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第12章 領都シュテリオンベルグ復興編
第157話 シュテリオンベルグ市庁舎
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領都シュテリオンベルグの複合商業施設併設型市庁舎『エルドラード』が完成した。
港湾地区のど真ん中に長辺54m、短辺38m、高さ54mの巨大な建物が出現し、領民たちは驚愕した。
しかも施工開始から、僅か1ヶ月半で完成したのだから、その速さも驚異的だ。
前領主時代には市民サービスなど無いに等しく、そもそも『市庁舎』が何であるか知らない領民が殆どで、多くは領主のために建てられた施設だと思っていた。
数日前にオープン記念イベントの告知が有り、入場無料と知らされると周辺に娯楽が少ないこともあり、領民達は一目見たいと興味を示した。
『エルドラード』のオープン当日となった。
1階のゲート前には最後尾が見えないほど大勢の人が並んだ。
朝9時に港で花火が上がり、それを合図として入場が開始された。
ゲートを入ると、まず最初に住民登録の特設ブースが並んでいた。
市庁舎に入場するには登録が必要と説明され、手続きも簡単だったので、住民たちは係員の指示に従い、住民登録を行った。
住民登録は個別に写真を撮り、名前、住所、性別、生年月日、家族構成を登録するだけの簡単なものだ。
今後は顔認証で市民サービスを受けられると説明されたが、領民たちはそれが何のことか、良く理解できなかった。
元々この街には租税徴収を目的とした戸籍台帳はあったが、領民個人の情報を登録する仕組みは無かったのだ。
そこでオレは領民の情報を把握する手段として、領民登録すれば医療など各種市民サービスが受けられるようにしたのだ。
市庁舎の1階には医務室がある。
ここは医療サービスを提供する施設なのだが、医者が居るわけでは無く、係員が領民の症状を聞き取り、その症状に応じたポーションを格安で提供し、病気や怪我を治してもらうのだ。
ポーションを造っているのは、もちろんトリンである。
忙し過ぎて手が回らないとボヤいていたが、助手を付けるから頼むと言うと渋々応じてくれたのだ。
医務室で提供しているポーションは下記の3種類だ。
◎ヒールポーション(怪我治癒薬)
◎キュアポーション(病気治癒薬)
◎スタミナポーション(体力回復薬)
症状が重篤な場合を除き、基本的に3級ポーションが提供される。
一般的に3級ポーションは銀貨2枚(1万円)で取引されているが、ここの医務室では5分の1の小銀貨2枚(2千円)で手に入るのだ。
健康保険制度が無いこの世界では、怪我や病気に罹ることイコール出費なので、生活困窮者は黙って耐えるしか無かったのだ。
治療薬が格安で手に入るのは、画期的なことなのである。
中にはポーションを他領で販売して稼ごうと思う輩《やから》も居るかも知れないが、それは無駄である。
ポーションの効果は2日間限定であるし、他領へ持ち出した時点で効果が消えるように設定しているのだ。
市庁舎に入ると動く階段があり、上階へゆっくりと人々を運んでいる。
領民にとって動く階段に乗るのは、初めての体験であり、恐る恐る乗ってみると、その快適さに驚きの表情を浮かべていた。
動く階段を上ると空中庭園があり、その先にも動く階段があり、3階へ繋がっていた。
多くの領民は、何故こんな所に庭を作ったのか、最初は理解できなかったが、上から見た庭園の美しさに、ようやくその意味を理解した。
因みに、この空中庭園は『エルドラード・エア・ガーデン』と名付けた。
建物の中に入るとショッピングモールやレストラン、お洒落なカフェなどがあり、上の階には、コンサートホールもあると言う。
ショッピングモールには地元の商店の他に、セントレーニアの商店も出店していたが、一番大きな店は『バレンシア・ストア』と言う店であった。
言うまでもなく王都のバレンシア商会が経営する店だ。
バレンシア商会当主のリカール・バレンシアからの強い要請を受け入れ、出店したのだが、王都の珍しい商品が所狭しと並べられており、多くの領民で賑わっていた。
レストランやカフェは地元の店の他、イシュトリア・シーフード、サエマレスタリゾート系列の店、セントレーニアからはアルカディアグループの『シーフード&ワイン白ひげ亭』と『ステーキ&ワイン黒ひげ亭』も出店している。
