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第22章 ティンバーランド編
第351話 ネオ・プリンセス
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あの日から5ヶ月が経過した。
今日は王都アリーナ大ホールでアクアスター・プロの新人アイドルグループ「ネオ・プリンセス」のデビュー公演が開催される日だ。
メンバーは14歳から16歳の美少女5人、抜群の歌唱力と卓越したダンステクニックを持つ実力者揃いである。
彼女らは、王都で開催した一般公募オーディションにより発掘され、約1年間研修所で育成したスター候補生の中から才能を見出された少女たちだ。
ネオ・プリンセス(略してネオプリ)は、そのスタイリッシュなファッションやR&B系の乗りの良い音楽が受け、若い男性ばかりではなく、若年層の女性からも絶大な支持を得た。
もちろんこれはプロデューサーであるサクラの周到な準備が実を結んだ結果だ。
王都アリーナの昼夜2回3日間連続6回のデビュー記念公演のチケット4万8千枚は早々に完売した。
王都ではネオプリブームが起こり、若者たちが彼女たちのファッションを挙って真似した。
それに目を付けたアスナがバレンシア・ストアでネオプリファッションを売り出すことになるのだが、それはもう少し後の話だ。
「カイト様、デビュー公演は予想以上の大盛況です」
サクラが嬉しそうにオレに報告した。
「うん、サクラの判断は正しかったようだね」
今回のネオ・プリンセスのコンセプトにはK-POPの要素をふんだんに取り入れたのである。
元々K-POP好きであったサクラが全面プロデュースしたのだ。
『ネオプリ』のセンターに立つ金髪の超絶美少女「マリス」。
彼女こそマリウス王子が『性転換の秘薬』を服用し女性化した姿なのだ。
どこからどう見ても完璧な女性で、しかも気品を感じさせる超絶美少女であり、歌もダンスパフォーマンスも抜群に上手いので人気が出ない理由がない。
彼女の一挙手一投足に世の男も女も目を奪われ熱狂した。
この日に至るまでには紆余曲折があった。
元々、彼女はこの国の王太子と成るべくして生まれたが、ある事件が原因で廃嫡となったのだ。
ある日、マリウスに『性転換の秘薬』の存在を告げると、そのような秘薬があるなら、すぐにでも服用して生涯一人の女性として生きたいと一切の迷いもなくオレと3人の姉たちに話したのだ。
マリウスの決意は揺るぎないものだった。
彼の決意を父親である国王クラウスと母親の王妃ジェシカに話す時は大変であった。
王妃は半狂乱となり泣き叫び、国王はどうにか思い止まるよう、あの手この手で説得を試みた。
しかし、マリウスは頑として拒み、国王は何を言っても無駄と悟ると遂には諦め、離縁を言い渡し、以後王室への立ち入りを一切禁じると通告したのだ。
マリウスは唯一の縁であった王族と王子の身分も放り出し、自ら一人の女性として生きる道を選んだのだ。
後日、ソランスター王室から第1王子マリウスの廃嫡と王家との離縁成立が正式に発表された。
その後マリウスがどうなったか発表されることなく、王都では暫く人々の間で噂となった。
マリウスは自分の心を偽り、男として王子役を演じて生きるより、自分の心に素直になり、女性として生きる道を選んだのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
午後1時、王都アリーナ大ホールは8千人の人々で埋め尽くされていた。
定刻になり、思わず指でリズムを取りたくなるようなアップテンポなR&Bのリズムが流れると会場からは絶叫が混じった拍手と声援が鳴り響いた。
ステージ奥からスポットライトを浴び「ネオ・プリンセス」のメンバーが観客き手を振り走りながら姿を表した。
メンバーはエレン、リリア、マリス、シオン、レイナの5名である。
センターのマリスは肩までのサラサラの金髪で、それ以外の4名は、黒髪ロングである。
