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兄のように
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荷物を積み終わると蓮は運転席に座り、百合は助手席に座った。
「お祭りって今日もあるのよね。」
本当なら百合に空瓶を任せて蓮があとから帰り、今日のラストまで店をするつもりだった。菊子にプロの演奏を聴かせたかったから。「black cherry」だってプロのバンドなのだ。どんな見せ方をしているのかきっと菊子には良い勉強になると思っていたから。
だがその菊子はいない。さっきメッセージが来て、大将の怪我の具合は大したことはないと言うことだった。だが厨房には二週間立つことは出来ない。その大将の代わりに、棗がフォローをすると言うことになったらしいのだ。
棗は二週間。永澤の家に世話になる。それが条件らしい。きっとその間、菊子に手を出すだろう。そんなことはさせたくない。
「蓮。ちゃんと前を見て。」
ふと見ると赤信号だった。あわててブレーキを踏むと、蓮はため息を付いた。
「心配なのはわかるけど、あたし、あんたと心中はしたくないわ。」
「俺だってまだ死にたくない。」
蓮はそういって煙草に火をつける。
「心配なら、その二週間だっけ?あんたの家に泊まらせればいいのに。」
「バカを言うな。大将がそんな状態で、菊子が来るわけがないだろう。」
「……何で?」
驚いたように百合が聞く。
「高校生を自分の家に住まわせるなんてあまりにも常識に反しているし、それに……菊子の性格上、大将の側にいたいと思うだろう。」
また臆病な顔が見えてきた。昨日棗や昌樹の前から菊子を連れだしたあの勢いはどこに行ったのだろうか。
「蓮。それでも菊子ちゃんを側に置いておいた方がいいんじゃないの?それでなくてもいろんな人から言い寄られているのだから。」
「……。」
「ったく……ぼんぼんなんだから。」
すると蓮はウィンカーをつける。どうやら高速道路には行る前に、コンビニに寄りたいということだろう。
「コーヒーを買って良いか。」
「えぇ。」
煙草も切れそうだ。ついでに買っておこう。駐車場に車をおくと、向こうの方に見覚えのある青い車が停まっていた。そこから降りてきたのは、中本だった。
「中本さん。」
こんなところであうと思わなかったのだろう。中本は笑いながら蓮に近づいてきた。
「おう。どうしたこんなところで二人そろってさ。」
「イベントだったんだよ。出店で出展したのと、ヘルプ。」
「ふーん。もう終わったのか?」
「出店も出番も終わった。今日はプロのバンドがでるらしい。」
コンビニのドアのところにそのイベントのポスターが貼っている。なるほど、このイベントか。前に蓮が好んで演奏していた音楽とはがらっとジャンルが違うように見える。
それだけ柔軟になったのかもしれない。
「中本さんのところ、良い子がいるみたいね。」
「あー。」
梅子が次号の雑誌に載るのだ。その予告として雑誌にちらっと載せていた梅子がぱっと目に付いた人が多かったらしい。
インターネットの世界では、この女の子について憶測が行き交っている。それを百合は知っていたのだろう。
「騒ぎになればそっちも儲かるだろう。新人か?」
蓮はそう聞くと、中本は頭をかいてため息を付いた。
「いいや。実はあの子、どこにも所属してないんだよ。」
「フリーってこと?」
「いいや。まだ未成年でな。都合が悪くなった子の代わりで声をかけたんだけど……こんな騒ぎになると思ってなかったな。」
蓮はその言葉に少し首を傾げた。にたような話を最近聞いた気がしたからだ。
「梅子って子じゃないのか。」
いつか店でそんな仕事を始めたと聞いた。もしかしたらそうなのかもしれない。
「知り合いか?」
中本は焦ったように蓮を見上げる。
「知り合いって言うか……。俺の……恋人の幼なじみでな。」
恋人というのに少し戸惑ったようだ。百合は少しあきれたように蓮をみている。まだそんなレベルで戸惑っているのだ。これではいつ棗に取られてもおかしくない。
「あの子を事務所に入れろって上が言うんだよ。けどな……。」
前に聞いた梅子の話。股が緩く、どんな男でもセックスをさせていた。それから不倫をしていた。その事実が明らかになれば、梅子は住ぐに潰されて脱がなければ価値が出なくなるだろう。
それに上が事務所に入れろと言うのは、梅子が蝶子の娘だからというだけだ。梅子は蝶子によく似ている。だがその売り方が気に入らない。
「なんだかんだ行ってもあとは本人のやる気次第だろう。撮られたくないならしなくても良いし、別の道もあるだろうな。」
それは蓮が自分に言っているような言葉だった。プロのミュージシャンになりたいと思っていた。だが見えたプロの道は自分の望んだ道ではなかった。
それが心残りだったわけじゃない。
仰向けにされて、腰を捕まれる。そしてその奥まで棗は自分を入れ込んだ。
