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第24話 まどろみを打ち砕くもの。 ♡ (王妃の視点)
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「視察……ですか」
「ああ。この時期に一緒にいてやれないのは申し訳ないが。ロシュブールの方で、不穏な動きがあると報告されたのでな」
すまないと、背後から声をかけられた。
陛下の腕がわたくしを抱きしめ、大きく膨らみ始めたお腹を撫でる。
「わたくしのことはお気になさらずに。それよりもお身体に気をつけてくださいませ」
不穏な動きと、陛下は表現したけれど、その地域に起こっているのは暴動だ。
戦争で疲弊し飢えた国民が、小麦を求めて起こしたという情報を得ている。ロシュブールでは、この冬、小麦の価格が異様に高騰しているらしい。
わたくしと結婚して国庫を潤した陛下は、そのようなことにならないよう、食糧庫を開き、小麦の価格を抑えるように手配していたはずなのに。国内だけで小麦が足りなければ、輸入してでも分配できるように気を使っていらした。
それなのに。
イヤな予感がする。
暴動は、簡単に治まってくれるのかしら。
「子が産まれる春までには帰ってくる。そう不安そうな顔をするな。腹の子に悪いぞ」
ふり返ったわたくしに陛下が口づける。
少し苦しい体勢だったけれど、不安になるわたくしを慰めてくれているのだと思えば、ぎこちなくても必死に口づけを交わす。
「んっ、ふっ、んん……」
口づけの間に陛下の手が、わたくしの片足を持ち上げる。軽く開いた脚の間にこすりつけられたのは、先ほど出したばかりだというのに、また硬くそそり立った長大な陰茎。
「あっ、リオネルさま……」
子が大きくなるにつれ、女としての欲は薄れてきているけど、それでも、こうして求められるように動かされれば、欲しいと願ってしまう。
「挿れるぞ」
わたくしの願いを察したように、ニュプッと陰茎が挿し込まれた。
「あっ、ああっ、いっ、ああっ……」
お腹をいたわるような動きに激しさはない。
「リオネルさまぁ、あっ、はあっ、ああっ!」
「マリア、お前と子どもだけは、オレが必ず守る」
その言葉に、刻まれる律動に、うれしくて涙がこぼれそうになる。
「愛してるっ、マリアッ!」
「あっ、ああ――――っ!」
膣の浅いところで彼の情熱を受け止める。
軽く身体を震わし、すべてを受け入れても、陛下はまだ繋がりを解こうとはしなかった。
「オレの帰るべき場所はお前のいる所だけだ。だから、待っていてくれ、マリア」
「……はい。無事のご帰還をお待ちしております」
大丈夫。陛下の愛さえあれば。わたくしはどれだけ寂しくっても、不安でも、帰りを信じて待つことが出来る。
身体のなかから、抱きしめられたその腕から。
じんわりと広がる幸せに、ギュッと目を閉じた。
翌朝。
まだ日の昇り切らない時刻に、陛下は配下の騎士を引き連れ、王都を出立する。一応の名目は視察。相手を刺激しないよう、同行する騎士の数はそこまで多くない。
寂しいけれど、不安だけれど、口に出して伝えることは出来ない。
王妃として、彼にふさわしい妻として恥ずかしくないように、笑顔で送り出す。
「いってくる」
無理矢理笑顔を作った私の頬に、軽く口づけを残して、陛下が馬上に身を翻す。
「出立っ!」
広場に、ルシアンの号令が響き渡る。
彼らが門を抜け、その姿が見えなくなるまで、私はずっと見送り続けた。
「姫さま……」
かたわらにはオルガ。彼女も不安なのだろう。その眉が少し下がっているような気がした。両手は祈るような形のまま、強く握りしめられている。
「大丈夫よ。無事に帰ってくるわ」
オルガに、お腹の子に、そしてなにより自分自身に言い聞かせるように口にする。
大丈夫、大丈夫よ。
彼は、必ず無事に帰ってくるわ。
* * * *
『ロシュブールの朝は、毎回驚かされる。昨日、なんともなかったはずところが、夜が明けてみれば、一面の銀世界になっているんだ。夜の間に降り積もった雪は、日中、日差しが注ごうとも、溶ける様子すらない。白一色の世界に、抜けるような青い空。雪を知らないお前は驚くだろうか。一度でいいから、お前にこの美しい世界を見せてやりたいと思う。だが、今はダメだな。身体を冷やすと子に悪いと聞いた。雪はなくとも、王都は寒い。オレが帰るまで、身体を大事にして待っていてくれ』
