ギャルといちゃこらしていたらダンジョン探索がはかどった件。うちのお菊がもふもふで可愛すぎる♡

マネキネコ

文字の大きさ
8 / 11

8. お邪魔虫にはなりたくない

しおりを挟む
 ――ボスボス! ――ボスボス!

 お菊である。

 こうして毎朝、部屋にやってきては布団を叩いて、寝坊助の僕を起こしてくれるのだ。

 「ん、んん~、お菊おはよう!」

 僕が起きたのを確認するとお菊はリビングの方へ戻っていった。

 枕元に置いていたスマホを見ると、午前6時をすこしまわったところだ。

 「さーて起きるかな」

 あまりゆっくりしていると、お菊が再びやってきて僕の顔をぐちょぐちょにしてしまうからね。

 僕は寝巻代わりにしている黒のスウェットを着たままリビングに行く。

 テレビをつけてから洗面所へ行き、歯を磨いて顔を洗った。

 「お菊、お待たせ~」

 尻尾を振りながら待っているお菊にハーネスをつけ、散歩用の小さいバッグを持ったら、朝の散歩へGO!

 えっ、ご飯はあげないのかって?

 朝ご飯は散歩のあとなんだ。

 犬はご飯食べてから、すぐ散歩に行くと消化不良を起こしてしまうんだ。

 それが原因で腸にダメージを負ったりするから絶対にダメ。

 散歩は雨が降らないかぎりは朝夕2回おこなっている。朝は30分、夕方は40分ぐらいかな。

 雨が降ったらお休み。お菊も濡れるのがわかっているから素直に従ってくれる。

 パラパラ小雨の時でも一応中止にしている。

 だってほら、うちの玄関やエントランスでブルブルされると他の人にも迷惑掛けてしまうでしょ。

 それに、お風呂にも入らないといけなくなるし。

 あと、ダンジョンで探索した日は、夕方の散歩は免除してもらっている。

 散歩から帰ってきたら、お菊のご飯。

 ステンレスの餌入れボウルにパラパラとドッグフードを盛り、

 「まだよ~、まだよ~、…………はいヨシ!」

 お菊がご飯を食べている間に、

 僕は学園の制服に着替え、テレビを見ながら髭を剃る。

 といっても、髭はまだ薄いので二日に一回電気シェーバーをあてるだけ。

 ご飯を食べ、お水をたらふく飲んだお菊。

 今度はトイレに行くように促す。

 「はーいお菊、次はトイレだよ。一二一二! 一二一二!」

 その掛け声に反応したお菊はトイレに移動、シートの上でくるくる回りだす。

 犬用のトイレはケージから結構離れたところに置いてある。

 大型犬用なのでケージもトイレもかなりデカい。

 もう、このリビングはお菊の部屋みたいなものだよ。

 トイレシートを交換し、餌入れボウルを洗ったら、ようやく僕のご飯。

 テレビを見ながらゆっくり朝食をとる。

 高校に通っている身でいえば、毎日結構大変なことをやっているわけだけど。

 いつも僕の帰りを待っているお菊のことを考えると、弱音なんて吐いていられない。

 それに、もう慣れちゃったし。

 僕にくっついて、しきりに甘えてくるお菊は本当にかわいいからね。

 かわいいは正義なのだ。

 僕はお菊のためなら、どんだけでも頑張れると思う。





 まあ、こんな生活が送れているのも熊ゴローのおかげだったりする。

 そうそう、探索者をやっている僕の叔父さんね。

 日本ダンジョン協会に所属して、今は協会の若手なんかを育成しているそうだ。

 ダンジョン災害で両親を亡くし、行く当てがなかった僕を引き取り、ここまで育ててくれた大恩人。

 さらには、お菊という大事な家族を僕に託してくれたのだ。

 おそらく、一生頭が上がらないと思う。

 そんな五郎おじさんは昨年結婚した。

 あの熊みたいな五郎おじさんが、もうデレッデレだったからね。

 奥さんの名前はミサトさん、御年19歳。

 長い黒髪が似合う、スレンダーでパリッとした美人さんだ。

 結婚当時はまだ18歳だったよね……。これって普通に犯罪じゃね?

 だって熊ゴローはそのとき30歳だったんだよ。

 お巡りさんはなにをやってたんだ? 捕まえとけよなー。

 まあ、ホントに捕まっちゃったら僕の生活も脅かされるわけで。

 それはいいとしてだ。

 そこから僕の一人暮らしが始まったんだよね。

 もちろんミサトさんは一緒に住もうって言ってくれているし、

 五郎おじさんにおいては僕が出ていくことなんか、はなから考えていなかったみたいで、

 それはとても驚いていた。

 だけど僕は、ふたりの邪魔はしたくなかったんだよね。

 今までは僕が居たせいで、おじさんはかなりの部分我慢してきたんじゃないかと思う。

 ひとえに10年といっても、長いよね。

 実際、ふたりのお付き合いにしたって今まで大変だったはず。

 それがようやく実を結んで、結婚して。

 これからあま~い新婚生活だよ。

 こんなデレッデレなおじさんのことを、僕が邪魔できるわけがない!

 まあ、一緒に住んでいたとしても、

 僕に構うことなく毎晩のように家を揺らしていたとは思うんだけどね。

 それはそれで、いたたまれないでしょう。

 朝からどんな顔をすればいいのよ?

 何食わぬ顔して、みんなで朝食を食べるなんて、思春期の僕には絶対ムリポ。

 それでもって、『昨夜ゆうべは随分とお楽しみでしたねぇ』なんて言えるか、バカやろー!

 てなわけで、

 熊ゴローと嫁さんと僕、三人でよくよく話し合った結果、今のような体制が構築されたというわけですよ。はい。





 僕とお菊が住んでいるこの1LDKのマンション。

 家賃はなんと17万円。

 それに食費だのなんだの言ってたら、あっという間に25万円は超えてしまう。

 それに学費や学用品だってあるんだよ。

 いくら両親が残してくれた保険金や見舞金があるからといっても、すぐに足が出てしまうだろう。

 それなのに熊ゴローの奴は、

 「そんなもん何でもねー。気を使ってちまちま倹約なんかしてんじゃねーぞ」

 こんな調子だ。さらには、

 「姉さんたちが残したもんはみんなおまえのもんだ。高校卒業したら渡してもらえるよう弁護士に
言ってあるから、楽しみに待ってろ」

 これである。養育費として一部もらったとしても、なにも問題なかったはずなのに。

 それでも、僕としては借りたものはきちんと返そうと思っている。

 無理かもしんないけど、それでも家計簿はしっかり付けているからね!





 「じゃあお菊行ってくるね。知らないおじさんが来てもマンションの中に入れちゃダメだぞ」

 「ワフッ」

 部屋の戸締りをし、マンション前の歩道に自転車を出したらヘルメットをかぶる。

 自転車にまたがり、ゆっくりペダルを回していく。

 「ううっ、ヤバい! ギアが重たいままだった」

 フラフラしながらシフトチェンジを行い、自転車はようやくスムーズに走り出した。

 ここから学園までは10分ちょっと、僕の学園生活が今日も始まる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣

織部
ファンタジー
 ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。  背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。  母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。  セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。  彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。  セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。 「セラ、ウミ」 「ええ、そうよ。海」 ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します! カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。

天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~

仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

処理中です...