復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ

文字の大きさ
13 / 49

第13話

しおりを挟む
「ねぇ、お兄ちゃん。最近、夕食でパン1つしか食べてないよ?」

「えっ? あ……えっと、ちょっと食欲がなくて……」

「なんかノエルだけこんないっぱい食べて悪いよ。それにお兄ちゃん、毎日ダンジョンに行ってるのにそれだけしか食べてなくて、いつか倒れるんじゃないかってノエル心配だよぉ……」

「へーきへーき。いざとなったら、氷柱から水を摂取してお腹満たすこともできるから」

「氷柱? 【テネブラエ呪城】って、そんな寒いところだっけ? 本にはたしか、煮えたぎる毒の沼がいっぱい存在するって書いてあったよーな……」

「あ、ははは! ごめんっ! ちょっと今日は疲れたから先に部屋に戻るね、んじゃ……!」

「お、お兄ちゃんっ!?」

 バタンッ!

 返事も待たずに自室へ飛び込む。

 ふぅ、危なかった……。

(ノエルがダンジョンに詳しいことすっかり忘れてた)

 ノエルは書物を読むのが好きで、ダンジョンについての知識もかなり豊富だったりする。
 たまに、ノエルからダンジョンの情報を訊くこともあるし。

 こうやって下手な発言をすると、簡単に墓穴を掘っちゃうから注意しないと……。

 ぎゅるる~。

 そんなことを考えていると、腹の虫が盛大に鳴った。

「……はぁ。でも、たしかにノエルの言う通り、さすがに毎日パン1つだけってキツいな」

 食べ物のことを考えたら、めちゃくちゃお腹が空いてくる。
 けど今はまだガマンの時だ。食費にお金を使うくらいなら、マジックポーションや水晶ジェムの購入費に回した方がいい。

-----------------

[ナード]
LP5
HP37/50
MP5/16
攻1
防1(+5)
魔攻1
魔防1
素早さ1
幸運1
ユニークスキル:
<アブソープション【スロットβ】>
<バフトリガー【OFF】>
属性魔法:《ファイヤーボウル》
無属性魔法:
攻撃系スキル:
補助系スキル:《分析アナライズ
武器:
防具:毛皮の服
アイテム:
貴重品:ビーナスのしずく×1
所持金:5,700アロー
所属パーティー:叛逆の渡り鳥バードオブリベリオン
討伐数:E級魔獣39体
状態:

-----------------

 水晶ディスプレイを立ち上げると、いつものように自分のステータスを確認する。
 これはいわば、1日の終わりの点検作業のようなものだ。欠かすことはできない。

「魔法を習得したことは心強いんだけど」

 それでも、まだこの状態でボス魔獣を倒せるかは未知数だった。

 そろそろ【攻撃系スキル】も覚えておきたいところなんだけど、武器を買うってなると金銭的なハードルが上がる。

 今日は、武器を買っておくべきだったなんて思ったけど、実際あの時は、初級魔法を覚えるのが最良の選択だったって思う。
 魔法は水晶ジェムさえあれば、発動させることができるわけだから。

 何にしても、今の所持金だとできることにも限りがあるのが現状だ。

「早くE級ダンジョンをクリアしないとだよね」

 E級魔光石ももちろん価値があるんだけど、実は初回クリア報酬の方が目当てだったりする。
 なぜなら、初回クリア報酬で手に入るアイテムはどれも貴重な物ばかりで、大金に換えることができるから。

-----------------

・B級ダンジョン
【天空のティアラ】=1億アロー

・C級ダンジョン
【ヴァルキリーの聖弓】=1000万アロー

・D級ダンジョン
【クリスタルキングクロー】=100万アロー

・E級ダンジョン
【木霊のホットストーン】=10万アロー

-----------------

 シルワの冒険者ギルドだと、初回クリア報酬はこんな感じで設定されている。
 
 初回クリア報酬は、タイクーンとしてその階級のダンジョンを初めてクリアした時に貰えて、僕みたいに以前に別のパーティーに参加していて、改めてタイクーンとしてダンジョンに挑む場合でも、この報酬は受け取れるようになっている。

