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第12章 領都シュテリオンベルグ復興編
第150話 アリエスの乙女
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翌朝、再び王室ダイニングに呼ばれて王家一家と共に朝食をとった。
ジェスティーナは、昨日と打って変わって晴れやかな笑顔で、終始ご機嫌だった。
王室メンバーは、第3王女の昨日との違いに呆れていたが、その原因が何なのか分からず、本人も答えたくないと言うので、敢えて触れないようにしていた。
ただアリエスだけは『きっと、あの続きをしたんだわ』と妹の機嫌が直った原因に見当を付けていた。
そして『そこまで機嫌が良くなるなんて、いったいどんなことをしたの?』と思っていた。
朝食が終わった後、オレが『陛下に折り入ってお話があります』と言うと、何かを察したのか、別室に移動して話を聞いてくれた。
「カイト殿、改まってなんじゃ…
王妃や王女たちに聞かれては都合の悪い話か?」
「いえ、そうでは御座いませんが、少々申し上げにくい話でして…」
オレは国王にバレンシア家から申し出があったアスナとの婚約について話し、そこに至るまでの経緯を詳しく説明した。
それを黙って聞いていた国王はこう答えた。
「なんじゃ、そんな話か…
それは、儂に許可を求める話ではないぞ。
妻を何人娶ろうが、それは男の甲斐性と言うものじゃ」
確かにこの国では、王侯貴族の一夫多妻制が公に認められており、現に国王には王妃の他に4人の側室がいるのだ。
子に至っては側室との間に5男7女、合計12人の子がおり、もうすぐ2人の子が生まれると聞いている。
「ティーナと言う婚約者がいるからと言って、遠慮する必要はないのじゃ。
カイト殿は既に伯爵と言う身分、押しも押されもせぬ大貴族なのだから、側室は何人でも娶るが良かろう。
その代わり、娶るからには一生不自由無く過ごせるよう、最後まで責任を持つのじゃぞ」
「はい、陛下のありがたきお言葉、カイト、肝に銘じます」
これで国王から言質を取ったので、アスナとの婚約に何の支障もなくなった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オレは、そのことを早速バレンシア家に赴き伝えた。
バレンシア父娘は、オレの申し出を涙ながらに喜んだ。
「カイト殿、不束かな娘ですが、末永く宜しく頼みます」
アスナも何か言おうとしたが、涙で言葉にならなかった。
これでオレとアスナの婚約が正式に決まった。
このことはオレに取って、間違いなくプラスに働くだろう。
バレンシア商会と言う王都有数の大商家を実質的に手中にしたのと同じだからだ。
「お義父さん、これから末永く宜しくお願いします」
「カイト殿、お義父さんは、流石にまだ早いですぞ…」
リカール・バレンシアは相好を崩して笑った。
アスナとの婚礼は、ジェスティーナとの婚姻の儀が終わった後に、執り行うこととし、暫くは王女と同じ婚約者の立場として接することとなった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
バレンシア家からの帰路、王宮の渡り廊下を歩いていると、突然第2王女のアリエスが現れ、オレに声を掛けてきた。
「王妃が、カイトさんに頼みがあるから、呼んで来てって言われたの」
「へ~、王妃様から呼び出しとは珍しいな。
ジェスティーナも呼んで来ようか?」
「あの娘は先に行ってるから、大丈夫よ」
オレはアリエスの後について、王宮の迷路のような廊下を歩いて行った。
恐らく10分くらい、歩いただろうか。
アリエスは、ある部屋の前で立ち止まった。
「この部屋よ、中に入って」
オレは、ドアをノックして中に入った。
「王妃様、カイト参りました」
中は20畳くらいのワンルームで、テーブルと椅子が2脚の他、大きな丸いベッドがひとつ置いてあるだけだった。
オレは王妃の姿を探して部屋の中を歩いてみたが、どこにも見当たらなかった。
その時、ドアが締まり鍵が掛かる音がした。
振り向くと、アリエスがこちらを向いて立っていた。
「アリエス、王妃様、居ないよ…
部屋、間違ってない?」
「いいえ、ここで合ってるわ。
カイトさんを最初からここに連れて来るつもりだったから…
ここは、普段使っていない秘密の部屋なの、王宮の奥にあるから誰も来ないわ…」
アリエスは、聞きもしないことを説明した。
「アリエス、いったいどういうこと?」
「私、カイトさんに貸しが有るって言ったわよね…
その貸しを返してもらいたいの…」
「アリエス、意味が分からないよ」
「ごめんなさい。
それじゃ、分かるように言うわね」
「今、ここで私を抱いて欲しいの…
昨日、妹にしたのと同じことを私にもして欲しいの」
その言葉を聞いて、オレは絶句した。
アリエスは正気なのか。
仮にも妹の婚約者であるオレに抱いて欲しいとは、いったいどういうことだ?
