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第17章 フォマロート王国救国編
第239話 攻撃は最大の防御なり
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『攻撃は最大の防御なり』とは、よく言ったものだ。
フォマロート救国同盟軍司令官会議で発表されたカイトの作戦は、司令官たちの想像を遥かに超えていた。
「守るのは最低限にして、可能な限り相手を攻めましょう」
最初、将軍たちには、その意味が分からなかったが、カイトの話を最後まで聞き、ようやく納得したのだ。
「なるほど、そう言うことか」
「確かに、それが一番効率的だ」
「それに死傷者も圧倒的に少なくて済みそうだ」
ゴラン帝国連合軍を、力ずくでこの地から追い払うには、激しい戦闘になることは必至で、双方に多数の死傷者が出ることは確実である。
しかし、敵の本拠地を攻めれば、否が応でも自国の都を守らざる得なくなり、フォマロート領を去るであろうと言う目論見である。
もちろん、この作戦はカイトの力が無ければ実現できないことは、みんな承知していた。
カイトの作戦は、こうであった。
第1フェーズ フォマロート王国のエルサレーナ王宮奪還
第2フェーズ ゴラン帝国の帝都レクサグラード王宮の攻撃並びに皇帝の拉致
第3フェーズ ゴラン帝国軍の自主的な撤退
第4フェーズ デルファイ公国などゴラン帝国以外の連合諸国軍の一掃
第2フェーズまで成功すれば、自ずと第3フェーズ以降は容易いとカイトは踏んでいた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
深夜0時に開始されたエルサレーナ王宮の奪還作戦は順調に進み、成功に目途を付けたオレは、約1000km離れたゴラン帝国の帝都レクサグラードへ向かった。
第1フェーズが終了し、第2フェーズに入ったのである。
飛行船『空飛ぶイルカ号Ⅱ』に乗り、最高速度時速450kmで山脈を越え、2時間20分でレクサグラード宮殿へ到着した。
時刻は、午前4時を少し回った頃、レクサグラード宮殿の城壁にある南門の側防塔にステルスモードのまま飛行船を着陸させた。
辺りには宮殿を守備する皇帝親衛隊が警備していたが、帝国軍の主力は他国に侵攻中で、他国から攻撃されるなど夢にも思っておらず、明らかに油断していた。
レクサグラード宮殿を守備する皇帝親衛隊の数は、深夜のこの時間帯は、多く見積もっても2000人と言うところであろう。
しかも警戒しているのは、主に城壁の外側である。
敵が、宮殿の中に現れるとは、夢にも思っていないのだ。
ハッチを開け、城壁の側防塔近くへ下りると壁3箇所に『ゲート』を設置した。
エルサレーナ王宮に設置したのと同じタイプの一方通行のゲートである。
ワレン族の族長イシスの全面的な協力により、予めレクサグラード宮殿各階の大まかな平面図を作成していた。
オレと護衛4名( ステラ、セレスティーナ、アンジェリーナ、レイフェリア)は、ステルスモードのまま、図面にある皇帝の寝室を目指した。
皇帝の寝室は後宮にあり、何人もいる側室のどこかの部屋で寝ているらしい。
オレは、飛行船『空飛ぶイルカ号Ⅱ』の生体探知レーダーで、皇帝の居場所に目星を付けていた。
この時間帯、後宮で周囲の人口密度が一番高い部屋が皇帝の居場所であると予想した。
オレたち5人は、インカムで情報共有しながら、目星を付けていた部屋の前まで来た。
寝室周辺にいた20名ほどの護衛を気化睡眠ポーションで眠らせ、部屋の中に忍び込んだ。
オレたちは気化睡眠ポーションの解毒ポーションを服用しているので、眠くならないのだ。
ベッドの上で寝ている男の顔を覗き込む。
そこには、イシスが言っていた通りの馬鹿面で醜く太った30歳くらいの男が大いびきを掻いて、2人の女と眠っていた。
オレはその3人に気化睡眠ポーションを使い、騒がれないようにした。
こんな120キロ以上もある男を担いでは行けないので、オレは皇帝の手足に反重力クレーンを取り付けて運ぶことにした。
皇帝の拉致が完了し、手足を『結束バンド』で縛り上げ、猿ぐつわを噛ませて『空飛ぶイルカ号Ⅱ』の荷室へ放り込んだ。
後は、イシスの妻と娘たちを救出し、レクサグラード宮殿を制圧するのみである。
オレはリーゼンベルグ司令部で合図を待つ、ソランスター王国軍のレイシス将軍に電話した。
「レイシス将軍、ゴラン皇帝を捕縛しました。
予定通り、ミッションを進めて下さい」
「カイトどの、承知した。