ロシュブールから届く、陛下の手紙。
お忙しいだろうに、わたくしを安心させるためだろう。一日とおかずに、まめに届けられる。
『雪なら、こちらでも降りました。初めて目にいたしましたが、とても冷たく、不思議なものなのですね。もしかしたら、王都に降った雪は、ロシュブールから流れてきたものかもしれませんね。陛下のお心が雪となって、わたくしのもとに届いたのかしら。そう考えたら、とても冷たいものなのに、心が不思議と温かくなります』
『オレの心を雪のように淡いものに例えられるのは心外だな。だが、そうやってお前のもとに飛んでゆけるのなら、悪くないかもしれない。マリア、お前の胸に抱かれて、溶けるような幸せを感じたい。お前のもとでなら、消える運命ですら幸せに思えるだろう。春になり、雪が溶けるころには王都へ戻る。それまで、身体を大事に、待っていてくれ』
『消える運命だなど、悲しいことをおっしゃらないでくださいまし。わたくしは、アナタが春を告げる鳥のように、幸せを連れて帰ってきてくださることを、お腹の子とともに、お待ちしております。王都に、そしてわたくしの身の上に、春をもたらすのは、リオネルさま、アナタだけなのですから』
* * * *
「姫さま、お手がとまっていらっしゃいますよ」
オルガに指摘され、あわてて目線を戻す。
手元には針が止まったままの刺繍。生まれてくる子のためにあつらえた産着に刺繍を刺していたのだけれど、つい窓の外、鳥のさえずりに気をとられてしまっていた。
「ごめんなさい。ちょっと考え事をしていただけなの」
春になれば、リオネルさまは帰ってくる。
そう、最近の手紙にも書いてあった。
ロシュブールの暴動は、陛下がもたらした大量の小麦のおかげで、簡単に鎮圧できたらしい。民衆は生きてくのにじゅうぶんな食糧さえあれば、命をかけて争いを起こそうとはしない。冬の間に鎮圧できた暴動だったが、陛下は、すぐに戻ってくることは出来なかった。
ロシュブールは、手紙にあったように雪が多い地域で、陛下たち一行は、そのまま足止めされてしまった。
ちょうど治安の面でも不安があったので、それをよい機会とばかりに陛下はロシュブールに滞在し、政務に当たられていた。
そして、春。
雪が溶けた今、王都に帰還してくる。先日届いた手紙にはそう書いてあった。
王都に春を運ぶ鳥にしては遅いけれど、それでも、私に幸せをもたらしてくれるであろう、陛下の帰還。
鳥の鳴き声が、それを知らせてるように思えて、つい、窓の外に目がいってしまったのだ。
「陛下、ご出産には間に合いそうですね」
「ええ。この子も早くお父さまに会いたいでしょうね」
日々大きくなっていくお腹。陛下が出立されたころは、小さくチョンチョンと動くのが伝わるだけだったのに、今では、グニーッとお腹の形を変えるぐらい大きく動く。
押し出しているのは手かしら。足かしら。服の上からでもわかるぐらい形を変えたお腹を優しくさする。そうすることで、子が落ち着くのか、歪んだお腹がもとに戻っていく。
「陛下とお子さま、どちらが先に姫さまと対面なさるのでしょうね」
父子で競争かしら。ちょっと想像すると面白そうね。
「男の子かしら、女の子かしら。陛下は、女の子をご所望だったのだけど」
「男の子だと思いますよ。姫さまのお腹、かなり前へと突き出ておりますから」
「あら、そんなことでわかるの!?」
「ええ。迷信かもしれませんが、男の子が宿ると、その腹は前へと突き出るそうですよ。男性の象徴であるイチモツがお腹を前に押し出すのだとか」
「そんな、男の子といってもまだ赤子よ?」
いくらなんでも、そんな大きなものを持ってないんじゃないかしら。
「そうですね、だから迷信だとは思いますけど」
「そうね、迷信ね。でも、もしそれが本当なら、おもしろいわね」
クスクスと二人で笑いあう。
「……あら?」
不意に笑いをおさめ、オルガが立ち上がる。
「なにか、焦げ臭いような……」
言われて、わたくしも鼻を動かす。確かに、かすかだけど焦げ臭い煙の臭いがした。
「少し様子を見てまいります」
春先とはいえ、まだ寒い。どこかの部屋の暖炉で、おかしなことになっているのかもしれない。
オルガが廊下に続く扉を開ける。
「……なっ!」
