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番外編1
ミサモエス・ラーダ18
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「お父様、お母様、本当なの?」
「ミサ、もう我々にはどうすることも出来ない。ミサだけじゃない、今回のことで皆、家族と別れることになったんだ…反省しなさい」
「そうよ、あなたが滅茶苦茶にしたの」
ずっと何も言わなかった母はそう言って、涙を零した。
「お母様?」
「本当に酷い子、皆の家族を離れ離れにしておいて、悪いとも思っていないなんて。マリスアル、ソースル、ユアラノン、本当にごめんなさい」
「お母様…」
「ミサ、修道院には多くは持っていけない。今の内に本当に必要な物だけ準備しておきなさい」
「…」
ミサモエスは今まで優しいだけの母しか知らず、怒られたこともなかったことから、酷くショックを受け、部屋に戻って行った。
両親もすまなかったと頭を下げ、きょうだいだけとなった。
「謝るとはね…」
「ああ、さすがに反省したんだろうな」
「それに引き換え、ミサモエスは最後まで謝りもしなかったわね、妃殿下には謝る謝ると言いながら!殴り付けてやりたいと何度も思ったことか」
「ジースト伯爵とエールトのことは一言も言わなかったわね…」
「気持ち悪いくらいにな」
「きっともう違う次元になっているんじゃない?」
元から妹が分からない三人だったが、ますます分からなくなった。
その後、修道院を探したり、金策のために売れる物は買い取って貰っていた、そんなある日、クオス伯爵家を訪ねて来たのはサリーの侍女であるリビアナ・ゾーイであった。実はユアラノンとは同級生である。
「リビアナ?」
「久し振りね、ユアラノン」
「ええ、どうしたの?」
「あなた、離縁する気?」
「えっ、どうして…」
「ごきげんよう。サリー王太子妃殿下からの伝言を預かって参りました、侍女のリビアナ・ゾーイでございます」
『リビアナ・ゾーイに伝言を頼みました、お聞き届けいただけると幸いです。サリー・オールソン』という王家の書状を向けた。
「承知しました。少々お待ちください」
マリスアルは金策のために外出していたので、ソースルを慌てて呼びに行き、リビアナの前に立った。
「「お願いいたします」」
「『王太子殿下が何か言ったようですが、ご家族は関係ありません。爵位の返上や、離縁などしなくていいですから』とのことです」
「ですが」
「妃殿下が懲らしめる?いえ、王太子妃の代理をして欲しいとおっしゃったのは、相応しいと何度も何度も発言したミサモエスだけだと、他に思うことはないと伝えて欲しいと頼まれたのです」
サリーはクオス伯爵が、ミサモエスが王家の招待を外されて、事情を聞きに来たことを知り、兄と姉たちも既に結婚していることから、ユアラノンと同級生だったというリビアナに、離縁する気なら止めて来て欲しいと、慌ててクオス伯爵家に行かせたのだ。責任問題は当人であって、家族は関係ない。
「王太子殿下も同じお考えですか」
「この件に関して、決定権は妃殿下にあります。ミサモエスは更生施設などはいかがでしょうか。あちらは修道院と違い、更生するまで出られない場所ですよね?」
「はい、辺境にもあります」
「更生した暁には、修道院なり、ご家族が面倒を看るなり、王太子殿下の要望も叶うと思います」
これは殿下ではなく、クオス伯爵家に行くという報告をしたクリコットからお勧めされた行き先であった。心身ともに鍛える場所だそうだ。
ユアラノンの嫁いだ辺境に厳しいと評判の更生施設がある。
「それでは…申し訳が立ちません」
「妃殿下はミサモエス以外には、一切思うところはないのです」
「ではせめて謝罪を、機会を与えてはいただけませんか。慰謝料もお支払いしたいのです」
「いいえ、謝罪をされてもこの件に関しては許すということはないので、慰謝料も必要ないということです」
「ですが」
「謝罪というのは、発言した者が指摘される前にすべきだった、そういう意味です」
「……はい」「はい」
そうだ、何て愚かなことを言ってしまったのだと二人は反省した。謝らなくてはいけなくなったと言われて、謝られても、反省を感じることは出来ないだろう。
「反故にされると、それこそ妃殿下の意向に背いたことになります。では、よろしくお願いいたします」
