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そういえば最初にこんな変な嫌がらせを始めたのは、会計さまだったような?
発端は確か一週間くらい前の昼食時。
いきなり食堂のテーブルの上に巨大な蜘蛛が現れたんです。
それが大嫌いだった僕は恐怖のあまり酷いパニックに陥ってしまった。
あれは会計さまが、邪魔な僕を珠紀くんから遠ざけるつもりで、おもちゃの蜘蛛を放ったんだって後から本人に聞かされたけど。
その時の僕は蜘蛛が怖過ぎて、泣きながらみっともなく悲鳴をあげ、ガタガタ震えながら近くの人(僕の後ろにいた会計さま)にしがみついた……ような気がします。
多分。
本当は、恥ずかしいからよく覚えてません。
だって必死だったし。
食堂二階にある、本来は生徒会役員や風紀委員長など特別な人しか入れない場所。
そこで僕なんかが騒いだから、下で食事をしていた他の生徒達も驚いたんだと思う。
しばらくして落ち着いたら、何故か珠紀くんも生徒会の人も一般の生徒達も目を見開いて僕を凝視してた。
「…………え?」
不気味なほど静まり返った食堂に、僕の小さな声だけが妙に響いて。
その途端、隣の席で座って見ていた珠紀くんが我に返ったように
「だ、大丈夫かッ睦実(むつみ)!?」
と叫んで僕を引っ張ったんだ。
そのままベリッと会計さまから剥がされ、珠紀くんがぎゅうぎゅう痛いくらいに僕を抱きしめるものだから、その後は……。
いつものように皆様から
「た、珠紀から離れろ平凡!」
「珠紀が汚れます」
「……珠紀、ダメ……」
と罵られ、そんな彼らを見ていた親衛隊の人達からも悲鳴が聞こえたり睨まれたり。
それは本当に普段通り過ぎて、だから会計さまの異変に気付かなかったんです。
真っ赤な顔をした彼が、僕がしがみついた時の体勢のまま暫くピクリとも動かずにいたなんて――。
***
食堂での巨大蜘蛛パニック事件(命名=僕)があった翌日、学校の廊下を歩いていたら突然空き教室に連れ込まれました。
それも、急に横から腕を引っ張られたせいで思いきり床の上にすっ転んだし。
何とか痛みに耐えて顔を上げれば、眼前にまたもや巨大蜘蛛。
「ひっ!?」
思わず悲鳴を上げて後退り、泣きながら背後にいた人にしがみつく。
だだだって本当に怖くて気持ち悪いし死ぬほど大嫌いなんだもの。
今にも襲い掛かって来そうな巨大蜘蛛から少しでも身を隠そうと、ぶるぶる震える手で「誰か」のシャツを必死に握りしめた。
そのまま出来るだけ奴を見ないよう、掴んだ布の中に顔を埋める。
そしたら何故か頭上で「ぶふっ」と笑いを堪えるような声が。
え?
と不思議に思って見上げた先には
ハァハァと息の荒い会計さまがいらっしゃいました。
「何これヤバ過ぎ、怯えた泣き顔とかマジでクるー!」
「は? え、あの……ひゃあぁぁんッ」
そのまま押し倒され衣服を脱がされかけ、な、何故か身体中あちこち触られまくったけれど。
幸い、直後に僕の悲鳴を聞き付けた風紀委員長さまが助けてくださって。
でも会計さまに触られたせいで出た、女の子みたいな変な声も聞かれてしまい正直、恥ずかしかったです……。
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発端は確か一週間くらい前の昼食時。
いきなり食堂のテーブルの上に巨大な蜘蛛が現れたんです。
それが大嫌いだった僕は恐怖のあまり酷いパニックに陥ってしまった。
あれは会計さまが、邪魔な僕を珠紀くんから遠ざけるつもりで、おもちゃの蜘蛛を放ったんだって後から本人に聞かされたけど。
その時の僕は蜘蛛が怖過ぎて、泣きながらみっともなく悲鳴をあげ、ガタガタ震えながら近くの人(僕の後ろにいた会計さま)にしがみついた……ような気がします。
多分。
本当は、恥ずかしいからよく覚えてません。
だって必死だったし。
食堂二階にある、本来は生徒会役員や風紀委員長など特別な人しか入れない場所。
そこで僕なんかが騒いだから、下で食事をしていた他の生徒達も驚いたんだと思う。
しばらくして落ち着いたら、何故か珠紀くんも生徒会の人も一般の生徒達も目を見開いて僕を凝視してた。
「…………え?」
不気味なほど静まり返った食堂に、僕の小さな声だけが妙に響いて。
その途端、隣の席で座って見ていた珠紀くんが我に返ったように
「だ、大丈夫かッ睦実(むつみ)!?」
と叫んで僕を引っ張ったんだ。
そのままベリッと会計さまから剥がされ、珠紀くんがぎゅうぎゅう痛いくらいに僕を抱きしめるものだから、その後は……。
いつものように皆様から
「た、珠紀から離れろ平凡!」
「珠紀が汚れます」
「……珠紀、ダメ……」
と罵られ、そんな彼らを見ていた親衛隊の人達からも悲鳴が聞こえたり睨まれたり。
それは本当に普段通り過ぎて、だから会計さまの異変に気付かなかったんです。
真っ赤な顔をした彼が、僕がしがみついた時の体勢のまま暫くピクリとも動かずにいたなんて――。
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食堂での巨大蜘蛛パニック事件(命名=僕)があった翌日、学校の廊下を歩いていたら突然空き教室に連れ込まれました。
それも、急に横から腕を引っ張られたせいで思いきり床の上にすっ転んだし。
何とか痛みに耐えて顔を上げれば、眼前にまたもや巨大蜘蛛。
「ひっ!?」
思わず悲鳴を上げて後退り、泣きながら背後にいた人にしがみつく。
だだだって本当に怖くて気持ち悪いし死ぬほど大嫌いなんだもの。
今にも襲い掛かって来そうな巨大蜘蛛から少しでも身を隠そうと、ぶるぶる震える手で「誰か」のシャツを必死に握りしめた。
そのまま出来るだけ奴を見ないよう、掴んだ布の中に顔を埋める。
そしたら何故か頭上で「ぶふっ」と笑いを堪えるような声が。
え?
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「何これヤバ過ぎ、怯えた泣き顔とかマジでクるー!」
「は? え、あの……ひゃあぁぁんッ」
そのまま押し倒され衣服を脱がされかけ、な、何故か身体中あちこち触られまくったけれど。
幸い、直後に僕の悲鳴を聞き付けた風紀委員長さまが助けてくださって。
でも会計さまに触られたせいで出た、女の子みたいな変な声も聞かれてしまい正直、恥ずかしかったです……。
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