広いはずの回廊。そこに充満していたのは白い煙と……赤い炎。
部屋の外は、すでに熱い火に包まれていた。
「ああ。この時期に一緒にいてやれないのは申し訳ないが。ロシュブールの方で、不穏な動きがあると報告されたのでな」
すまないと、背後から声をかけられた。
陛下の腕がわたくしを抱きしめ、大きく膨らみ始めたお腹を撫でる。
「わたくしのことはお気になさらずに。それよりもお身体に気をつけてくださいませ」
不穏な動きと、陛下は表現したけれど、その地域に起こっているのは暴動だ。
戦争で疲弊し飢えた国民が、小麦を求めて起こしたという情報を得ている。ロシュブールでは、この冬、小麦の価格が異様に高騰しているらしい。
わたくしと結婚して国庫を潤した陛下は、そのようなことにならないよう、食糧庫を開き、小麦の価格を抑えるように手配していたはずなのに。国内だけで小麦が足りなければ、輸入してでも分配できるように気を使っていらした。
それなのに。
イヤな予感がする。
暴動は、簡単に治まってくれるのかしら。
「子が産まれる春までには帰ってくる。そう不安そうな顔をするな。腹の子に悪いぞ」
ふり返ったわたくしに陛下が口づける。
少し苦しい体勢だったけれど、不安になるわたくしを慰めてくれているのだと思えば、ぎこちなくても必死に口づけを交わす。
「んっ、ふっ、んん……」
口づけの間に陛下の手が、わたくしの片足を持ち上げる。軽く開いた脚の間にこすりつけられたのは、先ほど出したばかりだというのに、また硬くそそり立った長大な陰茎。
「あっ、リオネルさま……」
子が大きくなるにつれ、女としての欲は薄れてきているけど、それでも、こうして求められるように動かされれば、欲しいと願ってしまう。
「挿れるぞ」
わたくしの願いを察したように、ニュプッと陰茎が挿し込まれた。
「あっ、ああっ、いっ、ああっ……」
お腹をいたわるような動きに激しさはない。
「リオネルさまぁ、あっ、はあっ、ああっ!」
「マリア、お前と子どもだけは、オレが必ず守る」
その言葉に、刻まれる律動に、うれしくて涙がこぼれそうになる。
「愛してるっ、マリアッ!」
「あっ、ああ――――っ!」
膣の浅いところで彼の情熱を受け止める。
軽く身体を震わし、すべてを受け入れても、陛下はまだ繋がりを解こうとはしなかった。
「オレの帰るべき場所はお前のいる所だけだ。だから、待っていてくれ、マリア」
「……はい。無事のご帰還をお待ちしております」
大丈夫。陛下の愛さえあれば。わたくしはどれだけ寂しくっても、不安でも、帰りを信じて待つことが出来る。
身体のなかから、抱きしめられたその腕から。
じんわりと広がる幸せに、ギュッと目を閉じた。
翌朝。
まだ日の昇り切らない時刻に、陛下は配下の騎士を引き連れ、王都を出立する。一応の名目は視察。相手を刺激しないよう、同行する騎士の数はそこまで多くない。
寂しいけれど、不安だけれど、口に出して伝えることは出来ない。
王妃として、彼にふさわしい妻として恥ずかしくないように、笑顔で送り出す。
「いってくる」
無理矢理笑顔を作った私の頬に、軽く口づけを残して、陛下が馬上に身を翻す。
「出立っ!」
広場に、ルシアンの号令が響き渡る。
彼らが門を抜け、その姿が見えなくなるまで、私はずっと見送り続けた。
「姫さま……」
かたわらにはオルガ。彼女も不安なのだろう。その眉が少し下がっているような気がした。両手は祈るような形のまま、強く握りしめられている。
「大丈夫よ。無事に帰ってくるわ」
オルガに、お腹の子に、そしてなにより自分自身に言い聞かせるように口にする。
大丈夫、大丈夫よ。
彼は、必ず無事に帰ってくるわ。
* * * *
『ロシュブールの朝は、毎回驚かされる。昨日、なんともなかったはずところが、夜が明けてみれば、一面の銀世界になっているんだ。夜の間に降り積もった雪は、日中、日差しが注ごうとも、溶ける様子すらない。白一色の世界に、抜けるような青い空。雪を知らないお前は驚くだろうか。一度でいいから、お前にこの美しい世界を見せてやりたいと思う。だが、今はダメだな。身体を冷やすと子に悪いと聞いた。雪はなくとも、王都は寒い。オレが帰るまで、身体を大事にして待っていてくれ』
ロシュブールから届く、陛下の手紙。
お忙しいだろうに、わたくしを安心させるためだろう。一日とおかずに、まめに届けられる。