リビアナはサリーからの初任務に意気揚々と帰って行った。
「ミサ、もう我々にはどうすることも出来ない。ミサだけじゃない、今回のことで皆、家族と別れることになったんだ…反省しなさい」
「そうよ、あなたが滅茶苦茶にしたの」
ずっと何も言わなかった母はそう言って、涙を零した。
「お母様?」
「本当に酷い子、皆の家族を離れ離れにしておいて、悪いとも思っていないなんて。マリスアル、ソースル、ユアラノン、本当にごめんなさい」
「お母様…」
「ミサ、修道院には多くは持っていけない。今の内に本当に必要な物だけ準備しておきなさい」
「…」
ミサモエスは今まで優しいだけの母しか知らず、怒られたこともなかったことから、酷くショックを受け、部屋に戻って行った。
両親もすまなかったと頭を下げ、きょうだいだけとなった。
「謝るとはね…」
「ああ、さすがに反省したんだろうな」
「それに引き換え、ミサモエスは最後まで謝りもしなかったわね、妃殿下には謝る謝ると言いながら!殴り付けてやりたいと何度も思ったことか」
「ジースト伯爵とエールトのことは一言も言わなかったわね…」
「気持ち悪いくらいにな」
「きっともう違う次元になっているんじゃない?」
元から妹が分からない三人だったが、ますます分からなくなった。
その後、修道院を探したり、金策のために売れる物は買い取って貰っていた、そんなある日、クオス伯爵家を訪ねて来たのはサリーの侍女であるリビアナ・ゾーイであった。実はユアラノンとは同級生である。
「リビアナ?」
「久し振りね、ユアラノン」
「ええ、どうしたの?」
「あなた、離縁する気?」
「えっ、どうして…」
「ごきげんよう。サリー王太子妃殿下からの伝言を預かって参りました、侍女のリビアナ・ゾーイでございます」
『リビアナ・ゾーイに伝言を頼みました、お聞き届けいただけると幸いです。サリー・オールソン』という王家の書状を向けた。
「承知しました。少々お待ちください」
マリスアルは金策のために外出していたので、ソースルを慌てて呼びに行き、リビアナの前に立った。
「「お願いいたします」」
「『王太子殿下が何か言ったようですが、ご家族は関係ありません。爵位の返上や、離縁などしなくていいですから』とのことです」
「ですが」
「妃殿下が懲らしめる?いえ、王太子妃の代理をして欲しいとおっしゃったのは、相応しいと何度も何度も発言したミサモエスだけだと、他に思うことはないと伝えて欲しいと頼まれたのです」
サリーはクオス伯爵が、ミサモエスが王家の招待を外されて、事情を聞きに来たことを知り、兄と姉たちも既に結婚していることから、ユアラノンと同級生だったというリビアナに、離縁する気なら止めて来て欲しいと、慌ててクオス伯爵家に行かせたのだ。責任問題は当人であって、家族は関係ない。
「王太子殿下も同じお考えですか」
「この件に関して、決定権は妃殿下にあります。ミサモエスは更生施設などはいかがでしょうか。あちらは修道院と違い、更生するまで出られない場所ですよね?」
「はい、辺境にもあります」
「更生した暁には、修道院なり、ご家族が面倒を看るなり、王太子殿下の要望も叶うと思います」
これは殿下ではなく、クオス伯爵家に行くという報告をしたクリコットからお勧めされた行き先であった。心身ともに鍛える場所だそうだ。
ユアラノンの嫁いだ辺境に厳しいと評判の更生施設がある。
「それでは…申し訳が立ちません」
「妃殿下はミサモエス以外には、一切思うところはないのです」
「ではせめて謝罪を、機会を与えてはいただけませんか。慰謝料もお支払いしたいのです」
「いいえ、謝罪をされてもこの件に関しては許すということはないので、慰謝料も必要ないということです」
「ですが」
「謝罪というのは、発言した者が指摘される前にすべきだった、そういう意味です」
「……はい」「はい」
そうだ、何て愚かなことを言ってしまったのだと二人は反省した。謝らなくてはいけなくなったと言われて、謝られても、反省を感じることは出来ないだろう。
「反故にされると、それこそ妃殿下の意向に背いたことになります。では、よろしくお願いいたします」
リビアナはサリーからの初任務に意気揚々と帰って行った。
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