「あー。超気持ちいい。もう何回もしてんのに、このゆるっとした感じも良いな。」
一度射精をしたが、そこから菊子は何度も絶頂に誘われ、もう息が絶え絶えだった。
「お願い……一回休ませて……。」
「何で?」
さらに奥を突かれて、菊子は声を上げた。
「あっ!奥……。」
「奥がいいのか。確かに奥だったらこうやってひっつけるし。」
抜かないままそれをスライドさせる。そのたびにシーツが濡れるくらいの蜜が溢れた。
「嫌らしい奴。こんなに濡れて、こんなに締めて。またイきそうなのか?」
抜き差しする度に、菊子は声を上げる。その動きが激しくなり、菊子はまた絶頂を迎えそうだった。
「あっ!駄目……。」
「捕まれよ。」
菊子の手が棗の首に回される。そして菊子の唇にキスをした。口を開けて舌を絡めながら、菊子はまた絶頂に達した。
「あ……俺も出る。菊子。……んんっ……。」
素早くそれを抜くと、菊子の体を抱き起こした。そして口元にそれを持ってくる。
「くわえて。」
それに口を入れて少し動かすと、すぐ口の中に生温かいものが勢いよく入ってきた。
「あっ……。うん……舌も使って……そう……。吸えよ。」
二度目の割に沢山でている。それから口を離すと、それが口の中にあるまま棗を見上げる。
「飲め。」
「……。」
「イヤか?蓮のだったら飲むんだろ?」
「……。」
喉に入れると、菊子の頬に涙がこぼれた。その様子に棗はさすがにやりすぎたかと、菊子の目の前に座る。
「菊子。」
頬に手を伸ばして、その涙を拭う。
「俺はお前が好きだから。誰にでもこんなことをしてるわけじゃねぇんだよ。それだけは理解してくれ。」
「……私……ずっと……考えてたことがあって……。」
「どうした?」
「……最初の時、棗は言ったんです。最初にあったのが蓮だったから好きになったんだろう。もし最初にあったのが棗だったら、棗を好きになってたのかもしれないって。」
「そうかもしれないな。」
「でも私はたぶん、あとから蓮と知り合っても蓮を好きになってた。一目惚れ……みたいなものだったから。」
「強情な奴だな。でもそれでも俺のも気持ちいいんだろ?」
「……否定はしません。」
体がどうにかなるかと思った。こんなに何度も絶頂する事などないのだから。
「蓮のことが大事なんです。だから……私もうここに来ません。」
そういって菊子はベッドを降りようとした。だがその体を棗は抱き寄せた。
「棗……。」
「だったら俺の前の時だけ、俺のものになれよ。蓮はあぁいう奴だ。お前をきっとおざなりにする。お前はきっと寂しくなる。そのとき、俺が受け口になってやるから。」
そういって棗は菊子の唇にキスをする。それは今までの中で一番優しいものだった。
「お祭りって今日もあるのよね。」
本当なら百合に空瓶を任せて蓮があとから帰り、今日のラストまで店をするつもりだった。菊子にプロの演奏を聴かせたかったから。「black cherry」だってプロのバンドなのだ。どんな見せ方をしているのかきっと菊子には良い勉強になると思っていたから。
だがその菊子はいない。さっきメッセージが来て、大将の怪我の具合は大したことはないと言うことだった。だが厨房には二週間立つことは出来ない。その大将の代わりに、棗がフォローをすると言うことになったらしいのだ。
棗は二週間。永澤の家に世話になる。それが条件らしい。きっとその間、菊子に手を出すだろう。そんなことはさせたくない。
「蓮。ちゃんと前を見て。」
ふと見ると赤信号だった。あわててブレーキを踏むと、蓮はため息を付いた。
「心配なのはわかるけど、あたし、あんたと心中はしたくないわ。」
「俺だってまだ死にたくない。」
蓮はそういって煙草に火をつける。
「心配なら、その二週間だっけ?あんたの家に泊まらせればいいのに。」
「バカを言うな。大将がそんな状態で、菊子が来るわけがないだろう。」
「……何で?」
驚いたように百合が聞く。
「高校生を自分の家に住まわせるなんてあまりにも常識に反しているし、それに……菊子の性格上、大将の側にいたいと思うだろう。」
また臆病な顔が見えてきた。昨日棗や昌樹の前から菊子を連れだしたあの勢いはどこに行ったのだろうか。
「蓮。それでも菊子ちゃんを側に置いておいた方がいいんじゃないの?それでなくてもいろんな人から言い寄られているのだから。」
「……。」
「ったく……ぼんぼんなんだから。」
すると蓮はウィンカーをつける。どうやら高速道路には行る前に、コンビニに寄りたいということだろう。
「コーヒーを買って良いか。」
「えぇ。」
煙草も切れそうだ。ついでに買っておこう。駐車場に車をおくと、向こうの方に見覚えのある青い車が停まっていた。そこから降りてきたのは、中本だった。
「中本さん。」
こんなところであうと思わなかったのだろう。中本は笑いながら蓮に近づいてきた。
「おう。どうしたこんなところで二人そろってさ。」
「イベントだったんだよ。出店で出展したのと、ヘルプ。」
「ふーん。もう終わったのか?」
「出店も出番も終わった。今日はプロのバンドがでるらしい。」