『雪なら、こちらでも降りました。初めて目にいたしましたが、とても冷たく、不思議なものなのですね。もしかしたら、王都に降った雪は、ロシュブールから流れてきたものかもしれませんね。陛下のお心が雪となって、わたくしのもとに届いたのかしら。そう考えたら、とても冷たいものなのに、心が不思議と温かくなります』
『オレの心を雪のように淡いものに例えられるのは心外だな。だが、そうやってお前のもとに飛んでゆけるのなら、悪くないかもしれない。マリア、お前の胸に抱かれて、溶けるような幸せを感じたい。お前のもとでなら、消える運命ですら幸せに思えるだろう。春になり、雪が溶けるころには王都へ戻る。それまで、身体を大事に、待っていてくれ』
『消える運命だなど、悲しいことをおっしゃらないでくださいまし。わたくしは、アナタが春を告げる鳥のように、幸せを連れて帰ってきてくださることを、お腹の子とともに、お待ちしております。王都に、そしてわたくしの身の上に、春をもたらすのは、リオネルさま、アナタだけなのですから』
* * * *
「姫さま、お手がとまっていらっしゃいますよ」
オルガに指摘され、あわてて目線を戻す。
手元には針が止まったままの刺繍。生まれてくる子のためにあつらえた産着に刺繍を刺していたのだけれど、つい窓の外、鳥のさえずりに気をとられてしまっていた。
「ごめんなさい。ちょっと考え事をしていただけなの」
春になれば、リオネルさまは帰ってくる。
そう、最近の手紙にも書いてあった。
ロシュブールの暴動は、陛下がもたらした大量の小麦のおかげで、簡単に鎮圧できたらしい。民衆は生きてくのにじゅうぶんな食糧さえあれば、命をかけて争いを起こそうとはしない。冬の間に鎮圧できた暴動だったが、陛下は、すぐに戻ってくることは出来なかった。
ロシュブールは、手紙にあったように雪が多い地域で、陛下たち一行は、そのまま足止めされてしまった。
ちょうど治安の面でも不安があったので、それをよい機会とばかりに陛下はロシュブールに滞在し、政務に当たられていた。
そして、春。
雪が溶けた今、王都に帰還してくる。先日届いた手紙にはそう書いてあった。
王都に春を運ぶ鳥にしては遅いけれど、それでも、私に幸せをもたらしてくれるであろう、陛下の帰還。
鳥の鳴き声が、それを知らせてるように思えて、つい、窓の外に目がいってしまったのだ。
「陛下、ご出産には間に合いそうですね」
「ええ。この子も早くお父さまに会いたいでしょうね」
日々大きくなっていくお腹。陛下が出立されたころは、小さくチョンチョンと動くのが伝わるだけだったのに、今では、グニーッとお腹の形を変えるぐらい大きく動く。
押し出しているのは手かしら。足かしら。服の上からでもわかるぐらい形を変えたお腹を優しくさする。そうすることで、子が落ち着くのか、歪んだお腹がもとに戻っていく。
「陛下とお子さま、どちらが先に姫さまと対面なさるのでしょうね」
父子で競争かしら。ちょっと想像すると面白そうね。
「男の子かしら、女の子かしら。陛下は、女の子をご所望だったのだけど」
「男の子だと思いますよ。姫さまのお腹、かなり前へと突き出ておりますから」
「あら、そんなことでわかるの!?」
「ええ。迷信かもしれませんが、男の子が宿ると、その腹は前へと突き出るそうですよ。男性の象徴であるイチモツがお腹を前に押し出すのだとか」
「そんな、男の子といってもまだ赤子よ?」
いくらなんでも、そんな大きなものを持ってないんじゃないかしら。
「そうですね、だから迷信だとは思いますけど」
「そうね、迷信ね。でも、もしそれが本当なら、おもしろいわね」
クスクスと二人で笑いあう。
「……あら?」
不意に笑いをおさめ、オルガが立ち上がる。
「なにか、焦げ臭いような……」
言われて、わたくしも鼻を動かす。確かに、かすかだけど焦げ臭い煙の臭いがした。
「少し様子を見てまいります」
春先とはいえ、まだ寒い。どこかの部屋の暖炉で、おかしなことになっているのかもしれない。
オルガが廊下に続く扉を開ける。
「……なっ!」
広いはずの回廊。そこに充満していたのは白い煙と……赤い炎。
部屋の外は、すでに熱い火に包まれていた。
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