いずれ劣らぬ美少女であるが、マリスの美しさは一人群を抜いていた。
最初の曲は、デビュー曲の「Absolute Girl(絶対的な女の子)」である。
クールでスタイリッシュなダンスパフォーマンスに小気味良いビート、マリスたち5人のポップな歌声に観客は一瞬でステージに魅了された。
会場は熱気に包まれ観客は『ネオプリ』の世界へ引き込まれていった。
ステージ袖には4人の女性と1人の男が立ち、「ネオ・プリンセス」を見つめていた。
「果たしてこれで良かったのかしらねぇ…」
舞台袖で、かつて弟だった超絶美少女アイドルのライブパフォーマンスを見つめながらフローラがシミジミと呟いた。
「良かったに決まってるわ、本人が望んだことだし…」
彼女の姉の一人であるアリエスが言った。
「そうよ、あの子のあんな笑顔、今まで見たこと無いもの」
もう一人の姉ジェスティーナも舞台袖から、かつて葛藤に苦しんでいた元弟の晴れ姿を見ていた。
「未来のことなんて不確実過ぎて誰も分からないよ…
同じ後悔するなら自分の思い通り進むのが一番幸せに決まってるさ」
オレの言葉に3人の王女は頷いた。
「カイトの言う通り、ウジウジ悩んでいるより自分でこうだと決めた道に進むのが良いに決まってるわ」
「そうよ、自分の道は自分で切り開かなきゃ、未来はないわ」
思えばオレは、サクラが付けた『ネオ・プリンセス』と言うグループ名は意味深であると思っていた。
サクラにその意味を聞くと「ご想像にお任せします」とグループ名に込めた意味を明かしてくれなかった。
こうして、アクアスター・プロダクション期待の新人グループ「ネオ・プリンセス」のデビュー公演が始まった。
曲は、「Surprise」、「Turning Point」、「MonoTone」「Hyper Love」、「Endless Loop」、「Signal」、「Vibration」、「Trouble Maker」、「Dynamic」、「Starry Night」「SkyDive」と続きアンコールの「Ice Cake」を含めた全13曲を披露し、その日の公演は終了した。
今日は王都アリーナ大ホールでアクアスター・プロの新人アイドルグループ「ネオ・プリンセス」のデビュー公演が開催される日だ。
メンバーは14歳から16歳の美少女5人、抜群の歌唱力と卓越したダンステクニックを持つ実力者揃いである。
彼女らは、王都で開催した一般公募オーディションにより発掘され、約1年間研修所で育成したスター候補生の中から才能を見出された少女たちだ。
ネオ・プリンセス(略してネオプリ)は、そのスタイリッシュなファッションやR&B系の乗りの良い音楽が受け、若い男性ばかりではなく、若年層の女性からも絶大な支持を得た。
もちろんこれはプロデューサーであるサクラの周到な準備が実を結んだ結果だ。
王都アリーナの昼夜2回3日間連続6回のデビュー記念公演のチケット4万8千枚は早々に完売した。
王都ではネオプリブームが起こり、若者たちが彼女たちのファッションを挙って真似した。
それに目を付けたアスナがバレンシア・ストアでネオプリファッションを売り出すことになるのだが、それはもう少し後の話だ。
「カイト様、デビュー公演は予想以上の大盛況です」
サクラが嬉しそうにオレに報告した。
「うん、サクラの判断は正しかったようだね」
今回のネオ・プリンセスのコンセプトにはK-POPの要素をふんだんに取り入れたのである。
元々K-POP好きであったサクラが全面プロデュースしたのだ。
『ネオプリ』のセンターに立つ金髪の超絶美少女「マリス」。
彼女こそマリウス王子が『性転換の秘薬』を服用し女性化した姿なのだ。
どこからどう見ても完璧な女性で、しかも気品を感じさせる超絶美少女であり、歌もダンスパフォーマンスも抜群に上手いので人気が出ない理由がない。
彼女の一挙手一投足に世の男も女も目を奪われ熱狂した。
この日に至るまでには紆余曲折があった。
元々、彼女はこの国の王太子と成るべくして生まれたが、ある事件が原因で廃嫡となったのだ。
