【R18】異世界リゾートライフ~女運が最悪だったオレがチートスキルで理想のハーレムを作りあげる~

永遠光(とわのひかり)

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第16章 ソランスター王国の危機

第224話 二度あることは三度ある?

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 ソランスター王国軍とデルファイ公国軍が、国境で対峙するまで5日ほどあるが、オレは何か重要なことを見落としている気がしていた。

 それが何であるか、ずっと考え続けていたら、ようやくその答えが分かった。 
 それはクーデターである。
 滅多に起こりえないクーデターが、フォマロートとソランスターで続けて二度も起きたのだ。
 それも入念に計画されたクーデターだ。

『二度あることは三度ある』という諺が有るではないか。
 敵対する政権を内部から破壊し、その後に外部から味方を引き入れ優位に事を進めようとするのは奴らの常套手段である。

 もし三度目があるとすれば、それはもちろんアプロンティア王国であろう。
 ゴラン帝国とデルファイ公国が3年以上もの歳月を掛け、入念に計画した軍事侵攻である。
 ゴラン帝国がアプロンティア帝国に特殊部隊を潜入させ、時間をかけて軍の幹部や貴族を調略し、クーデターを仕組んでいたとしても何の不思議もない。
 いやむしろ、仕組んでいると考える方が自然だ。

 幸いにしてソランスター王国に於けるクーデター失敗の報がゴラン帝国やデルファイ公国に伝わるのは、即時的な通信手段がないこの世界においては、まだ数日先のことだ。

 今はまだ可能性の段階であるが、考えれば考えるほどオレの考えは間違っていないと思えるようになってきた。

 それを確かめる手段はただひとつ。
 アプロンティア王国へ飛び『空飛ぶイルカ号Ⅱ』の生体探知レーダーで敵対勢力を炙り出すしかない。

 オレは、ジェスティーナとアリエスにその旨を伝えた。
「なるほどね、それは十分に考えられるわ。
 カイト、一刻も早くアプロンティアに伝えるべきよ」
「時間が勿体ないわ、陛下には私から伝えておくから、急いで」
 2人は、オレの考えを聞き、即座に同意してくれた。

 オレはステラ他数名の護衛を伴い『ゲート』でアプロンティア王国へ移動した。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 迎賓館に突然現れたオレを見てクリスタリア迎賓館長のカルロスは驚いていたが、飛行船をステルスモードにして飛んで来たと説明すると納得してくれた。

 オレはそのまま『空飛ぶイルカ号Ⅱ』で王宮へ向かい、レオニウス国王に面会を求めた。
 別名水晶宮クリスタルパレスと呼ばれるクリスタリア王宮はその名の通り、王宮内の内装や調度品には水晶がふんだんに使われ、廊下は全面ガラスで、天窓のステンドグラスから差し込む七色の光が交差し、眩しすぎるほどであった。

 オレは控えの間で15分ほど待たされた後、謁見の間で国王に会うことが出来た。
 アプロンティア国王レオニウス3世は、微笑みを浮かべオレを出迎えてくれた。

「陛下のご尊顔を拝し、恐悦至極に存じまする」
 オレは型通り挨拶した。

「シュテリオンベルグ伯爵、予想以上に早く戻ってくれたのう」
 その顔は息子のライアス皇太子を亡くし、些かやつれたように見える。
 国王の横には軍務大臣のシュトラーゼ伯爵が立ち、こちらに会釈していた。

「はい、懸念すべき事が御座いまして、それを確認するために戻って参りました」

「ほう、それは、どのようなことじゃ?」

「実はソランスター王国でクーデター未遂事件が起きまして…」

「なに、クーデター未遂事件じゃと!」
 レオニウス国王の驚きようは尋常ではなかった。

 オレは国王にソランスター王国で起きたクーデター未遂事件の顛末を詳細に説明した。
 国王は食い入るようにオレの話を聞いていたが、話し終わるとこのように言った。
「なるほどのう…
 それで今度は我が国でもクーデターが起こるのではないかと貴公は考えたのじゃな?」

「その通りでございます」
 流石は一国の王である、オレが来た理由わけを今の話から推察したのであろう。

「それで反逆者は、どう特定するのじゃ?」

「はい、それはこれからご説明致します」
 オレは国王に飛行船『空飛ぶイルカ号Ⅱ』の生体探知レーダーを使い、王都周辺に潜んでいる敵を判別できると説明した。

「飛行船で上空を飛び勢力図を作成するので一目瞭然です。
 その地域が誰の所領か分かる方に同行していただければ、反逆を企てる者を特定できます」

「その話はシュトラーゼから聞いたぞ。
 フォマロートでも、その方法で敵を特定したそうじゃのう」

「どなたか、王都周辺に詳しい方に同行願いたいのですが…」

「それはシュトラーゼ伯爵とアムラー少佐が適任じゃろうな」

「軍務大臣、アムラー少佐を呼ぶように言ってくれぬか」

「は、すぐに呼びに行かせまする」
 シュトラーゼ伯爵は侍従に命じてアムラー少佐を呼びに行かせた。

 国王は大きな溜息を付きながらこう言った。
「今日、貴公が来てくれなんだら、我が王都でも明日か明後日にはクーデターが起きていたかも知れんのう…」
 聞けばレオニウス国王は、明日にでもフォマロートに援軍を出そうと考えていたそうだ。
 正にソランスター王国のクーデター発生時と同じシチュエーションである。