「そんなこと無理だ…
ジェスティーナが聞いたら、何て言うか想像付くだろ」
「それは大丈夫よ。
妹から許しは得てるから…」
「えっ、そんなの嘘だ、あり得ないよ」
オレはアリエスが嘘を付いていると思った。
ジェスティーナが、そんなことを許すはずがない。
「嘘じゃないわ、本当のことよ。
カイトさんが街に出掛けてる間に、妹に話して許しを貰ったの。
だから、私の初めてをあげる…」
そう言うとアリエスは、黄色いショートドレスを脱ぎ始めた。
オレは息を呑み、それを見ているしか無かった。
アリエスは一枚一枚と着衣を脱ぎ捨て、最後の一枚を脱ぐと生まれたままの姿になった。
そこには、美の女神もたじろぐほどの神々しい裸体があった。
ジェスティーナの1つ年上の姉であるアリエスは17歳、明るく爽やかで笑顔が素敵な超絶美少女だ。
腰までの長い金髪をミドルポジションのポニーテールにして、均整の取れたプロポーションは見事の一言であった。
え、流石に、これは抱いちゃ拙いでしょ。
オレの理性が最大限の警報を発しているが、片や『据え膳食わぬは男の恥』と言う座右の銘が頭の中でせめぎ合って、身動きが取れなくなっていた。
想定外の事態に、半ばパニック状態のオレが動けずにいると、それに焦れたのか、アリエスはオレに歩み寄り、覆いかぶさってきた。
その反動でオレはベッドに押し倒された。
「わたしに恥を掻かせないで!」
アリエスは馬乗りになってオレの目を覗き込んだ。
その時、鍵を回す音がして、ドアが開いた。
ジェスティーナは、昨日と打って変わって晴れやかな笑顔で、終始ご機嫌だった。
王室メンバーは、第3王女の昨日との違いに呆れていたが、その原因が何なのか分からず、本人も答えたくないと言うので、敢えて触れないようにしていた。
ただアリエスだけは『きっと、あの続きをしたんだわ』と妹の機嫌が直った原因に見当を付けていた。
そして『そこまで機嫌が良くなるなんて、いったいどんなことをしたの?』と思っていた。
朝食が終わった後、オレが『陛下に折り入ってお話があります』と言うと、何かを察したのか、別室に移動して話を聞いてくれた。
「カイト殿、改まってなんじゃ…
王妃や王女たちに聞かれては都合の悪い話か?」
「いえ、そうでは御座いませんが、少々申し上げにくい話でして…」
オレは国王にバレンシア家から申し出があったアスナとの婚約について話し、そこに至るまでの経緯を詳しく説明した。
それを黙って聞いていた国王はこう答えた。
「なんじゃ、そんな話か…
それは、儂に許可を求める話ではないぞ。
妻を何人娶ろうが、それは男の甲斐性と言うものじゃ」
確かにこの国では、王侯貴族の一夫多妻制が公に認められており、現に国王には王妃の他に4人の側室がいるのだ。
子に至っては側室との間に5男7女、合計12人の子がおり、もうすぐ2人の子が生まれると聞いている。
「ティーナと言う婚約者がいるからと言って、遠慮する必要はないのじゃ。
カイト殿は既に伯爵と言う身分、押しも押されもせぬ大貴族なのだから、側室は何人でも娶るが良かろう。
その代わり、娶るからには一生不自由無く過ごせるよう、最後まで責任を持つのじゃぞ」
「はい、陛下のありがたきお言葉、カイト、肝に銘じます」
これで国王から言質を取ったので、アスナとの婚約に何の支障もなくなった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オレは、そのことを早速バレンシア家に赴き伝えた。
バレンシア父娘は、オレの申し出を涙ながらに喜んだ。
「カイト殿、不束かな娘ですが、末永く宜しく頼みます」
アスナも何か言おうとしたが、涙で言葉にならなかった。
これでオレとアスナの婚約が正式に決まった。
このことはオレに取って、間違いなくプラスに働くだろう。
