
◎アレクス・ブリストール子爵(男)
シュテリオンベルグ領主代行(執政官)、元セントレーニア総督
◎ハベル・バランタイン(男) 元セントレーニア副総督
旧サンドベリア地区担当執政官
◎ヴァレンス・バンダム(男)
シュテリオンベルグ連絡担当官、元セントレーニア総督副官
◎レガート・コランダム(男)
旧サンドベリア地区駐留部隊長、元セントレーニア精鋭部隊長
【ジェスティーナ王女の護衛】
◎フェリン・ホワイトベリー
聖騎士隊所属の現役女戦士、槍と弓の達人
◎リリアーナ・ブルーアイズ
聖騎士隊所属の現役女戦士、双剣の達人
「さて、些か説明が必要じゃろうのう」
国王は読み上げた名簿をオレに渡しながら、そう言った。
「まず、オディバ・ブライデ博士じゃが、王立大学学長を辞してスーの保護者を兼ねてカイト殿の顧問になりたいそうじゃ、王室顧問はそのまま続けてもらうが、普段はカイトどのの知恵袋として役に立ってもらおうと思っておる」
「アーロン・リセットとセレスティーナ・レイシスは元王国の役人だが、二人とも武の心得があるでのう、何かあった時には力になってくれるぞ」
「ソフィアは、カイト殿がよく知っておろう」
「エレーゼ元伯爵の異母妹じゃが、もう戻る場所がないから、救い出したカイト殿が責任を取って秘書として傍に置いて欲しいのじゃ」と片目を瞑って見せた。
オレには、それがどんな意味なのか、何となく想像が付いたが、果たしてソフィアはそれで良いのだろうか。
「それからエレーゼ姓のままでは、世間体が悪いから、今後は母方のレイフェリス姓を名乗ることになったのじゃ」
なるほど、それでソフィアの姓が変わっていたのか。
「ルイス・エルスタインの経歴は説明不要じゃな。
カイト殿はデルファイ公国の一連の不穏な動きを知っておろう。
そこでじゃ、カイト殿の居城の近くに前線基地を置いて、奴らの動きを監視することにしたのじゃ、もちろん神域には入るつもりはない。
海側の盗賊共が根城として使っていた砦とその周辺に基地を作って常駐させるつもりじゃが、なんせ王都からは600kmも離れておるでのう。
咄嗟の判断が間に合わん事も考えられるから、カイト殿の指揮下に置けば良いと思ってのう、いい考えじゃろ?」と言って国王は得意げに笑っている。
「はぁ、私に適切な判断が出るかどうか分かりませんが…」
「それは心配いらん、カイト殿なら機転を利かして何とかしてくれるはずじゃ」
国王はそう言うのだが、オレも買い被られたものだ。
「そう言うわけでルイス・エルスタインには王国の精鋭3000名を預けることにしたからカイト殿、宜しくな」
国王の言う通りなら間接的にとは言え、精鋭部隊3000名がオレの指揮下に入ると言うことだ、これは責任重大だ。
「ブリストールの件は、前に話した通り、セントレーニア総督から執政官に降格してカイト殿の直属の部下になってもらうが、本人はこの件をまだ知らん。
カイト殿、すまんが飛行船でセントレーニアまで飛んで勅書を渡して欲しいのじゃ、リゾートのプレオープンが終わってからで良いぞ」
「ハベル・バランタインは会ったことがなかろう。
ブリストールの部下で副総督をやっておる男じゃが、サンドベリア地区担当の執政官をやってもらうことにした。
本人はこのことを知らんが、これもブリストール同様、勅書を渡して指示してやって欲しいのじゃ。
あと、そこにおるヴァレンスとレガートはエレーゼ捕縛の際に良い働きをしたから、彼らもカイト殿の部下にしたぞ。
ヴァレンスにはシュテリオンベルグの状況をカイト殿に伝える連絡担当官、レガートには旧サンドベリア地区駐留部隊長として働いてもらうことにした。
カイト殿、セントレーニアに行く時に二人を送ってほしいのじゃ、それもプレオープンの後で構わんぞ。
最後にジェスティーナの護衛だが、現役の女戦士2名を任命したが、どちらも相当腕が立つぞ、それに両名ともかなりの美人じゃろう」と国王は満足げに笑った。
「それから最後にカイト殿に、儂から頼みがあるんじゃが」
「はい、陛下、何でございますか」
「王国の主要都市に飛行船の定期航路を週1便でいいから開設してくれんかのう。
やはり、馬車や早馬では日数がかかり過ぎて敵わんのじゃ。
ここはひとつカイト殿から女神フィリア様に伺いを立ててもらえんかのう」
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