コンビニのドアのところにそのイベントのポスターが貼っている。なるほど、このイベントか。前に蓮が好んで演奏していた音楽とはがらっとジャンルが違うように見える。
それだけ柔軟になったのかもしれない。
「中本さんのところ、良い子がいるみたいね。」
「あー。」
梅子が次号の雑誌に載るのだ。その予告として雑誌にちらっと載せていた梅子がぱっと目に付いた人が多かったらしい。
インターネットの世界では、この女の子について憶測が行き交っている。それを百合は知っていたのだろう。
「騒ぎになればそっちも儲かるだろう。新人か?」
蓮はそう聞くと、中本は頭をかいてため息を付いた。
「いいや。実はあの子、どこにも所属してないんだよ。」
「フリーってこと?」
「いいや。まだ未成年でな。都合が悪くなった子の代わりで声をかけたんだけど……こんな騒ぎになると思ってなかったな。」
蓮はその言葉に少し首を傾げた。にたような話を最近聞いた気がしたからだ。
「梅子って子じゃないのか。」
いつか店でそんな仕事を始めたと聞いた。もしかしたらそうなのかもしれない。
「知り合いか?」
中本は焦ったように蓮を見上げる。
「知り合いって言うか……。俺の……恋人の幼なじみでな。」
恋人というのに少し戸惑ったようだ。百合は少しあきれたように蓮をみている。まだそんなレベルで戸惑っているのだ。これではいつ棗に取られてもおかしくない。
「あの子を事務所に入れろって上が言うんだよ。けどな……。」
前に聞いた梅子の話。股が緩く、どんな男でもセックスをさせていた。それから不倫をしていた。その事実が明らかになれば、梅子は住ぐに潰されて脱がなければ価値が出なくなるだろう。
それに上が事務所に入れろと言うのは、梅子が蝶子の娘だからというだけだ。梅子は蝶子によく似ている。だがその売り方が気に入らない。
「なんだかんだ行ってもあとは本人のやる気次第だろう。撮られたくないならしなくても良いし、別の道もあるだろうな。」
それは蓮が自分に言っているような言葉だった。プロのミュージシャンになりたいと思っていた。だが見えたプロの道は自分の望んだ道ではなかった。
それが心残りだったわけじゃない。
仰向けにされて、腰を捕まれる。そしてその奥まで棗は自分を入れ込んだ。
「あー。超気持ちいい。もう何回もしてんのに、このゆるっとした感じも良いな。」
一度射精をしたが、そこから菊子は何度も絶頂に誘われ、もう息が絶え絶えだった。
「お願い……一回休ませて……。」
「何で?」
さらに奥を突かれて、菊子は声を上げた。
「あっ!奥……。」
「奥がいいのか。確かに奥だったらこうやってひっつけるし。」
抜かないままそれをスライドさせる。そのたびにシーツが濡れるくらいの蜜が溢れた。
「嫌らしい奴。こんなに濡れて、こんなに締めて。またイきそうなのか?」
抜き差しする度に、菊子は声を上げる。その動きが激しくなり、菊子はまた絶頂を迎えそうだった。
「あっ!駄目……。」
「捕まれよ。」
菊子の手が棗の首に回される。そして菊子の唇にキスをした。口を開けて舌を絡めながら、菊子はまた絶頂に達した。
「あ……俺も出る。菊子。……んんっ……。」
素早くそれを抜くと、菊子の体を抱き起こした。そして口元にそれを持ってくる。
「くわえて。」
それに口を入れて少し動かすと、すぐ口の中に生温かいものが勢いよく入ってきた。
「あっ……。うん……舌も使って……そう……。吸えよ。」
二度目の割に沢山でている。それから口を離すと、それが口の中にあるまま棗を見上げる。
「飲め。」
「……。」
「イヤか?蓮のだったら飲むんだろ?」
「……。」
喉に入れると、菊子の頬に涙がこぼれた。その様子に棗はさすがにやりすぎたかと、菊子の目の前に座る。
「菊子。」
頬に手を伸ばして、その涙を拭う。
「俺はお前が好きだから。誰にでもこんなことをしてるわけじゃねぇんだよ。それだけは理解してくれ。」
「……私……ずっと……考えてたことがあって……。」
「どうした?」
「……最初の時、棗は言ったんです。最初にあったのが蓮だったから好きになったんだろう。もし最初にあったのが棗だったら、棗を好きになってたのかもしれないって。」
「そうかもしれないな。」
「でも私はたぶん、あとから蓮と知り合っても蓮を好きになってた。一目惚れ……みたいなものだったから。」
「強情な奴だな。でもそれでも俺のも気持ちいいんだろ?」
「……否定はしません。」
体がどうにかなるかと思った。こんなに何度も絶頂する事などないのだから。
「蓮のことが大事なんです。だから……私もうここに来ません。」
そういって菊子はベッドを降りようとした。だがその体を棗は抱き寄せた。
「棗……。」
「だったら俺の前の時だけ、俺のものになれよ。蓮はあぁいう奴だ。お前をきっとおざなりにする。お前はきっと寂しくなる。そのとき、俺が受け口になってやるから。」
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