すぐに侵攻を開始する」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オレの次なるミッションは、イシスの妻と娘の他、捕虜10人の救出である。
地下牢の場所は、予めイシスの情報から目星を付けていた。
オレたち5人は、ステルスモードのまま、宮殿の地下へ下りた。
予想通り、地下牢にはワレン族の捕虜が監禁されていたのだ。
眠そうにしていた2人の牢番を気化睡眠ポーションで気持ち良く眠らせてやり、幾つもある地下牢を見て歩いた。
地下牢には、ご丁寧に名札が付けられており、誰がどんな罪状で入牢しているのか書かれていた。
オレはその中から「ワレン族捕虜」と書かれた牢の前でステルスモードを解いた。
そして、スターライトソードの9999℃のプラズマの刃で錠前を破壊した。
凄まじい閃光と錠前が壊れる音で目覚めた捕虜たちは、オレを見て怯えていた。
「ワレン族族長イシスからの依頼で、君たちを助けに来た」
オレがそう言うと、牢の中から歓声が上がった。
中に監禁されていたのは、イシスの妻と2人の娘の他、うら若き女性ばかり7名であった。
他の牢からも、ここから出してくれと言う声が聞こえてきたが、今はそんな暇はない。
イシスの妻たち10人と地下牢の出口まで上がり、脱出のタイミングを図った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オレが側防塔に設置した3箇所の『ゲート』が開き、ソランスター王国兵がレクサグラード宮殿に突入した。
レイシス将軍とサバティーニ将軍の精鋭部隊1万6千人である。
レクサグラード宮殿には、常夜番2千人と兵舎で就寝中の4千人の合計6千人の親衛隊がいた。
戦闘態勢を維持していた常夜番の兵士は、突然降って湧いたように現れたソランスター王国兵に圧倒された。
一方、兵舎にいた兵士はソランスター王国軍の襲撃に気づき、戦闘体制を整える前に襲撃を受け、拘束され次々と無力化された。
ソランスター王国兵の精鋭部隊であるレイシス将軍率いる第7師団とサバティーニ将軍率いる第10師団は、ものの30分で宮殿を制圧し、皇帝の一族、並びに重臣たちを捕縛した。
オレは、その隙に捕虜となっていたワレン族の女性たちを飛行船に乗せた。
そして、そのまま離陸すると、レクサグラード宮殿制圧の様子を動画で撮影した。
その動画をフォマロート王国にいるゴラン帝国総司令官エルドバラン将軍に見せるためである。
フォマロート救国同盟軍司令官会議で発表されたカイトの作戦は、司令官たちの想像を遥かに超えていた。
「守るのは最低限にして、可能な限り相手を攻めましょう」
最初、将軍たちには、その意味が分からなかったが、カイトの話を最後まで聞き、ようやく納得したのだ。
「なるほど、そう言うことか」
「確かに、それが一番効率的だ」
「それに死傷者も圧倒的に少なくて済みそうだ」
ゴラン帝国連合軍を、力ずくでこの地から追い払うには、激しい戦闘になることは必至で、双方に多数の死傷者が出ることは確実である。
しかし、敵の本拠地を攻めれば、否が応でも自国の都を守らざる得なくなり、フォマロート領を去るであろうと言う目論見である。
もちろん、この作戦はカイトの力が無ければ実現できないことは、みんな承知していた。
カイトの作戦は、こうであった。
第1フェーズ フォマロート王国のエルサレーナ王宮奪還
第2フェーズ ゴラン帝国の帝都レクサグラード王宮の攻撃並びに皇帝の拉致
第3フェーズ ゴラン帝国軍の自主的な撤退
第4フェーズ デルファイ公国などゴラン帝国以外の連合諸国軍の一掃
第2フェーズまで成功すれば、自ずと第3フェーズ以降は容易いとカイトは踏んでいた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
深夜0時に開始されたエルサレーナ王宮の奪還作戦は順調に進み、成功に目途を付けたオレは、約1000km離れたゴラン帝国の帝都レクサグラードへ向かった。
第1フェーズが終了し、第2フェーズに入ったのである。
飛行船『空飛ぶイルカ号Ⅱ』に乗り、最高速度時速450kmで山脈を越え、2時間20分でレクサグラード宮殿へ到着した。
時刻は、午前4時を少し回った頃、レクサグラード宮殿の城壁にある南門の側防塔にステルスモードのまま飛行船を着陸させた。
辺りには宮殿を守備する皇帝親衛隊が警備していたが、帝国軍の主力は他国に侵攻中で、他国から攻撃されるなど夢にも思っておらず、明らかに油断していた。
