夏から始まる

神崎

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可愛くない女

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 紅子はずっと海外にいて、その現地の人と一度結婚した。妊娠していたからだ。
 しかし紅子はあくまで女王様だった。子供が産まれてもその態度は変わらず、呆れた旦那は子供を連れて出て行ってしまった。
 その根底は、自分には戸崎の血が入っていない。母の連れ子で、父とは他人だから、自分の居場所は自分で作るしかないと思っていたところだった。
 そのためには強くならないといけない。男に負けてはいけない。その考え方が、紅子の強さの仮面を作った。
 だが使用人の母を亡くし、天涯孤独になった影村の存在が紅子を変えた。元々紅子の母は気っ風のいい人だった。母一人子一人になってしまった影村を、信次や蓮と同じように引き取ったのだ。
 籍こそは入っていないが、大学まで影村を行かせた。それに恩義を感じているのだろう。影村もずっとこの家にいた。
 そして紅子の最大の理解者になった。確かに賢いとは言えない。だがその無条件の優しさは、紅子の仮面を一枚ずつ剥いでいく。
「ん……。影村……。そこ……あまりみないで……。」
 全裸になった紅子は、眼鏡を外した影村に横になったまま足を立てられて性器をさらしている。そこに茂みはない。外国ではそこに茂みがあることが嫌われるのだ。
「とても綺麗ですね。紅子さん。」
 影村との歳の差は十ほど。だがそれを感じさせないくらい、影村は紅子を求める。紅子は普段強気で、男を寄せ付けないところがあるため、男は割と紅子を遠回しにみている。だからだろう。紅子はあまり男性経験がない。子供が出来たときも酔った勢いだった。
 だからかもしれないが、年の割にそこを広げると綺麗なピンク色のそれが羞恥心と興奮で濡れ始めている。
 その上にあるところも堅くなっていた。それを指で触れると、紅子は高い声で喘いだ。
「あっ……。」
「ここ、好きですもんね。」
「うん……好きよ。
 その言葉に影村の頬が少し赤くなる。何度もした行為なのに、好きという言葉に反応してしまうのだ。誤魔化すようにそこを撫で上げた。すると濡れ始めていたという性器から、お漏らしでもしたように愛液が溢れる。
 指を突き立てて、中に入れる。温かくて、指なのにぎゅっと締め付けてきた。中を探るように指を突き立てると、声が違うところがある。ここか。影村はその少しザラッとしたところを指で撫で上げた。
「あっ……あっ……影村……影村……。」
 足を上げて、さらに責め上げる。すると紅子は体を震わせて絶頂した。
「ああああ!」
 勢いよく飛び散った愛液が、影村の手とシーツを濡らした。息を切らせている紅子に、影村は優しく唇を合わせた。
 そしてトロンとしている紅子は、譫言のように影村に言った。
「欲しいわ。影村。」
「何て言うんですか。」
「……奥まで突いて欲しい。」
 そのときだった。携帯電話の音が聞こえる。それは紅子のものだった。
「電話ですね。」
「いい……。後で折り返すから、影村のが欲しい。」
 何をおいても仕事を優先していた紅子が、仕事を唯一忘れるときだった。だから邪魔をされたくない。
 ズボンと下着をとりもう暴発しそうなそれに薄いゴムをつけると、再び紅子の上に乗りかかった。そしてもう何でも受け入れそうなそこに自分のモノを押しつける。
「熱い……影村のが熱いわ。」
「紅子さん……。入れる前にキスをして良いですか?」
「して……。あなたからして欲しいの。」
 唇を重ねて、舌を絡ませる。そしてそのまま紅子の中に入っていった。

 こんなに満たされた気分は久しぶりだ。あくまで影村はこのときだけ対等になってくれるのだから。紅子は影村の体を抱きしめる。影村もその体に手を伸ばそうとしたときだった。
 再び紅子の携帯電話の音が鳴った。
「仕事ですかね。」
「さぁ。何かしら。」
 腕を放すと、紅子は体を起こしてテーブルの上に置いてあった携帯電話を手にする。その相手は牡丹だった。
「牡丹?」
 その声に影村は思わず体を起こす。
「……悪かったわよ。ちょっと手が放せなかったから。うん……それで?……え?……蓮が?……えぇ。それは知っているわ。でも……。」
 あまりいい話ではない。さっきまで幸せそうに腕の中にいた紅子の表情がどんどん曇っていく。
 電話を切り、紅子は深くため息をついた。すると後ろから体を抱きしめる腕が伸びてきた。
「紅子さん……。」
「……影村……。蓮はとんでもない子に入れ込んでるわ。」
「……永澤菊子さんですか。」
「どうにかしないといけないわね。」
 そのとき思わず携帯電話を床に落としてしまった。影村の手が後ろから伸び、その大きな乳房の先に触れてきたからだ。
「影……。んっ。こんなところで……。」
「まだ立ってますよ。ほら。ビンビンだ。」
 両方の乳首を摘まれて、ぐりぐりとこね回される。それだけで声がでてしまった。
「あっ……あっ……。」
「紅子さん。足を広げて。」
 吐息が耳にかかり、それだけでも気持ちがいい。自然と足を広がると、さっきまで影村自身が入っていたところに指をはわせた。
「また濡れてきましたよ。ほら。太股にも垂れてます。」
 耳には吐息が、片方の乳首を摘まれ、性器にも指が入れ込まれる。それで無事なわけがない。
「あっ……あっ……。だめだめ……またイく!」
 がくがくと体が震え、テーブルの上に倒れ込みそうだった。それを胸を支えている腕を腰に回して支える。
 ぽたぽたと床に愛液が滴り、紅子は深い絶頂に達した。
 そのまま影村は紅子をテーブルの上に押しつけて、薄いゴムをつけたそれを後ろから入れ込んだ。
「ああああ!いきなり!いきなり奥に!奥……当たってる!」
「さっきよりも絞まってますね。ほら。ここも滴って床を汚してる。紅子さん。言ってくださいよ。今日聞いてないから。」
「何……んっ……。」
「どこが気持ちいいんですか。」
「どこって……あっ!あっ!」
 理性と快楽の狭間で、紅子はぎりぎりだった。そしてついに言ってしまう。
「オ○○コ気持ちいい!影村のチ○コが奥に当たって気持ちいいのぉ。あぁ!イく!イく!」
 紅子はそのまま絶頂を迎え、影村はゆっくりと出て行く。そして紅子をテーブルに座らせると、その唇にキスをした。
「そんな可愛い顔は俺だけしか見せないんですよね。」
「影村だけよ。ん……。あっ!」
 テーブルが少し揺れて、きしむ音がする。その音に紛れて、携帯電話が鳴っていることに二人は気がついていなかった。
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