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第二章 氷の巨人
第17話
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事件の翌朝には正式な辞令が届いた。
雪海には昨夜の内に事情を説明してある。今後は自由な時間が減る事を告げていた。
しかし、こんなに早いとは想定外だ。
『隠岐が「上」に進言してから、正式な事例が下る』という工程から、正式な辞令はまだ先だろうと考えていた冬鷹は、すぐに雪海の部屋へ謝りに行った。
「土日は遊ぶって言ったのにごめん! この埋め合わせは絶対にするから!」
「……え? ……いや、昨日説明されたから、もういいよ」
意外にもサクッとした妹の口調が、逆に冬鷹を不安にさせる。
「本当にすまん。今度ドリーミンアイス食いに行こう」
「え? うん、わかった。約束ね」
気にしてないのか、それとも怒っているのか。淡々とした口調からは判りづらかった。
「今日、どっかでアイス買ってこようか? 言ってくれれば、仕事が終わった後――、」
「あのさ、お兄ちゃん」
妹の何でもない呼びかけが冬鷹を黙らせた。
「私、別に怒ってないから。でも、もしそう思ったなら、悪い事した自覚はあるんだよね?」
「悪い事っていうか、その……、」
「妹との約束を考えないで、仕事を入れた」
雪海は冬鷹の心の内を正確に見透かす。
「いや、仕事を入れたわけじゃ。まさか昨日の今日で辞令が下りるなんて――、」
「いやさぁ、お兄ちゃん甘すぎだよ。昨日の話を聞いて、私でも、もしかしたら今日の約束なくなるだろうな、って思ってたよ」
幼さを感じさせる少しゆるい滑舌ながら、内容はとても手厳しい。
雪海は溜め息を吐いた。
「もういいから。ぶっちゃけ、私ももう中一だし、お兄ちゃんと遊ぶのがすっごい楽しみってわけじゃないし」
「…………え?」
冬鷹は思わず膝をつきそうになった。
「私はテキトーに過ごすからイイよ。お兄ちゃんは気にしないでお仕事行ってきて。あ、あとアイス買ってきてくれるんだよね? だったら『みつみ屋』の抹茶アイス買ってきて」
「…………あ、ああ。……わかった。えっと……気を付けて遊ぶんだぞ」
胸の辺りが締め付けられる様に苦しむなか、冬鷹はそれだけを言うのがやっとだった。
雪海には昨夜の内に事情を説明してある。今後は自由な時間が減る事を告げていた。
しかし、こんなに早いとは想定外だ。
『隠岐が「上」に進言してから、正式な事例が下る』という工程から、正式な辞令はまだ先だろうと考えていた冬鷹は、すぐに雪海の部屋へ謝りに行った。
「土日は遊ぶって言ったのにごめん! この埋め合わせは絶対にするから!」
「……え? ……いや、昨日説明されたから、もういいよ」
意外にもサクッとした妹の口調が、逆に冬鷹を不安にさせる。
「本当にすまん。今度ドリーミンアイス食いに行こう」
「え? うん、わかった。約束ね」
気にしてないのか、それとも怒っているのか。淡々とした口調からは判りづらかった。
「今日、どっかでアイス買ってこようか? 言ってくれれば、仕事が終わった後――、」
「あのさ、お兄ちゃん」
妹の何でもない呼びかけが冬鷹を黙らせた。
「私、別に怒ってないから。でも、もしそう思ったなら、悪い事した自覚はあるんだよね?」
「悪い事っていうか、その……、」
「妹との約束を考えないで、仕事を入れた」
雪海は冬鷹の心の内を正確に見透かす。
「いや、仕事を入れたわけじゃ。まさか昨日の今日で辞令が下りるなんて――、」
「いやさぁ、お兄ちゃん甘すぎだよ。昨日の話を聞いて、私でも、もしかしたら今日の約束なくなるだろうな、って思ってたよ」
幼さを感じさせる少しゆるい滑舌ながら、内容はとても手厳しい。
雪海は溜め息を吐いた。
「もういいから。ぶっちゃけ、私ももう中一だし、お兄ちゃんと遊ぶのがすっごい楽しみってわけじゃないし」
「…………え?」
冬鷹は思わず膝をつきそうになった。
「私はテキトーに過ごすからイイよ。お兄ちゃんは気にしないでお仕事行ってきて。あ、あとアイス買ってきてくれるんだよね? だったら『みつみ屋』の抹茶アイス買ってきて」
「…………あ、ああ。……わかった。えっと……気を付けて遊ぶんだぞ」
胸の辺りが締め付けられる様に苦しむなか、冬鷹はそれだけを言うのがやっとだった。
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