バレンシア商会と言う王都有数の大商家を実質的に手中にしたのと同じだからだ。
「お義父さん、これから末永く宜しくお願いします」
「カイト殿、お義父さんは、流石にまだ早いですぞ…」
リカール・バレンシアは相好を崩して笑った。
アスナとの婚礼は、ジェスティーナとの婚姻の儀が終わった後に、執り行うこととし、暫くは王女と同じ婚約者の立場として接することとなった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
バレンシア家からの帰路、王宮の渡り廊下を歩いていると、突然第2王女のアリエスが現れ、オレに声を掛けてきた。
「王妃が、カイトさんに頼みがあるから、呼んで来てって言われたの」
「へ~、王妃様から呼び出しとは珍しいな。
ジェスティーナも呼んで来ようか?」
「あの娘は先に行ってるから、大丈夫よ」
オレはアリエスの後について、王宮の迷路のような廊下を歩いて行った。
恐らく10分くらい、歩いただろうか。
アリエスは、ある部屋の前で立ち止まった。
「この部屋よ、中に入って」
オレは、ドアをノックして中に入った。
「王妃様、カイト参りました」
中は20畳くらいのワンルームで、テーブルと椅子が2脚の他、大きな丸いベッドがひとつ置いてあるだけだった。
オレは王妃の姿を探して部屋の中を歩いてみたが、どこにも見当たらなかった。
その時、ドアが締まり鍵が掛かる音がした。
振り向くと、アリエスがこちらを向いて立っていた。
「アリエス、王妃様、居ないよ…
部屋、間違ってない?」
「いいえ、ここで合ってるわ。
カイトさんを最初からここに連れて来るつもりだったから…
ここは、普段使っていない秘密の部屋なの、王宮の奥にあるから誰も来ないわ…」
アリエスは、聞きもしないことを説明した。
「アリエス、いったいどういうこと?」
「私、カイトさんに貸しが有るって言ったわよね…
その貸しを返してもらいたいの…」
「アリエス、意味が分からないよ」
「ごめんなさい。
それじゃ、分かるように言うわね」
「今、ここで私を抱いて欲しいの…
昨日、妹にしたのと同じことを私にもして欲しいの」
その言葉を聞いて、オレは絶句した。
アリエスは正気なのか。
仮にも妹の婚約者であるオレに抱いて欲しいとは、いったいどういうことだ?
「そんなこと無理だ…
ジェスティーナが聞いたら、何て言うか想像付くだろ」
「それは大丈夫よ。
妹から許しは得てるから…」
「えっ、そんなの嘘だ、あり得ないよ」
オレはアリエスが嘘を付いていると思った。
ジェスティーナが、そんなことを許すはずがない。
「嘘じゃないわ、本当のことよ。
カイトさんが街に出掛けてる間に、妹に話して許しを貰ったの。
だから、私の初めてをあげる…」
そう言うとアリエスは、黄色いショートドレスを脱ぎ始めた。
オレは息を呑み、それを見ているしか無かった。
アリエスは一枚一枚と着衣を脱ぎ捨て、最後の一枚を脱ぐと生まれたままの姿になった。
そこには、美の女神もたじろぐほどの神々しい裸体があった。
ジェスティーナの1つ年上の姉であるアリエスは17歳、明るく爽やかで笑顔が素敵な超絶美少女だ。
腰までの長い金髪をミドルポジションのポニーテールにして、均整の取れたプロポーションは見事の一言であった。
え、流石に、これは抱いちゃ拙いでしょ。
オレの理性が最大限の警報を発しているが、片や『据え膳食わぬは男の恥』と言う座右の銘が頭の中でせめぎ合って、身動きが取れなくなっていた。
想定外の事態に、半ばパニック状態のオレが動けずにいると、それに焦れたのか、アリエスはオレに歩み寄り、覆いかぶさってきた。
その反動でオレはベッドに押し倒された。
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