好きだから

葉津緒

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【番外編】※蛇足(小ネタ)

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【番外編※蛇足①】




「平凡くんってさ、生き別れの姉や従姉とかいたりする?」

「え、多分いないけど。副総長さん、いきなりどしたの?」

「いやー俺の彼女と平凡くん、めっちゃ似ててさ。あ、顔立ちは全然違うんだけど雰囲気とか反応とか笑いのツボとか? だから俺、二人はきっと生き別れの姉弟なんじゃないかと思うんだよねー。今度DNA鑑定してみない?」

「しません」


といった平凡くんとの日常会話や、


「でさー、平凡くんに毎日『総長、大好き。愛してます!』って言われるのがたまんないからってうちの総長、わざと平凡くんに素っ気ない態度とるんだよね。子供かよって思わない? 好きな子に意地悪してる幼稚園児か小学生っしょ。でもぉ平凡くんがまた、からかうと面白くってさー。そういやこないだ平凡くんがねー」


などという話を最近よく彼女にしていたらなぜか猛烈に嫉妬されてしまった副総長。
誤解を解くため彼女に平凡くんを会わせる約束をさせられて……。
頼んだらあっさりOKしてくれた平凡くんと、何かしらの決意を胸に秘めて待ち合わせ場所に現れた彼女。
すわ、修羅場か!?

と思われたのだが。


「やだっ、可愛い。平凡くんすっごく可愛いよ。何これ、え、嘘。どうしようまるで赤の他人とは思えないんだけど。ねえねえ、本当にお姉さんの弟にならない?」

「えええっ、そんな、あの。俺もお姉さんのこと、ほ、本当のお姉ちゃんみたいな気がしてきたけど……でも、その」

「うふふふ、嬉しい。じゃあこれから私のことは『お姉ちゃん』って呼んでくれる?」

「お、お姉ちゃん……!」


彼氏を放置して盛り上がる二人の姿がそこにはあった。
ちょっぴり寂しい気もするけれど、(副総長にとって)可愛い二人が嬉し恥ずかしそうに抱き合ったり手を繋いだりとはしゃぐ光景は、そりゃもう御褒美でしかない。


「こんなに二人が喜ぶなんて、会わせてあげて本当に良かったなー。しかも平凡くんが彼女の『弟』になるなら当然俺の『弟』でもあるよね。えへへへ、俺も『お兄ちゃん』って呼んでもーらおっ♪」


残念ながらその希望は却下されることになるのだが、今はひたすらニマニマと眺め続ける副総長だった。


.
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