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番外編1
エマ・ネイリー11
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だが、レベッカ様が側妃見習いになったと発表され、これは私に側妃になれと運命が言っているのだと思い、殿下にも手紙を出したが、戻って来てしまった。
殿下に会えないことから、私に殿下と結婚して欲しいと言っていたサリー様ならと思い、会いに行った。
そこでクリコット様もしきりに言っていた三ヶ国語が正妃にも側妃にも必要だと初めて知った。高位貴族でもない私が出来るはずもないのに、とても意地悪な言い方で、可哀想だと思ったのを返して欲しいとすら思った。
そのことでようやく手放さなかった理由が分かった。三ヶ国語なんて、出来る者がいないから婚約解消とはならなかったのだ。
愛妾のことも聞いたが、閨をするのは殿下と決めていたからいいが、表舞台には出られないのは嫌だった。私は好意を持たれているのだから、寵愛を受けているという立ち位置にいたのに、出られなくなったら周りに伝わらない。
殿下には自分に素直になって生きて貰いたい。だからきっと殿下も愛妾になどさせないと、断ったのだろう。
サリー様がキスのことを知っていたのには驚いた。二人だけの秘密だと思い、誰もに話さなかった。
周りには誰もいなかったはずだから、殿下が告白したのだと思った、どんな風に言ったのだろうかと考えるだけで、笑みが零れそうにはなったが、サリー様は私だけが寵愛を受けているのが面白くないのか、他にもいるなどと嘘を言い、必死なのだなと、やっぱり可哀想な人だと思った。
その後、サリー様を怒らせてしまったようで、追い返されてしまったが、子どもが出来ないことで苛立っていたのだろう。
勝手に王宮に行ったことを父に怒られてしまったが、父も本当は王太子妃になって欲しかったのだと思う。でもなれなかったことで、せめて側妃にはと思ったが、三ヵ国語のことを聞いて、諦めざる得ないから厳しいことを言うのだ。
クリコット様にもまた怒られて、私でなくてもいいとまで言われてしまった。確かに子爵家よりも裕福な相手はいるだろう、でも好意を持った者がいいに決まっているのに、高位貴族のせいか分かっていない。
話せる人は凄いと思っているのは事実で、サリー様は母国語と合わせると六ヶ国語話せるという。そんなこと知らなかった、だから縁談の相手が、私も堪能だと考え、しきりに聞いていたのだとようやく分かった。
三ヶ国語で凄いのに、六ヶ国語も話せるのならば、殿下は手放すわけにはいかなかっただろう。私が代わりに出来ることなら良かったのに、どうして言語なんて。
私は別のことでお支えすればいい、功績による免除にして、通訳を付けてくれればいいじゃないかと思った。
「確かに一人だけ免除という言葉ではありませんが、功績をお持ちになっており、アペラ語しか話せなかったものの、側妃になった方がいらっしゃいます」
「やっぱり!」
「大変優秀なお医者様だったそうです」
彼女はパリエ・ノークと言い、伯爵令嬢だった。医者を志し、留学のためにアペラ語だけは取得した、だが災害で裕福だった家が傾き、家族思いの彼女は医師を辞めて、嫁がなければならなくなってしまった。
そこで阻止したのが同級生だった、当時の王太子だった。三ヶ国語は難しいが、医師としての人望もあり、特例として、側妃になることになり、側妃の実家ということで助けてくれる人も増えた。
王太子妃も彼女とは元々親しく、結婚する気はなく、一生医師でありたいという彼女の願いを知っており、進んで側妃の説得を行った。そう、陛下とは白い結婚であったのだが、知られてはいない。
エマの希望は一瞬で消え去り、さすがに医者が賢いことは理解したようである。
殿下に会えないことから、私に殿下と結婚して欲しいと言っていたサリー様ならと思い、会いに行った。
そこでクリコット様もしきりに言っていた三ヶ国語が正妃にも側妃にも必要だと初めて知った。高位貴族でもない私が出来るはずもないのに、とても意地悪な言い方で、可哀想だと思ったのを返して欲しいとすら思った。
そのことでようやく手放さなかった理由が分かった。三ヶ国語なんて、出来る者がいないから婚約解消とはならなかったのだ。
愛妾のことも聞いたが、閨をするのは殿下と決めていたからいいが、表舞台には出られないのは嫌だった。私は好意を持たれているのだから、寵愛を受けているという立ち位置にいたのに、出られなくなったら周りに伝わらない。
殿下には自分に素直になって生きて貰いたい。だからきっと殿下も愛妾になどさせないと、断ったのだろう。
サリー様がキスのことを知っていたのには驚いた。二人だけの秘密だと思い、誰もに話さなかった。
周りには誰もいなかったはずだから、殿下が告白したのだと思った、どんな風に言ったのだろうかと考えるだけで、笑みが零れそうにはなったが、サリー様は私だけが寵愛を受けているのが面白くないのか、他にもいるなどと嘘を言い、必死なのだなと、やっぱり可哀想な人だと思った。
その後、サリー様を怒らせてしまったようで、追い返されてしまったが、子どもが出来ないことで苛立っていたのだろう。
勝手に王宮に行ったことを父に怒られてしまったが、父も本当は王太子妃になって欲しかったのだと思う。でもなれなかったことで、せめて側妃にはと思ったが、三ヵ国語のことを聞いて、諦めざる得ないから厳しいことを言うのだ。
クリコット様にもまた怒られて、私でなくてもいいとまで言われてしまった。確かに子爵家よりも裕福な相手はいるだろう、でも好意を持った者がいいに決まっているのに、高位貴族のせいか分かっていない。
話せる人は凄いと思っているのは事実で、サリー様は母国語と合わせると六ヶ国語話せるという。そんなこと知らなかった、だから縁談の相手が、私も堪能だと考え、しきりに聞いていたのだとようやく分かった。
三ヶ国語で凄いのに、六ヶ国語も話せるのならば、殿下は手放すわけにはいかなかっただろう。私が代わりに出来ることなら良かったのに、どうして言語なんて。
私は別のことでお支えすればいい、功績による免除にして、通訳を付けてくれればいいじゃないかと思った。
「確かに一人だけ免除という言葉ではありませんが、功績をお持ちになっており、アペラ語しか話せなかったものの、側妃になった方がいらっしゃいます」
「やっぱり!」
「大変優秀なお医者様だったそうです」
彼女はパリエ・ノークと言い、伯爵令嬢だった。医者を志し、留学のためにアペラ語だけは取得した、だが災害で裕福だった家が傾き、家族思いの彼女は医師を辞めて、嫁がなければならなくなってしまった。
そこで阻止したのが同級生だった、当時の王太子だった。三ヶ国語は難しいが、医師としての人望もあり、特例として、側妃になることになり、側妃の実家ということで助けてくれる人も増えた。
王太子妃も彼女とは元々親しく、結婚する気はなく、一生医師でありたいという彼女の願いを知っており、進んで側妃の説得を行った。そう、陛下とは白い結婚であったのだが、知られてはいない。
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