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前編 新たなる世界
第六話 職業資質と壁
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「よし、一から教えてやろう……この世界の理をな……」そう言い、イカルロスは静かに語り始めた。
「まず、皆が口にしている『魔法』や『スキル』というものは、この世界に生まれた人間が持つ『資質』によって発動するものだ」
「資質?……」(さっきからこのイカルロス様は資質、資質ってしつこく言っているけど才能か何かなのか?)ノエルは首を傾げた。
イカルロスは懐から小さな水晶玉を取り出し、ノエルの前に差し出した。
「さあ、ノエル、この水晶に手を置いてみたまえ」
ノエルは言われるがまま、ひんやりとした水晶に手を触れた。すると水晶の内部から淡い光りが溢れ出し、空中にホログラムのように文字が浮かび上がった。
***治癒士***
「ほう、やはりそうか。ノエルの資質は『治癒士(ヒーラー)』それも極めて濃い、類稀な才能を持っているぞ!」イカルロスは我がことのように満面の笑みを浮かべた。
「この世界では、その資質によって就ける職業(ジョブ)の適性が決まるのだ」
「ノエルのように治癒士(ヒーラー)の資質が濃い者は、回復魔法の力が強くなる代わりに、他の能力は低くなるのが道理だ」
「他の能力が低くなる……?」
「そうだ、たとえば、ノエルが憧れるアタッカーの代表である戦士(ソルジャー)は『筋力』の資質」
「魔術士(マジシャン)や治癒士は『魔力』の資質が重要となる」
「資質がない者がいくら努力しても、その職業で一流になるのは極めて難しいのだ」
「ノエル、君がルナ・グリズリーに繰り出した体術は君自身の筋力、つまり『肉体』の能力に依存するだろう?だが、残念だが君の筋力適性は極端に低い」
イカルロスは言い聞かせるようにノエルを静かに諭した。
「さっきも言ったが治癒士というのは、パーティの後方で仲間を回復するのが役割だ」
「君がいくら体術を極めようとしても、本職の戦士や武術士には遠く及ばない……それが、この世界の『資質の壁』なのだよ……」
「資質の壁……」ノエルは心臓がバクバクと鼓動し、息苦しさを感じた。
(別に俺だって空手の才能がすげぇあったわけじゃねぇけど、努力と気合と根性で乗り越えてきたのによ……努力も報われないっていうのかよ……)
「イカルロス様、それで……俺の今のステータス(能力値)って具体的にわかるんすか?」
「あぁ、もちろんわかるとも。もう一度この水晶に手を乗せて念じてみなさい」
水晶が再び淡い光を放ち壁にホログラムのような画面を写しだした。
< ステータス >
・名前:ノエル・ブライトン
・年齢:10歳
・レベル:1
・クラス:未登録
・職業:治癒士(ヒーラー)・(適性:極高)
・筋力:E(極弱)
・体力:E(極弱)
・耐久力:E(極弱)
・反射力:E(極弱)
・知力:B(高)
・魔力:B(高)
・スキル:回復魔法(D)
・スキル:体術・空手を含む(無効)……職業適性外
「筋力E.....体力E……耐久力E.....反射E……体術・空手を含む(無効)?職業適性外?そ、そんな……」ノエルはあまりの数値を見て目の前が真っ暗になった。
ショックで気が動転し思わず立ち上がろうとしたが、激しい眩暈がしてベッドに崩れ落ちた。
「ノエル、落ち着いて!あなたまだ完全に回復していないんだからね!」マリーベルが慌ててノエルを支える。
「イカルロス様の言う通りよ、ノエル。あなたはただでさえ体が弱いんだから、もう二度とあんな無茶はしないで。あなたは……治癒士なんだから!」
マリーベルの心配して発した言葉がかえってノエルの胸に深く刺さった。
(ガーン……そ、そんな治癒士は後方で仲間を治すのが使命......それが、空手一筋だった俺のこれからの人生なんて……)
「せっかくRPG世界に転生したのに戦闘に参加せず地味に後衛で治療してろっていうんすか……」ノエルは呟いた。
「ん?RPG世界?転生?……ノ、ノエル……治癒士は地味に見えるかもしれないが戦闘を左右するくらい重要な職業だぞ!」イカルロスはノエルに静かに諭した。
ノエルは自分の小さな手のひらを見つめた。
(治癒士が大事な職業だって知ってるよ!必ずパーティに組み込んでゲームしてたからよ……ただ、自分がなるとかは別の話しだ!こんな地味な生き方は絶対に受け入れられねぇ......)ノエルは心の中で叫んだ。
(それに、治癒士じゃあカッコ悪くて女の子にモテねぇじゃんよ!!)ノエルの目から、今にも悔し涙が溢れそうだった。
「ノエル、まあそう落ち込むな。レベルを上げていけば、いつか君の適性に合った戦い方も見つかるかもしれんぞ!そうしたら気持ちも変わるだろう」
「えっ?レベルって上がると強くなれる??」ノエルはふと顔を上げた。
「もちろんだとも!」イカルロスは大きく頷いた。
「ところでノエル、さっきから君が言っている空手ってなんなのかな?ステータスにも表示されてたけど初めて見たよ......」
「えっ?あっ、ええと、何でもないっす……」(いけねぇ、この世界には空手はなさそうだ、俺が転生したっていうのはバレない方がいいだろう……)と、ノエルは瞬時に思った。
「そうか……まぁよい。ノエルが元気そうで安心したよ」イカルロスは安堵し上機嫌となった。