 そして、嬉しいのが、これは国ごとによってリセットされるっていう点だ。

 たとえば、一流冒険者の証シーカーライセンスの所有者が、他の国へ行ってもう一度同じ階級のダンジョンをクリアした場合でも、その国の初回クリア報酬を受け取ることができる。
 
 これが、一流冒険者の証を所有している冒険者シーカーの一番の旨味って言われているんだよね。

 だって、色々な国へ行って、その国が管轄するE級ダンジョンをクリアするだけでも、初回クリア報酬が貰えちゃうわけだし。

 ちなみに、どの国でもA級ダンジョンは初回クリア報酬は用意されていなくて、踏破したパーティーメンバー全員に、一流冒険者の証が送られることになっている。

 冒険者は、この初回クリア報酬をどれだけ手に入れることができるかが、豊かな暮らしができる条件だって考えている場合が多い。

 でも実際には、E級~B級までの初回クリア報酬を手にする者は一握りだ。
 特にB級ダンジョンの初回クリア報酬は一番入手が難しくて、シルワの冒険者ギルドだと、天空のティアラっていう――

 〝いいなぁ~天空のティアラ。あれ憧れだよぉ。一度でいいから付けてみたい!〟

 〝セシリアちゃんなら絶対に似合うよ! だって、あんな美人さんなんだもん♪〟

(っ!)

 その瞬間、この前ノエルに言われた言葉がフラッシュバックする。

 それと同時に、追放されたあの最悪な日の出来事をまた思い出してしまった。

「……はぁ」

 あれからまだ1週間も経っていないんだ。

(そう簡単に、嫌な記憶が消えて無くなるわけじゃないってことか……)

 とにかく、今は余計なことを考えるのはやめよう。
 地道にLPを積み重ねて、強くなっていくしかないんだから。



 ◇



 6日目。
 この日は、道具屋でマジックポーションを1個、水晶ジェムを10個購入してから【グラキエス氷窟】へ。

-----------------

◆水晶ジェム
・買値100アロー/売値30アロー

-----------------

 昨日、あの後残りのLPをすべてMPに変換しておいた。
 今後、魔法を使う機会も増えてくるはずだし、MPは多いに越したことないって思ったからだ。

 これからは、クインペリー相手に魔法をどんどん使っていくぞ。





(……のつもりだったんだけど)

 まさか、まだスライムが残っていたなんて。

 クインペリーが出現するフロアへ降りるまでの間、スライムをなんと4体も討伐することに成功。

 昨日、あれだけ探し回ってもなかなか見つからなかったのに、諦めた途端に発見できてしまった。
 とにかく、まだスライムが残っていたのはありがたいことだった。

 ドカーンッ!!

「ピゲェェッ~~!?」

 そんなことを考えているうちに、《ファイヤーボウル》がクインペリーに直撃する。

「よっしゃ! これで3体目!」

 不意打ちを食らい、黒焦げとなったクインペリー。
 申し訳ないけど、これもLPを増やすために必要な行為なんだ。ごめん……。

 ちょっとだけ罪悪感を抱きつつも、両手をかざしてLPを吸い上げる。
 クインペリーは光とともに、僕の手のひらへと吸い込まれていった。
 
「これでLP11か。そうだな。キリがいいから全部MPに振り分けちゃおう」

 水晶ディスプレイを立ち上げると、指で弾いて指示を送る。

 『【MP】にLPを10振り分けました。現在、あなたの【MP】最大値は30です』

 アナウンス画面を確認すると、待ってましたと言わんばかりに、このタイミングでマジックポーションを使用する。
 これまでは、MPの回復量的にマジックポーションを使うのがもったいない気がしていたけど、今回からMPが30回復してちょうどいい感じ。

 MPが全回復したところで、僕はさらに下の階層を目指して進んで行った。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。

桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。

A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~

名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」 「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」 「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」 「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」 「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」 「くっ……」  問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。  彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。  さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。 「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」 「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」 「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」  拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。  これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?

名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」 「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」 「それは貴様が無能だからだ!」 「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」 「黙れ、とっととここから消えるがいい!」  それは突然の出来事だった。  SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。  そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。 「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」 「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」 「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」  ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。  その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。 「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」

処理中です...