ある日、マリウスに『性転換の秘薬』の存在を告げると、そのような秘薬があるなら、すぐにでも服用して生涯一人の女性として生きたいと一切の迷いもなくオレと3人の姉たちに話したのだ。
マリウスの決意は揺るぎないものだった。
彼の決意を父親である国王クラウスと母親の王妃ジェシカに話す時は大変であった。
王妃は半狂乱となり泣き叫び、国王はどうにか思い止まるよう、あの手この手で説得を試みた。
しかし、マリウスは頑として拒み、国王は何を言っても無駄と悟ると遂には諦め、離縁を言い渡し、以後王室への立ち入りを一切禁じると通告したのだ。
マリウスは唯一の縁であった王族と王子の身分も放り出し、自ら一人の女性として生きる道を選んだのだ。
後日、ソランスター王室から第1王子マリウスの廃嫡と王家との離縁成立が正式に発表された。
その後マリウスがどうなったか発表されることなく、王都では暫く人々の間で噂となった。
マリウスは自分の心を偽り、男として王子役を演じて生きるより、自分の心に素直になり、女性として生きる道を選んだのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
午後1時、王都アリーナ大ホールは8千人の人々で埋め尽くされていた。
定刻になり、思わず指でリズムを取りたくなるようなアップテンポなR&Bのリズムが流れると会場からは絶叫が混じった拍手と声援が鳴り響いた。
ステージ奥からスポットライトを浴び「ネオ・プリンセス」のメンバーが観客き手を振り走りながら姿を表した。
メンバーはエレン、リリア、マリス、シオン、レイナの5名である。
センターのマリスは肩までのサラサラの金髪で、それ以外の4名は、黒髪ロングである。
いずれ劣らぬ美少女であるが、マリスの美しさは一人群を抜いていた。
最初の曲は、デビュー曲の「Absolute Girl(絶対的な女の子)」である。
クールでスタイリッシュなダンスパフォーマンスに小気味良いビート、マリスたち5人のポップな歌声に観客は一瞬でステージに魅了された。
会場は熱気に包まれ観客は『ネオプリ』の世界へ引き込まれていった。
ステージ袖には4人の女性と1人の男が立ち、「ネオ・プリンセス」を見つめていた。
「果たしてこれで良かったのかしらねぇ…」
舞台袖で、かつて弟だった超絶美少女アイドルのライブパフォーマンスを見つめながらフローラがシミジミと呟いた。
「良かったに決まってるわ、本人が望んだことだし…」
彼女の姉の一人であるアリエスが言った。
「そうよ、あの子のあんな笑顔、今まで見たこと無いもの」
もう一人の姉ジェスティーナも舞台袖から、かつて葛藤に苦しんでいた元弟の晴れ姿を見ていた。
「未来のことなんて不確実過ぎて誰も分からないよ…
同じ後悔するなら自分の思い通り進むのが一番幸せに決まってるさ」
オレの言葉に3人の王女は頷いた。
「カイトの言う通り、ウジウジ悩んでいるより自分でこうだと決めた道に進むのが良いに決まってるわ」
「そうよ、自分の道は自分で切り開かなきゃ、未来はないわ」
思えばオレは、サクラが付けた『ネオ・プリンセス』と言うグループ名は意味深であると思っていた。
サクラにその意味を聞くと「ご想像にお任せします」とグループ名に込めた意味を明かしてくれなかった。
こうして、アクアスター・プロダクション期待の新人グループ「ネオ・プリンセス」のデビュー公演が始まった。
曲は、「Surprise」、「Turning Point」、「MonoTone」「Hyper Love」、「Endless Loop」、「Signal」、「Vibration」、「Trouble Maker」、「Dynamic」、「Starry Night」「SkyDive」と続きアンコールの「Ice Cake」を含めた全13曲を披露し、その日の公演は終了した。
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