「ではこの世界の強さの仕組みに……レベルとクラス(階級)をもう少し詳しく教えてやろう……」イカルロスの語りは続く。
「まず、皆が口にしている『魔法』や『スキル』というものは、この世界に生まれた人間が持つ『資質』によって発動するものだ」
「資質?……」(さっきからこのイカルロス様は資質、資質ってしつこく言っているけど才能か何かなのか?)ノエルは首を傾げた。
イカルロスは懐から小さな水晶玉を取り出し、ノエルの前に差し出した。
「さあ、ノエル、この水晶に手を置いてみたまえ」
ノエルは言われるがまま、ひんやりとした水晶に手を触れた。すると水晶の内部から淡い光りが溢れ出し、空中にホログラムのように文字が浮かび上がった。
***治癒士***
「ほう、やはりそうか。ノエルの資質は『治癒士(ヒーラー)』それも極めて濃い、類稀な才能を持っているぞ!」イカルロスは我がことのように満面の笑みを浮かべた。
「この世界では、その資質によって就ける職業(ジョブ)の適性が決まるのだ」
「ノエルのように治癒士(ヒーラー)の資質が濃い者は、回復魔法の力が強くなる代わりに、他の能力は低くなるのが道理だ」
「他の能力が低くなる……?」
「そうだ、たとえば、ノエルが憧れるアタッカーの代表である戦士(ソルジャー)は『筋力』の資質」
「魔術士(マジシャン)や治癒士は『魔力』の資質が重要となる」
「資質がない者がいくら努力しても、その職業で一流になるのは極めて難しいのだ」
「ノエル、君がルナ・グリズリーに繰り出した体術は君自身の筋力、つまり『肉体』の能力に依存するだろう?だが、残念だが君の筋力適性は極端に低い」
イカルロスは言い聞かせるようにノエルを静かに諭した。
「さっきも言ったが治癒士というのは、パーティの後方で仲間を回復するのが役割だ」
「君がいくら体術を極めようとしても、本職の戦士や武術士には遠く及ばない……それが、この世界の『資質の壁』なのだよ……」
「資質の壁……」ノエルは心臓がバクバクと鼓動し、息苦しさを感じた。
(別に俺だって空手の才能がすげぇあったわけじゃねぇけど、努力と気合と根性で乗り越えてきたのによ……努力も報われないっていうのかよ……)
「イカルロス様、それで……俺の今のステータス(能力値)って具体的にわかるんすか?」
「あぁ、もちろんわかるとも。もう一度この水晶に手を乗せて念じてみなさい」
水晶が再び淡い光を放ち壁にホログラムのような画面を写しだした。
< ステータス >
・名前:ノエル・ブライトン
・年齢:10歳
・レベル:1
・クラス:未登録
・職業:治癒士(ヒーラー)・(適性:極高)
・筋力:E(極弱)
・体力:E(極弱)
・耐久力:E(極弱)
・反射力:E(極弱)
・知力:B(高)
・魔力:B(高)
・スキル:回復魔法(D)
・スキル:体術・空手を含む(無効)……職業適性外
「筋力E.....体力E……耐久力E.....反射E……体術・空手を含む(無効)?職業適性外?そ、そんな……」ノエルはあまりの数値を見て目の前が真っ暗になった。
ショックで気が動転し思わず立ち上がろうとしたが、激しい眩暈がしてベッドに崩れ落ちた。
「ノエル、落ち着いて!あなたまだ完全に回復していないんだからね!」マリーベルが慌ててノエルを支える。
「イカルロス様の言う通りよ、ノエル。あなたはただでさえ体が弱いんだから、もう二度とあんな無茶はしないで。あなたは……治癒士なんだから!」
マリーベルの心配して発した言葉がかえってノエルの胸に深く刺さった。
(ガーン……そ、そんな治癒士は後方で仲間を治すのが使命......それが、空手一筋だった俺のこれからの人生なんて……)
「せっかくRPG世界に転生したのに戦闘に参加せず地味に後衛で治療してろっていうんすか……」ノエルは呟いた。
「ん?RPG世界?転生?……ノ、ノエル……治癒士は地味に見えるかもしれないが戦闘を左右するくらい重要な職業だぞ!」イカルロスはノエルに静かに諭した。
ノエルは自分の小さな手のひらを見つめた。
(治癒士が大事な職業だって知ってるよ!必ずパーティに組み込んでゲームしてたからよ……ただ、自分がなるとかは別の話しだ!こんな地味な生き方は絶対に受け入れられねぇ......)ノエルは心の中で叫んだ。
(それに、治癒士じゃあカッコ悪くて女の子にモテねぇじゃんよ!!)ノエルの目から、今にも悔し涙が溢れそうだった。
「ノエル、まあそう落ち込むな。レベルを上げていけば、いつか君の適性に合った戦い方も見つかるかもしれんぞ!そうしたら気持ちも変わるだろう」
「えっ?レベルって上がると強くなれる??」ノエルはふと顔を上げた。
「もちろんだとも!」イカルロスは大きく頷いた。
「ところでノエル、さっきから君が言っている空手ってなんなのかな?ステータスにも表示されてたけど初めて見たよ......」
「えっ?あっ、ええと、何でもないっす……」(いけねぇ、この世界には空手はなさそうだ、俺が転生したっていうのはバレない方がいいだろう……)と、ノエルは瞬時に思った。
「そうか……まぁよい。ノエルが元気そうで安心したよ」イカルロスは安堵し上機嫌となった。
「ではこの世界の強さの仕組みに……レベルとクラス(階級)をもう少し詳しく教えてやろう……」イカルロスの語りは続く。
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