 オレは援軍の派遣を、国内に潜む敵が判明するまで待つように国王に進言し、半日の猶予をもらった。
 その後、シュトラーゼ伯爵とアムラー少佐を飛行船に乗せて、アプロンティア王国の首都クリスタリア周辺上空を飛び『生体探知レーダー』で100キロ四方を隈なく探索し勢力図を作り上げたのである。

 その結果は一目瞭然、ある軍の居留地と一部の貴族の邸宅周辺が真っ赤であった。
 王宮に戻り、その話を国王にした。

「う~む、まさか奴が反逆者であったとは思いもせなんだ…」
 オレとシュトラーゼ伯爵からの報告を聞いた国王の反応は、苦渋に満ちたものであった。

 長い間、信頼関係にあった将軍1名と貴族4名が反逆者と判明したのだ。
 その反応も当然のことであろう。
 渋い顔で暫く考えていた国王の行動は、迅速かつ強硬なものであった。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 翌朝、レオニウス国王は国防戦略会議と称し、王都とその周辺にいる将軍と貴族全員を招集した。
 オレも同盟国の代表として、その会議にオブザーバー参加した。
 いよいよ、総動員令が発動されるであろうと、王国軍を率いる将軍たちと男爵以上の貴族200名ほどが王宮の王広間に揃うと、国王が玉座に姿を現した。

 家臣一同は片膝を付き、片手を胸に当て臣従の礼を取った。

「皆の者、よく聞け!
 ゴラン帝国軍はフォマロート王国に侵攻し、王族を惨殺した上、逃げ遅れた民衆を殺戮し、悪逆非道の限りを尽くしておる。
 更には、我が皇太子むすこまで暗殺し、このまま手をこまねいておれば、何れは我が国にも侵攻して来るであろう」

 そこまで言うと国王は一呼吸置いてからこう続けた。
「だが、いつまでも奴らの好きにはさせておかぬ…
 奴らと雌雄を決する時が来たのだ。
 者共、我らの力を結集し、奴らを完膚なきまで叩き潰すのじゃ!」
 国王が鼓舞すると、アプロンティア王国の家臣たちは一斉に歓声を上げた。

「だが、その前に一つやるべきことが有る。
 今から、名を呼ぶ者はその場で起立せよ。
 クルーガー将軍、エンポーリア公爵、ボイド伯爵、ジラルディ男爵、バレン男爵」
 名を呼ばれた男たちは、言われた通り立ち上がった。
 どの男も国王の予期せぬ言葉に戸惑っているのが見て取れた。

「その方ら、なぜ名を呼ばれたのか、心当たりがあるであろう。
 クルーガー、申してみよ」

 国王に名指しされたクルーガー将軍は、明らかに狼狽していたが、彼は平然と白を切った。
「陛下、何故なにゆえ名を呼ばれたのか、私にはさっぱり分かりませぬが…」

「そうか、分からぬか…
 では、エンポーリア公爵、そなたに心当たりは無いか?」

「へ、陛下、私にもさっぱり分かりませぬ」

「そうか、この期に及んでも白を切り通すと申すのだな…
 それなら、儂が解り易く教えてやろう」

「お前たち5名は、儂を亡き者にしようと企む反逆者だ」

「陛下、何を証拠にそのような戯言ざれごとを申されるか」
 クルーガー将軍とエンポーリア公爵は目を剝いて国王に抗議した。

「証拠か、証拠はこれじゃ」
 国王がそう言うと、後方の正面入口から、後ろ手に縛られ猿ぐつわを噛まされた10数人の男が連れて来られた。
 その男たちは、アプロンティア王国に長い間潜入していたゴラン帝国の秘密工作員達であった。

 昨日、首都クリスタリア周辺上空を飛び『生体探知レーダー』で炙り出したゴラン帝国工作員のアジトを深夜一斉に急襲し、一網打尽にしたのである。

「あとは、じっくりと貴公たちの口から経緯を聞かせてもらうだけじゃ…
 者共、小奴らをひっ捕らえい!」
 国王が指図すると大広間の四方から武装した近衛兵数百名が、クルーガー将軍ら反逆者を幾重にも取り囲んだ。

 王宮内で帯刀は許されておらず、大広間に入る前に長剣ソードや武器の類は預けているのだから、抵抗のしようもなく、5名の容疑者は呆気なく捕縛された。

 クーデターを起こす前に、容疑の段階で捕縛すると言う国王の決断には驚かされた。
 国家反逆罪の容疑で捕らえられた5名の家臣は王宮の地下牢で、個別に尋問が行われることとなった。

 それと同時に、それぞれの拠点には王国軍の精鋭兵が差し向けられ、国家反逆罪の容疑で捜査が行われた。
 副官や家臣たちは捕縛され、それぞれ別の牢獄で尋問が行われる事となった。
 クルーガー将軍の部隊8000名は1600名ずつ5つの部隊に分割され、個別に王国に臣従を誓う念書を書かされ、それぞれ別の軍に編入されることとなった。

 未遂の段階で捕らえられた首謀者達が、その罪から逃れることは、極めて難しい状況となった。

 後顧の憂いを絶ったアプロンティア国王レオニウス3世は、王都守備兵を除く全軍にフォマロート王国への進軍命令を下した。
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