出資して貰った見返りとして優先的に出店してもらったのだ。
ここで、改めて市庁舎の概要を見ておこう。
【シュテリオンベルグ市庁舎『エルドラード』】
B2F 動力室、倉庫、書庫、給水槽、浄化槽
B1F 領軍駐在所、警備員駐在所、簡易駐車場
1F 受付、市民ホール、ギャラリー、フードコート、医務室、銀行
2F 空中庭園、レストラン、カフェ、ショッピングモール
3F 空中庭園、レストラン、カフェ、ショッピンクモール
4F 空中庭園、レストラン、カフェ、ショッピンクモール
5F コンサートホール(1層)
6F コンサートホール(2層)
7F 市役所事務室(農畜産課、水産課、商業課)
8F 市役所事務室(市民課、医療課、福祉課)
9F 市役所事務室(税務課、会計課、総務課、生活課)
10F 市役所事務室(観光リゾート課、イベント課)
11F 市長執務室、副市長執務室、大会議室、中会議室、小会議室✕3
12F 領主執務室、領主代行執務室、応接室
RF 飛行船ポート、飛行船待合室、展望室
12階にはオレの執務室があり、飛行船で屋上の飛行船ポートに着陸すれば、専用エレベーターでそのまま、執務室に直行できるのだ。
領主邸ができるまでは、執務室の奥にある居住スペースに滞在して政務を行うことになる。
午後1時からコンサートホールで無料イベントがあると聞き、多くの領民が集まった。
11時から先着順で整理券が配布され、アッという間に満席となったのだ。
因みにコンサートホールの収容人数は1800名である。
そしてその時間となり、幕が上がった。
スポットライトを浴び、ステージの左右から登場したのは15名の少女たちだ。
今までに見たこともない鮮やかな衣装を着てステージの中央まで来ると、驚くほど大きな声でこう言った。
「皆さ~ん、こんにちは~」
声が大きく聞こえるのは、もちろんマイクとスピーカーを使っているからである。
「私たち、ASR39のデビューコンサートへようこそ!」
15名の美少女たちの真ん中でマイクで握り、魅力的な笑顔を振りまいているのは、リオナであった。
そう、この日のイベントとは、リオナがリーダーを務めるアイドルグループASR39のデビューコンサートなのだ。
港湾地区のど真ん中に長辺54m、短辺38m、高さ54mの巨大な建物が出現し、領民たちは驚愕した。
しかも施工開始から、僅か1ヶ月半で完成したのだから、その速さも驚異的だ。
前領主時代には市民サービスなど無いに等しく、そもそも『市庁舎』が何であるか知らない領民が殆どで、多くは領主のために建てられた施設だと思っていた。
数日前にオープン記念イベントの告知が有り、入場無料と知らされると周辺に娯楽が少ないこともあり、領民達は一目見たいと興味を示した。
『エルドラード』のオープン当日となった。
1階のゲート前には最後尾が見えないほど大勢の人が並んだ。
朝9時に港で花火が上がり、それを合図として入場が開始された。
ゲートを入ると、まず最初に住民登録の特設ブースが並んでいた。
市庁舎に入場するには登録が必要と説明され、手続きも簡単だったので、住民たちは係員の指示に従い、住民登録を行った。
住民登録は個別に写真を撮り、名前、住所、性別、生年月日、家族構成を登録するだけの簡単なものだ。
今後は顔認証で市民サービスを受けられると説明されたが、領民たちはそれが何のことか、良く理解できなかった。
元々この街には租税徴収を目的とした戸籍台帳はあったが、領民個人の情報を登録する仕組みは無かったのだ。
そこでオレは領民の情報を把握する手段として、領民登録すれば医療など各種市民サービスが受けられるようにしたのだ。
市庁舎の1階には医務室がある。
ここは医療サービスを提供する施設なのだが、医者が居るわけでは無く、係員が領民の症状を聞き取り、その症状に応じたポーションを格安で提供し、病気や怪我を治してもらうのだ。
ポーションを造っているのは、もちろんトリンである。
忙し過ぎて手が回らないとボヤいていたが、助手を付けるから頼むと言うと渋々応じてくれたのだ。
医務室で提供しているポーションは下記の3種類だ。
◎ヒールポーション(怪我治癒薬)
◎キュアポーション(病気治癒薬)
◎スタミナポーション(体力回復薬)
