空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜

くまみ

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前編 新たなる世界

第十四話 屈辱と現実

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 「ただいま!」

 「ノエル!!あんたなんてことをしてくれたのよ!」

 帰宅早々、母セリアの怒号が飛んできた。

 「か、母ちゃん?なんでそんなに怒ってるのんだよ」

 「なんでって、あんたはもう……!」

 「母ちゃん俺は何にも悪いことはしていないぞ!学校でも良く出来るって先生に褒められたし!」

 「あんた、ライオス君に何したのよ!街中で噂になってるじゃない!」

 ノエルがライオスを返り討ちにした話は、すでに街の噂になっているらしい。

 「ライオス?あぁ、アイツから突っかかってきたからちょいと教育してやったまでよ!ワハハハハハ!」ノエルは腰に手を当て大きく笑い飛ばした?

 「あんたって子は……」セリアはノエルの笑い声を聞き鬼のような形相になった。

 「セ、セリア、落ち着きなさい!まずは事実かどうかを確認して、ノエルだって言い分があるだろうし!」オスカーがセリアとノエルの間に割って入った。

 「あなたがそうやってノエルを甘やかすからこうやってノエルは乱暴になっていくのよ!だいたいノエルは治療士になる子なのよ!」

 「人を癒やす職業なのに暴力を振るうなんて……そんな治療士は前代未聞よ!」セリアは泣き出した。

 (あぁぁぁ……ヤバい!母ちゃん泣き出しちゃった……)ノエルは気まずさを感じた。

 「セ、セリア……」オスカーは困り果てている。

 (や、やばい!レベル51の母ちゃんが泣き止んだ後に、お、俺は瞬殺されるかも……!汗)ノエルはライオスを返り討ちにした反省ではなく、ヒステリックになるセリアに対する恐怖で段々と顔が引き攣っていった。

 **トントン** その時ドアを叩く音がした。

 「はい……」オスカーは扉を開けるとそこにライオスの父、騎士長イカルロスが立っていた。

 「こんばんは、こんな時間に済まない……」イカルロスは低く声を発した。

 「あっ、イカルロス様、あの、息子がライオス君に恥をかかせてしまったようで、大変申し訳なかったです……」オスカーはイカルロスに頭を下げる。

 「イカルロス様、申し訳ございませんでした……うちの子が大変な事をしてしまいなんとお詫びをしたらいいのやら……」セリアは泣きながらイカルロスに謝罪する。

 「母ちゃん、俺は何にも悪い事はしていないぞ!イカルロス様に謝る必要なんてねぇよ!」

 「ノエル!あんたは黙っていなさい!!イカルロス様、うちの子の失礼をお許しください!」

 「セリア!オスカー!頭を上げてくれ!悪いのはライオスでノエルは全く悪くない!……こちらこそ、ノエルに謝らなければならない……」イカルロスは頭を下げた。

 騎士長自ら頭を下げる姿に、一同は呆然とする。

 「えぇ?」セリアは泣き止んで目を丸くし、イカルロスを見つめた。

 イカルロスはノエルのもとに歩み寄る。

 「ノエル、今までライオスが済まなかった……」

 「えっ?今までって……俺は別にライオスから何もされてないっすよ!強いて言えば今日、因縁いんねんつけられて胸ぐら掴まれ突き飛ばされたくらいで……」

 「でもあんなのただの子どもの喧嘩だし、俺も大人気おとなげなくやり返しちゃったんで、ライオス大丈夫っすか?」ノエルの口調は妙に大人っぽかった。

 「えっ?あんたが悪かったわけじゃないの?」セリアはノエルの元に寄りノエルの頭を撫でる。

 「セリア、ノエルが言ったように先に挑発したのも手を出したのもライオスの方だ……しかもライオスに問いただしたらずっと前からノエルに意地悪をしていたらしい……」

 「全く情けない話しだ、をするなんて、アルト家の恥だ!」

 (うわぁ……イカルロス様、今って言ったな!やっぱり俺はだと思われてる……それの方がショックだ……)ノエルはガクッとうなだれた。

 「ライオスは俺の息子って事で調子に乗っているところがある……あいつに俺の血を受け継いでいるから戦士としての資質はあるが自覚がない!」

 「戦士とは強気をくじき者だっ!ましてや将来は騎士になるってのに本当に情けない……」

 「ノエル、ありがとう!自分よりも華奢きゃしゃにやられたってのはアイツにとっても良い薬になっただろう!」

 「ノエル、これからもライオスと仲良くしてやってくれ!」イカルロスはノエルの手を取り強く握りしめた。

 (このおっさん、俺の事、とかとか……俺がマジで気にしている事を何度も連呼しやがった……無意識にディスってるって絶対にわかっていない……泣)ノエルはあまりのショックに、言葉が出なくなった。

 「んっ?ノエルどうした?顔色が悪いぞっ?」イカルロスはノエルの顔をマジマジ見つめた。

 「あっ、イカルロス様、了解っす!あっ……」ノエルは突然眩暈めまいがして、意識を失い倒れてしまった。

 「ノエル!ノエル!大丈夫か?しっかりしろ!」イカルロス、セリア、オスカーがノエルの名前を呼び体をゆすった。

 ノエルは遠くの意識の中で、三人の焦った声が響いていたが、体がいうことを聞かず意識を戻すことが出来なかった。

 

 
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