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序章 葛藤
不器用な ①
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和也と茂はタクシーで出発し、茂のマンション近くのコンビニ前で降りた。
和也は茂の家に持って行く缶ビールを買った。
「いつもありがとうございます」茂は缶ビールの入った袋を持った。
「今日は俺が茂君を付き合わせているんだから、俺の方が申し訳ない・・・」
「和也さん、僕は和也さんの力になれて嬉しいんです!」
茂のマンションは4階建てで茂の部屋は3階部分。
エレベーターはなく階段のみ、築年数はかなり経っているようだが、駅からは徒歩5分以内の立地で便は良かった。
茂の後に付いて和也は階段を登る。
普段は意識していなかったが、まじまじ見る茂の後ろ姿は元ラガーマンだけあって逞しく、和也はドキッとした。
「狭くて汚いところですみません、どうぞお上がりください」
茂の部屋は室内は物は多くなく、こざっぱりしていた。キッチンはミニキッチンで、冷蔵庫はミニ冷蔵庫が備えつけ。
バストイレは別、シングルのベッドにテーブル、低反発のクッションが二つ、備え付けの大きめなクローゼットがあった。
和也はテーブルの前の低反発のクッションに腰を下ろした。
茂は缶ビールを2本だけテーブルの上に置き、残りの缶ビールを冷蔵庫にしまった。
「和也さん暑いですね、今エアコン入れますから」
「悪いね、茂くん・・・お構いなく」和也は茂に声を掛けた。
エアコンの調整をし、茂もテーブルを挟んで、和也の対面に腰を下ろした。
和也が買ってきたビールを開け二人で乾杯をする。
ビールを口に含むと二人はホッとした。
そして和也から先に口を開いた。
「何だか悪かったね、気を遣わせちゃって・・・折角の休みなのに申し訳なかったね・・・」
「いえいえ、僕が和也さんとゆっくりと話したかったので、こちらこそ、来ていただきありがとうございました」
「和也さん、実は先程の奥さんの話を聞いていて、何だか自分のことを言われているような気がしたんです・・・」
「生意気なようですみません、僕と和也さんは似ているんじゃないかって思ってしまって・・・」
「それで和也さんからもっと話を聞きたいと思いました・・・」
「実は俺もね、ちょっと前から茂君と俺は似てると思っていたんだ・・・」
「だからかな、なんとなく安心感があって茂君には何でもしゃべれそうだ・・.・」.
「実は僕もそうなんです!和也さんにはなぜだか何でも話したくなってしまうんです・・・」
「あの時のお風呂の中でも、車の中でも、普段なら人には言わないことを、和也さんには話してしまったんです・・・」
「そうか・・・じゃあまず俺から話すな・・・」和也は口を開いた。
「二十年くらい前になるかな、茂君はやっと生まれたばかりかな・・・」
「俺は槙田さん、茂君にとっては槙田先生だな・・・槙田さんと同じラグビー部にいたんだ」
「槙田さんは二年上の先輩で三年生、出会った時は俺は一年生で18歳」
「槙田さんは、ラグビーも上手くて、カッコ良くて、まるで俺にとっては雲の上の人だったんだ!」
「槙田さんに誘われて、体の関係を持つようになってね・・・」
「嬉しい反面、どうせただの性処理だろうと疑っていたんだ・・・」
「好きだけど、好きになってはいけないってね・・・」
「そりゃもう苦しかったよ!毎日セックスしていたのに、好きになっちゃいけないなんて!」
「結局、槙田さんは福島に帰っちゃって、それでも会おうとか連絡来てだけど・・・」
「会う意味が見出せず、俺から遠のいたんだ・・・」
「俺は槙田さんの幻影にずっと取り憑かれていたんだ・・・」
「槙田さんのことを好きだという気持ちを封印し・・・」
「それを消すために嫁と付き合いだして結婚もした・・・」
「槙田さんを忘れようと、嫁を愛そうと努力したけど、槙田さんの幻影をずっと追いかけていたのかもしれない・・・」
「俺は嫁を巻き込んでしまった・・・そして子ども達も・・・嫁は俺を愛していたのに俺は嫁には偽りの愛しかなかった・・・」
「そんな真実なんて受け入れられない・・・俺は自分の本音には気が付かないようにしていた・・・」
「上手く愛情があるように振る舞っていたつもりだった・・・」
「でも、嫁にはずっと前から見透かされていたんだね・・・そりゃそうだよね」
和也は茂に一気に話しをしたのだった。
和也は茂の家に持って行く缶ビールを買った。
「いつもありがとうございます」茂は缶ビールの入った袋を持った。
「今日は俺が茂君を付き合わせているんだから、俺の方が申し訳ない・・・」
「和也さん、僕は和也さんの力になれて嬉しいんです!」
茂のマンションは4階建てで茂の部屋は3階部分。
エレベーターはなく階段のみ、築年数はかなり経っているようだが、駅からは徒歩5分以内の立地で便は良かった。
茂の後に付いて和也は階段を登る。
普段は意識していなかったが、まじまじ見る茂の後ろ姿は元ラガーマンだけあって逞しく、和也はドキッとした。
「狭くて汚いところですみません、どうぞお上がりください」
茂の部屋は室内は物は多くなく、こざっぱりしていた。キッチンはミニキッチンで、冷蔵庫はミニ冷蔵庫が備えつけ。
バストイレは別、シングルのベッドにテーブル、低反発のクッションが二つ、備え付けの大きめなクローゼットがあった。
和也はテーブルの前の低反発のクッションに腰を下ろした。
茂は缶ビールを2本だけテーブルの上に置き、残りの缶ビールを冷蔵庫にしまった。
「和也さん暑いですね、今エアコン入れますから」
「悪いね、茂くん・・・お構いなく」和也は茂に声を掛けた。
エアコンの調整をし、茂もテーブルを挟んで、和也の対面に腰を下ろした。
和也が買ってきたビールを開け二人で乾杯をする。
ビールを口に含むと二人はホッとした。
そして和也から先に口を開いた。
「何だか悪かったね、気を遣わせちゃって・・・折角の休みなのに申し訳なかったね・・・」
「いえいえ、僕が和也さんとゆっくりと話したかったので、こちらこそ、来ていただきありがとうございました」
「和也さん、実は先程の奥さんの話を聞いていて、何だか自分のことを言われているような気がしたんです・・・」
「生意気なようですみません、僕と和也さんは似ているんじゃないかって思ってしまって・・・」
「それで和也さんからもっと話を聞きたいと思いました・・・」
「実は俺もね、ちょっと前から茂君と俺は似てると思っていたんだ・・・」
「だからかな、なんとなく安心感があって茂君には何でもしゃべれそうだ・・.・」.
「実は僕もそうなんです!和也さんにはなぜだか何でも話したくなってしまうんです・・・」
「あの時のお風呂の中でも、車の中でも、普段なら人には言わないことを、和也さんには話してしまったんです・・・」
「そうか・・・じゃあまず俺から話すな・・・」和也は口を開いた。
「二十年くらい前になるかな、茂君はやっと生まれたばかりかな・・・」
「俺は槙田さん、茂君にとっては槙田先生だな・・・槙田さんと同じラグビー部にいたんだ」
「槙田さんは二年上の先輩で三年生、出会った時は俺は一年生で18歳」
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「そんな真実なんて受け入れられない・・・俺は自分の本音には気が付かないようにしていた・・・」
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和也は茂に一気に話しをしたのだった。
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