症状が重篤な場合を除き、基本的に3級ポーションが提供される。
一般的に3級ポーションは銀貨2枚(1万円)で取引されているが、ここの医務室では5分の1の小銀貨2枚(2千円)で手に入るのだ。
健康保険制度が無いこの世界では、怪我や病気に罹ることイコール出費なので、生活困窮者は黙って耐えるしか無かったのだ。
治療薬が格安で手に入るのは、画期的なことなのである。
中にはポーションを他領で販売して稼ごうと思う輩《やから》も居るかも知れないが、それは無駄である。
ポーションの効果は2日間限定であるし、他領へ持ち出した時点で効果が消えるように設定しているのだ。
市庁舎に入ると動く階段があり、上階へゆっくりと人々を運んでいる。
領民にとって動く階段に乗るのは、初めての体験であり、恐る恐る乗ってみると、その快適さに驚きの表情を浮かべていた。
動く階段を上ると空中庭園があり、その先にも動く階段があり、3階へ繋がっていた。
多くの領民は、何故こんな所に庭を作ったのか、最初は理解できなかったが、上から見た庭園の美しさに、ようやくその意味を理解した。
因みに、この空中庭園は『エルドラード・エア・ガーデン』と名付けた。
建物の中に入るとショッピングモールやレストラン、お洒落なカフェなどがあり、上の階には、コンサートホールもあると言う。
ショッピングモールには地元の商店の他に、セントレーニアの商店も出店していたが、一番大きな店は『バレンシア・ストア』と言う店であった。
言うまでもなく王都のバレンシア商会が経営する店だ。
バレンシア商会当主のリカール・バレンシアからの強い要請を受け入れ、出店したのだが、王都の珍しい商品が所狭しと並べられており、多くの領民で賑わっていた。
レストランやカフェは地元の店の他、イシュトリア・シーフード、サエマレスタリゾート系列の店、セントレーニアからはアルカディアグループの『シーフード&ワイン白ひげ亭』と『ステーキ&ワイン黒ひげ亭』も出店している。
出資して貰った見返りとして優先的に出店してもらったのだ。
ここで、改めて市庁舎の概要を見ておこう。
【シュテリオンベルグ市庁舎『エルドラード』】
B2F 動力室、倉庫、書庫、給水槽、浄化槽
B1F 領軍駐在所、警備員駐在所、簡易駐車場
1F 受付、市民ホール、ギャラリー、フードコート、医務室、銀行
2F 空中庭園、レストラン、カフェ、ショッピングモール
3F 空中庭園、レストラン、カフェ、ショッピンクモール
4F 空中庭園、レストラン、カフェ、ショッピンクモール
5F コンサートホール(1層)
6F コンサートホール(2層)
7F 市役所事務室(農畜産課、水産課、商業課)
8F 市役所事務室(市民課、医療課、福祉課)
9F 市役所事務室(税務課、会計課、総務課、生活課)
10F 市役所事務室(観光リゾート課、イベント課)
11F 市長執務室、副市長執務室、大会議室、中会議室、小会議室✕3
12F 領主執務室、領主代行執務室、応接室
RF 飛行船ポート、飛行船待合室、展望室
12階にはオレの執務室があり、飛行船で屋上の飛行船ポートに着陸すれば、専用エレベーターでそのまま、執務室に直行できるのだ。
領主邸ができるまでは、執務室の奥にある居住スペースに滞在して政務を行うことになる。
午後1時からコンサートホールで無料イベントがあると聞き、多くの領民が集まった。
11時から先着順で整理券が配布され、アッという間に満席となったのだ。
因みにコンサートホールの収容人数は1800名である。
そしてその時間となり、幕が上がった。
スポットライトを浴び、ステージの左右から登場したのは15名の少女たちだ。
今までに見たこともない鮮やかな衣装を着てステージの中央まで来ると、驚くほど大きな声でこう言った。
「皆さ~ん、こんにちは~」
声が大きく聞こえるのは、もちろんマイクとスピーカーを使っているからである。
「私たち、ASR39のデビューコンサートへようこそ!」
15名の美少女たちの真ん中でマイクで握り、魅力的な笑顔を振りまいているのは、リオナであった。
そう、この日のイベントとは、リオナがリーダーを務めるアイドルグループASR39のデビューコンサートなのだ。
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