レクサグラード宮殿を守備する皇帝親衛隊の数は、深夜のこの時間帯は、多く見積もっても2000人と言うところであろう。
しかも警戒しているのは、主に城壁の外側である。
敵が、宮殿の中に現れるとは、夢にも思っていないのだ。
ハッチを開け、城壁の側防塔近くへ下りると壁3箇所に『ゲート』を設置した。
エルサレーナ王宮に設置したのと同じタイプの一方通行のゲートである。
ワレン族の族長イシスの全面的な協力により、予めレクサグラード宮殿各階の大まかな平面図を作成していた。
オレと護衛4名( ステラ、セレスティーナ、アンジェリーナ、レイフェリア)は、ステルスモードのまま、図面にある皇帝の寝室を目指した。
皇帝の寝室は後宮にあり、何人もいる側室のどこかの部屋で寝ているらしい。
オレは、飛行船『空飛ぶイルカ号Ⅱ』の生体探知レーダーで、皇帝の居場所に目星を付けていた。
この時間帯、後宮で周囲の人口密度が一番高い部屋が皇帝の居場所であると予想した。
オレたち5人は、インカムで情報共有しながら、目星を付けていた部屋の前まで来た。
寝室周辺にいた20名ほどの護衛を気化睡眠ポーションで眠らせ、部屋の中に忍び込んだ。
オレたちは気化睡眠ポーションの解毒ポーションを服用しているので、眠くならないのだ。
ベッドの上で寝ている男の顔を覗き込む。
そこには、イシスが言っていた通りの馬鹿面で醜く太った30歳くらいの男が大いびきを掻いて、2人の女と眠っていた。
オレはその3人に気化睡眠ポーションを使い、騒がれないようにした。
こんな120キロ以上もある男を担いでは行けないので、オレは皇帝の手足に反重力クレーンを取り付けて運ぶことにした。
皇帝の拉致が完了し、手足を『結束バンド』で縛り上げ、猿ぐつわを噛ませて『空飛ぶイルカ号Ⅱ』の荷室へ放り込んだ。
後は、イシスの妻と娘たちを救出し、レクサグラード宮殿を制圧するのみである。
オレはリーゼンベルグ司令部で合図を待つ、ソランスター王国軍のレイシス将軍に電話した。
「レイシス将軍、ゴラン皇帝を捕縛しました。
予定通り、ミッションを進めて下さい」
「カイトどの、承知した。
すぐに侵攻を開始する」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オレの次なるミッションは、イシスの妻と娘の他、捕虜10人の救出である。
地下牢の場所は、予めイシスの情報から目星を付けていた。
オレたち5人は、ステルスモードのまま、宮殿の地下へ下りた。
予想通り、地下牢にはワレン族の捕虜が監禁されていたのだ。
眠そうにしていた2人の牢番を気化睡眠ポーションで気持ち良く眠らせてやり、幾つもある地下牢を見て歩いた。
地下牢には、ご丁寧に名札が付けられており、誰がどんな罪状で入牢しているのか書かれていた。
オレはその中から「ワレン族捕虜」と書かれた牢の前でステルスモードを解いた。
そして、スターライトソードの9999℃のプラズマの刃で錠前を破壊した。
凄まじい閃光と錠前が壊れる音で目覚めた捕虜たちは、オレを見て怯えていた。
「ワレン族族長イシスからの依頼で、君たちを助けに来た」
オレがそう言うと、牢の中から歓声が上がった。
中に監禁されていたのは、イシスの妻と2人の娘の他、うら若き女性ばかり7名であった。
他の牢からも、ここから出してくれと言う声が聞こえてきたが、今はそんな暇はない。
イシスの妻たち10人と地下牢の出口まで上がり、脱出のタイミングを図った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オレが側防塔に設置した3箇所の『ゲート』が開き、ソランスター王国兵がレクサグラード宮殿に突入した。
レイシス将軍とサバティーニ将軍の精鋭部隊1万6千人である。
レクサグラード宮殿には、常夜番2千人と兵舎で就寝中の4千人の合計6千人の親衛隊がいた。
戦闘態勢を維持していた常夜番の兵士は、突然降って湧いたように現れたソランスター王国兵に圧倒された。
一方、兵舎にいた兵士はソランスター王国軍の襲撃に気づき、戦闘体制を整える前に襲撃を受け、拘束され次々と無力化された。
ソランスター王国兵の精鋭部隊であるレイシス将軍率いる第7師団とサバティーニ将軍率いる第10師団は、ものの30分で宮殿を制圧し、皇帝の一族、並びに重臣たちを捕縛した。
オレは、その隙に捕虜となっていたワレン族の女性たちを飛行船に乗せた。
そして、そのまま離陸すると、レクサグラード宮殿制圧の様子を動画で撮影した。
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